本記事では、小平市職員採用試験の面接対策で必要な、小平市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
小平市役所の採用試験では、「なぜ小平市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「多様な相手とどう協力してきたか」といった質問が想定されます。一般事務では筆記の前に動画選考が置かれているため、面接が始まる前から、話す姿そのものが選考の対象になっています。
本記事の掲載内容を参考に、自分の関心と小平市政の接点を整理し、動画と面接の両方に一貫した軸を作ってください。
第1部|自治体研究編
小平市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは小平市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 小平市第四次長期総合計画に掲げるまちの将来像は「つながり、共に創るまち こだいら」。
- 計画は、人と人との温かいつながりや、人と地域との心強いつながりを土台に、市民・事業者・行政・関係人口や交流人口などがそれぞれの資源を結集し、役割分担しながらまちを共に創るとしている。
- 人口は197,404人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積は20.51平方キロメートル。市の公表では令和7年12月1日現在で人口197,420人・世帯数98,148世帯である。
- 東京都多摩地区の東北部、いわゆる武蔵野台地にあり、都心から西に26キロメートルの距離にある。
- 鉄道はJR武蔵野線、西武新宿線、西武国分寺線、西武多摩湖線、西武拝島線が通り、市内には7駅、市の境には3駅がある。
- 玉川上水、野火止用水、狭山・境緑道、都立小金井公園を結び、市をぐるりと一周する水と緑の散歩道「小平グリーンロード」がある。
- 職員採用案内(令和8年2月発行)のキャッチコピーは「そのひらめきと成長が、小平市で活きる」で、全職種で公務員の専門試験対策は不要とし、人物重視の採用を行うとしている。
- 一般事務の採用試験には、筆記の前段にエントリー動画による動画選考が置かれている。
小平市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「小平市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、周囲との位置関係など、市政を説明するときに使える項目を優先して並べました。数字の大小を判断できるよう、東京都全体の値も同じ表に入れてあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 197,404人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 世帯数 | 98,148世帯(令和7年12月1日現在・市の公表値) |
| 総面積 | 20.51km² |
| 人口密度 | 9,625人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 65歳以上人口・高齢化率 | 47,498人・24.1%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 75歳以上人口・75歳以上率 | 27,798人・14.1%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 隣接自治体 | 西東京市、立川市、東村山市、東大和市、東久留米市、国分寺市、小金井市 |
| 市役所所在地 | 〒187-8701 東京都小平市小川町二丁目1333番地 |
| 市の花・市の木 | ツツジ・ケヤキ |
| (参考)東京都の総人口・世帯数 | 14,273,066人・7,664,866世帯(令和7年10月1日現在・推計) |
| (参考)東京都の高齢化率 | 22.4%、75歳以上率13.3%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
小平市の面積・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、公表値をもとに当研究会が整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市の公表値として示した人口・世帯数は、小平市職員採用案内に記載された令和7年12月1日現在の値です。65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値で、国勢調査や推計人口とは調査そのものが異なります。上表の東京都の総人口・世帯数は推計にもとづく値のため、住民基本台帳ベースの数値と直接は比べられません。
数字から考えられる市政課題
住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値では、小平市の65歳以上人口は47,498人、高齢化率は24.1%で、75歳以上は27,798人(14.1%)です。同じ住民基本台帳ベースの東京都全体は高齢化率22.4%・75歳以上率13.3%ですから、小平市は都をわずかに上回る水準にあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。
もう一つ見ておきたいのが世帯です。市が公表する令和7年12月1日現在の値は人口197,420人・世帯数98,148世帯ですから、1世帯あたりの人数はおよそ2人にとどまります。
世帯の規模が小さいということは、家庭の中で支え合える人数も限られるということです。高齢化と世帯の小規模化が同時に進むと、これまで家族が担ってきた見守りや送迎を、地域や行政の側で受け止め直す必要が出てきます。
面接では、この二つの数字を別々に述べるのではなく、重ねて語れると視野の広さが伝わります。たとえば次のように話せます。
小平市の経済・産業
東京都の経済規模を土台に置く
令和4年度の経済活動別都内総生産(名目)は120兆2千億円で、全国シェアは21.2%を占め、実質経済成長率は3.9%でした(出典:令和4年度都民経済計算・都内総生産等年報|令和4年度)。小平市の産業構成や事業所数は市の公表統計で確認する必要がありますが、都心から西に26キロメートルという位置にある市を考えるうえでは、通勤先としての都心の存在が前提にあることを押さえておきましょう。
