本記事では、三鷹市職員採用試験の面接対策で必要な、三鷹市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
三鷹市役所の面接試験では、「なぜ三鷹市を志望したのか」「市職員としてどんな仕事に関わりたいのか」「自分の強みを市政でどう発揮するのか」といった質問が想定されます。三鷹市の一般事務には第1次試験の内容が異なる2つの受験区分があり、入口は二本、そこから先は同じ道という設計になっています。
本記事の掲載内容を手がかりに、自分の経験と三鷹市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。
第1部|自治体研究編
三鷹市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは三鷹市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口191,083人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積16.42km²・人口密度11,637人/km²の市である。
- 接するのは世田谷区、杉並区、調布市、武蔵野市、小金井市。接する5団体のうち2つが特別区で、区部と市部の境に位置している。
- 市役所は〒181-8555 東京都三鷹市野崎一丁目1番1号に置かれている(団体コード13204-7)。
- 市の花はハナカイドウ、市の木はイチョウである。
- 三鷹市は東京都の26市の一つであり、職員採用試験は市が独自に実施している。特別区人事委員会が行う特別区職員採用試験とは別の制度である。
- 一般事務の第1次試験にはA方式とB方式の2つの受験区分がある。募集要項はA方式を「専門試験 ⇒ 従来の公務員試験です。」、B方式を「基礎能力試験 + 事務能力試験 ⇒ 特別な公務員試験対策が不要な試験です。」と説明している。
- 募集要項は「採用後は、いずれの受験区分であっても同じ一般事務としての勤務になります。待遇(昇給、昇任、昇格等)の差は一切ありません」と明記している。
- 選考は第1次試験から第4次試験までの4段階で、この中で個別面接試験が計2回行われる。
- 一般事務の主な配属先は「保育園・学校を除くすべての部署」とされている。
- 東京都全体では、令和7年10月1日現在の推計で総人口14,273,066人。うち区部が9,947,644人、市部が4,249,936人である(出典:東京都の人口(推計)|令和7年10月1日現在)。
三鷹市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計値を細かく暗記する必要はありませんが、「三鷹市がどういう密度と規模の市なのか」を言葉にできることが、志望動機の土台になります。
下の表は、市の規模と位置に関わる項目に絞ってまとめたものです。都の中での立ち位置が分かるよう、東京都全体の数値も添えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 191,083人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 16.42km² |
| 人口密度 | 11,637人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 世田谷区、杉並区、調布市、武蔵野市、小金井市 |
| 市役所所在地 | 〒181-8555 東京都三鷹市野崎一丁目1番1号 |
| 市の花・市の木 | ハナカイドウ・イチョウ |
| (参考)東京都の総人口 | 14,273,066人(令和7年10月1日現在・推計) |
| (参考)東京都の区部人口 | 9,947,644人(同) |
| (参考)東京都の面積 | 2,194km²(全国で3番目に小さい) |
三鷹市の面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理したものです。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。東京都に関する数値は、東京都の推計人口および東京都観光公式サイトの概要資料に基づきます。市の統計の最新値は、三鷹市公式サイトであわせてご確認ください。
16.42km²に約20万人という条件
三鷹市の面積は16.42km²です。そこに約20万人が暮らし、人口密度は11,637人/km²に達します。
東京都全体は面積2,194km²に約1,427万人ですから、都を平均すると1km²あたり6,000人あまり。三鷹市の密度は都全体を平均した水準のおよそ2倍という計算になります(参考:東京の概要|面積・行政区域)。
接する相手を見ても、世田谷区と杉並区という2つの特別区が並びます。制度の上では市でありながら、暮らしの実感としては区部と地続きという位置です。
ただし、制度が別であることは面接の前提として押さえておく必要があります。市域が狭いということは、新しく土地を確保する余地が小さいということでもあり、施設の建て替えや複合化といった話題が現実味を持ちます。面接では、次のように話せます。
