本記事では、鹿角市職員採用試験の面接対策で必要な、鹿角市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

鹿角市役所の面接試験では、「なぜ鹿角市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度の第1期試験は、第1次が全国のテストセンターで受けられる基礎能力検査、第2次が小論文試験と口述面接試験という2段階の構成です。

人物を見る場面は、第2次にまとめて置かれています。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と鹿角市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

鹿角市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは鹿角市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口は26,339人、総面積は707.52km²。人口2万6千人あまりに対して市域は700km²を超え、秋田県の面積のおよそ6%を占める
  • 人口密度は37.2人/km²。市域の広さに対して、暮らしは各地に分かれて営まれている。
  • 接しているのは、秋田県内の大館市・北秋田市・仙北市・鹿角郡小坂町と、岩手県の八幡平市、青森県の十和田市・三戸郡田子町・三戸町・新郷村。9つの自治体と接し、そのうち5つが県外という位置にある。
  • 隣接自治体の顔ぶれが示すとおり、青森県と岩手県の双方に接する秋田県の北東部の市である。市名の読みは「かづの」。
  • 「鹿角市」と「鹿角郡小坂町」は別の自治体で、鹿角郡に属するのは小坂町のみ。地域の呼び名としての鹿角と、市域としての鹿角市は範囲が異なる。
  • 市役所は鹿角市花輪字荒田4番地1に置かれ、職員採用の申込先・問合せ先は総務部総務課職員班(市役所2階)である。
  • 令和8年度職員採用試験【第1期】の試験区分は一般事務職(上級)と土木技師(上級)の2区分で、採用予定数はいずれも若干名
  • 第1次試験は大卒程度の教養試験(基礎能力検査SCOA-A)で、受験者が全国の指定会場から選ぶテストセンター方式。受験案内は「県外にお住まいの方も受験しやすい試験です」と明記している
  • 第2次試験は、WEB方式の性格適性検査・事務能力検査と、鹿角市役所で行われる小論文試験・口述面接試験で構成される。
  • 市の花はベニヤマザクラ、市の木はナナカマド。

鹿角市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「鹿角市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模と市域の広さ、接している自治体など、市政の性格を説明できる項目を優先して整理しました。市の規模を測る物差しとして、秋田県全体の数値もあわせて添えています。

項目内容
総人口26,339人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積707.52km²
人口密度37.2人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体大館市・北秋田市・仙北市・鹿角郡小坂町、岩手県の八幡平市、青森県の十和田市・三戸郡田子町・三戸町・新郷村(計9自治体)
市役所所在地鹿角市花輪字荒田4番地1
市の花/市の木ベニヤマザクラ/ナナカマド
(参考)秋田県の総人口865,885人(2026年6月1日現在の推計)
(参考)秋田県の面積1万1,637km²(全国で6番目の大きさ)
(参考)秋田県の市町村数13市9町3村

鹿角市の人口・総面積・人口密度・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整備する自治体データベース(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)による値です。基準日や集計方法によって市公式の推計人口とは差が出る場合がありますので、面接で数値に触れる際は鹿角市公式サイトの最新値もあわせてご確認ください。秋田県の総人口は県の推計人口(2026年6月1日現在)、面積と市町村数は県公式サイトによります。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

県全体の人口密度は、上掲の県人口と面積からおよそ74人/km²と計算できます。鹿角市の37.2人/km²は県平均のおよそ半分にあたります。

面積は県のおよそ6%を占める一方、そこに暮らす人は県人口の3%弱です。道路や上下水道、学校や公共施設といった暮らしの土台を、少ない利用者で支え続けなければならない、という構図がここから読み取れます。

その母数も縮んでいます。秋田県の人口は2025年6月からの1年間で17,254人(1.95%)減り、内訳は自然増減が13,200人の減、社会増減が4,054人の減でした(出典:秋田県の人口と世帯(推計)|2026年6月1日現在

鹿角市自身の推移は市の公表資料で確かめたうえで、面接では次のように広さと人口を結び付けて話せます。

「鹿角市は人口が2万6千人ほどで、面積は700平方キロメートルを超えると知りました。同じ広さに住んでいる人の数でみると秋田県の平均の半分くらいですから、離れて暮らしている方にどうやってサービスを届けるかが、これから大きな課題になるのではと感じています」

