久留米広域消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(組織の特徴・基礎データ・管轄地域の特性と災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

久留米広域消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官を選んだのか」「久留米広域消防本部の管内でどんな消防吏員になりたいのか」「厳しい体力試験にどう向き合ってきたか」といった、組織理解と体力面の覚悟の両方を確かめる質問が想定されます。久留米広域消防本部は面接が第1次の集団面接と第2次の個別面接の2回に分かれており、1回目と2回目で話す内容の一貫性まで見られる試験設計になっています。

ここで整理した内容をもとに、自分の経験と久留米広域消防本部の仕事との接点を言葉にして、面接での受け答えに備えていきましょう。

第1部|組織研究編

久留米広域消防本部の特徴

本格的な面接対策に入る前に、まずは久留米広域消防本部という組織の輪郭をつかんでおきましょう(時間のない方はここだけでもチェック)。

  • 久留米広域消防本部は、一部事務組合「久留米広域消防組合」が設置する消防本部で、久留米市(中核市)・大川市・小郡市・うきは市・大刀洗町・大木町の6団体の消防に関する事務を担っている。単独の市町村ではなく、複数市町が共同でつくる組合という枠組みで運営されている。
  • 採用試験は久留米広域消防組合が直接実施し、最終合格者は組合の採用候補者名簿に登載される。実施主体は久留米広域消防本部人事研修課である。
  • 消防吏員数は445人(うち女性14人・令和7年4月1日現在)。この人数で、久留米市から大川市・大木町までの6団体の消防をまかなっている。
  • 令和6年中の出動件数は火災104件・救急24,998件・救助200件で、救急が出動全体の大部分を占めている。
  • 消防本部・久留米消防署のほか、三井消防署(小郡市)・浮羽消防署(久留米市田主丸町)・三潴消防署(久留米市城島町)・大川消防署(大川市)を配置し、6団体の広い管内をカバーする体制をとっている。
  • 久留米市山川沓形町には「筑後地域消防指令センター」を設置し、119番通報の受信・指令業務を担っている。名称の似た「久留米広域市町村圏事務組合」という別の一部事務組合もあるが、消防を所管しているのはあくまで久留米広域消防組合である。
  • 最大の特徴は面接の実施回数にある。第1次試験の口述試験が集団面接、第2次試験の口述試験が個別面接という、形式の異なる面接が合計2回課される試験設計になっている。

久留米広域消防本部の基礎データ

面接対策では細かな数字を暗記する必要はありませんが、6団体・約45万人の管内をどんな体制が支えているかは感覚としてつかんでおきましょう。

続く表に、6団体の管内人口・組織体制・出動件数を並べて示します。

項目内容
設置団体一部事務組合「久留米広域消防組合」(久留米市・大川市・小郡市・うきは市・大刀洗町・大木町の6団体)
所在地〒830-0003 久留米市東櫛原町999-1
管内人口445,897人(6団体の合算・住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
消防吏員数445人(うち女性14人)※令和7年4月1日現在
火災件数104件(令和6年中)
救急出動件数24,998件(令和6年中)
救助出動件数200件(令和6年中)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在による6団体の合算値です。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データによります。人口と職員・出動の統計は年次が異なりますので、面接で使うときは時点をそろえてご確認ください。

(出典:全国の消防本部データ|総務省消防庁(久留米広域消防本部))

構成6団体の人口と高齢化率

久留米広域消防本部の管内は、中核市である久留米市と5つの町から構成されており、高齢化の進み方には団体ごとに差があります。

団体人口高齢化率
久留米市299,047人28.4%
大川市30,531人37.2%
小郡市59,685人28.7%
うきは市26,915人36.7%
大刀洗町16,170人28.2%
大木町13,549人30.2%

住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)令和8年1月1日現在によります。高齢化率は団体ごとの値であり、合算・平均はしていません。

数字から考えられる久留米広域の課題

数字の並びで最初に効いてくるのは、救急の多さです。令和6年中の火災104件に対し、救急出動は24,998件と、火災の240倍近い件数が救急に集中しています。

加えて、大川市37.2%・うきは市36.7%と、久留米市28.4%との間には約9ポイントの開きがあり、同じ組合の管内でも高齢化の進み方に差があることがうかがえます。

