本記事では、昭島市職員採用試験の面接対策で必要な、昭島市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

昭島市役所の面接試験では、「なぜ昭島市を選んだのか」「市職員としてどんな仕事を担いたいのか」「自分の経験を市政のどこに生かせるのか」といった質問が想定されます。

昭島市の採用試験は第2次試験が論文と録画面接の事前提出、第3次・第4次が対面の個別面接という4段階です。同じ「面接」でも、画面越しに提出するものと、市役所で向き合うものの2種類があります。

本記事の内容を手がかりに、自分の強みと昭島市政との接点を整理し、面接での受け答えづくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

昭島市の特徴

面接対策を始める前に、昭島市の輪郭をつかんでおきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 面積17.34平方キロメートル、人口密度は1平方キロメートルあたり6,693人。市役所は田中町一丁目にある。
  • 立川市・福生市・八王子市・あきる野市・日野市の5市に接する、多摩地域の市である。
  • 市の花はツツジ、市の木はモクセイ。
  • 65歳以上人口は30,561人で高齢化率26.3%。東京都全体の22.4%を3.9ポイント上回る
  • 75歳以上人口は17,675人で、市の人口に占める割合は15.2%(東京都全体は13.3%)。
  • 昭島市人財育成基本方針(令和3年4月改定)が定めるめざすべき職員像は「全体の奉仕者として市民の財産となる職員」「経営感覚と危機管理意識を備えた職員」「自ら学び考え行動する自律した職員」の3つである。
  • 採用試験は4段階。第1次がテストセンター方式、第2次が性格検査・論文試験・録画面接、第3次と第4次が個別面接という構成をとる。
  • 同一年度に複数回(4月・9月・1月等)採用試験を実施しており、試験区分も回ごとに異なる。
  • 受験にあたっては「パソコン画面、活字印刷による出題、口述による面接に対応できること」が必要と明記されている。

昭島市の基礎データ

数字をすべて覚える必要はありません。

ただ、昭島市がどんな年齢構成の市かを、都全体と比べて言える状態にはしておきましょう。志望動機の説得力は、この一手間で変わります。

ここでは人口の規模と内訳、市域の広さ、周囲との位置関係など、市政を語るときの前提になる項目を並べます。

項目内容
総人口116,049人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口30,561人(高齢化率26.3%、東京都全体22.4%)
75歳以上人口17,675人(75歳以上率15.2%、東京都全体13.3%)
総面積17.34km²
人口密度6,693人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体立川市、福生市、八王子市、あきる野市、日野市
市の花・市の木ツツジ・モクセイ
市役所所在地〒196-8511 東京都昭島市田中町一丁目17番1号

総人口・65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。並記した東京都全体の割合も同じ統計によるもので、国勢調査ベースの数値とは調査の基準が異なるため直接は比較できません。面積・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は公表値をもとに整理したもので、人口密度は上記の総人口を総面積で割って算出した値です。

数字から考えられる市政課題

昭島市の高齢化率26.3%は、東京都全体の22.4%を3.9ポイント上回ります。4人に1人を超える市民が65歳以上という構成です。

一方で75歳以上の割合は15.2%で、都全体の13.3%との差は1.9ポイント。65歳以上全体では都との差が大きいのに、75歳以上ではその差が縮むという並びになっています。

この読み方が示すのは、昭島市では65歳から74歳の層が相対的に厚いということです。

つまり今後10年ほどで75歳以上が一気に増えていく可能性がある市だといえます。介護や医療の需要が跳ね上がるのはこれから、という前提で準備を進める必要があります。

面接では、この「これから来る」という時間軸を言葉にできると強い材料になります。数字を読み上げるだけの人と、そこから先を語れる人の差が出るところです。

「昭島市は11万人ほどの市ですが、65歳以上の方の割合が都全体より高いと知りました。その中でも今は前半の年代の方が多いようですので、支援が必要になる方が増えてくる前に、地域の受け皿を整えておく時期なのではと感じています」

昭島市の経済・産業

東京都という経済圏の大きさ

市の産業を考える土台として、東京都全体の規模を押さえておきましょう。令和4年度の都内総生産(名目)は120兆2千億円、全国シェアは21.2%にのぼります。

同年度の実質経済成長率は3.9%で、卸売・小売業、金融・保険業、運輸・郵便業などの増加が伸びを支えました。(出典:都民経済計算・都内総生産等年報|令和4年度

ここで注意したいのは、この数字が都全体のものであり、市の経済規模を表すわけではないという点です。市が担うのは、この経済圏のなかで暮らす人と、そこで営まれる小さな事業を支える仕事です。