三鷹市の経済・産業
東京都という経済圏の中で
令和4年度の経済活動別都内総生産は名目120兆2千億円で、全国シェアは21.2%を占めます。実質経済成長率は3.9%で、卸売・小売業、金融・保険業、運輸・郵便業などの増加が成長を牽引しました(出典:令和4年度都民経済計算|都内総生産等年報)。
この数字は都の話であって、そのまま市の話にはなりません。都の人口の約7割が区部に集まっているように、経済の重心も区部の側にあります。
市部に位置する自治体は、その重心との距離感の中でそれぞれの役割を担っています。三鷹市の場合、区部に接するという位置がその距離感を特徴づけています。
住む場所としての市という性格
16.42km²に約20万人という密度は、この市が住まいの集積によって成り立っていることを示しています。三鷹市が職員の手当として住居手当を設け、募集要項に都内初となる市独自の加算があると記していることも、住まいを重く見る市の姿勢の表れと読めます。
加算の額は年齢層によって定められ、〜27歳と28〜32歳の区分では市内に住む職員のほうが高く、33・34歳の区分は市内外とも同額です。
職員の住まいにまで市が関与するということは、住むことそのものを政策の対象として捉えているということです。産業統計だけを追うより、住む場所として選ばれ続けられるかという切り口のほうが、この市の経済を語るには適しています。
採用の顔ぶれから仕事の幅を読む
令和8年度(令和9年4月1日以降採用)の募集人数は、一般事務30人程度、土木技術5人程度、建築技術5人程度、電気技術5人程度、保育士15人程度です。電気技術を独立した区分として置いている点は、施設の維持管理を自前で担う体制があることをうかがわせます。
一般事務の主な配属先は「保育園・学校を除くすべての部署」とされています。裏を返せば、それ以外のどの分野にも配属される可能性があるということです。市域が狭くても、市が担う仕事の種類が減るわけではありません。
三鷹市の主な行政課題
ここまでの数字と位置を踏まえると、三鷹市が向き合う課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
都の平均並みという高齢化の位置
住民基本台帳をもとにした集計では、令和8年1月1日現在の三鷹市の高齢化率は22.3%、75歳以上の割合は13.1%です。同じ集計による東京都全体は22.4%・13.3%ですから、三鷹市はほぼ都の平均どおりの年齢構成ということになります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
ここで注意したいのは、平均並みであることを安心材料と読まないことです。都の側の推計では、令和7年9月時点の高齢者人口は312万人で過去最多、うち75歳以上は184万6千人でこちらも過去最多を更新しています。
都全体が高齢化していく速さに、三鷹市も同じ速さで乗っているという読み方が正確でしょう。なお、住民基本台帳による集計と都の推計は調査が異なるため、数値をそのまま突き合わせることはできません。
全国で最も低い出生率という前提
東京都の合計特殊出生率は令和6年に0.96となり、前年の0.99から低下して8年連続の低下となりました。全国で最も低い水準です。
出生数は84,207人で9年連続の減少、自然増減数はマイナス56,122人でした(出典:令和6年東京都人口動態統計年報(確定数))。都はこれを最重要課題と位置づけています。
三鷹市が保育士を15人程度募集し、一般事務の配属先から保育園と学校を外していることは、子育てに関わる現場を専門の職員で固めていることを意味します。子育て分野を志望するなら、この体制の違いまで理解しておくと話が具体的になります。
首都直下地震と帰宅困難者
東京都が令和4年5月に公表した被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方に発生した場合、死者約6,100人、負傷者約9万3,400人、建物被害約19万4,400棟、避難者約299万人、帰宅困難者約453万人と想定されています。23区の約6割の範囲が震度6強以上になるとされます(出典:首都直下地震等による東京の被害想定|令和4年5月公表)。
区部に接し、区部へ通う住民を多く抱える市にとって、帰宅困難者約453万人という想定は他人事ではありません。人口密度11,637人/km²の市域で避難所をどう確保するかという問題もあります。防災を語るなら、都の数字を挙げたうえで、市のハザードマップで自分の関わる地区の想定まで確かめておいてください。
狭い市域で施設と住まいをどう更新するか
16.42km²という市域に、約20万人の暮らしと、それを支える公共施設が収まっています。新しい用地を確保する余地が小さい以上、市が打てる手は既存の施設や土地の使い方を組み替えることに寄ります。市が職員の住居手当に独自の加算を設けているのも、住まいに関わる条件が市政の関心事であることの一面です。
面接で「市の課題」を語るとき、人口減少という言葉だけを持ってくると三鷹市の実情には合いません。限られた面積の中で、増える高齢者と、減る子どもと、通勤する現役世代を同時に受け止めるという組み立て方のほうが、この市には合っています。
