本記事では、みやま市職員採用試験の面接対策で必要な、みやま市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

みやま市役所の面接では、「なぜみやま市を志望したのか」、「市職員として何に取り組みたいのか」、「自分の強みをどの場面で発揮できるのか」といった質問が想定されます。

市民の4割が65歳以上で、生ごみから液肥と電気を生み出す施設を自前で動かしている市です。この2つを知っているかどうかで、答えの中身がまるで変わります。

なお、令和8年度(令和9年4月採用)の試験案内は、2026年8月25日の時点ではみやま市の公式サイトに掲載されていません。

第2部では、市が公表している令和3年度から令和7年度までの実施状況をもとに、区分の構成と採用の規模から準備できることを扱います。

段階構成や面接の形式、配点は、案内が公表されたらご自身で必ずご確認ください。

第1部|自治体研究編

みやま市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずはみやま市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口33,609人(令和8年1月1日現在)、高齢化率40.1%の市。福岡県全体の高齢化率28.2%を10ポイント以上上回る。
  • 福岡県内では大牟田市・柳川市・八女市・筑後市と、県外では熊本県の玉名郡南関町・和水町と境を接する。県境の市である。
  • 面積は105.21km²。人口密度は約319人/km²(住民基本台帳の人口を面積で割った値)。
  • 市の花はさくら、市の木は楠。市役所は瀬高町小川に置かれている。
  • 令和3年8月4日に「ゼロカーボンシティみやま」を宣言。生ごみの資源循環とエネルギーの地産地消を、他地域に先駆けて進めてきた市である。
  • バイオマスセンター「ルフラン」は、家庭から出た生ごみ、し尿、浄化槽汚泥をメタン発酵させ、液肥と電気を生み出す施設。廃校になった小学校のグラウンド跡地に建てられた。
  • 令和2年7月豪雨では、床上床下浸水をはじめ山間部での土砂災害など大きな被害を受けたと市自身が記している。
  • 職員採用は、事務、土木技術職、保健師、民間等経験枠に加えて消防職まで、市の職員採用試験の区分として市が自ら実施している。

みやま市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「みやま市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

人口の規模と年齢の偏り、市域の広さ、そして採用区分の顔ぶれ。この3点が押さえられていれば、みやま市について話す土台としては足ります。

項目内容
総人口33,609人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口13,483人(40.1%、福岡県全体は28.2%)
75歳以上人口7,780人(23.1%、福岡県全体は16.2%)
総面積105.21km²
人口密度約319人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
境を接する市町大牟田市・柳川市・八女市・筑後市、熊本県玉名郡南関町・和水町
市の花・市の木さくら/楠
採用試験の区分一般行政事務A(大卒程度)、一般行政事務B(高卒程度)、一般行政事務C(障がい者対象・高卒程度)、土木技術職(高卒程度)、保健師、民間等経験枠(事務職・情報処理技術職・建築職・社会福祉士/精神保健福祉士)、消防職

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口と、比較に用いた福岡県全体の値は、いずれも総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。国勢調査を基礎とする推計人口とは調査の基準が異なりますので、他の資料の人口と直接比べないでください。採用試験の区分は、みやま市が公表している令和3年度から令和7年度までの実施状況資料によります。

数字から考えられる市政課題

まず目に入るのが高齢化率40.1%という水準です。福岡県全体は28.2%ですから、その差はおよそ12ポイント。

さらに75歳以上が7,780人、人口の23.1%を占めています(いずれも令和8年1月1日現在)。市民のおよそ4人に1人が後期高齢者という構成です。

この年齢構成は、市の仕事の内訳を変えます。健康づくり、介護、移動手段の確保、独り暮らしの見守り、そして相続や空き家の相談。

窓口に来る用件そのものが、若い自治体とは違ってきます。保健師が採用区分として独立して置かれているのも、この構造と無縁ではないでしょう。

みやま市の採用は、一つの区分で多くても数人という規模で、年によっては採用が0人という区分もあります。少ない枠を争う場面では、数字を覚えているかどうかより、その数字から自分が何を考えたかが問われます。

口に出すとすれば、こんな形になります。

「みやま市は4割の方が65歳以上で、75歳以上の方も4人に1人くらいいらっしゃると知りました。ですので、制度を作って終わりではなく、その制度が本当に届いているかを見に行くところまでが仕事になるのではと感じています。私は前の職場でも、案内を出したあとに反応がなかった方へ電話をかけ直す役をしていました」