鹿角市の経済・産業

県経済の中での位置

市の産業を読むための足場になるのは、鹿角市が置かれている秋田県全体の経済の姿です。まずはそこから押さえます。

  • 令和3年度の県内総生産は名目3兆5,453億円(前年度比2.2%増)で、対全国シェアは0.64%。
  • 内訳は第3次産業が2兆5,461億円で最も大きく、第2次産業9,163億円(うち製造業6,230億円)、第1次産業897億円と続く。
  • 県の産業分析(2012年)による付加価値額の特化係数は、製造業が0.76と全国水準を下回る一方、農業・林業は3.64に達する。

数字を一言にまとめると、農林業への傾きが強く、第3次産業が全体の7割を占めるのが秋田県の経済です。県北東部にある鹿角市も、この構造の上に置かれています。

市の産業を語るときは、まず県全体のこの姿を出発点にすると外れません(出典:秋田県民経済計算|令和3年度

観光と、県外とつながる交通

秋田県の観光地点等入込客数は、令和7年1月から9月までの速報値で約2,336万人。前年の同じ時期は約2,359万人でしたから、対前年比は99.0%とわずかに届いていません(出典:秋田県観光統計(第3四半期速報)|令和7年

県外から人を呼ぶ産業は天候や景気の影響を受けやすく、県全体の数字が横ばいから微減で動いていることは押さえておきたいところです。

県外との行き来を支える交通も、面接で使える材料です。秋田と東京の間は秋田新幹線こまちで3時間37分。

県内の高速自動車道は計画延長約362kmに対して約331.5kmが供用済みで、供用率はおよそ92%です。空の便では、大館能代空港の東京便が1日3便(所要70分)、秋田空港の東京便が1日9便(所要65分)です。

観光を語るなら、来訪者の数だけでなく、来た人にどう滞在してもらい、その消費を地域の仕事にどう戻すかまで踏み込みましょう

3つの県にまたがる暮らしの圏域

鹿角市が接する9つの自治体のうち、5つは青森県と岩手県の自治体です。自治体の公表値で秋田県内の13市を照らし合わせると、青森県と岩手県の両方に接している市は鹿角市だけです。

買い物や通院、通学や観光の流れは県の境目で止まりませんから、道路や公共交通、広域の観光ルート、災害時の応援といった分野では、県内の市町村だけでなく青森県側・岩手県側との関係も視野に入ります。面接で連携を語るときに、この地理を具体的な市町村名で挙げられると、地図を知っている受験者だと伝わります。

鹿角市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえて、鹿角市が向き合っている課題を4つに整理します。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして使ってください。

減少のスピードが全国で最も速い県で

秋田県の人口は、昭和31年(1956年)の約135万人を頂点に減少へ転じ、令和7年(2025年)には約87万9千人となりました。令和2年国勢調査での減少率6.2%は、5回連続で全国最大という数字です。

国立社会保障・人口問題研究所の推計は令和32年(2050年)の県人口を約56万人と見込んでおり、県は社会減の早期抑制と自然減の抑制を人口ビジョンの柱に据えています(出典:秋田県人口ビジョン|令和8年3月改訂

高齢化と、広い市域での暮らしの支え方

全国のどの県より高齢化が進んでいるのも秋田県です。令和6年(2024年)の高齢化率は39.5%で全国第1位。

令和32年(2050年)には49.9%に達すると推計されています(出典:高齢社会白書|令和7年版

これは県全体の数値ですが、人口密度が県平均の半分という鹿角市では、移動の負担がそのまま福祉や医療の課題に重なります。買い物や通院の足をどう確保するかは、市の規模を問わず論点になりますが、市域が700km²を超える鹿角市ではとくに切実です。

市自身の高齢化率は、市の公表資料で確認しておきましょう。

大規模地震への備えと、県境を越えた助け合い

県が平成25年8月にまとめた地震被害想定調査では、日本海東縁部の地震と陸域の活断層による地震を合わせて27パターンが想定されています。このうち被害が最大となるのは横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)で、冬の深夜に起きた場合の死者数は4,524人、建物の全壊は72,594棟、1か月後の避難者は約9万人という想定です。

実際に県内へ最も大きな被害をもたらした地震は、昭和58年(1983年)の日本海中部地震(マグニチュード7.7)でした(出典:秋田県地震被害想定調査(概要版)|平成25年8月

これらは県全体の想定です。集落が広く分かれている市では、道路が寸断されたときに孤立が生じやすいという事情もあります。

青森県・岩手県と接する鹿角市では、応援を受ける相手も送る相手も県境をまたぎます。市が公表する避難所やハザードマップを見て、自分の住む地域や志望動機に関わる地区の想定を一つ確かめておきましょう。