三鷹市の重点政策|市民参加・市民協働という掲げ方
三鷹市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。この章では、面接に直接効く材料として、市が採用サイトで発している言葉を読み解きます。採用の場面で何を語るかという選択には、その市の自己認識が表れます。
採用サイトが掲げている言葉
三鷹市の採用サイトは、メインメッセージとして「人生を彩る 仕事の選択。」、コンセプトとして「Welcome to MITAKA あなたと創る 新しい街の物語。」を掲げています。
そして市の魅力について、「三鷹市の魅力は、市民参加・市民協働によるまちづくり」だと説明し、市民一人ひとりが将来への希望にあふれ、「三鷹で暮らし続けたい」と実感できるよう、より良い街の創生のため様々な取り組みを行っているとしています(出典:三鷹市職員採用サイト)。
注目したいのは、魅力として挙げられているのが施設でも産業でもなく、まちづくりのやり方だという点です。市民参加・市民協働という言葉は多くの自治体が使いますが、三鷹市はそれを採用の場面で最初に出しています。何を誇りにしている組織なのかが、この一行に出ています。
「暮らし続けたい」という目標の意味
もう一つの鍵は、「三鷹で暮らし続けたい」と実感できるようにするという目標の立て方です。住みたいでも、選ばれたいでもなく、暮らし続けたいと書かれています。すでに住んでいる人が離れないことを目標に据えているということです。
面積16.42km²に約20万人という条件の下では、新たに人を呼び込む余地は限られます。今いる市民が住み続けられる条件を整えることが、そのまま市の存続に関わります。第1部で見た住居手当の独自加算も、この方向と矛盾しません。
POINT|協働という言葉を、行事の手伝いで終わらせない
市民参加・市民協働を志望動機に使うなら、イベントに参加した経験を並べるだけでは足りません。決める過程に市民が関わるとはどういうことか、そこで職員が何をするのかまで踏み込んでください。
悪い例「三鷹市は市民の皆さんと協働でまちづくりを進めていると知り、私もその一員として貢献したいと思いました」
改善例「大学の実習で、地域の清掃活動の計画を住民の方と一緒に立てたことがあります。こちらの案を説明する時間より、相手の話を聞く時間のほうが長くなりましたけれども、そのほうが続く仕組みになりました。市民の方と決めていく仕事に関わりたいと考えています」
東京都の課題認識と市の現在地
東京都は少子高齢化と気候危機を都政の重点課題として位置づけ、合計特殊出生率0.96という水準への対応を最重要課題としています。三鷹市の高齢化率22.3%は都の平均とほぼ同じ位置にあり、これから同じ速さで高まっていくと考えられます。
市民参加・市民協働という手法は、行政の人手だけでは追いつかない領域が広がるという見通しの中で、いっそう重みを増していきます。
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 三鷹市職員採用試験の募集要項(自分が受ける職種・受験区分のもの・最新年度)
- 三鷹市職員採用サイト(メッセージと仕事の紹介)
- 三鷹市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 三鷹市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を確かめる材料として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、三鷹市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。三鷹市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
三鷹市役所の面接の概要
ここからは、三鷹市役所の試験の形と流れ、質問の全体像、そして差がつく質問への備え方を、市の公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
三鷹市役所の試験の流れ
令和8年度(令和9年4月1日以降採用)の募集要項によれば、選考は第1次試験から第4次試験までの4段階です。第1次試験の筆記のあとに、エントリーシート審査、個別面接試験、行動対応力検査、個別面接試験という選考種目が並び、個別面接試験は計2回行われます。
募集要項は「各選考の詳細は、合格者の方に対して、都度お知らせします」としており、事前に全容が示されるわけではありません。
| 項目 | 内容(令和8年度・令和9年4月1日以降採用・一般事務) |
|---|---|
| 選考の段階 | 第1次試験から第4次試験までの4段階 |
| 受験区分 | A方式とB方式。第1次試験の内容が異なります(いずれも大学卒業程度の内容) |
| A方式の第1次試験 | 専門試験(120分)。出題科目は憲法、行政法、民法、経済学、財政学、社会政策、政治学、行政学、国際関係。募集要項は「従来の公務員試験です。」と説明しています |
| B方式の第1次試験 | 基礎能力試験(60分/言語、数理、論理、常識、英語)と事務能力試験(50分/照合、分類、言語、計算、読図、記憶)。募集要項は「特別な公務員試験対策が不要な試験です。」と説明しています |