産業振興を志望動機に挙げるなら、市の権限で何ができるかまで考えておくと、話が地に足のついたものになります。

区部と市部で違う人の集まり方

東京都の総人口は14,273,066人(令和7年10月1日現在推計)で、その内訳は区部9,947,644人、市部4,249,936人、郡部53,258人、島部22,228人です。

都民のおよそ7割が区部に集中し、多摩地域を含む市部は約425万人という構成になっています。(出典:東京都の人口(推計)|令和7年10月1日現在

この分布は、多摩地域の市がどういう立場にあるかを教えてくれます。人も企業も集まる区部と同じ手法をなぞっても、市の実情には合いません。

昭島市のような市部の自治体は、区部とは違う密度と生活の形を前提に施策を組み立てることになります。面接で市の課題を語るとき、この区部との違いを踏まえていると、話に落ち着きが出ます。

5つの市に接する17.34平方キロメートル

昭島市の市域は17.34平方キロメートル。立川市、福生市、八王子市、あきる野市、日野市の5市に接しています。

市域が広くないぶん、市境のすぐ向こうに別の市の生活圏が広がっているという条件のもとで行政が動きます。

買い物、通勤、通学、医療機関の利用は、市の境界で区切られるわけではありません。

公共交通の接続、災害時の相互応援、広域での施設の使い方など、隣の市と足並みをそろえる仕事が自然と出てきます。「市の仕事は市内で完結する」という思い込みを外しておくと、志望動機の幅が広がります。

昭島市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、昭島市がこれから向き合う論点が見えてきます。面接で市の課題を問われたときの出発点として、4つ挙げます。

これから加速する高齢化への準備

昭島市の65歳以上人口は30,561人(高齢化率26.3%)、75歳以上人口は17,675人(15.2%)です。

東京都全体でも令和7年9月時点の75歳以上人口は184万6千人で前年比3万2千人増と過去最多を更新し、65〜74歳人口は127万4千人で前年比2万8千人減となりました。(出典:敬老の日にちなんだ東京都の高齢者人口(推計)|令和7年

都全体では、65歳から74歳が減って75歳以上が増えるという移行が進んでいます。高齢化率が都より高い昭島市では、この移行の影響も先に表れます。

支援の必要量が増えるのは、高齢者が増えるときではなく、年齢が上がるときです。この違いを踏まえて語れると、他の受験者と差がつきます。

少子化のもとでの子育て・教育

東京都の令和6年の出生数は84,207人で、前年より2,141人減って9年連続の減少となりました。合計特殊出生率は0.96で、前年の0.99から低下し8年連続の下落です。

都は『少子化対策の推進に向けた論点整理2025』を公表しています。(出典:東京都人口動態統計年報(確定数)|令和6年

子どもの数が減っていくということは、保育の定員も学校の規模も、いずれ見直しの対象になるということです。減らす話は必ず反発を伴います。

だからこそ、決めた理由を丁寧に説明できる職員が要る、という文脈で子育て分野を語れると、他の受験者と話の層が変わります。

限られた市域で更新期を迎える基盤

17.34平方キロメートルという市域に11万人余りが暮らすということは、道路も学校も公共施設も、既にある土地の上に建っているということです。新しく広い用地を確保して解決する、という選択肢は取りにくくなります。

そのため市の仕事は、施設を減らすのか、まとめるのか、使い方を変えるのかという判断に近づきます。

市の財政や施設の状況は昭島市が公表する予算・決算や個別の計画で確認できますので、志望分野に近い資料を一つ選んで目を通しておきましょう。数字を持って話せると、抽象論から抜け出せます。

大規模地震への備え

東京都が令和4年5月に公表した被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、死者約6,100人、負傷者約9万3,400人、建物被害約19万4,400棟、避難者約299万人、帰宅困難者約453万人と想定されています。

震度6強以上となるのは23区の約6割の範囲とされています。(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月

これは東京都全体の想定です。昭島市域の揺れや浸水の想定は、市が公表する地域防災計画やハザードマップで確認してください。

市の職員像に「危機管理意識」が明記されている以上、防災は必ず問われうるテーマです。想定の数字を暗記するより、自宅周辺の危険と避難先を実際に調べた経験のほうが、面接では強い材料になります。

昭島市の重点政策|昭島市人財育成基本方針

昭島市人財育成基本方針(令和3年4月改定)は、めざすべき職員像として、全体の奉仕者として市民の財産となる職員経営感覚と危機管理意識を備えた職員自ら学び考え行動する自律した職員の3つを掲げています。

