本記事では、東大和市職員採用試験の面接対策で必要な、東大和市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
東大和市役所の面接では、「なぜ東大和市を志望したのか」、「市役所の仕事で何に取り組みたいのか」、「これまでの経験を市政でどう活かすのか」といった質問が想定されます。東大和市の採用試験は面接試験を2回課し、そのうち1回をWebで実施する構成になっており、この形に合わせた準備が必要です。
本記事の内容を手がかりに、自分の経験と東大和市政の接点を整理し、回答づくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
東大和市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは東大和市の全体像を確認しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 東京都の多摩地域北部にある市で、東村山市、武蔵村山市、立川市、小平市、そして埼玉県所沢市と接している。都県境に面した位置にある。
- 総面積は13.42km²、人口は84,989人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、人口密度は6,333人/km²。
- 市の花はツツジ、市の木はケヤキ。市役所は中央三丁目にあり、採用を担当するのは政策経営部人事課人事係。
- 令和8年度の職員採用試験(令和9年4月1日採用)は第一次から第三次までの3段階で、面接試験が2回、うち第二次はWebで実施される。
- 一般事務(Ⅰ類)の第一次試験はテストセンター方式で、SPI教養試験とSPI性格適性検査が課される。土木技術・建築技術は市役所で記述式の専門試験を受ける。
- 採用予定は一般事務(Ⅰ類)が15人程度、一般事務(障害者枠)・土木技術・建築技術は各若干名。応募資格に学歴要件はない。
- 申込は官公庁・自治体求人サイト「パブリックコネクト」から行い、募集要項には試験エントリーフォームに「東大和市の志望動機等の設問があります。」と明記されている。
- 内定者が入職時期を選べる入職日選択制度があり、キャリアプランやライフプランに合わせて令和9年7月1日または同年10月1日の入職を選ぶこともできる。
- 募集要項は通常業務以外の業務として、緊急時の避難所開設と災害対応、被災地への職員派遣、多摩湖駅伝大会やロードレース大会と選挙の従事、繁忙期の応援事務を挙げている。
東大和市の基礎データ
統計そのものを暗唱できなくてもかまいませんが、東大和市がどれくらいの規模で、どんな条件を抱えた市なのかを一言で言えることは面接の土台になります。
下の表は、市そのものの数値と、比較の手がかりになる東京都全体の数値を並べたものです。市単独の統計と都の統計は集計の方法も時点も異なりますので、順位づけではなく「桁の見当をつける」ために使ってください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 84,989人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 13.42km² |
| 人口密度 | 6,333人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 高齢化率(住民基本台帳) | 27.8%(令和8年1月1日現在)/75歳以上は17.1% |
| 隣接自治体 | 東村山市、武蔵村山市、立川市、小平市、埼玉県所沢市 |
| 市役所所在地 | 〒207-8585 東京都東大和市中央3丁目930番地 |
| 市の花・市の木 | ツツジ/ケヤキ |
| (参考)東京都の総人口 | 14,273,066人(令和7年10月1日現在の推計) |
| (参考)都の人口の地域別内訳 | 区部9,947,644人、市部4,249,936人、郡部53,258人、島部22,228人 |
| (参考)東京都の総面積 | 2,194km²(全国で3番目の小ささ) |
| (参考)東京都の高齢化率 | 23.4%(令和7年9月15日現在の推計) |
東大和市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに当研究会が整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市の高齢化率と75歳以上の割合は、総務省が住民基本台帳をもとに集計した令和8年1月1日現在の値です。東京都の総人口・地域別内訳・高齢化率は都の推計にもとづく値で、市の住民基本台帳の値とは集計の系統が異なりますので、差を引き算して読むことは避けてください。市の最新の統計は東大和市公式サイトであわせてご確認ください。
