本記事では、国分寺市職員採用試験の面接対策で必要な、国分寺市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
国分寺市役所の採用試験では、「なぜ国分寺市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「これまでの経験をどう生かすのか」といった質問が想定されます。国分寺市の試験は筆記の前に書類選考が置かれているため、書いた志望動機と、面接で話す志望動機が一本につながっているかが最初から見られます。
本記事の掲載内容を参考に、自分の関心と国分寺市政の接点を整理し、申込書類と面接の両方に一貫した軸を作ってください。
第1部|自治体研究編
国分寺市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは国分寺市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口は130,076人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積は11.46平方キロメートル。
- 人口密度は11,350人/km²で、狭い市域に人が密に暮らす市である。
- 市域は府中市、国立市、立川市、小平市、小金井市という5つの市に囲まれている。
- 採用試験は書類選考から始まる4段階。書類選考では、申込時に提出する「自己紹介書」の内容から、国分寺市への関心や貢献意欲、表現力が評価される。
- 令和7年度のⅠ種・一般事務では、応募者462人のうち書類選考の合格は376人。筆記に進む前の段階ですでに人数が動いている。
- 市は職員採用について、官民を問わず豊かな社会経験を持った有能な人材を幅広い世代から採用し、人物重視の職員採用試験を行うという考え方を示している。
- Ⅰ種には「一般事務」と「一般事務[経験者主任]」の2職種があり、両者は併願できない。採用時の役職も一般職員と主任職に分かれる。
- 新規採用職員にはOJT制度があり、職場内で指導員や準指導員を決めて年度当初に目標を立て、後日の報告会で振り返る運用が行われている。
国分寺市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「国分寺市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、周囲との位置関係など、市政を説明するときに使える項目を優先して並べました。規模を測るときの参照先として、東京都全体の数値も添えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 130,076人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 11.46km² |
| 人口密度 | 11,350人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 65歳以上人口・高齢化率 | 29,055人・22.3%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 75歳以上人口・75歳以上率 | 16,769人・12.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
| 隣接自治体 | 府中市、国立市、立川市、小平市、小金井市 |
| 市役所所在地 | 〒185-8501 東京都国分寺市泉町二丁目2番18号 |
| 市の花・市の木 | サツキ・ケヤキ |
| (参考)東京都の総人口 | 14,273,066人(令和7年10月1日現在・推計) |
| (参考)東京都の総面積 | 2,194km²(全国で3番目に小さい) |
| (参考)東京都の高齢化率 | 22.4%、75歳以上率13.3%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース) |
国分寺市の面積・隣接自治体・市の花木・市役所所在地は、公表値をもとに当研究会が整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。65歳以上・75歳以上の人口と割合は、総務省が公表する住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値で、国勢調査や推計人口とは調査そのものが異なります。上表の東京都の総人口は推計にもとづく値のため、住民基本台帳ベースの数値と直接は比べられません。統計の最新値は国分寺市公式サイトでもあわせてご確認ください。
数字から考えられる市政課題
住民基本台帳に基づく令和8年1月1日現在の値では、国分寺市の65歳以上人口は29,055人、高齢化率は22.3%で、75歳以上は16,769人(12.9%)です。同じ住民基本台帳ベースの東京都全体は高齢化率22.4%・75歳以上率13.3%ですから、国分寺市は都全体とほぼ同じ水準、75歳以上の割合ではわずかに低い位置にあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)|令和8年1月1日現在)。
