本記事では、嘉麻市職員採用試験の面接対策で必要な、嘉麻市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
嘉麻市役所の面接では、「なぜ嘉麻市なのですか」「嘉麻市の職員としてどんな仕事をしたいですか」「その経験は嘉麻市で生かせますか」といった問いが想定されます。嘉麻市の試験は個別面接が2回あり、2次と3次を合わせるとおよそ60分を面接官と向き合うことになります。
用意した答えを読み上げるだけでは、この時間はもちません。
第2部で扱う試験の内容は、令和8年度の試験案内にもとづいています。募集職種は年度ごとに入れ替わりますので、ご自身が受ける職種の案内を手元に置きながら読み進めてください。
第1部|自治体研究編
嘉麻市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは嘉麻市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 福岡県の内陸部にある市。飯塚市・田川市・朝倉市・川崎町・添田町・筑前町・東峰村・桂川町の8つの市町村と接し、海には面していない。
- 人口は33,355人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳)。面積135.11km²に対して人口密度は約247人/km²。
- 65歳以上の割合は41.8%。県内29市を高齢化率の高い順に並べると、嘉麻市が最も高い。
- 75歳以上の割合は24.3%。市民のおよそ4人に1人が後期高齢者にあたる。
- 令和8年度の職員採用は、一般事務・土木職・建築職・保健師・保育士など7つの区分で募集された。市の規模に対して職種の幅が広い。
- 1次試験は公務員型の教養試験ではなくSCOA(総合適性検査)。テストセンター方式で、指定会場から自分で選んで受験する。
- 2次・3次はいずれも嘉麻市役所本庁舎での個別面接。集団討論の実施は試験案内に記載されていない。
- 当研究会が整理した基礎データでは、市の花はツツジ、市の木はさくら。市役所は嘉麻市岩崎にある。
(出典:嘉麻市職員採用試験|嘉麻市)
嘉麻市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計をいくつも暗記する必要はありませんが、嘉麻市がどんな年齢構成の市で、周りとどうつながっているかを言葉にできる状態にはしておきたいところです。
表には、高齢化の内訳と、8つの市町村に囲まれた位置関係が読み取れる項目を並べました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 33,355人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 13,929人(41.8%) |
| 75歳以上人口 | 8,096人(24.3%) |
| 総面積 | 135.11km² |
| 人口密度 | 約247人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 8市町村(飯塚市・田川市・朝倉市・川崎町・添田町・筑前町・東峰村・桂川町) |
| 市役所所在地 | 嘉麻市岩崎1180番地1 |
| 市の花・市の木 | ツツジ/さくら |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の値です。面積・所在地・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。福岡県全体の高齢化率(令和8年4月1日現在28.26%)は同じ住民基本台帳の系列にあたりますが、基準日は市の値と揃っていません。また、国勢調査を基準とする数値とは調べ方そのものが別ですので、両者を並べて増減を論じることは避けてください。
数字から考えられる市政課題
41.8%という高齢化率は、県内29市の中で最も高い水準です。福岡県全体の高齢化率28.26%(令和8年4月1日現在)と並べると、13ポイント以上高い計算になります(出典:福岡県の高齢者人口|令和8年4月1日現在)。
ただし、面接で使うべきはこの順位や差そのものではありません。注目したいのは75歳以上が24.3%という数字のほうで、65歳以上13,929人のうち8,096人、つまり6割近くがすでに後期高齢者です。介護・医療・移動といった支援の必要度が高い層が、市民の4人に1人を占めています。
面積135.11km²に33,355人という条件も重なります。人口密度は約247人/km²で、集落が点在する形になります。面接でこの数字に触れるときは、順位を言うところで止めないでください。
