本記事では、焼津市職員採用試験の面接対策で必要な、焼津市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。ここで扱うのは静岡県焼津市です。

焼津市役所の面接試験では、「なぜ焼津市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。焼津市の人物試験は、区分によって回数こそ違うものの、すべて個別面接です。

集団の場に紛れる時間がなく、最初から最後まで一対一で問われ続ける試験だと考えてください。

その一対一の時間を、自分の経験と焼津市の実情が交わる話で埋められるかどうか。以下の材料は、そのために集めたものです。

第1部|自治体研究編

焼津市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは焼津市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 令和7年の水揚金額が約469億円で全国第1位となった焼津漁港を擁する市です。水揚数量は117,214トンで全国第4位でした。
  • 人口は134,112人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、市域は70.30km²と県内では小さく、人口密度は1,908人/km²にのぼります。
  • 接している自治体は静岡市・藤枝市・島田市・榛原郡吉田町の4市町です。
  • 65歳以上の割合は30.7%、75歳以上は18.2%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、静岡県全体の31.1%・18.3%をわずかに下回ります。
  • 市の花はサツキ(1966年11月1日制定)、市の木はマツ(1971年11月1日制定)。市役所は焼津市本町二丁目16番32号にあります。
  • 静岡県第4次地震被害想定において、レベル2の南海トラフ巨大地震で海岸の水位上昇が+50cmに達するまでの最短到達時間が2分と、市町別の一覧の中で最も短い市です。
  • 職員採用試験は年間5回実施され、人物試験はいずれの区分も個別面接です。事務職の大学卒区分は30人程度の採用予定人員が示されています。

焼津市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「焼津市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

焼津市の数字は、13万4千人という人口を70.30km²に収めているという一点で覚えると早いです。市域は決して広くありません。人と施設と港が近い距離に詰まっている市だという理解が、あらゆる政策の話の前提になります。

項目内容
総人口134,112人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積70.30km²
人口密度1,908人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合30.7%(静岡県全体は31.1%)
75歳以上の割合18.2%(静岡県全体は18.3%)
隣接自治体静岡市・藤枝市・島田市/榛原郡吉田町
市の花・市の木サツキ/マツ
市役所所在地焼津市本町二丁目16番32号
焼津漁港の港域567ヘクタール(陸域134・水域433)。管理者は静岡県
(参考)静岡県の人口3,446,470人(令和8年6月1日現在の推計人口)

65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計における焼津市の総人口は134,112人、静岡県全体は3,544,228人で、割合の分母にもこれらを用いています。表の総人口134,112人はこの住民基本台帳の値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。参考として併記した県の推計人口3,446,470人は令和7年国勢調査の人口等速報集計を基準に住民基本台帳の移動数を加減した値です。基準が異なるため、これらを同じ列に並べて比べることはできません。

数字から考えられる市政課題

人口密度1,908人/km²という値は、隣り合う藤枝市の715人/km²、島田市の298人/km²と並べると際立ちます。人が密に暮らしているということは、災害時に同時に動かなければならない人の数も、単位面積あたりで多いということです。

焼津市の防災は、この密度と、後述する津波の到達時間を掛け合わせたところに立っています。

高齢化に目を向けると、65歳以上30.7%、75歳以上18.2%と、いずれも静岡県全体をわずかに下回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。県平均より若いと言えなくもありませんが、その差は0.4ポイントと0.1ポイントで、余裕と呼べる幅ではありません。

県全体が令和32年に高齢者人口39.6%へ向かう見通しである以上、焼津市も同じ坂を少し遅れて上ることになります。たとえば面接では、次のように現在地を押さえたうえで先の話へ進められます。

「焼津市の高齢化率は県の平均を少しだけ下回っていると知りました。ただ差はごくわずかですので、余裕があるというより、これから来るものに先に手を打てる時間が少し残っている状態なのではと感じています」

焼津市の経済・産業

水揚金額全国第1位という位置

焼津漁港の令和7年の水揚金額は約469億円で全国第1位、水揚数量は117,214トンで全国第4位でした(出典:焼津漁港の水揚状況|令和7年)。金額が全国一で数量が第4位という組み合わせは、単価の高い魚をまとまって扱っていることを示しています。