市がどんな人と働きたいと考えているかが、明文化されている資料です。(出典:昭島市人財育成基本方針|めざすべき職員像

3つの職員像を面接の言葉に置き換える

3つのうち、とくに読み込んでおきたいのが2つ目です。「経営感覚」と「危機管理意識」という、行政の職員像としては踏み込んだ言葉が並んでいます

経営感覚とは、費用と効果を意識して優先順位を決める姿勢のこと。危機管理意識とは、想定外が起きる前提で備えておく姿勢のことだと読めます。

面接対策の言葉に翻訳すれば、①相手のために動いた経験、②限られたお金や時間のなかで優先順位を決めた経験、③自分で学んで対応した経験、この3種類を用意しておく、ということになります。3つとも同じエピソードで語ろうとすると、掘り下げられたときに材料が尽きます。

市の判断を取り巻く環境

市の政策は市の中だけで決まるわけではありません。東京都は合計特殊出生率0.96という水準を受けて少子化対策の論点整理を公表し、『未来の東京』戦略で少子高齢化や気候危機を都政の重点課題に位置づけています。市はこうした都の方向性と、自分の市の人口構成や市域の条件を突き合わせながら、優先順位を決めていきます。

面接で政策に触れるときは、都の方針をそのまま繰り返さないよう気をつけてください。11万人余り、高齢化率26.3%、17.34平方キロメートルという昭島市の条件のもとで、その方針が何を意味するのかまで踏み込めると、話の質が変わります。

POINT|職員像は覚えるものではなく、経験と結び付けるもの

3つの職員像を暗唱しても評価にはつながりません。どの言葉が自分のどの経験と重なるのかを、場面のレベルまで具体化しておきましょう。

悪い例「経営感覚と危機管理意識を備えた職員という言葉に共感し、志望しました」

改善例「経営感覚という言葉が入っているのが印象に残りました。私は学園祭の模擬店で会計を担当したのですが、去年の仕入れをそのまま真似すると売れ残りが出ていたので、時間ごとの売れ方を記録して仕入れを分けました。細かい話ですけれども、限られたお金をどう使うかを考えるのは同じだと思っています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読み込む必要はありません。志望動機に関係するものを選び、要点を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

  • 昭島市一般職職員採用試験の実施要項(最新のもの)。試験区分と4段階の中身を確認する
  • 昭島市の職員採用のご案内ページ(申込方法・提出書類・受験に必要な条件)
  • 昭島市人財育成基本方針(めざすべき職員像)
  • 昭島市の総合計画・予算に関する市の公表資料のうち、志望分野に近いもの
  • 昭島市の地域防災計画とハザードマップ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、昭島市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。昭島市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

昭島市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

昭島市役所の面接の概要

ここからは、昭島市役所の採用試験の形式と流れ、質問の全体像、差がつく質問への備え方を、市の公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。

昭島市役所の面接の流れ

昭島市の令和8年度採用試験は4段階です。押さえておきたいのは、第2次試験が性格検査・論文試験・録画面接のすべてを来庁せずに済ませる形式だという点です。

論文は事前提出式、録画面接はスマートフォン等で撮影したものをウェブ上で提出します。市役所へ足を運ぶ人物試験は、第3次と第4次の個別面接の2回です。

項目内容(令和8年度・令和9年4月採用)
試験の段階4段階。第1次=テストセンター方式 → 第2次=性格検査・論文試験・録画面接 → 第3次=個別面接 → 第4次=個別面接
第1次試験の中身テストセンター方式のSCOA総合適性検査。全区分共通で基礎能力検査 約60分、事務能力検査 約50分
第2次試験の中身性格検査(ウェブ上で受検)、論文試験(事前提出式)、録画面接(スマートフォン等で撮影しウェブ上で提出)。いずれも来庁を伴わない
第3次・第4次試験いずれも昭島市役所を会場とする個別面接。対面の人物試験は計2回
試験区分一般事務Ⅰ類、一般事務Ⅲ類、一般事務Ⅰ類(社会福祉主事)、一般技術Ⅰ類(土木技術・建築技術・電気技術)、保健師、栄養士。いずれも採用予定者数は若干名
申込方法職員採用管理システムの専用サイトで仮登録および本登録(エントリーシート提出)。志望動機や自己PRの入力に一定の時間を要する。顔写真のアップロードが必要で、申込は1人1区分まで。書類選考を行う場合がある
受験に必要な条件「パソコン画面、活字印刷による出題、口述による面接に対応できること」と明記
配点実施要項・募集ページのいずれにも記載がなく非公表
初任給一般事務Ⅰ類・一般技術Ⅰ類・保健師(大卒)・栄養士(大卒)の新卒者が280,720円(民間企業等での職務経験5年で300,556円、10年で318,304円)、一般事務Ⅲ類の新卒者が232,348円(いずれも地域手当を含む・令和8年4月1日時点)