「久留米広域消防本部の管内では、令和6年中の救急出動が2万5千件近くにのぼると聞きました。久留米市に比べて大川市やうきは市の高齢化率が高いことを踏まえると、町ごとに救急需要の伸び方が違うのではと感じています」

消防吏員が担う主な業務

採用試験の受験案内では、消防吏員が担う業務が、災害現場活動から予防・住民指導まで7項目に整理されています。

  • 火災、救急及び救助等の災害現場活動業務
  • 火災の原因調査と損害調査業務
  • 建築物の消防同意事務及び消防設備等の検査事務
  • 危険物施設等に関する許可、認可事務
  • 119番通報に対する災害受信及び指令業務
  • 住民に対する防火、救急指導業務
  • その他消防行政事務

女性消防吏員については、このうち災害現場活動業務のうち毒劇物等に係る特殊な災害活動業務を除くとされています。

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 久留米広域消防本部の管内は、筑後川の中流域に広がる。中核市の久留米市を中心に、大川市・小郡市・うきは市・大刀洗町・大木町の5団体が周辺に位置し、いずれも筑後川水系と隣り合わせの土地柄である。
  • 久留米市はJR久留米駅・西鉄久留米駅を擁し、九州新幹線も停車する交通結節点。管内人口の3分の2以上を久留米市が占める。
  • 筑後川流域は肥沃な平野が広がる一方、大雨のたびに内水(排水が追いつかず市街地に水がたまる現象)による浸水が繰り返されてきた地域でもある。

こうして見ると、久留米広域消防本部は6団体という広い管内を1つの消防組織で支えながら、筑後川流域に共通する内水・洪水リスクにも向き合う本部だとわかります。

筑後川がもたらす水害リスク|4年連続の内水被害

久留米市周辺は、平成30年7月豪雨で床上浸水423件・床下浸水1,011件という被害を受けました。

翌令和元年7月の大雨では、久留米市を中心とした局所的エリアで24時間雨量351mmを観測し、気象庁久留米観測所では1・3・6・12・24時間雨量の全てが観測史上最大となり、久留米市・小郡市・大刀洗町の7河川で浸水被害が生じています。さらに令和3年8月の大雨では72時間で718.5mm(8月平均雨量の約3倍)を観測し、床上浸水561戸・床下浸水2,695戸に達しました。(出典:豪雨等による被害状況等について|福岡県)

こうして平成30年・令和元年・令和2年・令和3年と4年連続で内水による浸水被害が起きたことを受け、令和2年3月に「金丸川・池町川総合内水対策計画」が策定され、国・福岡県・久留米市が連携した対策が進められています。(出典:金丸川・池町川総合内水対策計画に関する事業資料|国土交通省九州地方整備局(令和4年度))

福岡県は平成29年九州北部豪雨以降、平成30年7月豪雨・令和元年7月と8月の大雨・令和2年7月豪雨・令和3年8月の大雨と5年連続で自然災害に見舞われ、全国で唯一「大雨特別警報」が5年連続で発表された県です。久留米広域消防本部の管内はその中心域にあたり、水害への備えは日常的な課題になっています。

久留米広域の主な消防課題

以上を踏まえると、久留米広域消防本部が抱える論点が浮かび上がります。面接で消防の課題を尋ねられたときの引き出しとして、次の4点を押さえておきましょう。

救急需要への対応

筑後地域に限らず、救急の出動件数は全国で伸び続けています。令和6年中の救急自動車の出動は771万8,380件にのぼり、昭和38年に統計を取り始めて以来の最多となりました。(出典:令和7年版 救急・救助の現況|総務省消防庁)

久留米広域消防本部の24,998件(令和6年中)は、約45万人の管内で1日あたりおよそ68件の救急車が動いている計算になります。火災の240倍近い件数が救急に集中する管内で、限られた救急隊をどう機動的に運用し、緊急性の見極めをどう徹底するかが日々の運用上の課題になっています。

筑後川流域の水害への備え

4年連続の内水被害という実績を踏まえ、金丸川・池町川総合内水対策計画に沿った国・県・市の連携対策が進んでいます。6団体にまたがる管内では、久留米市中心部だけでなく、大川市・小郡市・うきは市など周辺団体の水害リスクにも目を配る必要があります。