みやま市の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 令和2年度県民経済計算による福岡県の名目県内総生産は全国第9位。産業別では第1次産業13位、第2次産業11位、第3次産業8位。
  • 県の耕地面積は7万8,000ha(県土の16%)で、そのうち81%が水田(全国平均54%)。小麦・いちご・甘柿は全国2位。
  • 県内の企業のうち99.8%が中小企業で、従業員数でも77.3%を占める。
  • 県の延べ宿泊者数は2023年に2,112万人泊まで回復したが、宿泊者は福岡地区66.7%(うち福岡市52.9%)と北九州地区17.5%に集中している。

この最後の1行が重要です。福岡県の宿泊者のうち8割以上が、福岡地区と北九州地区の2か所に集まっています。

県全体の数字は大きくても、その恩恵は県内で均等には広がっていません。

みやま市のような県南部の市を語るとき、県の平均をそのまま当てはめると実態から離れます。(出典:福岡県の産業|令和5〜6年/福岡県の延べ宿泊者数に関する資料|2023年)

水田地帯としての性格

福岡県の農業は水田割合81%で、全国平均の54%を大きく上回ります。県土の16%にあたる7万8,000haが耕地です。

みやま市が市の木に楠、市の花にさくらを掲げ、山間部を市域に含んでいることを考え合わせると、平地の田と山あいの集落の両方を抱える市の姿が見えてきます。

農業を志望動機に据えるなら、生産の話だけでは足りません。市民の40.1%が65歳以上という数字は、作り手の年齢構成にもそのまま重なります。

誰が続けるのか、続かないなら何を残すのか。ここまで踏み込めると、志望動機の芯が通ります。

生ごみが資源になる仕組み

みやま市の産業を語るとき、もう一つ欠かせない切り口があります。バイオマスセンター「ルフラン」です。

家庭から出た生ごみ、し尿、浄化槽汚泥をメタン発酵させ、液肥と電気を生み出す施設で、廃校になった小学校のグラウンド跡地に建てられました。

できた液肥は農地に戻り、電気は市内で使われます。ごみの処理費用、農業の資材費、エネルギーの購入費という3つの支出が、一つの施設でつながっているわけです。

環境分野を志望する人はもちろん、財政や産業振興に関心がある人にとっても使える材料になります。(出典:みやま市バイオマスセンター「ルフラン」)

みやま市の主な行政課題

数字と産業の姿が見えたところで、みやま市がいま抱えている課題を整理します。面接で「市の課題は何だと思いますか」と聞かれたときに、次の5つから選べる状態にしておきましょう。

4割を超えた高齢化

高齢化率40.1%、75歳以上率23.1%という水準は、福岡県全体(28.2%・16.2%)とは別の段階にあります。福岡県全体が36%台に届くと見込まれているのは2060年ごろです。

みやま市の40.1%は、その2060年の見通し(36.1%)を4ポイント上回っています。県の対策をそのまま持ってきても、規模も速度も合いません。

人口減少の長い見通し

福岡県人口ビジョンは、社人研の推計方法に準拠した場合、県人口が2020年の514万人から減り続け、2060(令和42)年には現在の約8割にあたる408万人になると見込んでいます。

高齢化率は2020年の28.0%から36.1%へ上昇する見通しです。

県は出生率の改善等を前提とした将来展望も併せて示し、40万から60万人程度は減少を緩和できるとしています。(出典:福岡県人口ビジョン)

令和2年7月豪雨が残したもの

みやま市は、令和2年7月豪雨で床上床下浸水をはじめ山間部での土砂災害など大きな被害を受けたと、市自身が記しています。この年、福岡県では4年連続となる大雨特別警報が筑後南部に発表されました。

気象庁大牟田観測所では3時間から48時間までのすべての雨量が観測史上最大となり、県内では床上浸水1,460戸・床下浸水3,593戸の被害が出ています。(出典:福岡県の豪雨災害の記録)

浸水と土砂災害の両方に向き合う市だという点は、防災を語るときの前提になります。平地の排水と、山あいの斜面と、避難のしかたが違うからです。

地震への備え

令和7年10月31日、福岡県は地震防災アセスメント調査報告書を公表しました。

対象は県内7つの主要活断層(小倉東断層、福智山断層帯、西山断層帯、宇美断層、警固断層帯、日向峠-小笠木峠断層帯、水縄断層帯)と南海トラフ地震で、活断層についてはいずれも最大震度7が予測されています。

南海トラフ地震については県内最大震度5強、避難者3,100人という想定です。(出典:福岡県地震防災アセスメント調査報告書|令和7年10月)

区分は多く、採用は少ない

福岡県総合計画(令和4年度から令和8年度)は、県を取り巻く変化として、人口減少・少子高齢化の進行、デジタル化・脱炭素社会への対応、グローバル化の進展、頻発化・激甚化する自然災害の4つを挙げています。