5つの路線と分散した駅がつくる市の形
小平市にはJR武蔵野線、西武新宿線、西武国分寺線、西武多摩湖線、西武拝島線が通り、市内に7駅、市の境に3駅があります。
駅の数がこれだけあるということは、市民の生活が一つの中心に集まらないということでもあります。買い物も通勤も、最寄り駅ごとに向かう方向が違ってきます。
この構造は、施策を考えるときに効いてきます。中心市街地に人を集める発想だけでは、駅から遠い地域の暮らしが抜け落ちます。
逆に、公共交通の便がよいことは、高齢になっても移動手段を確保しやすいという強みでもあります。7つの市と接する立地とあわせて、市の内と外を人がどう行き来しているかを考える視点を持っておきましょう。
水と緑という市の資源
小平グリーンロードは、玉川上水、野火止用水、狭山・境緑道、都立小金井公園を結び、小平をぐるりと一周する水と緑の散歩道です。市がこうした資源を自ら紹介しているという事実自体が、暮らしの質をまちの価値として捉えていることの表れだと読めます。
観光の目玉として語るより、日常の散歩や健康づくり、地域の交流の場として捉えるほうが、市の使い方に近いはずです。市域の資源に関する最新の情報は、小平市公式サイトで確認しておきましょう。
小平市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、小平市政が向き合っているテーマが見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
都をやや上回る高齢化
高齢化率24.1%・75歳以上率14.1%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)は、同じ基準の東京都全体(22.4%・13.3%)をやや上回ります。
差そのものは大きくありませんが、65歳以上が47,498人という人数は、市の人口のおよそ4人に1人にあたります。
20万人規模の市では、比率が1ポイント動くだけでおよそ2,000人が動きます。制度を語るときは、この人数の重さを踏まえておきましょう。
世帯の小規模化が進むこと
市の公表値では人口197,420人に対して世帯数は98,148世帯(令和7年12月1日現在)で、1世帯あたりおよそ2人です。参考までに、東京都全体の世帯総数は7,664,866世帯(令和7年10月1日現在の推計)とされています(参考:東京都の人口・世帯数(推計)|令和7年10月1日現在)。
世帯が小さくなると、日中に家に誰もいない、体調を崩したときに頼れる人が近くにいないといった状況が増えます。
福祉の課題が家庭の外に出てくるということですから、地域や事業者を巻き込む発想が欠かせません。
大規模地震への備え
東京都が令和4年5月に公表した被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、負傷者は約9万3,400人、死者は約6,100人と見込まれ、震度6強以上となるのは23区の約6割の範囲とされています(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月25日公表)。
この想定は都全体を対象としたもので、小平市域の被害想定と避難所の考え方は市の地域防災計画で確認してください。
なお、小平市の新規採用職員には、一定期間、自衛消防隊員としての訓練期間があります。防災が制度の話ではなく自分の業務として関わってくることは、押さえておきたい点です。
「共に創る」を実際に回すこと
将来像に掲げられた「共に創る」という言葉は、市民や事業者、活動団体と一緒に進めるという意味です。ただ、実際にそれを回すのは簡単ではありません。
誰に声をかけ、どこまでを行政が担い、どこからを地域に委ねるのか。その線引きは現場ごとに違います。
協働は理念ではなく、日々の調整の積み重ねで成り立つものです。面接で協働という言葉を使うなら、自分が誰かと一緒に何かを進めたときの調整の中身まで語れるようにしておきましょう。
小平市の重点政策|小平市第四次長期総合計画
小平市第四次長期総合計画に掲げるまちの将来像は「つながり、共に創るまち こだいら」です。計画は、人と人との温かいつながりや、人と地域との心強いつながりを土台に、市民・事業者・行政・関係人口や交流人口などがそれぞれの資源を結集し、役割分担しながらまちを共に創るとしています(出典:小平市職員採用案内|令和8年2月発行)。
ここで注目したいのは、関係人口や交流人口まで担い手に数えている点です。市内に住んでいる人だけがまちの担い手ではないという立て方をしているため、市外から通う人や訪れる人との関わりも、施策の対象に入ってきます。
方針を行動に落とし込む「DRILL」
小平市の人財育成基本方針は、めざす職員像に近づくために必要な能力を「必要なチカラの要素=行動指針」としてまとめ、イメージ標語「DRILL」で示しています(出典:小平市人財育成基本方針|令和4年4月策定)。
| 頭文字 | 示されている力 |
|---|---|
| Diversity | 多様性を認め合う力 |
| Responsibility | 高い倫理観に基づき行動し、責任を持ってやり遂げる力 |
| Identity | 理念や主体性を大切にする力 |
| Link | 良好なコミュニケーションで、つながりを生みだし、育む力 |
| Local love | 地域に愛着を持ち、地域の魅力を高める力 |
5つを並べると、つながりを扱う力が二つ入っていることに気づきます。多様性を認め合う力と、つながりを生みだし育む力です。
将来像の「共に創る」と、この行動指針は同じことを別の角度から言っているといえます。
POINT|頭文字を覚えるのではなく、一つ選んで語る
DRILLの5つをすべて言えても評価にはつながりません。自分の経験と重なるものを一つ選び、経験を先に話してから指針に触れる順番にしましょう。
悪い例「小平市の行動指針であるDRILLのうち、リンクの部分に強く共感しました」
改善例「アルバイト先で新しく入った方と社員の間に入って、伝わっていない決まりごとを整理したことがあります。人と人の間をつなぐ役割は、市の仕事でも必要になるのではと思っています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、要点を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 小平市職員採用試験の試験要項(最新年度)と職員採用案内