この位置取りは、面接で語るときに二通りの読み方ができます。一つは「都と同じ速さで高齢化が進む市」という読み方。
もう一つは、75歳以上の割合がまだ都平均に届いていない今が、体制を整える時間として残されているという読み方です。後者の見方ができると、課題の指摘で終わらず、備えの話に進めます。
もう一つ押さえたいのが密度です。11.46平方キロメートルに13万人余りが暮らすため、人口密度は11,350人/km²になります。
施設を新しく建てるにも、道路を広げるにも、すでに使われている土地の使い方を組み替えることになりやすい環境です。土地の使い方という論点は、次のように答えへ落とし込めます。
国分寺市の経済・産業
東京都の経済規模を土台に置く
令和4年度の経済活動別都内総生産(名目)は120兆2千億円で、全国シェアは21.2%を占めます。実質経済成長率は3.9%で、卸売・小売業、金融・保険業、運輸・郵便業などの増加が伸びを支えました(出典:令和4年度都民経済計算・都内総生産等年報|令和4年度)。
国分寺市の事業所数や産業別の構成は市の公表統計で確認する必要がありますが、経済の話題に入る前提として、この都全体の厚みは押さえておきたいところです。
小さな都域に自治体が並ぶという条件
東京都の総面積は2,194平方キロメートルで、全国で3番目に小さい都道府県です。その区域が特別区である23区と、26市5町8村で構成されています(出典:東京の概要(東京都観光公式サイト GO TOKYO))。
限られた面積のなかに多くの自治体が並んでいるため、市の境と生活の範囲が一致しません。国分寺市が府中市、国立市、立川市、小平市、小金井市という5つの市に囲まれていることも、この構造の表れです。
市民が買い物や通院で隣の市に出ることは日常的に起こりますし、逆に隣の市から国分寺市に入ってくる人の流れもあります。ごみ処理や消防、交通のように、市の枠を越えて考えたほうが合理的な分野があるのはそのためです。
志望動機で「地域に密着した仕事」と述べるなら、その地域が市の境で切れていないことまで意識できていると、話に厚みが出ます。
市の統計をどこまで調べるか
面接対策としての自治体研究では、産業別の細かい統計まで暗記する必要はありません。むしろ、市の予算資料と主要な計画に一度目を通し、市が何にお金と人を割いているかを見るほうが実用的です。
数字は根拠として一つ二つ持っていれば十分で、大事なのはその数字から何を考えたかです。国分寺市の産業や事業所に関する統計は、市の公式サイトの統計ページで最新版を確認しておきましょう。
国分寺市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、国分寺市政が向き合っているテーマが見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
都と足並みをそろえて進む高齢化
高齢化率22.3%・75歳以上率12.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)は、同じ基準の東京都全体(22.4%・13.3%)とほぼ並びます。都全体で起きることが、そのまま国分寺市でも起きると考えてよい位置です。
違うのは規模で、13万人の市では1ポイントの変化がおよそ1,300人の動きにあたります。介護や地域包括支援の話をするなら、この人数の感覚を持ったうえで、限られた市域のなかで拠点をどう配置するかという視点まで進めたいところです。
子どもを生み育てる環境をめぐる都全体の課題
東京都の合計特殊出生率は令和6年で0.96と全国で最も低い水準にあり、都は少子化への対応を最重要課題と位置づけて「少子化対策の推進に向けた論点整理2025」を公表しています(出典:少子化対策の推進に向けた論点整理2025(東京都)|令和7年8月公表)。これは都全体の数値であり、国分寺市単独の出生率ではありません。
ただ、保育や子育て支援の実務を担うのは市ですから、都の方向と市の現場をつなぐ位置に自分がいるのだ、という理解は志望動機の芯になります。
大規模地震と帰宅困難者への備え
東京都が令和4年5月に公表した被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、帰宅困難者は約453万人、避難者は約299万人、死者は約6,100人と見込まれています(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月25日公表)。都心へ通勤・通学する住民が多い市では、帰宅困難者の問題は「市外にいる市民をどう守るか」と「市内に足止めされた人をどう受け入れるか」の両面で現れます。
この想定は都全体を対象としたものですから、国分寺市域の想定と避難所の考え方は、市の地域防災計画で確認してください。
限られた市域での行政運営
面積11.46平方キロメートル、人口密度11,350人/km²という条件は、施策の選び方に効いてきます。一般に、市域が狭く密度の高い市では、新しい用地を確保して施設を建てるという解より、既にある施設や空間の使い方を組み替える解のほうが現実的になりやすいものです。