これらは市町村の現場に等しく降りてきます。

一方でみやま市の採用は、令和3年度から令和7年度の実績を見ると、一つの区分あたり多くて5人、採用0人の年度もあるという規模です。

分野の数と人数の差が、そのまま一人あたりの担当範囲になります。

みやま市の重点政策|ゼロカーボンシティみやま

みやま市の政策で、外から見ていちばん分かりやすいのが脱炭素とエネルギーの取組です。ここではその中身と、県の計画との関係を整理します。

市が定めている個別計画の名称と最新版は、みやま市の公式サイトでご確認ください。

宣言と、それを支える施設

みやま市は令和3年8月4日に「ゼロカーボンシティみやま」を宣言しました。宣言だけで終わっていないところが、この市の特徴です。

バイオマスセンター「ルフラン」での生ごみの資源循環と、「みやまスマートエネルギー」によるエネルギーの地産地消を、他地域に先駆けて推進してきたと市は説明しています。(出典:ゼロカーボンシティみやま宣言|令和3年8月)

面接でこの話を使うときは、施設の名前を言えるだけでは足りません。生ごみを出す市民、液肥を使う農家、電気を買う家庭や事業所。

三者がそろってはじめて回る仕組みですから、どこかが欠けると止まります。市役所の仕事は、その三者をつなぎ直し続けることだ、という理解まで持っていきましょう。

県の計画のなかでの位置

福岡県総合計画は、県を取り巻く変化の一つに「デジタル化・脱炭素社会への対応」を挙げ、SDGsの「誰一人取り残さない社会」の考え方が一層重要だとしています。みやま市の取組は、この県の方向性を先に実行してきた形になります。(出典:福岡県総合計画|令和4年度〜令和8年度)

先に走った自治体には、先に来る課題があります。施設をどう維持するか、市民にどう続けてもらうか、費用をどう賄うか。

志望動機を語るなら、始めることより続けることの難しさに触れられると強いです。

POINT|施設名を覚えることが目的ではない

宣言の名前や施設の名前は、覚えていること自体が評価されるわけではありません。関心のある分野を一つか二つ決めて、「①市のなかで何が起きているのか → ②市はどんな姿を描いているのか → ③そこへ向けて動いている取組は何か → ④続けるうえで何が難しいか → ⑤自分にできることはどこにあるか」の順で追いかけてみてください。話が途中で止まらなくなります。

悪い例「みやま市の環境の取り組みに魅力を感じました」

改善例「生ごみを出す方、液肥を使う農家の方、電気を買う方がそろって回る仕組みだと知りました。私はまず、その輪から抜けそうな方に話を聞きに行く仕事から関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

調べる先として、次の5点を挙げておきます。案内が公表されるまでの時間は、3点目から下に使うと無駄になりません。

  • みやま市の職員採用に関するページ(令和8年度の試験案内は、公表されたら真っ先に確認してください)
  • みやま市職員採用試験の実施状況(令和3年度から令和7年度の申込者数・採用者数)
  • みやま市の総合計画をはじめとする市の主要な計画(市公式サイト掲載の最新版)
  • 福岡県総合計画(令和4年度から令和8年度)
  • 福岡県地震防災アセスメント調査報告書(令和7年10月公表)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、みやま市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。みやま市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

みやま市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

みやま市役所の面接の概要

冒頭でも触れたとおり、令和8年度(令和9年4月採用)の試験案内は、2026年8月25日の時点ではみやま市の公式サイトに掲載されていません。

市の募集情報一覧に出ているのは、会計年度任用職員や臨時給食調理員などの募集です。試験の段階構成、面接の形式、配点、提出書類は、案内が公表されてから確認することになります。

ただ、待っているあいだにできることはあります。市は令和3年度から令和7年度までの採用試験の実施状況を公表しており、そこには区分ごとの申込者数と採用者数が並んでいます。

ここから読める範囲を先に押さえておきましょう。

採用区分の構成

みやま市の職員採用試験は、次の区分で組まれています。事務職が学歴の程度で分かれ、そこに技術職と専門職、経験者枠が加わる形です。

区分程度・対象(実施状況資料の記載による)
一般行政事務A大卒程度
一般行政事務B高卒程度
一般行政事務C障がい者対象・高卒程度
土木技術職高卒程度
保健師専門職として独立した区分
民間等経験枠事務職、情報処理技術職、建築職、社会福祉士・精神保健福祉士の各職種で実施年度あり
消防職市の職員採用試験の一区分として、みやま市が実施