構成6団体の高齢化格差への対応

大川市37.2%・うきは市36.7%に対し、久留米市は28.4%にとどまります。同じ組合の管内でも、町によって高齢化の進み方が大きく異なるため、救急需要の伸び方や地域防災力の担い手の確保にも団体ごとの違いが出てくると考えられます。

久留米市中心部の感覚だけで管内全体を語らない視点が求められます。

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員445人のうち女性は14人で、割合は約3.1%です(令和7年4月1日現在)。全国では同じ時点で消防吏員168,230人中6,386人が女性にあたり、国は平成27年度に「令和8年度当初までに5%」という目標を定めました。

交替制勤務にともなう職場環境の整備や、女性が働き続けやすい配属・研修のあり方は、6団体にまたがる管内を1つの組織で受け持つ組合本部にとって、なお残る宿題です。(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

重点方針|6団体で消防を支える組合の役割

久留米広域消防本部には、独立した基本理念や運営方針を掲げた文書は見当たりません(当研究会調べ)。6団体が共同で設置する一部事務組合という枠組みそのものが、この本部の重点方針を考えるうえでの土台になります。

広域組合という運営のかたち

久留米広域消防組合は、久留米市・大川市・小郡市・うきは市・大刀洗町・大木町の6団体がそれぞれ単独で消防を維持するのではなく、共同で1つの消防本部を設置・運営する仕組みです。人口29万人を超える久留米市から人口1万人台の大刀洗町・大木町まで、規模の異なる6団体が同じ消防体制を分かち合っています。

こうした組合形式の本部では、都市部の単独消防本部のように独自の戦略文書を毎年度公表しているとは限りません。その場合は、全国の消防行政に共通する方向性を土台に、久留米広域という実情に引き寄せて考えるやり方が実践的です。

全国的に進む主な取組との接続

取組久留米広域消防本部にとっての意味
女性職員の活躍推進445人中14人(約3.1%)という現状水準から、国が掲げる「令和8年度当初までに5%」の目標にどう近づけるかが課題になる(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)
緊急消防援助隊としての広域応援全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が登録済み(出典:令和6年版 消防白書|総務省消防庁)。筑後川流域の大規模水害時には、応援を受ける側にも送る側にもなり得る
消防指令業務の効率化筑後地域消防指令センターを自ら設置・運営しており、通信指令の分野では周辺地域の中核を担う立場にある(出典:消防本部・署 所在地|久留米広域消防本部)

方針文書の名称を覚えることよりも、こうした全国的な取組が久留米市・大川市・小郡市・うきは市・大刀洗町・大木町という6団体の実情にどう当てはまるかを、自分の言葉で説明できる状態にしておくほうが、面接では役に立ちます。

とりわけ久留米広域消防本部は、筑後地域消防指令センターを自ら設置・運営する立場にあります。周辺地域の指令業務まで担う中核としての役割を踏まえれば、女性職員の活躍推進や緊急消防援助隊としての広域応援といった全国的な取組も、久留米広域が率先して取り組むべき課題として説明しやすくなります。

POINT|組合という仕組みの理解が土台になる

独自の運営方針が確認できない本部では、①消防を取り巻く全国的な課題 ②その課題が6団体の管内にどう当てはまるか ③自分がどう貢献したいか、の順で考えを組み立てるとよいでしょう。

悪い例「困っている人を助けたいので、消防官になりたいです」

改善例「大学のボランティアサークルで水害の後片付けを手伝った経験があります。久留米広域消防本部の管内は筑後川流域で内水被害が繰り返されてきた地域だと知り、消防吏員として現場活動に携わるだけでなく、地域の防災意識を高める活動にも関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

下に挙げる4点のうち、上の2つは受験資格や提出書類を確かめるための実務資料、残りの2つは志望動機を厚くするための材料です。

  • 久留米広域消防組合が公表する消防吏員採用試験の受験案内
  • 久留米広域消防組合公式サイトの職員採用ページ
  • 福岡県が公表する令和3年8月の大雨等の被害状況資料
  • 総務省消防庁が公表する全国の消防本部データ(吏員数・出動件数等)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字や制度を知っているだけでは、突っ込んだ質問をされた瞬間に答えが止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、久留米広域消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。久留米広域消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