志望動機で水産に触れるなら、水揚げの多さそのものより、この金額と数量のずれが何を意味するかまで踏み込めると、調べた深度が伝わります。

2つの港の役割分担

焼津漁港は、全国に13港しかない特定第3種漁港の一つです。昭和26年8月21日に漁港として指定され、昭和35年3月21日に特定第3種へ移行しました。

港域は567ヘクタール(陸域134・水域433)で、管理者は静岡県です(出典:焼津漁港の概要)。内訳を見ると、焼津港は江戸期からのかつお漁を背景とする遠洋かつお・まぐろ漁業の基地、小川港はさばやいわし、あじといった多獲性魚を扱う沿岸沖合漁業の基地という役割分担があります。

遠洋と沿岸という性格の違う2つの港を、1つの市が抱えているという構造です。漁業者の顔ぶれも、抱える課題も、この2つで同じではありません。

県の製造業という後背地

水産の印象が強い市ですが、県全体の産業の骨格は製造業です。静岡県の製造品出荷額等は19兆291億円で全国第3位(令和4年)、製造業従業者数は409,607人で同じく全国第3位(令和5年)。

内訳は輸送機械が24.4%、電気機械が14.2%、化学工業が13.5%という順です(出典:静岡県産業データブック|令和6年度版)。水産物の加工もまた、この製造業という括りの中に位置づきます。

焼津市の経済を語るときに水揚げの話だけで終わらせると、港から先の工程が抜け落ちます。

焼津市の主な行政課題

水揚げの数字と人口密度の高さを並べると、焼津市が抱える論点は自然と絞られてきます。市の課題を尋ねられたときに出せるよう、次の4つを頭に入れておきましょう。

到達まで2分という津波

静岡県第4次地震被害想定によると、レベル2の南海トラフ巨大地震(ケース①)で海岸の水位上昇が+50cmに達するまでの最短到達時間は、焼津市が2分です。市町別の一覧の中で最も短く、発生頻度が比較的高いレベル1でも同じく2分とされています。

最大津波高はレベル1で6メートル、レベル2で10メートルです(出典:静岡県第4次地震被害想定 第一次報告(概要)|平成25年6月)。県全体ではレベル2で死者数約105,000人(うち津波約96,000人)、全壊・焼失棟数約30万棟が想定されています。

2分という時間は、指示を待ってから動く余地がないことを意味します。焼津市は南海トラフ地震臨時情報に伴う高齢者等事前避難対象地域にレベル2津波浸水域が指定されており、平時からの備えが制度として組み込まれています。

浜岡原子力発電所の重点区域という別の枠

焼津市は、浜岡原子力発電所の原子力災害対策重点区域(半径31kmを目安)に含まれる11市町の一つでもあります。範囲の目安を半径おおむね30kmとするUPZの対象で、区域内には県民の約4分の1にあたる約81万人が居住しています(令和7年4月1日現在)(出典:静岡県の原子力防災|令和7年度)。

浜岡地域原子力災害広域避難計画は平成28年3月に策定され、最新は令和7年8月修正版です。津波と原子力という性格の異なる2つの計画を同時に持つこと自体が、焼津市の危機管理の特徴だと言えます。

県平均を追いかける高齢化と人口減少

静岡県の人口は平成19年の379万7千人をピークに減少し、令和32年には282万9千人と、ピーク時の約4分の3まで減る見込みです。そのとき高齢者人口は39.6%に達し、約3人に1人以上が高齢者になると県は見通しています(出典:静岡県総合計画(素案)|令和7年7月)。

県は令和6年の出生数が1万7,439人で過去最少、合計特殊出生率も1.19まで低下したことを示し、進学や就職を契機に毎年約6千人が首都圏へ転出する社会減が続いていると指摘しています。焼津市の現在値が県平均を下回っていることは、対策を先送りしてよい理由にはなりません。

人を採り続けなければならないという課題

焼津市の職員採用試験は年間5回、第1回から第5回まで実施される予定が公表されています。事務職は大学卒区分が30人程度、その他の区分は若干人という採用予定人員です。年に一度の試験で必要人数を確保する市とは、明らかに設計が違います。回数を分けて機会を増やす方法を選んでいるということであり、市の側にとっても、人を確保し続けること自体が課題であることの表れだと読めます。加えて焼津市は、社会福祉士もしくは精神保健福祉士の資格を要件とする福祉職を新設し、試験案内に「福祉分野の市民ニーズは、年々、複雑化・多様化しています。市として、より細やかで専門性の高い行政サービスを提供するため、福祉職を新設しました。」と明記しました。専門性を組織の中へ足していく方向が、採用の設計に現れています。