上記は昭島市の令和8年度昭島市一般職職員採用試験(令和9年4月採用)の実施要項および募集ページにもとづくものです。昭島市は同一年度に複数回(4月・9月・1月等)採用試験を実施しており、試験区分も実施回ごとに異なります。試験の構成・日程・配点等は年度や実施回によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が受ける実施回の最新の試験情報をご確認ください。(出典:昭島市一般職職員採用試験実施要項|令和8年度昭島市職員採用試験のご案内|令和8年度

録画面接と対面の個別面接を、同じものと考えないでください。録画面接では、相手の反応を見ながら話を変えることができません

逆に対面の個別面接では、面接官の表情を見ながら説明の詳しさを調整できます。前者は「一人で完結させる説明力」、後者は「やりとりのなかで伝える力」が問われる、と切り分けて準備するのが現実的です。

実施状況から読む試験の性格

令和7年度実施分のうち、9月に筆記試験を実施した一般事務1類(令和8年4月採用)は、申込者114人・受験者95人・筆記試験合格者62人・最終合格者16人でした。同時に実施された2類は申込26人で最終合格3人、3類は申込14人で最終合格3人です。

また、4月から5月にかけて筆記試験を実施した一般採用(主事級)1類(一般事務)は、申込者161人・受験者140人・筆記試験合格者70人・最終合格者19人でした。(出典:昭島市職員採用試験実施状況|令和7年度実施分

数字の並びを見ると、筆記の合格者から最終合格者までの絞り込みが大きいことが分かります。

9月実施の一般事務1類では筆記合格62人から最終16人、春の実施回の主事級1類では筆記合格70人から最終19人です。筆記を通った人のうち、人物試験の段階を越えられるのは4人に1人前後という計算になります。

つまりこの試験は、第1次を通ることが出発点であって、勝負はその後の論文・録画面接・2回の個別面接にあります。

同一年度に複数回実施されているため、受ける回によって区分も条件も変わります。過去の倍率を見るときは、必ず実施回と区分をセットで確認してください。

昭島市役所が求める人物像

昭島市は人財育成基本方針でめざすべき職員像を3つ公表しており、面接の評価軸を考える出発点はここです。とりわけ「経営感覚」「危機管理意識」「自律」という言葉は、そのまま質問の切り口になります。

市が明文化しているのはここまでです。昭島市の募集を見ると、どの試験区分も採用予定者数は若干名です。

一般に、こうした少人数の採用が続く市役所では、一つの係が受け持つ守備範囲が広く、欠員や異動の影響がそのまま日々の仕事に響きます。人手を増やして対応するという解が取りにくいぶん、限られた時間と人数のなかで、何から手をつけるかを自分で決められる人が重視されやすいと当研究会では考えています。

昭島市の場合、市域が17.34平方キロメートルと限られ、高齢化率も都全体を上回るなかで、既にある資源をどう配り直すかという判断が続きます。方針に「経営感覚」が入っているのは、その現実の裏返しだと読めます。

気をつけたいのは、受ける市ごとに自分を作り替えようとしないことです。

昭島市に合う人物をゼロから用意するのではなく、これまで実際にやってきたことのなかから、この市の仕事と重なる部分を取り出して話す。何度掘られても崩れないのは、その組み立て方だけです。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。昭島市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク緊張していますか?台本の外の一言に、無理のない反応を返せるか。録画で見せた印象と対面での印象がずれていないか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間企業でも果たせる理由で止まっていないか。仕事として選んだ理由が自分の経験とつながっているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観的に見られているか。弱みへの手当てを具体的に語れるか
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください出来事の大きさではなく、その場で何を考え、どの順に手を打ったかという中身
⑤ 学業・経歴卒業論文(研究)のテーマを簡単に説明してください専門外の相手に届く言葉へ言い換えられるか。学びを仕事につなげて考えているか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?市の仕事をどこまで具体的に知っているか。配属が希望と違っても働けそうか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?社会の動きを自分の言葉で説明できるか。賛否の分かれる話題に落ち着いて向き合えるか