市部の一員としての東大和市
東京都の人口は令和7年10月1日現在の推計で14,273,066人ですが、その内訳を見ると区部に9,947,644人、市部に4,249,936人が暮らしています。人口のおよそ7割が23区に集中しているということです。(出典:東京都の人口(推計)|令和7年10月1日現在)
東大和市の84,989人は、この市部4,249,936人のうちのおよそ2.0%にあたります。
同じ東京都でも、市部の市役所が向き合う相手は、23区の区役所とも都庁とも規模が違うということです。
都の施策をそのまま市域に持ち込むのではなく、8万人規模の暮らしに合う形に組み替えるところに、市職員の仕事があります。
面積13.42km²という市域も押さえておきたい条件です。都全体の2,194km²と比べれば0.6%ほどの広さで、市の端から端まで移動するのに時間はかかりません。
市民との距離が近い一方で、施設を一つ増やすにも既にある土地の使い方との調整が必要になります。志望動機を話すときに、この市域の感覚を一言添えられると説得力が変わります。
東大和市の経済・産業
東京都の経済規模という前提
確認した東大和市公式サイトの統計のページと令和8年度の募集要項の範囲では、市単独の市民経済計算にあたる資料は見当たりませんでした。そこで、市が置かれている経済の土台を東京都全体の数値から押さえます。
- 令和4年度の経済活動別都内総生産は名目で120兆2千億円、全国シェアは21.2%。
- 令和4年度の実質経済成長率は3.9%で、前年度の114兆4千億円から名目でも増加した。
- 増加を牽引したのは卸売・小売業、金融・保険業、運輸・郵便業などの分野。
全国の2割を超える経済がこの一都に集まっているという前提は、産業や雇用の話題に触れるときの背景になります。(出典:都民経済計算 都内総生産等年報|令和4年度)
大きな経済の内側にある、8万人の生活圏
ただし、この120兆円という数字を東大和市の面接で持ち出しても、それだけでは市政の話になりません。都全体の豊かさと、一つの市の暮らしの手ざわりは別のものだからです。
東大和市が接しているのは東村山市、武蔵村山市、立川市、小平市と埼玉県所沢市の5自治体で、都県境をまたぐ生活圏の中にあります。
通勤や通学、買い物、通院といった日々の移動は行政の境界では止まりません。市の施策を考えるときには、市内で完結しない前提を置くことになります。
広域で動く暮らしを、市域という単位で支えるという構図が、市役所の仕事の背景にあると理解しておきましょう。
もう一つ、市が公表している職場の情報も産業の話につながります。
募集要項によれば、東大和市は東京都や昭和病院、民間企業への庁外派遣を行っており、庁外研修としてプロフェッショナルスクールや問題解決研修、アサーティブコミュニケーション研修などを実施しています。
市の外に職員を出して学ばせる仕組みがあるということは、市役所の仕事が市役所の中だけで完結していないことの裏返しでもあります。(出典:東大和市職員採用試験募集要項|令和8年度)
東大和市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、東大和市が向き合っている課題の輪郭が見えてきます。面接で市の課題を問われたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
4人に1人を超える高齢化と、その先にある75歳以上の層
総務省が住民基本台帳をもとに集計した令和8年1月1日現在の値では、東大和市の人口84,989人のうち65歳以上が23,662人で、高齢化率は27.8%にのぼります。
75歳以上に絞っても14,525人、率にして17.1%です。
市民のおよそ4人に1人が65歳以上、6人に1人が75歳以上という構成だということになります。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)
東京都全体では、令和7年9月15日現在の推計で高齢者人口が312万人、高齢化率23.4%となっています。
うち75歳以上は184万6千人で前年から3万2千人増え、過去最多を更新しました。
集計の系統が違うため単純な比較はできませんが、都の平均像より高齢化が進んだ層を市が抱えていることは読み取れます。(出典:敬老の日にちなんだ東京都の高齢者人口(推計)|令和7年)
面接でこの話題に触れるなら、率をなぞるのではなく「75歳以上が17.1%」という内訳まで踏み込むと、話が具体的になります。介護、移動手段、地域での見守りといった課題は、65歳の層と75歳を超えた層とでは中身が変わるからです。
15人程度の採用で、市域全体の窓口を担うということ