| 第2次試験以降 | 募集要項は「第2次試験以降は、A方式・B方式ともに同一日程、同内容です」と明記しています |
| 選考種目 | エントリーシート審査、個別面接試験、行動対応力検査、個別面接試験。個別面接は計2回です |
| 採用後の扱い | 「採用後は、いずれの受験区分であっても同じ一般事務としての勤務になります。待遇(昇給、昇任、昇格等)の差は一切ありません」と明記されています |
| 配点 | 募集要項に記載がなく、非公表です |
| 受験資格(一般事務) | 平成13年4月2日から平成19年4月1日までに生まれた方で学歴不問。「活字印刷文による出題に対応できる方」とされています |
| 申込方法 | 専用サイトでの電子申請のみ。仮登録・本登録のあと、マイページの「エントリー入力」から応募者情報の入力と顔写真データのアップロードを行います |
| 募集人数 | 一般事務30人程度、土木技術5人程度、建築技術5人程度、電気技術5人程度、保育士15人程度 |
| 採用の仕組み | 最終合格者は職員採用候補者名簿に登載されます。名簿の有効期限は1年間で、原則として令和9年4月1日以降、欠員等の状況に応じて順次採用されます |
上記の試験構成は、三鷹市の令和8年度職員採用試験(令和9年4月1日以降採用)の募集要項にもとづく一般事務のものです。募集要項の日程表は選考種目と試験の回次が一対一で対応する形になっていないため、本記事では「第4次試験まで実施」「個別面接は計2回」の範囲で記載しています。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:三鷹市職員採用試験募集要項|令和8年度)
この設計から読み取れることは明快です。入口を二本に分けたのは、受験者の裾野を広げるためであり、人物を見る段階では両方の区分を同じ土俵に載せています。
専門試験を突破してきた人も、対策なしで受けられる試験から入ってきた人も、第2次試験以降は同じ日程・同じ内容で評価されるわけです。さらに、待遇に差は一切ないと明記されています。
どちらの方式を選ぶかは受験戦略の問題であって、採用後の立場の問題ではありません。あわせて押さえておきたいのは、三鷹市が東京都の市であり、特別区人事委員会の実施する特別区職員採用試験とは別の制度だということです。
都内の採用試験として一般に語られる情報は特別区を前提にしていることが多く、そのまま持ち込むと準備を誤ります。
三鷹市が求める人物像をどう補うか
確認した三鷹市の令和8年度募集要項と職員採用サイトの本文には、「求める人物像」や「求める職員像」という見出しでまとめられた文言は置かれていません。そこで、市が採用サイトで発しているメッセージを評価の軸として読み替えます。
市が魅力として最初に挙げるのは市民参加・市民協働によるまちづくりであり、目標として掲げるのは市民が「三鷹で暮らし続けたい」と実感できる状態です。ここから引き出せる姿勢は、決める前に聞くこと、そして関わりを一度きりで終わらせないことの2つでしょう。
選考に行動対応力検査が置かれていることも、その場の受け答えだけでなく、行動の傾向まで見ようとしていることの表れだと考えられます。
市の公表事実はここまでです。ここから先は、当研究会が各地の市役所を見てきたなかでの見方になりますが、人口20万人規模の市では、県庁のように分野ごとに細かく部署が分かれているわけではなく、一人の職員が制度の運用と市民への説明の両方を受け持つ場面が多くなります。
そのため、専門を深める姿勢と、担当の外から来た相談を受け止める幅の両方が重視されやすくなります。三鷹市の場合、一般事務の配属先が保育園と学校を除くすべての部署とされていること、入口を二本に分けてでも人を集めようとしていることが、その事情を裏づけていると考えられます。
受ける市ごとに別の顔を用意する必要はありません。自分の経験を、この市の働き方に合う形で語れれば十分です。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。三鷹市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はここまでどうやって来ましたか | 身構える前の受け答えに出る話し方の癖 |
| ② 動機・志望 | 近隣の区や市ではなく三鷹市を選んだ理由は何ですか | 区部に接する市を選んだ理由を説明できるか |
| ③ 自己理解 | 人と意見が合わないとき、どうすることが多いですか | 合意をつくる場面での自分の型を把握しているか |
| ④ 経験・行動 | 誰かの話を聞いて、自分の考えを変えた経験はありますか | 聞くという行為が形だけになっていないか |
| ⑤ 学業・経歴 | A方式とB方式のどちらを選び、それはなぜですか | 自分の準備状況を踏まえた判断ができているか |
| ⑥ 適性・将来 | 配属先が希望と違ったらどう働きますか | 幅広い部署への配属を前提に考えられているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 市民参加とは何だと考えますか | 市が掲げる言葉を自分の理解で言い換えられるか |