公共施設の複合化や、隣接する市との連携も、その延長線上で語られます。面接で「やりたい仕事」を話すときは、この制約のなかで実行できる形まで落とし込めているかどうかが差になります。
国分寺市の市政の方向|人材育成基本方針とめざす職員像
国分寺市が人材育成基本方針で明記する「めざす職員像」は4つです。採用試験で示される人物像が入口の基準だとすれば、こちらは入庁後に育てたい姿を示したもので、面接で語る将来像とも自然につながります(出典:国分寺市職員採用案内(人材育成基本方針の掲載あり))。
| めざす職員像 | 市の説明 |
|---|---|
| 市民の立場に立って考える人 | 市民に寄り添い、市民とともに汗をかくことを厭わない人 |
| 経営感覚を備えた人 | コスト(費用対効果)の視点から捉え、スピーディーな行動を旨とする人 |
| 創造性にあふれた人 | 現状の課題を発見し、将来を見据えて改革に挑戦する実行力とイノベーション精神の持ち主 |
| 人間性豊かな人 | 高い倫理意識を有し、地域貢献のための行動を起こすことのできる人 |
4つを並べて読むと、市民に近い立場で考えることと、費用対効果を見ることが同じ列に置かれている点が目を引きます。市民の要望をそのまま実現するのでも、コストを理由に断るのでもなく、両方を抱えたまま最善を探す姿勢が求められている、と読み替えられます。
入庁後の育て方から逆算する
国分寺市は新規採用職員に対しOJT制度を設けています。職場内で指導員や準指導員を決め、年度当初に目標を立てて、後日の報告会で振り返る運用です。指導の対象は担当業務に関することだけでなく、社会人や公務員としての姿勢や心構えにも及びます。
ここから読み取れるのは、入庁後に一から教えることを前提にしているという姿勢です。完成された即戦力を演じる必要はありません。むしろ、教わったことを吸収して形にしてきた経験のほうが、この市の育成の考え方には響きます。
POINT|職員像は暗記するものではない
4つのめざす職員像を並べて言えても、評価にはつながりません。自分の経験のうちどれか一つと重なるものを選び、経験を先に話してから職員像に触れる順番にしましょう。
悪い例「国分寺市がめざす職員像である、経営感覚を備えた人になりたいと考えています」
改善例「サークルの会計を担当していたとき、続けたい行事とお金の制約が合わなくて、優先順位を全員で決め直したことがあります。費用と効果を見ながら判断する経験は、市の仕事でも生きるのではと思っています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、要点を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
なお本記事では、国分寺市の総合計画の名称と内容までは扱っていません。市の最上位計画については、国分寺市公式サイトに掲載されている最新版をご自身で確かめてください。
- 国分寺市職員採用試験の受験案内(最新年度・Ⅰ種)
- 国分寺市職員採用案内(求める人物像・人材育成基本方針・OJT制度)
- 国分寺市の総合計画と、関心のある分野の個別計画
- 最新年度の予算資料と、市長の施政方針に関する資料
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、国分寺市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。国分寺市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
国分寺市役所の面接の概要
ここからは、国分寺市役所の試験の形式と流れ、質問の全体像、備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
国分寺市役所の試験の流れ
令和8年度のⅠ種は、書類選考、第1次試験、第2次試験、第3次(最終)試験の4段階です。注目したいのは入口で、筆記より先に、自己紹介書による書類選考がある点が国分寺市の試験の性格をよく表しています。
| 項目 | 内容(令和8年度・Ⅰ種) |
|---|---|
| 試験の段階 | 書類選考 → 第1次試験 → 第2次試験 → 第3次(最終)試験の4段階 |
| 職種 | 一般事務(採用時は一般職員)と一般事務[経験者主任](採用時は主任職)。採用予定数はいずれも若干名で、両者の併願はできません |
| 出題の程度 | 大学卒業程度 |
| 書類選考 | 申込時に提出された「自己紹介書」の内容により、国分寺市への関心や貢献意欲、表現力を評価 |
| 第1次試験 | 筆記試験(適性検査:SPI)。テストセンターにて実施 |
| 第2次試験 | 面接試験・人物試験(市庁舎にて実施)。2日間の日程で行われ、受験案内に「2日間とも受験が必要」と明記されています |
| 第3次(最終)試験 | 面接試験(市庁舎にて実施) |
| 申込方法 | 電子申請と郵送申込の2段階。両方が完了していないと受験できません。郵送書類は履歴書(市指定様式・直近3か月以内に撮影した写真を貼付)と自己紹介書(市指定書式)で、経験者主任の受験者は職務経歴書を追加。角2号封筒に封入し簡易書留で送付します(持参は不可) |