次のように、条件と支援の重さをひと続きにして話せると具体性が出ます。
嘉麻市の経済・産業
内陸の市という条件
嘉麻市は海に面していません。接するのは8つの市町村で、そのすべてが福岡県内です。港も空港も持たない内陸の市にとって、経済のつながりは隣接する市町との行き来そのものになります。
飯塚市・田川市という規模の大きい市に挟まれている位置関係は、雇用・買い物・医療のどれを考えるうえでも前提になります。
面接で産業の話をするなら、市内で完結する経済を想定しないことです。働く場所も、通う病院も、市境をまたいで選ばれています。市がやれることは、その行き来を前提にしたうえで、市内に残せるものを増やすことだという整理を持っておきましょう。
福岡県という枠組みの中で
福岡県は60市町村(29市29町2村)から成り、政令指定都市は福岡市と北九州市の2市です。県は地理・歴史・経済の特性から、県内を北九州・福岡・筑後・筑豊の4つの地域に区分しています。(出典:福岡県の市町村|福岡県移住・定住ポータルサイト)
県内の企業について見ると、県内企業数の99.8%、従業員数の77.3%を中小企業が占めています。県の経済を語るときによく登場する自動車やバイオの集積は、県内の特定の地域に厚く分布するもので、県内のすべての市が同じ産業構造を持っているわけではありません。
嘉麻市の産業を語るときは、県全体の平均像ではなく、市の規模と位置から考えたほうが的を外しません。(出典:福岡県の産業|福岡県)
高齢化率が最も高い市の経済
市民の4割強が65歳以上という構成は、経済の面では労働力の制約として現れます。同時に、医療・介護・生活支援といった分野の需要は確実にあり、そこは市内で完結しうる仕事でもあります。人が減る前提で産業を語るのか、必要とされている分野に人を呼び込む話をするのか。
志望動機を組むときは、どちらの立場に立つのかを先に決めておくと、話がぶれません。
嘉麻市の主な行政課題
ここまでの数字と地理の条件を踏まえると、嘉麻市が向き合っている課題が見えてきます。どれも面接で触れる価値のある論点です。次の4つのうち、自分が語れるものを選んでおいてください。
後期高齢者が4分の1を占める人口構成
75歳以上が市民の24.3%を占め、65歳以上の6割近くが後期高齢者という構成は、支援の量だけでなく質の問題を生みます。要介護の手前で支える仕組み、通院の足、独居の見守り。どれも制度をつくって終わりにはならず、地域の人との関係の上で回るものです。
市職員が地域に入っていく場面が多くなる理由が、この数字にあります。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)
人口3万3千人規模での生活基盤の維持
面積135.11km²に人口密度約247人/km²という条件は、道路・水道・公共施設の維持を薄い人口で支えるということを意味します。7つの区分で職員を募集しているのも、少ない人数で幅広い分野を担わなければならない事情の裏返しだと読めます。
何を残し、何をたたむかという判断が、日常の業務の中に入り込んでくる規模です。
豪雨への備え
内陸だから水害と無縁ということはありません。嘉麻市が接する飯塚市では、平成30年7月豪雨で床上浸水261件・床下浸水319件が発生し、県全体の半壊222件のうち188件が同市に集中しました。
さらにさかのぼると、平成15年7月19日の遠賀川の出水では、飯塚市・穂波町全体で4,000戸を超える家屋等が浸水し、翌年度から床上浸水対策の特別緊急事業が始まっています。(出典:福岡県の近年の豪雨災害の記録|福岡県)
地震への備え
福岡県は令和7年10月31日に地震防災アセスメント調査報告書を公表しました。県内7つの主要活断層と南海トラフ地震を想定し、7つの活断層はいずれも最大震度7を予測しています。
被害が最も大きく見込まれているのは西山断層帯の連動(M7.9〜8.2)で、死者1,800人・災害関連死700人、全壊全焼41,000棟という県全体の想定が示されました。想定の対象となった活断層は県内に広く分布しています。
内陸の市であっても、強い揺れを前提に備えを考えることになります。(出典:福岡県地震防災アセスメント調査|令和7年10月)
嘉麻市の重点政策|県の見通しと市の計画
嘉麻市の総合計画は、市公式サイトで現行版が公開されています。名称も計画期間も改定のたびに変わりますので、受験前に必ず最新版を開いてください。ここでは、その計画を読むときの下敷きになる県の見通しを整理します。
福岡県が描いている人口の将来