令和8年度の採用予定は一般事務(Ⅰ類)で15人程度、ほかの職種は各若干名です。8万人規模の市役所では、一人の職員が担当する範囲がおのずと広くなります。
一つの分野を担当しきる前に次の役割が回ってくることも珍しくなく、東京都や昭和病院への庁外派遣のように、市役所の外で数年を過ごす道もあります。
この構造は、面接での聞かれ方にも表れます。「やりたい仕事は何ですか」という質問に一つの分野だけを答えると、配属の広がりと噛み合わなくなります。
自分の得意なことを複数の場面に当てはめて語れるように、経験の使い道を一つに絞らず用意しておきましょう。
災害対応が「通常業務以外の業務」として書かれている意味
募集要項は、通常業務以外の業務として、地震等の緊急時の避難所開設と災害対応、大災害時の被災地への職員派遣を明記しています。採用の段階で、災害時に動くことが仕事の一部だと示されているということです。
東京都が令和4年5月に公表した被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、死者約6,100人、負傷者約9万3,400人、建物被害約19万4,400棟、避難者約299万人、帰宅困難者約453万人と想定されています。
これは都全体を対象にした想定であって東大和市単独の値ではありませんが、帰宅困難者が450万人を超える規模で発生しうるという前提は、多摩地域の市役所にとっても他人事ではありません。(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月公表)
防災に触れるなら、想定の規模を紹介して終わらせず、避難所を開けて回す側に自分が立つという視点まで進めてください。募集要項が挙げている多摩湖駅伝大会やロードレース大会、選挙の従事も、休日や時間外に人手を出す仕事という点では同じ性格を持っています。
働き方の見直しが、そのまま人材の確保につながる
東大和市の令和6年度の平均時間外勤務は月11.6時間、勤務時間は週38時間45分です。
募集要項は勤務間インターバル宣言、女性の再就職応援宣言、男性育休100%宣言という3つの宣言を掲げ、働き方の条件を前面に出しています。
少子高齢化が進むなかで職員を確保し続けること自体が、市の課題の一つになっているとみることができます。
東京都の合計特殊出生率は令和6年で0.96と低い水準にあり、都は少子化対策の推進に向けた論点整理を公表しています。人手を得にくい環境で行政サービスの質を保つという課題は、都と市に共通しています。(参考:少子化対策の推進に向けた論点整理2025|令和7年8月)
東大和市の重点政策|募集要項が掲げる働き方
東大和市の総合計画や個別の計画は、市公式サイトの市政情報のページで最新のものを確認できます。ここでは、採用の場で市自身が言葉にしている考え方を手がかりに、面接で使える形に整理します。
「ヒト」を活かすという、募集要項の書き出し
令和8年度の募集要項は、冒頭で「『未来につながる市政』を目指すため、1番重要なものは『ヒト』を活かすことである」という考え方を示しています。そのうえで、職員のワーク・ライフ・バランスの充実と女性の活躍推進によって生産性の高い職場環境をつくり、多様な人材に選ばれる職場を目指すとしています。
ここに続くのが3つの宣言です。勤務の終業から次の始業までに11時間以上の休息を確保する勤務間インターバル宣言、年齢枠の引上げや試験内容の見直しを進める女性の再就職応援宣言、そして取得率100%の実現を目指す男性育休100%宣言の3つです。(出典:東大和市職員採用試験募集要項|令和8年度)
公表されている言葉と、そこから読めること
東大和市の募集要項と採用情報ページの本文には、「求める職員像」や「求める人材像」という見出しを持つ明文は置かれていませんでした。人材育成基本方針の公表も確認できていません。
最も近い公表文言は、募集要項の巻末に置かれた「東大和市では、チャレンジできます!」「やる気がある方がぐんぐん成長できる環境です!一緒に成長していける方の受験をお待ちしています!」という呼びかけです。
募集要項に文字として置かれているのは、この呼びかけまでです。ここから先は、当研究会が東大和市の採用の条件をもとに立てた見通しになります。
先に触れたとおり一人あたりの担当範囲が広くなりやすい規模ですから、初めて触れる分野でも自分で調べ、周りに聞きながら形にしていける構えが重視されやすいでしょう。
東大和市の場合、募集要項が通常業務以外の業務として避難所の開設や駅伝大会の従事を並べていること、庁外派遣や庁外研修を制度として持っていることが、その手がかりになります。
ただしこれは、東大和市向けの自分を新しく用意するという話ではありません。自分が実際にやってきたことのうち、どれがこの市の働き方と噛み合うのかを選び、その言葉で語るということです。