若干名の採用で市政を担う

令和8年度【第1期】の採用予定数は、一般事務職(上級)・土木技師(上級)ともに若干名です。人口が減り高齢化が進むほど行政への期待は増えますが、それを担う職員の数は限られます

採用の窓口は市役所2階の総務部総務課職員班で、受験の申込も問合せもここが受け付けます。一人の職員が複数の分野を受け持つ前提で、面接では守備範囲の広さを見られます

配属先の希望を語るときも、希望どおりにならなかった場合にどう働くかまで考えておきましょう。

重点政策|秋田県の課題と鹿角市の立ち位置

ここでは県の財政と人口の見通しを背景として整理し、市政を理解する土台とします。市の計画名や個別の施策は年度ごとに更新されますので、鹿角市公式サイトの市政情報で最新のものを確認しておきましょう。

県財政という前提

令和5年度の秋田県の財政力指数は0.31178。自主財源だけで行政サービスを支えられる水準ではありません。

同じ年度の実質公債費比率は15.3%で全国43位、将来負担比率は243.0%で全国42位、経常収支比率は89.8%(全国平均は92.5%)でした。県債残高は令和7年度末で約1兆2,128億円に達する見込みです。

県自身も、社会保障関係経費と公債費の高止まりを挙げて、厳しい財政状況が続くとしています(出典:秋田県の財政状況|令和7年6月公表

県と市では財政の規模も構造も違いますが、使える財源にも人手にも限りがあるという事情は共通です。志望動機で新しい取り組みを語るときは、それを何年も続けるための費用と人手をどう考えるかまで一言添えられるようにしておきましょう。

これからの鹿角市を、どう語るか

約56万人という令和32年(2050年)の推計は、県全体がいまの6割余りの規模まで縮むという意味です。市域の広さは変わりませんから、同じ範囲をより少ない人数と財源で支えることになります。

市の職員として働くとは、暮らしの土台のどこに手を入れ、どこを地域の方と一緒に担うかを決めていく仕事だといえます。青森県・岩手県と接する立地は、人の行き来という点では強みにもなります

面接では、この前提を踏まえたうえで自分がどの部分を引き受けたいのかを語れると、表面的な志望動機との差がはっきりします。

POINT|計画名を知らなくても、面接の準備は進められる

公表資料の少ない自治体を志望するときほど、順番が大切です。①鹿角市の人口と面積、接している自治体を押さえる → ②市の広報やホームページで実際の取り組みを2つか3つ拾う → ③自分が関わりたい分野を決める → ④その分野で自分の経験がどう生きるかを言葉にする、という流れで組み立てましょう。

悪い例「鹿角市の地域振興に貢献したいです」

改善例「まずは窓口で市民の方と直接やり取りする仕事を覚えたいです。その上で、鹿角市は青森県と岩手県の両方に接していると知りましたので、県をまたいで人が行き来する強みを生かせる仕事にも関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 最新年度の鹿角市職員採用試験の受験案内(志望する期・区分のもの)
  • 鹿角市公式サイトの市政情報・広報紙・財政に関する公表資料(現在の公式ドメインは www.city.kazuno.lg.jp です。検索結果には旧ドメインのページが残っている場合があります)
  • 鹿角市が公表している防災情報(ハザードマップ・避難所一覧等)
  • 秋田県の人口・産業・財政に関する公表資料(県内での鹿角市の位置づけを知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、鹿角市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。鹿角市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

鹿角市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

鹿角市役所の面接の概要

ここからは、鹿角市役所の採用試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

鹿角市役所の面接の流れ

令和8年度職員採用試験【第1期】の一般事務職(上級)・土木技師(上級)は、第1次試験と第2次試験の2段階です。第1次は基礎能力検査だけで、専門試験の記載はありません。

第2次にWEB方式の検査と小論文試験・口述面接試験が置かれ、人物を確かめる場面は第2次に集約されているのがこの試験の形です(出典:鹿角市職員採用試験受験案内【第1期】|令和8年度