重点政策|漁港と津波という2つの枠組み

焼津市の総合計画については、期間と体系を市公式サイトの最新版で直接確かめるのが確実です。この節で取り上げるのは、計画の中身ではなく、焼津市の政策があらかじめ乗っている2つの枠組みです。

県が管理する港と、市が担う地域

焼津漁港の管理者は静岡県です。港そのものを動かすのは県ですが、港で働く人の暮らし、水産加工の事業所、周辺の道路や住宅は市の領域にあります。

港の政策を語るときは、市が直接動かせる範囲と、県と組んで初めて動く範囲を分けて考える必要があります。この線引きを面接で示せると、水産振興という言葉が具体的な仕事の話に変わります。

静岡県には国際拠点港湾1(清水港)、重要港湾2(田子の浦港・御前崎港)を含む計15港がありますので、県全体の港湾政策の中での位置づけも押さえておくと厚みが出ます。

津波浸水域を前提に組まれる市の計画

もう一つの枠組みが、レベル2津波浸水域という区画です。南海トラフ地震臨時情報に伴う事前避難対象地域の指定状況(令和8年5月時点)では、焼津市はレベル2津波浸水域が高齢者等事前避難対象地域とされています(出典:南海トラフ地震臨時情報に伴う事前避難対象地域の指定状況|令和8年5月)。

この線が引かれている以上、市のまちづくりも福祉も教育も、施設をどこに置くか、誰をどう先に動かすかという問いから逃れられません。防災以外の分野を志望する場合でも、自分の関心分野がこの線とどう関わるかは一度考えておくべきです。

POINT|水揚げの数字は、そのままでは志望動機にならない

全国第1位という事実は覚えやすく、それゆえに多くの受験者が口にします。差がつくのは数字の先です。その水揚げを支える人がどこで働き、何に困っているのか。市はそこにどう関われるのか。ひとつ具体を足すだけで、話の質が変わります。

悪い例「焼津は水揚げ日本一の港町なので、水産業を盛り上げる仕事がしたいです」

改善例「焼津には遠洋のかつおやまぐろを扱う港と、沿岸沖合の魚を扱う港の両方があると知りました。同じ水産でも困りごとは違うと思いますので、まずはそれぞれの現場の話を聞いて回るところから始めたいです」

あわせて確認したい公式資料

最優先は試験案内です。焼津市は年に5回試験を実施していますので、どの回の案内を開いているかで書かれている内容が変わります。回次を確かめてから読み進めてください。

  • 焼津市職員採用試験の試験案内(自分が受ける回次のもの)と、採用情報ポータル
  • 焼津市の総合計画のうち、自分の志望分野が位置づけられている章
  • 焼津市の地域防災計画のうち、津波避難に関係する部分
  • 静岡県総合計画(しずおかウェルビーイングプラン)の防災と人口に関する記述

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、焼津市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。焼津市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

焼津市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

焼津市役所の面接の概要

ここからは、焼津市の選考が区分ごとにどう分かれているのか、そして個別面接だけで構成される人物試験に何を持ち込めばよいのかを整理していきます。

焼津市役所の試験の構成

焼津市の試験は、受ける区分によって段階数が変わります。令和7年度実施(令和8年4月採用)の第2回・第3回試験案内で示された流れを見ると、社会人経験者は2段階、大学卒・短大卒・高校卒と心理判定員は3段階、保育士・幼稚園教諭は3段階の最後に実技試験が加わる構成です。