| 結果の通知 | 第3次試験の結果は郵送。合格者・不合格者のいずれにも、第2次・第3次試験の総合得点および順位が通知されます |
| 配点 | 試験種目別の配点は受験案内に記載がありません |
| 採用候補者名簿 | 令和9年4月以降、名簿登載者から高点順に採用。名簿は原則として作成日から1年を経過すると失効します |
上記は国分寺市が公表した令和8年度(令和9年度採用)職員採用試験(Ⅰ種)の受験案内にもとづく内容です。第2次試験は「面接試験」「人物試験」とのみ表記され、個別面接か集団面接かの別や集団討論の有無までは公表されていません。試験の構成・日程・区分は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内をご確認ください(出典:国分寺市職員採用試験受験案内(Ⅰ種)|令和8年度)。
各段階でどれだけ絞られるのか
国分寺市は受験案内で過去3年度の実施結果を公表しています。Ⅰ種・一般事務の推移は次のとおりです。
| 年度(Ⅰ種・一般事務) | 応募者 | 書類選考合格 | 第1次合格 | 第2次合格 | 最終合格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 462人 | 376人 | 176人 | 60人 | 28人 |
| 令和6年度 | 457人 | 407人 | 211人 | 97人 | 60人 |
| 令和5年度 | 644人 | 396人 | 180人 | 91人 | 37人 |
令和7年度は462人の応募のうち376人が書類選考を通過し、最終合格は28人でした。同じ年度の一般事務[経験者主任]は、応募137人・書類選考109人・第1次54人・第2次31人・最終12人です。
ここから読み取れることは二つあります。一つは、書類選考の段階でも一定数が絞られていること。
もう一つは、令和5年度と令和7年度を比べると、応募者数も最終合格者数も年度によって大きく振れることです。前年の結果をそのまま前提にせず、自分の年度の受験案内で確認する姿勢を持ちましょう。
国分寺市役所が求める人物像
国分寺市が採用試験で求める人物像として掲げているのは、「自分と地域社会の理想像をイメージし、それを実現するために絶え間なく自己研鑽に励める人」「変化に適応しつつ、物事を客観的に分析し、知識や理解を深めていく姿勢を持てる人」の2点です。あわせて市は、官民を問わず豊かな社会経験を持った有能な人材を幅広い世代から採用し、人物重視の職員採用試験を行うとしています。
2つの人物像に共通するのは、状態ではなく動きを求めている点です。理想像を「持っている」ではなく実現に向けて研鑽を続けること、知識が「ある」ではなく深め続けること。継続している行動を語れる材料を選びましょう。
ここから先は、市が公表している内容ではなく、規模から来る一般的な傾向の話です。人口13万人台の市役所では、部署ごとの陣容が大規模市ほど厚くないぶん、企画も窓口も関係機関とのやり取りも同じ担当者が受け持つ場面が出てきます。
担当が変われば未経験の分野に入ることも珍しくありません。そうした職場では、分からないことを自分で調べ、経験のある人に聞きながら形にしていける人が重んじられやすいと考えられます。国分寺市が新規採用職員のOJTを制度として整えているのも、この働き方と無関係ではないでしょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。国分寺市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 緊張していますか? | 場慣れの有無ではなく、想定外の一言に自然な調子で返せるか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 民間でもできる動機で止まっていないか。職業選択の筋道が経験とつながっているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自分を客観視できているか。短所とどう付き合っているかまで語れるか |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 困難の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという行動の中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 卒業論文(研究)のテーマについて、簡単に説明してください | 専門外の相手に伝わる言葉へ翻訳する力。学びを仕事へつなげる視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか? | 市の仕事への理解の解像度。希望どおりの配属でなくても働ける柔軟さ |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近関心を持ったニュースは何ですか? | 社会の動きへのアンテナと、それについて自分の意見を一言で述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは国分寺市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「国分寺市ならではの事情を踏まえた質問」です。