福岡県人口ビジョンは、社人研の推計方法に準拠した場合、県人口が2060(令和42)年に約408万人まで減り、高齢化率は約36%になると見込んでいます。一方で将来展望としては、出生率の改善などを前提とすれば2060年の県人口は約472万人から443万人となり、推計より40万人から60万人程度、減少が緩和されるという姿を示しています。(出典:福岡県人口ビジョン)
この差が意味するのは、人口の見通しは決まりきったものではないという県の立場です。嘉麻市の高齢化率は県内で最も高い水準にありますが、それは「もう手遅れ」という話ではありません。
県の総合計画(令和4年度〜令和8年度)も、人口減少・少子高齢化、デジタル化と脱炭素、グローバル化、自然災害の激甚化という4つの変化を前提としたうえで、誰一人取り残さない社会を掲げています。(出典:福岡県総合計画(令和4年度〜令和8年度))
嘉麻市の計画で、どこを読むか
高齢化率が県内で最も高い市の計画には、福祉・医療・移動の分野に具体的な記述が集まりやすくなります。まずはその部分を読み、次に自分の志望分野の記述と突き合わせてください。志望が建設でも保育でも、市の計画の中でその分野がどの課題とつながっているかが見えてくるはずです。
POINT|「支える側」の話だけで終わらせない
高齢化の話は、支援の充実だけを語ると平板になります。関心のある分野を一つ選び、「①嘉麻市で何が起きているか → ②市はどう対応しようとしているか → ③自分ならどこに立つか」の順で、自分の位置まで言い切ってください。
悪い例「高齢者に優しいまちづくりに貢献したいです」
改善例「嘉麻市は市民の4人に1人が75歳以上だと知りました。支援を届ける仕事も大事ですけれども、まだ元気な方が地域の担い手として動ける場をつくるほうにも関心があります。まずは窓口で、皆さんが何に困っているのかを直接聞くところから始めたいです」
あわせて確認したい公式資料
先に試験案内、次に福祉分野の計画という順で開くと、話が組み立てやすくなります。福祉の記述には、この市が何を優先しているかが数字とともに書かれています。
- 嘉麻市職員採用試験の試験案内(最新年度)と、市の採用専用サイトの掲載内容
- 嘉麻市の総合計画(現行版)と、高齢者福祉・介護に関する個別計画
- 嘉麻市の最新年度の当初予算の概要
- 福岡県人口ビジョン(県全体の見通しを押さえるため)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、嘉麻市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。嘉麻市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
嘉麻市役所の面接の概要
ここからは、令和8年度の試験案内をもとに、試験の形、質問の全体像、備え方の順で整理していきます。
嘉麻市役所の試験の流れ
嘉麻市の試験は、全職種共通で1次・2次・3次の3段階です。1次試験は公務員型の教養試験ではなく、SCOA(総合適性検査)。
基礎能力検査(言語・数理・論理)とパーソナリティ検査で構成され、テストセンター方式で、博多駅西口テストセンターやJNIE福岡天神テストセンターなど全国の指定会場から、自分で会場と日時を選んで受験します。
2次試験と3次試験は、いずれも嘉麻市役所本庁舎で行われる口頭の面接試験、つまり個別面接です。所要時間は2次が1人当たり40分程度、3次が20分程度で、長いのは2次のほうです。最終段階が最も長いと思い込んで準備すると、配分を見誤ります。
| 項目 | 内容(令和8年度・全職種共通) |
|---|---|
| 試験の段階 | 1次試験・2次試験・3次試験の3段階 |
| 1次試験 | SCOA(総合適性検査)。基礎能力検査(言語・数理・論理)とパーソナリティ検査。テストセンター方式で、全国の指定会場から受験者が選択します |
| 2次試験 | 個別面接試験(1人当たり40分程度)。嘉麻市役所本庁舎で実施されます |
| 3次試験 | 個別面接試験(1人当たり20分程度)。嘉麻市役所本庁舎で実施されます |
| 集団形式 | 集団討論・集団面接の実施は、試験案内に記載されていません |
| 提出書類 | 1次試験の合格者は、別途「自己PRシート」を提出します。電子申請の際には顔写真(4対3の比率)の添付が必要です |
| 合否の扱い | 「成績が基準点に達する者がいない場合は、採用しないことがあります」「各試験科目のいずれかにおいて一定の基準に達しない者は、他の成績いかんに関わらず不合格となる場合があります」と案内されています |
| 配点 | 各試験の配点および人物試験の比重は、試験案内に記載がありません。最新の試験案内でご確認ください |
| 募集職種(令和8年度) | 一般事務A 6名程度、一般事務B(障がい者対象)1名程度、一般事務C(社会人経験者対象)2名程度、土木職2名程度、建築職2名程度、保健師2名程度、保育士1名程度 |