久留米広域消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

久留米広域消防本部の面接の概要

久留米広域消防本部の面接の流れ

久留米広域消防組合が直接実施する消防吏員(消防職A)採用試験は、第1次試験の口述試験が集団面接、第2次試験の口述試験が個別面接という、形式の異なる面接が2回組み込まれています。集団討論は受験案内に記載がありません。

項目内容(令和8年度試験)
実施主体久留米広域消防組合(久留米広域消防本部人事研修課)
試験の段階第1次試験・第2次試験の2段階
面接の種類第1次=集団面接(口述試験)、第2次=個別面接(口述試験)。集団討論は受験案内に記載なし
面接以外の検査教養試験(大学卒業程度・120分40問)、適性検査(20分150問)、論文試験(60分)、体力試験(20mシャトルラン・握力・男性は懸垂/女性は斜め懸垂。雨天時は腕立て伏せ)、身体検査(矯正視力を含み両眼0.8以上かつ一眼それぞれ0.5以上、赤色・緑色及び黄色の色彩の識別ほか)
配点受験案内に配点表の記載はなく、人物試験の比重は公表されていない。ただし成績開示制度で「順位・科目別得点・総合得点」が示されるため、科目ごとに得点化されていること自体は確認できる
面接カード受験案内での言及は確認できず。最新の受験案内でご確認ください

上記は久留米広域消防組合が公表する令和8年度試験にもとづくものです。年度によって内容が変わる可能性があるため、受験の際は必ず最新の受験案内をご確認ください。

(出典:令和8年度 採用試験案内|久留米広域消防組合(久留米広域消防本部))

令和8年度の採用予定人員は消防職A7人程度で、受験資格は平成12年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人(学歴・資格は問われません)。最終合格者は原則として令和9年4月1日に採用されます。

初任給は令和8年4月1日現在で高卒18歳228,176円、大卒22歳251,680円です。申込みは郵送(特定記録または簡易書留)で、受験申込書兼身上申告書と受験票を貼り付けたはがきの2点を、角型2号の封筒に朱書きで「受験申込み」と記して提出します。

なお、久留米広域消防組合には消防職Bの区分も存在し、直近では令和4年度に第1次試験が実施された実績がありますが、令和8年度の募集は消防職Aのみである点に注意してください。

久留米広域消防本部が求める人材

久留米広域消防本部は、採用向けの「求める人材像」を明文では公表していません(当研究会調べ)。そのため、面接の評価は一般論としてのコンピテンシー評価、すなわち過去にとった行動の事実から入庁後の再現性を確かめる方法が土台にあるとみてよいでしょう。

試験成績の開示制度があり、不合格者は請求すれば順位・科目別得点・総合得点を確認できることから、面接も含めて科目ごとに得点化されていること自体は確認できます。開示期間は各試験の合格発表の日から1か月間(平日8時30分から17時15分まで)で、受験票と本人であることを示す書類を消防本部人事研修課へ持参して請求する仕組みです。

集団面接と個別面接という異なる形式で2回にわたって人物を見る構造からは、集団の中での立ち居振る舞いと、1対1で深掘りされたときの一貫性の両方が確かめられていると読み取れます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。久留米広域消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ないやり取りに、素の受け答えが表れる
② 動機・志望なぜ久留米広域消防本部を志望するのですか?6団体という管内と消防官という仕事を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解周囲からどんな人だと言われますか?自己認識と他者評価のズレがないか。人柄の一貫性
④ 経験・行動集団の中で意見がぶつかった経験を教えてください過去の行動の事実。集団面接・個別面接の両方で一貫しているか
⑤ 学業・経歴学業やアルバイトで最も力を入れたことは何ですか?物事への取り組み方。継続して力を注げるか
⑥ 適性・将来交替制勤務や体力を要する仕事に不安はありませんか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

ここまでの7分類は準備の土台にすぎません。管内の実情を踏まえた固有の問いにどこまで具体的に答えられるかで、久留米広域消防本部を受ける本気度が伝わります。

合否を分けるのは久留米広域消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか?」
「久留米広域消防本部が6団体で1つの消防を担っていることについて、どう考えますか?」

6つの団体が共同で1つの消防本部を設置しているという運営のかたちを、どう受け止めているか。ここが、消防を選んだ動機と対になるもう一つの軸です。

久留米市中心部の感覚だけで語ると、残る5団体が管内から抜け落ちた答えになります。久留米広域消防本部は面接が2回に分かれている分、1回目と2回目で答えの内容が食い違わないことも重要になります。