- 小平市第四次長期総合計画(まちの将来像と施策の体系)
- 小平市人財育成基本方針(めざす職員像と行動指針)
- 小平市の地域防災計画と、関心のある分野の個別計画
- 最新年度の予算資料と、市長の施政方針に関する資料
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、小平市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。小平市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
小平市役所の面接の概要
ここからは、小平市役所の試験の形式と流れ、質問の全体像、備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
小平市役所の試験の流れ
令和8年度(令和9年4月採用)の一般事務は、動画選考、第1次試験、第2次試験、第3次試験の4段階です。動画選考は一般事務のみで実施され、その合格者だけが第1次試験に進みます。
筆記より前に人物を見る段階があるという構成は、市が掲げる人物重視の方針をそのまま形にしたものだといえます。
| 項目 | 内容(令和8年度・一般事務) |
|---|---|
| 試験の段階 | 動画選考 → 第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の4段階 |
| 採用予定人数 | 20人。職務内容は「市行政における事務全般」 |
| 受験資格 | 平成4年4月2日以降、平成21年4月1日までに生まれた方 |
| 動画選考 | 一般事務のみ実施。第1次試験は動画選考の合格者が受験します |
| 第1次試験 | 全国テストセンター方式。基礎能力検査(60分・言語、数理、論理、常識、英語の5尺度)と性格検査(約30分・全問回答)。出題の程度は大学卒業程度で、性格検査の結果は第2次試験以降の参考資料として使用されます。「エントリーフォームの入力内容も選考の要素となります」と明記されています |
| 第2次試験 | 自宅等で受験する事務職適性検査(WEBテスト・約40分)と面接試験 |
| 第3次試験 | 面接試験 |
| 面接の形式 | 第2次・第3次とも「人物及び職務に関連する知識についての個別面接」で、1人当たり約25分。会場は小平市役所 |
| 配点 | 試験種目別の配点は試験要項に記載がありません。最終合格者は第1次試験から第3次試験までと受験資格の確認の結果を総合的に判断のうえ決定するとされています |
| 採用候補者名簿 | 名簿に登載され、健康診断を実施した後に令和9年4月1日付で採用。名簿の有効期間は登載日から1年 |
上記は小平市が公表した令和8年度(令和9年4月採用)職員採用試験の試験要項および職員採用案内にもとづく内容です。小平市の面接は第2次・第3次とも個別面接と記載されており、集団討論やグループワークの記載はありません。試験の構成・日程・区分は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の試験要項をご確認ください(出典:小平市職員採用試験要項|令和8年度(令和9年4月採用))。
申込と提出書類
受験の申込みは、市ホームページから専用サイトにアクセスし、エントリーシートとエントリー動画を提出する方式です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エントリーシート | 氏名・生年月日等の個人情報、学歴、職歴、志望動機等の入力と顔写真のアップロードが必要。受付期間終了後は修正できません |
| エントリー動画 | 一般事務の受験者が提出。動画選考の合格者が第1次試験に進みます |
| 第2次試験当日の提出物 | 写真1枚(上半身脱帽正面で最近6か月以内に撮影・縦4cm×横3cm・裏面に氏名を明記)、最終学歴の卒業証明書または卒業見込み証明書1通、最終学歴の成績証明書1通(証明書は令和8年4月1日以降に証明されたもの) |
| 第1次試験の受験 | 職員採用案内では、第一次試験は日程と会場を選んで受験できるとしています |
受付期間が終わるとエントリーシートを直すことはできません。
志望動機を書き終えたら、その内容で二次・三次の面接まで戦えるかどうかを確かめてから送信しましょう。動画についても同じで、そこで話したことが後の面接で掘られる前提で準備するのが安全です。
小平市役所がめざす職員像
小平市の人財育成基本方針が掲げるめざす職員像は、『自ら考え行動し、多様な主体との協働を土台に、住み続けたいと思えるまちづくりを推進する職員』です。ここでいう「多様な主体」とは、市民、事業者、各種活動団体、庁内の他部署、他自治体を指すと定義されています。
この定義で見落とせないのは、庁内の他部署や他自治体まで協働の相手に含めていることです。
協働という言葉は市民との関係に限って使われがちですが、小平市はもっと広く取っています。自己PRでは、外部の人と組んだ経験だけでなく、身近な組織の中で他のグループと足並みをそろえた経験も材料になります。
以下は市の公表内容ではなく、この規模の市に共通する事情として読んでください。人口20万人規模の市では、行政だけで完結しない課題が増えます。
5つの鉄道路線が通り、7つの市と接する小平市のように、人の動きが市の枠を越えて広がる市ではなおさらです。現場で受け取った声を施策の言葉に置き換え、人と予算の制約のなかでも動かせる形にできる力が求められやすいでしょう。