| 申込み | 電子申請。市の採用専用サイト「嘉麻市職員募集案内」から行います |
| 問合せ先 | 嘉麻市人事秘書課人事厚生係 |
上記の試験構成は、嘉麻市の令和8年度職員採用試験の試験案内にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の職種の最新の試験情報をご確認ください。なお、市の採用専用サイトとテストセンターはいずれも民間のサービスを利用したもので、近隣自治体との共同実施や統一試験の枠組みではありません。
この構成から読み取れることは2つあります。ひとつは、合否を左右する比重が面接側に大きく寄っていると見られるということ。1次は適性検査で、2次・3次はどちらも個別面接です。
もうひとつは、1次合格後に提出する「自己PRシート」が、面接の土台になるということ。書いた内容と話す内容がずれていれば、40分の面接の中で必ず気づかれます。
嘉麻市役所が求める職員像
嘉麻市公式サイトの職員採用のページには、「求める職員像」を項目立てて示した記載はありませんでした。市の採用専用サイトにも目を通し、最新の掲載内容をあわせて確認してください。公表された文言がない以上、手がかりは試験の組み立てそのものになります。
7つの区分で職員を募っていること、面接に2回・合計60分ほどを充てていること。ここから実務の経験に照らして読み取れることを書きます。
人口3万3千人の市で7つの区分の職員を募集しているということは、一人が担当する分野が狭くならないということです。書類の様式を整える手も、地域の集まりに出向く足も、同じ職員のものになります。手順書のない仕事を渡されたときに、一人で抱え込まずに人を頼れるかが、実務では効いてきます。
面接が2回で合計60分ほどあるのは、その素地を時間をかけて確かめるためでもあるでしょう。
もうひとつ、市民の4人に1人が75歳以上という環境では、窓口での話し方そのものが仕事の質を左右します。伝わる速さで、伝わる言葉で話せるかどうかは、面接での受け答えにもそのまま出ます。自己PRシートは、その素地を先に文字にしておく場だと考えてください。
これまでにやってきたことを、飾らずに書けば十分です。書けたことが、そのまま2次と3次で話す中身になります。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。嘉麻市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 市役所までは迷いませんでしたか? | 本題前の受け答えの自然さ。40分の面接は、この入り方で空気が決まります |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | どの職場でも言える動機になっていないか。公務を選んだ理由が経験に根を持っているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所は何ですか? | 自分を客観的に見られているか。短所との付き合い方まで語れるか |
| ④ 経験・行動 | これまでで一番苦労した経験を教えてください | 苦労の度合いではなく、その場面で何を考え、どう手を動かしたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学校や仕事で身につけたことを教えてください | 学んだ内容を、事情を知らない相手に届く形へ整理できるか |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後に取り組みたい仕事は何ですか? | やりたいことの輪郭。7区分で職員を募る市で、希望以外の分野にも向き合えるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になったニュースを教えてください | 世の中の動きを追っているか。それについて自分の考えを持っているか |
40分の面接でも、質問がこの7つの範囲を大きく出ることはあまりありません。ただし時間が長いぶん、答えの浅さは隠しきれません。掘られて残るのは、次に挙げる嘉麻市固有の問いへの答えです。
合否を分けるのは「嘉麻市役所ならでは」の質問
2次の40分という時間の中では、この2問に長く時間をかけて掘られることもあります。表面的な答えでは、続く深掘りに耐えられません。しかも40分と20分、二度にわたって同じ論点を確かめられることもあります。
深さのない答えは、二度目で必ず露呈します。嘉麻市の事実を5つに絞り、それぞれの持ち出し方を添えています。