ただし、この7カテゴリーは三鷹市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「三鷹市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「三鷹市役所ならでは」の質問
どちらも三鷹市の現状を知らなければその場では答えようがない質問です。逆に言えば、市が自分の言葉で語っているものを読んだかどうかが表れる質問でもあります。こうした質問に答えるための「三鷹市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい三鷹市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と密度 | 人口191,083人・面積16.42km²・人口密度11,637人/km²。都全体を平均した密度のおよそ2倍にあたる | 狭い市域に人が集まるという条件が、施設の更新や避難所の確保にどう効くかまで踏み込んで話します |
| なぜ都庁ではなく市役所か | 三鷹市は東京都の26市の一つで、採用試験も市が独自に実施。世田谷区・杉並区という2つの特別区と接している | 広域を担う都との役割の違いに触れたうえで、区に接する市ならではの距離感で市民と向き合いたいという理由に結びます |
| 市が掲げる魅力 | 採用サイトが「三鷹市の魅力は、市民参加・市民協働によるまちづくり」と説明し、「三鷹で暮らし続けたい」と実感できる状態を目標としている | 協働という言葉を繰り返さず、自分が誰かと一緒に何かを決めた経験を挙げ、聞く時間をどう取ったかまで話します |
| 受験区分の設計 | 一般事務はA方式とB方式の2区分。第2次試験以降は同一日程・同内容で、待遇の差は一切ないと明記されている | 自分が選んだ方式の理由を、逃げではなく準備の判断として説明できるようにしておきます |
| 高齢化の位置 | 住民基本台帳による令和8年1月1日現在の高齢化率は22.3%、75歳以上は13.1%。東京都全体の22.4%・13.3%とほぼ同水準 | 平均並みだから問題がないとは言わず、都全体と同じ速さで高齢化が進む前提で、備えの話へつなげます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1つか2つに絞り、事実から自分の問題意識、そして市職員として関わりたい仕事までを一息で話せる形にしておくことです。
想定される評価の観点
面接は、市が採用の場面で語っている姿勢に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 市民と一緒に決める力 | 市が魅力として市民参加・市民協働を最初に挙げている以上、合意をつくった場面は必ず問われる | 自分が主導した話でなくてよいので、相手の意見を採り入れて結論が変わった経験を具体的に思い出しておく |
| 関わりを続ける姿勢 | 「暮らし続けたい」と実感できる状態を目標に置く市では、一度きりの成果より継続の跡が問われる | 数か月以上続けた活動を一つ選び、途中で気持ちが切れかけた時期に何をしたかまで話せるようにしておく |
| 配属の幅への対応力 | 一般事務の配属先が保育園と学校を除くすべての部署とされている | 希望分野を述べたあと、その分野で伸ばしたい力が他の部署でも活きることを一言添えられるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。三鷹市は個別面接が計2回あり、間に行動対応力検査も置かれています。
話の一貫性は複数の場面を通して見られると考えておきましょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておけば、どこまで掘り下げられても話の芯は動きません。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新の募集要項を読み、A方式とB方式のどちらで受けるかを、自分の学習状況から決める
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部を読み返し、三鷹市の密度・市民参加の掲げ方・配属の幅のうち、志望分野に近いものを2つか3つ選んで自分の言葉に直す
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、三鷹市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
三鷹市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
三鷹市の試験は、入口をA方式とB方式の二本に分けたうえで、第2次試験からは同じ土俵で人物を見る形です。個別面接は計2回、その間に行動対応力検査も置かれています。
16.42km²に約20万人が暮らし、市民参加・市民協働を自ら魅力として掲げる市で、自分は誰と何を決めていきたいのか。方式の違いは採用後に残りません。
残るのは、あなたが二度の面接で話した中身のほうです。その中身を厚くする作業に、残りの時間を使ってください。