差がつくのは「国分寺市役所ならでは」の質問
この2問は、どちらも市の実情を知らなければ答えようがありません。しかも国分寺市の場合、同じ問いが自己紹介書の段階でも形を変えて問われています。
書いた内容と面接での答えがずれないことが前提になるぶん、材料さえ持っていれば一貫性のある受験者として印象づけられる質問でもあります。使いやすい事実を絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい国分寺市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ都庁ではなく市役所か | 国分寺市は5つの市に囲まれた11.46km²の市で、市民との距離が近い規模の組織である | 規模が小さいから近いという説明で止めず、13万人という単位なら現場で見えた課題を制度の見直しまで運びやすい、という自分なりの理屈を添えます |
| 市の規模と位置 | 人口130,076人、面積11.46km²、人口密度11,350人/km²。府中市、国立市、立川市、小平市、小金井市と接する | 密度の高さを、施設や道路を新しく広げにくいという具体的な制約に言い換えてから、使い方の組み替えという話題につなげます |
| 市の課題 | 高齢化率22.3%・75歳以上率12.9%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)で、同じ基準の東京都全体(22.4%・13.3%)とほぼ同水準 | 都と並んでいるという事実を、いまが備えの時間として残されているという前向きな読みに変えて話します |
| 採用の考え方 | 市は官民を問わず豊かな社会経験を持った人材を幅広い世代から採用し、人物重視の試験を行うとしている | 幅広い世代という言葉を受けて、自分より年上の同期と働くことへの構えまで一言添えておくと、想像力のある受験者に映ります |
| 試験の性格 | 書類選考から始まる4段階。自己紹介書で市への関心や貢献意欲、表現力が評価され、令和7年度は462人の応募のうち376人が書類選考を通過した | 自己紹介書に書いた志望動機を暗記し直すのではなく、書いたときに考えたことを面接でもう一段深く話せるように準備します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、求める人物像に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 絶え間なく自己研鑽に励めるか | 誰にも言われないまま続けてきたことがあるか | 国分寺市が求める人物像の一つ目に重なる材料として、結果の派手さではなく続いた期間と続けられた理由を説明できるようにする |
| 変化に適応し、客観的に分析できるか | 前提が崩れた場面で、思い込みを一度捨てて事実を確かめ直せたか | 第2次試験が2日間にわたる国分寺市では、初日と二日目で問われ方が変わる可能性も想定し、同じ経験を別角度から語れるように整理しておく |
| 市民の立場に立って考えられるか | 自分の都合ではなく相手の事情から出発して動いた場面があるか | 人材育成基本方針のめざす職員像とも重なる部分なので、相手の話を聞いて自分の案を修正した経験を一つ用意する |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。国分寺市は面接の場面が第2次・第3次と続きますから、同じ経験を何度も掘られる前提で準備しておきましょう。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておくことが、いちばんの近道です。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の受験案内を読み、書類選考に提出する自己紹介書と履歴書の様式、郵送の締切と方法を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 提出した自己紹介書の写しを手元に置き、書いた内容を一段深く話す練習をする。声に出して答え、掘られたときの返し方を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
限られた時間で面接対策を仕上げたい場合は、国分寺市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
国分寺市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
国分寺市の試験は、自己紹介書を読む書類選考から始まり、2日間の第2次試験を経て第3次試験へと進みます。合否のいずれの場合も第2次・第3次の総合得点と順位が通知されるという運用からも、人物をていねいに見ようとする姿勢が伝わってきます。
書いた言葉と話す言葉を一本につなぎ、5つの市に囲まれた13万人の市で自分が何をしたいのかを、具体的な場面として描き出していきましょう。