面接で使いやすい「久留米広域の事実」を選び、答え方の型とあわせて整理しました。

質問テーマ知っておきたい久留米広域の事実答え方のヒント
6団体で1つの消防を担う仕組み久留米市・大川市・小郡市・うきは市・大刀洗町・大木町の6団体が共同で消防本部を設置している(詳細は第1部1章)特定の1団体だけでなく、管内全体への視点を持っていることを示せると評価につながる
水害への備え4年連続で内水被害が発生し、金丸川・池町川総合内水対策計画が策定されている(詳細は第1部3章)被害の事実だけで終えず、計画に基づく対策まで言及すると理解の深さが伝わる
救急需要への対応令和6年中の救急出動は24,998件で、火災の240倍近い(数値の詳細は第1部2章・4章)件数の多さに加えて、団体ごとの高齢化差にも触れられると具体性が増す
高齢化の地域差大川市37.2%・うきは市36.7%に対し久留米市は28.4%(詳細は第1部2章)久留米市中心部の感覚だけで語らない姿勢を示せる
試験制度の理解面接は第1次の集団面接、第2次の個別面接と形式の異なる2回で構成される(詳細は第2部1章)この試験設計を理解したうえで面接に臨んでいる姿勢そのものが、準備の深さの証明になる

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、〈事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと〉という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

久留米広域消防本部は、面接の評定基準を個別の観点として公表していません。そのため、一般論としてのコンピテンシー評価を軸に、集団面接と個別面接という2回の面接構造から読み取れる観点を整理しました。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
集団の中での協調性第1次の集団面接で、他の受験者の発言を聞きながら自分の考えを伝えられるか自分だけが目立とうとせず、周囲の発言を受けて話す練習をしておく
一貫性・誠実さ第1次と第2次で同じ経験を尋ねられても、内容が食い違わないか面接前に自分の話す内容をメモに整理し、細部まで思い出しておく
体力・生活習慣への覚悟交替制勤務や体力試験の負荷に向き合う姿勢があるか体力試験の種目(シャトルラン・握力・懸垂など)に日頃から取り組んでいる実績を語れるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。久留米広域消防本部のように面接が2回ある試験ではなおさらです。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を踏まえ、本番までにやるべきことを手順として整理します。

  1. 令和8年度の受験案内を読み、受験資格・提出書類(受験申込書兼身上申告書、受験票を貼り付けたはがき)を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動・アルバイトから、集団で意見をまとめた経験と、1対1で信頼関係を築いた経験をそれぞれ1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、6団体という管内の広さと水害リスクを自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、事実から自分の問題意識、やりたいことへの一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、集団面接では他の受験者の発言を受けて話す練習を、個別面接では深掘りに耐える練習を、それぞれ行う。シャトルラン・握力・懸垂の体力試験に向けたトレーニングも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で久留米広域の知識だけを増やしても、2回の面接では評価につながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、久留米広域消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。特に体力試験のトレーニングと面接準備を同時並行で進めなければならない受験生にとっては、回答の材料をあらかじめ整理しておくことで、限られた時間を有効に使えるようになります。

久留米広域消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。集団面接と個別面接の2回に分かれる試験だからこそ、それぞれの場面を想定した準備が差になります。

久留米広域消防本部の想定問答集を見る

さいごに

久留米広域消防本部は、久留米市・大川市・小郡市・うきは市・大刀洗町・大木町という6団体が共同で支える消防組織であり、面接も第1次の集団面接・第2次の個別面接と、形式の異なる2回で人物を確かめる設計になっています。筑後川流域という共通の水害リスクを抱えながら、団体ごとに異なる高齢化の進み方にも向き合わなければならない本部でもあります。

火災の240倍近い件数が集中する救急業務、4年連続の内水被害という実績、そして筑後地域消防指令センターを自ら運営する立場という3つの事実は、いずれも久留米広域消防本部を語るうえで欠かせない材料になります。6団体という管内の広がりを理解したうえで、自分の経験のどこが久留米広域消防本部の仕事に重なるのかを、2回の面接を通じて一貫した言葉にできるよう、準備を重ねていきましょう。