そして第2次試験は「第1次試験合格者に対して、個別面接を行います」と明記され、集団面接や集団討論の記載はありません。

項目内容(令和7年度実施・令和8年4月採用の第2回・第3回試験案内)
社会人経験者の流れ第1次試験「筆記試験、個別面接」から第2次試験「個別面接」の2段階
大学卒・短大卒・高校卒・心理判定員の流れ第1次試験「筆記試験」から第2次試験「個別面接」、第3次試験「個別面接」の3段階
保育士・幼稚園教諭の流れ第1次試験「筆記試験」から第2次試験「個別面接」、第3次試験「個別面接、実技試験」の3段階
第1次の教養試験(事務職A)社会人経験者向け。論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等を確認するための基礎的な問題
第1次の教養試験(事務職B・C・D・T、心理判定員S)時事、社会、人文及び自然に関する一般知識ならびに文章理解、判断推理、数的推理及び資料解釈に関する能力を問う問題
事務適正検査保育士・幼稚園教諭Qおよび保健師Rを除く全職種に実施。事務職員としての適応性を正確さ、迅速さ等の作業能力の面からみる検査。教養試験および専門試験は択一式
社会人経験者枠の第1次試験日事務職A・土木職E・建築職I・電気職Mは筆記試験と面接試験を同日実施。集合は午前8時30分、終了は午後4時頃(面接終了後順次解散)
試験区分Tの新設福祉職。社会福祉士もしくは精神保健福祉士の資格が受験要件
実施回数と採用予定人員年間5回(第1回から第5回)の年間予定を公表。事務職は大学卒30人程度、その他の区分は若干人
申込方法Web申請フォームによる電子申請。近隣自治体との共同実施や統一試験の枠組みではありません

令和8年度(令和9年4月採用)については、第1回が「第1次試験(筆記試験および面接試験)」、第2回が「第1次試験【筆記試験】」「第1次試験【面接試験】」および「第2次試験」という構成でスケジュールが公表されています。受ける回次によって段階の呼び方も日程の組み方も変わりますので、まず自分がどの回に出願するのかを確定させてください。

試験の流れ・種目に関する上記の内容は、焼津市の令和7年度実施(令和8年4月採用)第2回・第3回試験案内にもとづく整理です(出典:焼津市職員採用試験案内(第2回・第3回)|令和7年度実施)。令和8年度(令和9年4月採用)については、確認日時点で第1回・第2回のスケジュールが公表されています。焼津市は試験案内・採用情報ポータルのいずれにも、配点および合否判定の方法、面接カード等の提出書類を掲載していません。試験の構成・区分・日程は年度や回次によって変わりますので、受験の際は必ずご自身が受ける回次と区分の最新の案内をご確認ください。

焼津市役所が求める人物像

焼津市の試験案内と採用情報ポータルには、求める人物像として定型化された記載はありませんでした。ただし、市が受験者に向けて書いた文章がまったくないわけではありません。

福祉職の新設にあたって案内に添えられた一文、すなわち福祉分野の市民ニーズが複雑化・多様化しているため、より細やかで専門性の高い行政サービスを提供する目的で新設した、という説明は、市が組織に何を足そうとしているかを直接示しています。

試験案内が受験者に向けて書いているのは、この一文までです。その先を埋めるのは、焼津という市の条件を手がかりにした当研究会の見方になります。

人口13万4千人を70.30km²に収める市では、担当する地区と自分の生活圏が重なりやすく、現場との距離が近くなります。その一方で、事務職の大学卒区分に30人程度という採用予定人員が示される規模であれば、組織としての分担も成り立ちます。

現場に近く、かつ分業もあるという中間の位置。この条件では、窓口や現場で受け取った具体的な話を、制度や予算の言葉へ翻訳して持ち帰れる人が、力を発揮しやすいのではないかと当研究会は見ています。

福祉職を新たに置いた市であることを思えば、専門を持ちながら他分野の担当者と話を合わせられることも、同じ方向にある資質でしょう。

そのうえで、選考の形をもう一度見てください。焼津市は面接カード等の提出書類を案内に掲げていません。

事前に文字で提出したものを土台に進む面接ではなく、その場で交わす言葉が中心になる面接だと考えておくほうが安全です。しかも人物試験は最初から最後まで個別面接です。

紙で先に伝えておける前置きがないぶん、その場で口にできる範囲が、そのまま持ち札の全部になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。焼津市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどうやって来られましたか一対一の場が始まった直後の、声の出し方と表情
② 動機・志望近隣の市ではなく焼津市を選んだ理由は何ですか隣接4市町の中から焼津を選んだ理由が、自分の言葉になっているか
③ 自己理解自分に足りないと感じるところはどこですか短所を認めたうえで、それとどう付き合っているか
④ 経験・行動誰かの話を聞いて、自分の考えを変えた経験はありますか現場の声を受け取れる人かどうか。福祉職の新設とも重なる観点
⑤ 学業・経歴これまでの経験のうち、市の仕事で使えそうなものはどれですか持っているものを業務へ翻訳する手つき
⑥ 適性・将来災害が起きたとき、職員としてどう動くと思いますか津波到達2分という条件を知ったうえで話しているか
⑦ 公共性・社会性気になっている社会の課題を一つ挙げてください関心の中身と、それを焼津の話に引き寄せられるか