注目したいのは最後の行です。消防を別の組合ではなく市の採用試験の区分として置いている以上、消防職も市職員として採用されます。

事務職を志望する人にとっても、市役所と消防が同じ組織のなかにあるという理解は、防災の話をするときに効いてきます。

5年分の実施状況が示すもの

年度一般行政事務A(申込→採用)一般行政事務B(申込→採用)民間等経験枠・事務職(申込→採用)消防職(申込→採用)
令和3年度24人→1人27人→3人28人→2人29人→1人
令和4年度17人→2人25人→3人27人→2人5人→1人
令和5年度39人→5人24人→5人17人→5人資料に記載なし
令和6年度31人→1人19人→2人19人→2人9人→1人
令和7年度20人→1人21人→1人52人→4人13人→1人

上記は、みやま市が公表している令和3年度から令和7年度までの職員採用試験実施状況資料に基づく数値です。年度によって実施される区分が異なり、採用予定人員も変動します。この表は過去の実績であり、今後の募集区分・人数を示すものではありません。受験にあたっては、みやま市の最新の受験案内をご確認ください。(出典:みやま市職員採用試験実施状況|令和3年度〜令和7年度)

数字の動きから、いくつか読み取れることがあります。まず、一般行政事務AとBの申込者数は年度によって17人から39人の幅で動き、採用は1人から5人です。

令和7年度は、民間等経験枠の事務職に採用予定1人へ52人の申込があり、4人が採用されました。予定を上回る採用があった年度もあり、みやま市は募集の枠を固定的に運用していないことがうかがえます。

もう一つ、令和5年度は一般行政事務Aで5人、Bで5人、民間等経験枠の事務職で5人と、この5年でもっとも多く採用しています。年度によって採用の規模が大きく変わる市だという前提を持っておくと、募集が出たときに慌てずに済みます。

公表されている人物像はない

みやま市の職員募集関連ページには、「求める人物像」「求める職員像」にあたる記載がありませんでした。そのため、公表された人物像に自分を照らして準備する組み立て方は、この市では使えません。

代わりに使えるのは、市が毎年公表している採用の実績と、区分の組み立て方です。

以降の3段落は、実施状況資料に並ぶ区分と人数からみやま市の職場を想像したもので、市が公表している見解ではありません。そのつもりでお読みください。

令和3年度から令和7年度までの5年間で、一般行政事務Aの採用は年に1人から5人です。区分は事務、土木、保健師、消防、そして経験者枠と分かれていますが、それぞれの人数はごく限られます。

一つの分野に何人も置ける組織ではありません。担当が替われば、その人が一から覚え直すことになります。

区分の数に対して人数がこれだけ少ないと、担当替えのたびに前任者の手控えと関係先への確認から入ることになります。

生ごみを液肥と電気に変える施設を運営し、脱炭素の宣言を先に出した市ですから、前例の少ない案件を任される場面も多いはずです。

知らない分野を振られても腰が引けないかどうかが、ここでは効いてきそうです。

もう一点、みやま市はバイオマスセンターのように、市民と農家と事業者が続けて関わらないと回らない仕組みを抱えています。窓口での説明ひとつが、翌年も協力してもらえるかどうかに響きます。

応対の丁寧さが事業そのものの成否に直結しやすい環境だと、はじめから見込んでおきましょう。

令和7年度の民間等経験枠には、採用予定1人に対して52人の申込がありました。みやま市は、限られた枠を多くの応募者のなかから決めている市です。

そこで最後まで残るのは、4割の市民が65歳以上で、生ごみから液肥と電気を生む施設を持つこの市で、自分の経験がどの仕事につながるのかを一本の線で語れる人でしょう。

話し方をこの市に寄せる作業より、その線を引く作業に時間を使ってください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。みやま市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクみやま市の印象を、一言でお願いします構えていない一言に、その人の話し方の癖が出ます。市域が平地と山間部にまたがることを知っていれば、話も広がります
② 動機・志望近隣にも市役所があるなかで、なぜみやま市なのですか?県境の市を選んだ理由が、地図の説明で終わっていないか
③ 自己理解あなたの短所を教えてください短所をこれまでどう扱ってきたか。少人数の職場では、苦手を抱えたまま働く場面が必ず来ます
④ 経験・行動誰かに頼らざるを得なかった場面と、そのときの動き方を教えてください一人で抱え込まずに人を巻き込めるか。少人数の職場では、この力が直に効きます
⑤ 学業・経歴これまでの学びや仕事を、知らない人にも分かるように説明してください難しい話を平たく言い直せるか。高齢の市民が多い市では、そのまま窓口の力になります
⑥ 適性・将来採用後、どんな仕事に取り組みたいですか?事務・土木・保健師・消防と区分の幅がある市で、自分の立ち位置をどう見ているか
⑦ 公共性・社会性最近、気になったニュースを一つ挙げてください社会の動きを自分の言葉に直せるか。環境やエネルギーの話題なら、市の取組にも接続できます