項目内容(令和8年度【第1期】・上級)
試験の段階第1次試験・第2次試験の2段階
第1次試験大卒程度の教養試験(基礎能力検査SCOA-A)。出題分野は文書読解能力、数的能力、推理判断能力、人文・社会と自然に関する一般知識、基礎英語です。専門試験の記載はありません
第1次の受験方法受験者が選ぶテストセンター(全国の指定会場)方式。指定期間のうち都合のよい日時と会場を予約して受験します
第2次試験①性格適性検査・事務能力検査(WEB方式で自宅のパソコンやスマートフォンから受検)②小論文試験・口述面接試験。会場は鹿角市役所です
面接の形式個別面接か集団面接かの別、面接の回数、集団討論の有無は公表されていません。受験案内は「第2次試験の詳細は、第1次試験の合格者に別途、案内を送付します」としています
配点試験種目ごとの配点は公表されていません。受験案内には「性格適正検査は試験種目配点に加味されません」との注記があります
採用予定数一般事務職(上級)・土木技師(上級)ともに若干名
受験資格(一般事務職)平成8年4月2日以降に生まれた方で、4年制大学を卒業した方または令和8年度末までに卒業見込みの方
申込方法原則としてパソコンまたはスマートフォンによるインターネット申込(鹿角市電子申請フォーム)。最近3か月以内に撮影した本人の顔写真の画像ファイル(正面向・無帽・無背景、縦横比おおむね4対3)を添付します
提出書類面接カードやエントリーシート、自己PR書の提出を求める記載はありません。第1次試験の合格者には、成績証明書と卒業証明書または卒業見込証明書の提出が求められます
結果の開示第1次・第2次の不合格者は、順位と得点を各試験の合格発表日から1か月間、本人または法定代理人が受験票と本人確認書類を持参して総務課へ来庁し、口頭で請求できます(電話やはがきによる請求はできません)
採用まで最終合格者は試験区分ごとの任用候補者名簿(有効期限は令和9年5月31日)に登載され、欠員が生じた場合に成績順で採用が決まります。採用予定日は原則として令和9年4月1日で、採用から6か月間は条件付採用です
初任給大学卒業程度で行政職給料表1級29号給の239,488円(令和8年4月1日現在の月額)

この構成から読み取れることは2つあります。1つは、第1次が全国のテストセンターで受けられるため、どこに住んでいても最初の関門に挑める試験だということです。

受験案内自身が「県外にお住まいの方も受験しやすい試験です」と書いています。もう1つは、その分だけ第2次の重みが増すことです。

書く力と話す力を同じ段階でまとめて確かめられ、しかも会場は鹿角市役所です。市を訪れて受ける試験である以上、土地を知らないまま臨む不利は小さくありません。

上記は鹿角市が公表する令和8年度職員採用試験【第1期】の受験案内による、一般事務職(上級)・土木技師(上級)の内容です。令和8年度は【第2期】の案内も公表されており、対象職種や試験の構成が第1期と異なる可能性があります。面接の形式(個別面接・集団面接の別)、面接の回数、面接官の人数、所要時間、各試験種目の配点は公表されていません。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。

鹿角市役所が求める人物像

鹿角市の受験案内と職員採用ページには、他の自治体でみられる定型の「求める人物像」にあたる記載を確認できません(当研究会調べ)。そこで、試験の組み立てそのものから評価の力点を読み解きます(参考:鹿角市の採用情報|令和8年度

手がかりは3つあります。第一に、第1次が検査型で、面接官が事前に持っている情報は申込時の内容にほぼ限られること。

第二に、第2次で小論文と口述面接が同じ段階に置かれ、書いて筋を通す力と話して伝える力が並べて確かめられること。第三に、配点に加味されない検査があると明記されている以上、人物の評価は小論文と口述面接に集まるということです。

ここから、初対面の相手に自分の言葉で説明する力、考えを文章にまとめる力、そして鹿角市で働く理由の具体性の3点が問われていると考えられます。自己PRでは「人と関わるのが得意です」で止めず、その力で相手や状況がどう動いたのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。鹿角市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わず来られましたか用意していない一言に自然に返せるか。表情と声の出だし
② 動機・志望公務員を志したのはいつ頃ですか民間企業ではなく行政を選ぶ理由が、自分の経験の中から出てきているか
③ 自己理解あなたの短所を教えてください自分を客観視できているか。短所との付き合い方まで語れるか
④ 経験・行動うまくいかなかった経験について教えてください成否そのものではなく、その場面での考え方と動き方
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて学んだことを教えてください学んだ内容を、専門外の相手に伝わる言葉へ置き換えられるか
⑥ 適性・将来採用されたら、どの部署で働きたいですか市の仕事をどれだけ具体的に思い描けているか。希望と違う配属への構え
⑦ 公共性・社会性気になっている社会の出来事はありますか世の中の動きを追っているか。それについて自分の考えを短く言えるか