| 質問テーマ | 知っておきたい嘉麻市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 年齢構成 | 65歳以上41.8%は県内29市で最も高い水準。65歳以上13,929人のうち8,096人が75歳以上(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口による) | 順位を言うだけで止めず、後期高齢者の比率まで踏み込むと、実際の支援の重さを理解していると伝わります |
| 市の位置と広がり | 面積135.11km²、人口密度は約247人/km²。飯塚市・田川市など8市町村と接する内陸の市 | 集落が点在する市域という条件を、移動手段や施設の配置といった具体的な論点に結び付けます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 人口3万3千人の市で、事務・土木・建築・保健師・保育士など7区分の職員を募集している。一人が担う分野が広い | 「住民に近い」で終わらせず、この規模だと自分がどれだけ幅広い仕事に触れることになるかまで言いましょう |
| 防災 | 隣接する飯塚市は平成30年7月豪雨で床上浸水261件・床下浸水319件。県内7つの主要活断層はいずれも最大震度7が想定されている | 内陸だから安全という発想を外し、水害と地震の両方を前提に置いた話にします |
| 試験の性格 | 1次はSCOA、2次は40分程度、3次は20分程度の個別面接。1次合格者は「自己PRシート」を提出する | 提出書類に書いた内容と面接での発言を一致させることが前提です。書く前に話す内容を固めておきましょう |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接官が知りたいのは、これまでの場面で何を選び、どう動いたかです。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。嘉麻市の場合、2次で40分かけて幅広く聞かれ、3次の20分でその中身を確かめられるという流れになりやすい点も意識しておきましょう。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 一人で抱えずに進める力 | 引き受けたことのない仕事を、誰と組んで形にしたか | 7区分で職員を募る市では、担当をまたぐ場面が増えます。周りを巻き込んで進めた例を選んでください |
| 伝わる言葉で話す力 | 年齢や事情の違う相手に、内容をどう噛み砕いて伝えたか | 市民の4人に1人が75歳以上です。相手に合わせて言い方を変えた場面を具体的に用意しましょう |
| 書いたことと話すことの一致 | 自己PRシートの記載と、面接での説明にずれがないか | 提出前に、書いた内容を声に出して説明してみてください。説明できない記述は書かないのが安全です |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の試験案内で自分の職種の3段階の内容を確認し、SCOAの出題範囲(言語・数理・論理)に一度触れておく
- これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイト・職務経験から、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部を読み返し、嘉麻市の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できる状態にする
- 固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 2次の40分を想定して、ひとつの経験を10分話し続ける練習をする。話しながら出てきた論点は、自己PRシートに反映させる
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、嘉麻市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
嘉麻市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度の嘉麻市の試験は、1次がSCOA、2次が40分程度、3次が20分程度の個別面接という組み立てでした。合計60分ほど、面接官と一対一で向き合うことになります。県内で最も高齢化が進んだ市で、少ない人数が幅広い仕事を担っている。
その現場に自分の何を持ち込めるのかを、自己PRシートを書きながら固めていってください。書けたことは話せます。書けないことは、まだ自分の中で言葉になっていないということです。