ここまでの7つは、みやま市の準備としては入口にあたります。案内が公表されていない段階で先に仕上げておくと、後の時間を丸ごと次の2問に回せます。

合否を分けるのは「みやま市役所ならでは」の質問

「なぜ福岡県庁ではなく、みやま市役所なのですか?」
「みやま市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

段階の数も面接の形も公表されていない市では、この2問を厚くしておくことが最も確実な備えになります。どんな形式で聞かれても、答えの中身は変わらないからです。

第1部で扱った事実のうち、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたいみやま市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所かみやま市は事務・土木・保健師・民間等経験枠に加え、消防職まで市の職員採用試験の区分として自ら実施している組織の大小の話は置いて、自分が関わりたい仕事が市の手のなかにあるかを確かめたうえで、選んだ理由を話します
高齢化の現在地住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で人口33,609人、高齢化率40.1%、75歳以上率23.1%。福岡県全体の28.2%・16.2%を大きく上回る「高齢化が進んでいます」で止めず、4割という水準で窓口に来る用件がどう変わるかまで話します
脱炭素の取組令和3年8月4日に「ゼロカーボンシティみやま」を宣言。バイオマスセンター「ルフラン」で生ごみ・し尿・浄化槽汚泥をメタン発酵させ液肥と電気を生み、「みやまスマートエネルギー」でエネルギーの地産地消を他地域に先駆けて進めてきた施設名を挙げるだけで終えず、生ごみを出す市民、液肥を使う農家、電気を買う人の三者をどうつなぎ続けるかまで説明します
水害の記憶市公式は、令和2年7月豪雨で床上床下浸水をはじめ山間部での土砂災害など大きな被害を受けたと記している。この年、県では4年連続の大雨特別警報が筑後南部に発表され、県内で床上浸水1,460戸・床下浸水3,593戸の被害が出た過去形で語らず、次に同じ雨が降ったとき市役所が何をするのかという時制に置き換えて話します
採用の実績令和7年度は民間等経験枠の事務職に採用予定1人へ52人の申込があり4人が採用された。一般行政事務AとBはあわせて採用予定2人で、申込は合計41人倍率の話で終えず、その枠がなぜ設けられているのか、経験を持つ人に何が期待されているのかまで踏み込みます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

みやま市には公表された人物像がありませんので、ここでは市の置かれた状況から観点を立てます。いずれの自治体でもコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
未経験の分野に向き合う力事務・土木・保健師・消防と区分は分かれる一方、それぞれの採用は多くて年に5人で、0人の年度もあります。担当が替われば一から覚え直す前提になります知らないことを調べて形にした経験を、調べ方と相談先まで含めて説明できるようにします
市民と直接向き合う姿勢人口33,609人の市では、窓口での一言がそのまま市役所の印象になります相手の話を受け止めてから動いた場面を、そのとき何と声をかけたかまで具体的に語れるようにします
前例の少ない仕事を進める力ゼロカーボンシティの宣言やバイオマスセンターの運営など、手本の少ない取組を抱える市です決まったやり方がない状況で、自分がどこから手をつけ、何を判断材料にしたのかを言えるようにします

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. みやま市の職員採用に関するページを定期的に確認する。受験する区分の試験案内が公表されたら、段階の数、科目、提出書類の3点を真っ先に押さえる
  2. 令和3年度から令和7年度までの実施状況資料に目を通し、自分が受ける区分の申込者数と採用者数の動きを見ておく
  3. これまでの出来事を時系列で書き出す。学校生活、仕事、地域との関わりのなかから、人に話せる場面を選び出す
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにしたうえで、固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5のみやま市研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の書き出しと、その経験をみやま市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、みやま市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

みやま市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

みやま市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度(令和9年4月採用)のみやま市職員採用試験の案内は、この記事の更新時点では公表されていません。段階の数も、面接の形も、配点も、案内が出てから確かめることになります。

ただ、案内を読んで間に合うのは形式のほうだけです。市民の4割が65歳以上で、生ごみから液肥と電気を生む施設を動かしている市で、自分の経験が何に変わるのか。

それを考える時間は、案内を待っているいまにしかありません。手を動かして、言葉にしておいてください。