ただし、この7カテゴリーは鹿角市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「鹿角市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「鹿角市役所ならでは」の質問

「なぜ秋田県庁ではなく、鹿角市役所なのですか」
「鹿角市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

第1次を全国のテストセンターで受けられる試験ですから、第2次の会場に集まる受験者の背景はさまざまです。だからこそ、この2問への答えの厚みがそのまま差になります。

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがありませんが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「鹿角市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい鹿角市の事実答え方のヒント
市の規模感人口26,339人・面積707.52km²・人口密度37.2人/km²。県全体では1km²あたりおよそ74人密度が県平均の半分という一点に絞って示し、離れて暮らす人にサービスをどう届けるかという論点へ運ぶと、話に筋が通ります
なぜ県庁ではなく市役所か広域の政策や市町村間の調整を受け持つのは県の側。鹿角市では総務部総務課職員班が採用の窓口で、令和8年度【第1期】の採用予定はいずれの区分も若干名若干名という採用規模を持ち出して、一人が受け持つ分野の広さと住民との距離の近さを、自分が望む働き方として述べます
県外からの受験と志望動機第1次は全国の指定会場から選ぶテストセンター方式で、受験案内は「県外にお住まいの方も受験しやすい試験です」と明記。第2次の会場は鹿角市役所どこからでも受けられる試験だからこそ、鹿角市を選んだ理由を土地の名前とともに話せるかどうかで印象が変わります
県境をまたぐ立地接するのは大館市・北秋田市・仙北市・小坂町、岩手県の八幡平市、青森県の十和田市・田子町・三戸町・新郷村の9自治体。青森県と岩手県の両方に接する秋田県の市は鹿角市だけ3県にまたがる人の動きを1つ具体的に挙げ、観光や道路、災害時の応援など県境を越えて必要になる仕事へ結び付けます
防災・危機管理秋田県地震被害想定調査(平成25年8月)は、横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)で県内の死者数4,524人、1か月後の避難者約9万人と想定。県に影響する地震は27パターン県の想定に触れたうえで、鹿角市が公表するハザードマップや避難所で確かめた地区名を一つ添えると、机上の話に留まりません

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど読み解いた「鹿角市で評価されやすい力」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
初対面の相手に自分の言葉で説明する力口述面接で、借り物でない言葉で経験を語れるか鹿角市の第1次は検査型なので、面接官が事前に知っているのは申込時の情報だけです。自分の背景を何も知らない相手に伝わるかを基準に、経験の説明を組み立て直します
考えを文章にまとめる力第2次の小論文で、問いに正面から答える構成が作れるか人口密度が県平均の半分という鹿角市の条件を題材に、時間を計って一本書いてみます。書き上げた要旨をそのまま話せるようにしておくと、同じ日の口述面接でも軸がぶれません
鹿角市で働く理由の具体性数ある自治体の中でなぜこの市かに、土地に根ざした答えを返せるか市の広報や公式サイトから実際の取り組みを2つ拾い、自分の関心と重ねます。青森県・岩手県と接する立地や、市域の広さと結び付けられると答えが具体的になります

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。面接の場が第2次にまとめられている鹿角市では、限られた時間の中でこの掘り下げが行われます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、あらかじめ用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を読み、志望する期・区分の受験資格と2段階の流れ、電子申請フォームでの申込に必要な顔写真の規格まで確認する
  2. 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 小論文と口述面接が同じ段階にあることを前提に、時間を計って書く練習と声に出す練習を並行して行う。書いた内容を口で説明し直すところまでを1セットにする

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、鹿角市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

鹿角市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

鹿角市役所の想定問答集を見る

さいごに

鹿角市の令和8年度【第1期】は、第1次が全国のテストセンターで受けられる基礎能力検査、第2次が鹿角市役所での小論文試験と口述面接試験という2段階でした。配点は公表されていませんが、性格適性検査が配点に加味されないと明記されている以上、人物の評価は小論文と口述面接に集まります。

人口2万6千人あまり、県の面積のおよそ6%を占める市域、青森県と岩手県の両方に接する立地。若干名という採用枠の一人になったとき、この土地の何を引き受けたいのか。

県外からでも受けやすい試験だからこそ、鹿角市を選んだ理由を自分の言葉で説明できる状態をつくることが、そのまま第2次の対策になります。