ただ、この7カテゴリーは昭島市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が備えてくる領域なので、ここで大きな差はつきません。

差がつくのは、次の「昭島市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「昭島市役所ならでは」の質問

「なぜ東京都庁ではなく、昭島市役所なのですか」
「昭島市の魅力と課題を、それぞれ教えてください」

どちらも、市の現状を調べていなければその場では組み立てられない質問です。だからこそ、材料を持っている人だけが違いを示せる質問でもあります。

以下に、面接で使いやすい形に絞った昭島市の事実と、その答え方をまとめました。

質問テーマ知っておきたい昭島市の事実答え方のヒント
高齢化の現在地65歳以上は30,561人で高齢化率26.3%、75歳以上は17,675人で15.2%。都全体の22.4%・13.3%をいずれも上回る都との差を数字で示したうえで、65歳から74歳の層が厚い今こそ準備の時期だ、という時間軸の話まで進めます
なぜ都庁ではなく市役所か市域は17.34平方キロメートル。立川市など5つの市に接し、生活圏は市境を越えて広がっている制度の説明ではなく、この距離感で市民一人ひとりの困りごとに向き合いたい、という自分の理由を軸にします
市がめざす職員像人財育成基本方針は「全体の奉仕者として市民の財産となる職員」「経営感覚と危機管理意識を備えた職員」「自ら学び考え行動する自律した職員」を掲げる3つのうち一番近い経験があるものを選んで話します。とくに経営感覚は、限られた予算や時間で優先順位を決めた場面と結び付きます
選考の受け止め方第2次試験は論文の事前提出と録画面接で、来庁を伴わない。対面の個別面接は第3次・第4次の2回録画で話した内容と対面での話が食い違わないよう、提出物の控えを残しておきます。撮った動画は必ず自分で見返します
防災への向き合い方市の職員像に危機管理意識が明記されている。都の被害想定では都心南部直下地震が冬の夕方に起きた場合の帰宅困難者は約453万人都全体の想定に触れたうえで、市のハザードマップで自宅周辺を確認したこと、家族と連絡手順を決めていることなど、実際にした行動を話します

5つ全部を覚える必要はありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話にしておきましょう。

昭島市は録画面接と対面面接で同じテーマを扱われる可能性が高いため、一続きになっていれば話が揺れません。

想定される評価の観点

面接は、公表されている職員像に照らして、これまで実際にどう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が土台にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と、同じ行動をもう一度とれるかどうかが見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民の財産となる姿勢相手のために動いた経験があるか。引き受けたことを最後まで果たしたか昭島市の職員像が「全体の奉仕者」から書き起こされている点に合わせ、見返りのない場面で動いた経験を1つ選んでおく
経営感覚と危機管理意識限られた資源のなかで優先順位を決めた経験。想定外に備えていた経験費用や時間の制約を数字で説明できる場面を選び、なぜその順番にしたのかまで言えるようにしておく
自ら学び考え行動する自律教わる前に自分で調べたか。調べた結果をどう行動に移したか録画面接では一人で説明しきる必要があるため、自分で学んだ過程を筋道立てて話す練習を先にしておく

なお、公務員の個別面接では、ひとつの話題について「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と掘り下げられます。

昭島市の場合は、録画面接で話した内容が手元にある状態で2回の対面面接が続きます。細部まで自分の言葉で語れる実体験に根ざした答えを用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の順番に置き換えます。

  1. 最新の実施要項を確認し、受ける実施回と試験区分、4段階それぞれの内容を書き出す(区分は1人1つまでしか申し込めません)
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 録画面接を想定して撮影し、自分で見返して話す速さと表情を整える。そのうえで同じ内容を対面で話す練習をする

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

限られた時間で独学の準備を仕上げたい場合は、昭島市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

昭島市の採用面接で出題が想定される質問を1問ずつ取り上げ、回答例・質問の意図・NG回答まで解説しています。

録画面接では一人で話しきる必要があるため、想定問答を先に読んでおくと、話す順番の設計がしやすくなります。必要に応じてご活用ください。

昭島市役所の想定問答集を見る

さいごに

昭島市の採用試験は、筆記を通ったあとに論文、録画面接、そして2回の対面面接が続きます。実施状況を見るかぎり、筆記合格から最終合格までの絞り込みは小さくありません。

画面に向かって一人で話す場面と、市役所で面接官と向き合う場面。その両方で同じ中身を語れるかどうかが問われます

高齢化率が都全体を上回るこの市で、自分は誰の暮らしを支えたいのか。撮影ボタンを押す前に、そこを言葉にしておいてください。