市が将来像に「共に創る」を掲げているのも、この構造の裏返しだといえます。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。小平市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 緊張していますか? | 場慣れの有無ではなく、想定外の一言に自然な調子で返せるか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 民間でもできる動機で止まっていないか。職業選択の筋道が経験とつながっているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自分を客観視できているか。短所とどう付き合っているかまで語れるか |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 困難の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという行動の中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 卒業論文(研究)のテーマについて、簡単に説明してください | 専門外の相手に伝わる言葉へ翻訳する力。学びを仕事へつなげる視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか? | 市の仕事への理解の解像度。希望どおりの配属でなくても働ける柔軟さ |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近関心を持ったニュースは何ですか? | 社会の動きへのアンテナと、それについて自分の意見を一言で述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは小平市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「小平市ならではの事情を踏まえた質問」です。
差がつくのは「小平市役所ならでは」の質問
小平市の場合、この種の問いはエントリーシートと動画の段階から始まっています。
書いた内容、話した内容、面接での答えの三つが並ぶわけですから、同じ軸で語り続けられるかどうかが、そのまま信頼につながると考えてよいでしょう。使いやすい事実を絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい小平市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ都庁ではなく市役所か | 市は将来像に「つながり、共に創るまち こだいら」を掲げ、市民・事業者・行政のほか関係人口や交流人口までを担い手に数えている | 市民に近いからという説明で終えず、担い手を市内の住民に限定していない市であることに触れ、自分が誰と組んで働きたいのかを具体化します |
| 市の形と交通 | 5つの鉄道路線が通り、市内に7駅、市の境に3駅がある。都心から西に26キロメートルの位置で、7つの市と接する | 交通が便利ですで止めず、駅が分散していると生活の中心も分散するという読み取りを添え、施策が届きにくい地域への目配りにつなげます |
| 市の課題 | 高齢化率24.1%・75歳以上率14.1%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)で東京都全体をやや上回る。市の公表値では人口197,420人に対し98,148世帯(令和7年12月1日現在) | 高齢化と世帯の小規模化を切り離さず、家族の中で支え合える人数が減っているという一段深い読みを示します |
| 市の資源 | 小平グリーンロードは玉川上水、野火止用水、狭山・境緑道、都立小金井公園を結ぶ、市を一周する水と緑の散歩道 | 観光名所として紹介するのではなく、日常の健康づくりや世代を超えた交流の場として使う視点で語ります |
| 試験の性格 | 一般事務は動画選考から始まる4段階で、第2次・第3次は1人約25分の個別面接。エントリーフォームの入力内容も選考の要素とされている | 動画とエントリーシートで話したことを面接で繰り返すのではなく、その後に考えが進んだ点を語れるように準備します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、めざす職員像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 自ら考え行動する | 指示された範囲を超えて、自分の判断で動いた経験があるか | めざす職員像の冒頭に置かれた要素なので、動く前に何を考えたのかという判断の過程まで話せるようにしておく |
| 多様な主体との協働 | 立場の違う相手と、目的をそろえて進めた経験があるか | 小平市が協働の相手に庁内の他部署や他自治体まで含めている点を踏まえ、組織の内側での調整経験も候補に入れておく |
| 住み続けたいと思えるまちづくり | 短期の成果ではなく、続く仕組みを意識できているか | 1人約25分の個別面接が二度あることを想定し、やりたい施策の話を続けやすさという観点から語り直せるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
1人約25分の面接が二度あるということは、用意した話だけでは持たないということでもあります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、数を絞って深く準備しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の試験要項を読み、動画選考の有無、エントリーシートの入力項目、第2次試験当日に持参する証明書を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- エントリー動画を自分で撮って見返す。目線と話す速さを整えたうえで、そこで話した内容を面接でどう深めるかまで書き出しておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
動画と面接を通した一貫した軸を短期間で整えたい場合は、小平市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
小平市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
小平市の試験は、エントリー動画を提出するところから始まります。
専門試験の対策は不要とされている代わりに、あなたがどんな人で、何を考えているのかを見る時間が長く取られている試験です。
5つの路線が通り、暮らしの中心が一つに集まらない20万人のまちで、誰と一緒に何を作りたいのか。動画で話した言葉を出発点に、二度の個別面接で深められるところまで考えを進めていってください。