ただし、この7つは受験者全員が準備してくる領域です。回を重ねる個別面接で、この範囲だけを行き来することはありません。後半で効いてくるのは、次に挙げる「焼津市ならでは」の質問のほうです。

合否を分けるのは「焼津市ならでは」の質問

「なぜ静岡県庁ではなく、焼津市役所なのですか」
「焼津市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも焼津市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「焼津市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい焼津市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か焼津漁港の管理者は静岡県。港は県が管理し、そこで働く人の暮らしと加工業の集積は市が担う県と市の役割が実際に重なっている場所を一つ挙げてください。抽象論に逃げずに済み、焼津でしか成り立たない答えになります
水産のまちであること令和7年の水揚金額は約469億円で全国第1位、水揚数量は117,214トンで全国第4位。全国13港の特定第3種漁港の一つ順位を述べて終わりにせず、金額が1位で数量が4位という差に触れると、数字を読んだ人だと伝わります
津波への備えレベル2で水位上昇+50cmまで最短2分、最大津波高10メートル。レベル1でも同じく2分、最大6メートル2分という時間から逆算して、平時に何を決めておくかという話へ進めてください。避難の心構えを述べるだけでは足りません
原子力防災浜岡原子力発電所を中心とする半径31km目安の重点区域に入る11市町の一つ。UPZの対象で、区域内には県民の約4分の1にあたる約81万人が居住津波の話と混ぜないでください。性格の違う2つの計画を市が同時に持っている、という整理のまま話すのが正確です
焼津市の魅力と課題70.30km²に13万4千人、人口密度1,908人/km²。高齢化率は県平均をわずかに下回る30.7%暮らしやすさを挙げたなら、その密度が災害時には別の意味を持つところまで進めてください。魅力と課題が一本の話になります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接では、ここまで整理してきた資質が、あなたの過去の行動として実在するかどうかが確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
同じ話を何度でも掘らせる力2回、3回と重ねられる個別面接で、同じ経験が毎回違う角度から確かめられる大学卒区分は個別面接が2回あります。話の骨だけを覚えるのではなく、その場面の細部まで思い出せる経験を選んでください
現場の声を制度の言葉に置き換える力誰かの困りごとを聞いて、自分が何を判断したか焼津市は専門性を求めて福祉職を新設しました。相談を受けた話をするなら、聞いた内容をどう整理して次へ渡したかまで話しましょう
短い時間で判断する構え急な事態に直面したとき、何を先に決めたか津波の最短到達時間は2分です。時間に追われた場面での判断を一つ用意し、迷った理由まで説明できるようにしてください

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。焼津市は人物試験がすべて個別面接ですから、この傾向は最初の回から最後まで続きます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 年間5回の実施予定を確認し、自分が出願する回次と試験区分を先に決める
  2. その回次の試験案内を開き、自分の区分が2段階なのか3段階なのか、面接が何回あるかを書き出す
  3. 電子申請の手続きに必要なものをそろえ、出願そのものを早めに済ませる
  4. 個別面接で掘られても崩れない経験を3つ選び、それぞれ場面の細部まで思い出しておく
  5. 第1部から、水産・防災・人口のいずれかに関わる事実を2つ拾い、自分の関心につなぐ
  6. 選んだ経験と事実を、声に出して3回話す。同じ話を毎回違う角度から自分に問い直す

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ4で選んだ経験の掘り下げと、それを焼津市の仕事へどう接続するかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、焼津市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

焼津市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

焼津市役所の想定問答集を見る

さいごに

焼津市の人物試験は、区分を問わず個別面接だけで組まれています。集団の中で調子を合わせる場面はなく、同じ相手の前で自分の話を掘られ続けることになります。

年に5回ある試験のどの回を選ぶかは自分で決められますが、決めたあとに準備すべきことは変わりません。水揚金額全国第1位の港と、到達まで2分の津波と、13万4千人が暮らす70.30km²。

この3つが同じ場所に重なっている市で、自分は何を引き受けるのか。そこを言い切れる状態で当日を迎えてください。