経験を作り替えるのではなく、見せ方を市の環境に合わせると考えてください。
POINT|申込の時点から選考は始まっている
東大和市の申込は「パブリックコネクト」の試験エントリーフォームで行い、そこに志望動機等の設問があります。つまり、面接の前に自分の言葉が文字で残るということです。①エントリーフォームに書いた志望動機を手元に控える → ②その内容を声に出して1分で話せるようにする → ③書いた内容と矛盾しない範囲で、面接では具体例を足す、という順で準備しておくと、2回の面接を通して話がぶれません。
悪い例「市民に寄り添える職員になりたいと思って志望しました」
改善例「エントリーフォームにも書いたのですが、東大和市は人口が8万人ほどで、市役所と市民の距離が近いところに魅力を感じています。まずは窓口で、来られた方が何に困っているのかを正確に受け止められるようになりたいです。そのうえで、避難所の開設のように休日にも動く仕事にも、きちんと関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
量に圧倒されなくて大丈夫です。志望動機に関係する資料を選び、要点を人に話して聞かせられるところまで噛み砕いておきましょう。
- 東大和市職員採用試験の募集要項(自分が受ける年度と職種のもの。試験の段階と提出物が書かれています)
- 東大和市公式サイトの市政情報、広報紙、各種計画のページ
- 申込サイトのエントリーフォームの設問(志望動機を書く欄そのものが、面接の下書きになります)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、東大和市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。東大和市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
東大和市役所の面接の概要
ここからは、東大和市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
東大和市役所の試験の流れ
令和8年度の東大和市職員採用試験(令和9年4月1日採用)は、第一次試験、第二次試験、第三次試験の3段階で行われます。第一次が筆記系、第二次と第三次が面接という配置です。
第二次の面接はWebで、第三次の面接は東大和市役所で実施されますから、画面越しの受け答えと対面での受け答えの両方に慣れておく必要があります。
| 項目 | 内容(令和8年度・令和9年4月1日採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第一次試験、第二次試験、第三次試験の3段階 |
| 面接の回数と場所 | 2回。第二次試験の面接はWeb、第三次試験の面接は東大和市役所 |
| 第一次試験(一般事務Ⅰ類・障害者枠) | テストセンター方式。SPI教養試験(60分程度、大学卒業程度)とSPI性格適性検査(30分程度) |
| 第一次試験(土木技術・建築技術) | 東大和市役所で専門試験(90分程度、大学卒業程度、記述式)とSPI性格適性検査(30分程度) |
| 面接の形式 | 個別面接か集団面接かは募集要項に記載がありません。集団討論・グループワークの実施についても記載はありません |
| 配点 | 各試験の配点・合否決定方法は、令和8年度の募集要項に記載がありません |
| 募集職種と採用予定人数 | 一般事務(Ⅰ類)15人程度、一般事務(障害者枠)・土木技術・建築技術は各若干名 |
| 応募資格 | 学歴要件はありません。給与格付はⅠ類(大卒程度)の区分となります |
| 申込方法 | 官公庁・自治体求人サイト「パブリックコネクト」で会員登録、プロフィール編集、試験エントリーフォーム登録を行う方式。エントリーフォームには東大和市の志望動機等の設問があります |
| 入職日 | 入職日選択制度があり、内定者はキャリアプラン・ライフプランに合わせて令和9年7月1日または令和9年10月1日の入職を選ぶこともできます |
| 通常業務以外の業務 | 緊急時の避難所開設と災害対応、大災害時の被災地への職員派遣、多摩湖駅伝大会・ロードレース大会・選挙等の従事、繁忙期部署への応援事務 |
| (参考)初任給 | 4年制大学卒業後にⅠ類試験で採用された場合、給料242,000円に地域手当38,720円を加えた280,720円。民間企業に3年間勤務した25歳の例は292,552円(いずれも令和8年4月1日現在) |
| (参考)勤務条件 | 週38時間45分、午前8時30分から午後5時15分まで。平均時間外勤務は月11.6時間(令和6年度実績) |
上記は東大和市の令和8年度職員採用試験(令和9年4月1日採用)の募集要項にもとづく内容です。面接の形式(個別面接か集団面接か)、集団討論・グループワークの有無、各段階の配点と合否決定方法は募集要項に記載がなく、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。面接カード等の名称の提出書類についても記載を確認できていません。試験の構成・区分等は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の募集要項でご自身の受験する職種の情報をご確認ください。(出典:東大和市職員採用試験募集要項|令和8年度)
この試験構成から読み取れること
手がかりは3点あります。第一次が筆記ではなくSPIとテストセンターで完結すること。
面接が2回あり、そのうち1回がWebであること。そして申込の時点で志望動機を文字にして提出していることです。
これらを重ねると、東大和市の選考は「書いた志望動機」「画面越しの受け答え」「対面での受け答え」の3つを通して、同じ人物かどうかを確かめる形になっていると読めます。
エントリーフォームに勢いだけで書いた内容は、2回の面接で必ず掘り返されると考えておきましょう。逆に言えば、書いた内容を軸に据えておけば、2回の面接で話を積み上げていけます。
Web面接については、通信環境と背景を整えるといった準備のほかに、話し方の面での注意があります。画面越しでは相づちや間の取り方が伝わりにくいため、一つの回答を長くしすぎないこと、結論から入ることを意識してください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。東大和市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日の接続の具合はいかがですか、緊張していませんか | 身構えていない問いかけへの応じ方。Web面接では声量と表情が最初に確かめられます |
| ② 動機・志望 | 民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください | 比べたうえでの選択になっているか。動機が自分の来し方と地続きか |
| ③ 自己理解 | ご自身の長所を、それが表れた場面とあわせて教えてください | 性格を表す言葉で終わらせず、行動の裏づけを持っているか |
| ④ 経験・行動 | 初めて取り組む物事を、周囲に聞きながら進めた経験はありますか | 調べ方と頼り方。分からない状態からどう動き出したか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学校生活や職務で力を入れたことを、事情を知らない人にも伝わるように話してください | 相手に合わせて言い換える力。学んだことを仕事へつなぐ視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 入職後、どのような職員になっていたいですか | 市役所での働き方を具体的に思い描けているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になったニュースを一つ挙げて、感想を聞かせてください | 社会の動きに目を向けているか。自分の受け止めを短い言葉にできるか |
この7カテゴリーは東大和市に限らず全国の官公庁でほぼ共通で、受験者全員が対策してくる領域です。差がつくのは、次の東大和市ならではの質問のほうです。
差がつくのは「東大和市役所ならでは」の質問
どちらも市の現状を知らなければ、その場で組み立てるのは難しい質問です。裏を返せば、材料さえ持っていれば、ほかの受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
面接で使いやすい東大和市の事実を、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい東大和市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口84,989人、面積13.42km²、人口密度6,333人/km²。東村山市、武蔵村山市、立川市、小平市、埼玉県所沢市と接する | 規模を言って終わらせず、都県境に面した市であることまで足します。生活圏が市域で完結しない前提を置くと、広域の話題にも対応できます |
| なぜ都庁ではなく市役所か | 一般事務(Ⅰ類)の採用予定は15人程度。募集要項は避難所開設や被災地派遣、行事の従事を通常業務以外の業務として明記している | 都の施策を8万人の暮らしの単位へ運ぶ側に立ちたい、と述べるところから始めます。行事や災害時に人手として動くことも承知していると添えると、実像に沿います |
| 東大和市の魅力 | 市の花はツツジ、市の木はケヤキ。市域は13.42km²とまとまっており、庁外派遣や庁外研修の仕組みが募集要項に記載されている | 名所を並べるより、自分が見聞きした場面から話します。働く環境として何が良いと思ったのかを、募集要項の記載に結び付けると根拠が立ちます |
| 高齢化への理解 | 住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で高齢化率27.8%、75歳以上は17.1%。東京都全体の高齢化率は23.4%(令和7年9月15日現在の推計) | 率を読み上げるのではなく、75歳以上が17.1%という内訳から、移動手段や見守りといった具体の課題へ話を進めてください |
| 働き方への理解 | 勤務間インターバル宣言、女性の再就職応援宣言、男性育休100%宣言の3つを掲げ、平均時間外勤務は月11.6時間(令和6年度実績) | 制度をほめるだけでは志望動機になりません。働き方が整えられている理由まで踏み込み、自分が長く働く前提で語ります |
| 試験の性格 | 面接は2回で第二次はWeb。申込時のエントリーフォームに志望動機等の設問がある | 書いた志望動機と話す内容をそろえておく姿勢を示せます。画面越しでも伝わるように結論から話す練習をしていると添えるのも有効です |
使い方のコツは、6つ全部を暗記することではありません。関心の近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 初めての仕事に向き合う姿勢 | 知らない分野をどう調べ、誰に聞き、どこまで形にしたか | 一般事務の採用は15人程度で、担当の範囲は広くなります。未経験の物事に取り組んだ経験を1つ選び、調べた手順と相談した相手まで話せるようにしておく |
| 書いたことと話すことの一致 | エントリーフォームの志望動機と、面接での説明が同じ筋になっているか | 申込時に提出した文面を手元に残し、Webの第二次と対面の第三次で同じ軸から話せるように、要点を3つに整理しておく |
| 時間外や休日にも動く前提の理解 | 避難所の開設や行事の従事を含む働き方を、現実として受け止めているか | 募集要項が通常業務以外の業務として挙げている内容を確認し、決められた枠の外で人手として動いた経験があれば具体例として用意しておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
東大和市は面接の形式を公表していませんので、どの聞かれ方でも同じ経験を語り直せる状態にしておく必要があります。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける職種の最新の募集要項を読み、第一次試験の方式(テストセンターか市役所か)と、申込サイトで求められる登録項目を確認する
- これまでの経験を棚卸しする。学業、部活動、アルバイト、職務、地域での活動から、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、人口84,989人・面積13.42km²・高齢化率27.8%という東大和市の輪郭を、自分の言葉で説明できるようにする
- エントリーフォームに書いた志望動機を読み返し、そこに具体例を1つ足した「話す版」を用意する
- Web面接と対面面接の両方を想定し、1分で答える短い型と、掘り下げて答える長い型を声に出して練習する
順番に注意
ステップ4の自治体研究は、ほかの受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ5の志望動機の練り直しを先に済ませてください。東大和市は申込の時点で志望動機を文字にして出す仕組みですから、そこが揺れていると2回の面接すべてに響きます。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、東大和市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
東大和市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
東大和市の選考は、申込のフォームに志望動機を書くところから始まり、Webの面接と市役所での面接という2つの場面を経て終わります。同じことを3回、違う形で説明することになるわけです。
だからこそ、飾った言葉より、自分が本当に見聞きしたことのほうが強く働きます。
市民の4人に1人が65歳以上という8万人のまちで、避難所を開ける日もある職員として、自分は何を引き受けるつもりなのか。
募集要項の巻末に置かれた「一緒に成長していける方の受験をお待ちしています」という呼びかけに、自分のどの経験で応えるのか。
その2つを結び直しながら、手持ちの言葉を一つずつ整えていってください。