本記事では、湯沢市職員採用試験の面接対策で必要な、湯沢市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

湯沢市役所の面接試験では、「なぜ湯沢市を志望したのか」「湯沢市を元気にするために何をしたいのか」「これまでの経験を市政でどう活かせるか」といった質問が想定されます。湯沢市は受験案内の冒頭で求める人材像を公表しており、何を評価したいかを市自身が言葉にしている点が、対策の出発点になります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の経験と湯沢市政の接点を整理し、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

湯沢市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは湯沢市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 秋田県の南端に位置する市で、人口も市域の広さも県内13市で7番目。県全体の人口のおよそ4.2%が湯沢市で暮らしている。
  • 総面積は790.91km²で、秋田県全体の1万1,637km²のおよそ6.8%にあたる。
  • 人口密度は48.8人/km²。県平均のおよそ74人/km²の6割ほどで、県内13市では10番目にあたる。
  • 隣り合うのは10の自治体。県内は由利本荘市、横手市、雄勝郡羽後町、東成瀬村の4市町村で、残る6つは山形県の新庄市、最上郡最上町、金山町、真室川町と、宮城県の栗原市、大崎市。秋田・山形・宮城の3県にまたがって接する、県境の市である。
  • 市役所は佐竹町にあり、職員採用試験の第一次試験もこの本庁舎で行われる。市の花は、市の木はと定められている。
  • 受験案内の冒頭に、求める人材像として「住み続けることを誇りに思えるまちづくりを目指し、湯沢市を元気にしたいという熱い心を持った人材を求めています」と明記されている。
  • 市は「音楽のまち“ゆざわ”」の推進に取り組んでおり、令和7年度採用の一般事務職員が生涯学習課社会教育班でこの事業を担当していることが、受験案内の先輩職員からのメッセージに記されている。
  • 職員採用試験を所管するのは人事委員会ではなく総務部総務課人事給与班。令和8年度は上級等の区分を先に実施し、中級・初級等の区分は令和8年9月に別の案内で実施する予定とされている。
  • 受験できるのは一つの試験区分に限られる。どの区分で受けるかを決める段階から、志望の説明が始まっていることになる。

湯沢市の基礎データ

数字を1つ残らず記憶しても、それだけで受け答えが強くなるわけではありません。むしろ、「湯沢市がどれくらいの規模の市か」を自分の言葉で言えることは重要です。

表にまとめたのは、県内13市で7番目という人口規模と市域の広さ、そして山形県・宮城県にも及ぶ10の隣接自治体です。秋田県全体の数値を並べているのは、湯沢市単独の経済統計が公表されている範囲にとどまるからで、県の数字を手がかりに規模の見当をつけてください。

項目内容
総人口38,608人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積790.91km²(秋田県のおよそ6.8%。県内13市で7番目)
人口密度48.8人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市役所所在地秋田県湯沢市佐竹町1番1号(第一次試験の会場も本庁舎)
隣接自治体由利本荘市、横手市、雄勝郡羽後町、東成瀬村、山形県新庄市、山形県最上郡最上町、山形県最上郡金山町、山形県最上郡真室川町、宮城県栗原市、宮城県大崎市(10自治体)
市の花・市の木桜/欅
(参考)秋田県の総人口865,885人(2026年6月1日現在の推計)
(参考)秋田県の総面積1万1,637km²(全国の都道府県で6番目)
(参考)秋田県の高齢化率39.5%(令和6年・全国で最も高い)

湯沢市の面積・所在地・隣接自治体・市の花・市の木は、自治体の公表値による数値で、湯沢市公式の統計との照合は済んでいません。実際の受験や提出書類で数値を用いる際は、市公式サイトの最新値をご確認ください。秋田県の総人口は県の推計人口(2026年6月1日現在)、総面積と全国順位は秋田県公式サイト、高齢化率は内閣府「高齢社会白書」令和7年版に示された令和6年の値です。県の平均人口密度、県土に占める面積の比率、県内13市での順位は、これらの公表値から当研究会が算出しました。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

順位の並びから読む湯沢市の輪郭

湯沢市の姿は、県内13市のなかでの三つの順位を並べると見えてきます。人口は7番目、面積も7番目、そして人口密度は10番目。

人口と市域の順位がそろい、密度だけが下に来るということは、県内でも人のまばらな側の市だということです。秋田県全体の865,885人と1万1,637km²から計算すると県平均はおよそ74人/km²ですから、湯沢市の48.8人/km²はその6割ほどにとどまります。

(出典:秋田県の人口と世帯(推計)|令和8年6月1日現在秋田県の紹介(県土と地形)|秋田県

隣り合う市と並べると、位置づけはもう少しはっきりします。県内で接する由利本荘市は57.1人/km²、横手市は114人/km²で、いずれも湯沢市を上回ります。

県南のなかでも、人口密度は低いほうの市だと押さえておくと、地域を語るときの足場になります。790.91km²という市域に38,608人ですから、集落と集落の間に距離がある土地だ、という前提から市政を考えることになります。

もう一つの前提が、県全体の人口の動きです。秋田県の人口は2026年6月1日現在で865,885人。

直近1年間(2025年6月から2026年5月まで)で17,254人、率にして1.95%減りました。内訳は自然減が13,200人、社会減が4,054人です。

高齢化率は令和6年時点で39.5%と全国で最も高く、令和32年(2050年)には49.9%まで上がると推計されています。面接では、たとえば次のように数字と自分の見立てをつなげられます。

「湯沢市は秋田県のいちばん南にあるまちで、人口は3万9千人ほどだと知りました。隣り合う10の自治体のうち6つは山形県と宮城県側だそうで、県境をまたいで暮らしがつながっている土地だと感じています。県全体では1年で1万7千人ほど減っていますので、その中で住み続けたいと思ってもらえる理由をどう作るかが、市役所の仕事の中心になるのではと考えています」

湯沢市の経済・産業

秋田県の経済規模と、そのなかでの湯沢市

湯沢市単独の市民経済計算は公表資料の範囲が限られるため、ここでは湯沢市が属する秋田県全体の姿を土台に、地域経済を整理します。

  • 秋田県の県内総生産は名目3兆5,453億円(令和3年度・前年度比2.2%増)。
  • 経済活動別では第1次産業897億円、第2次産業9,163億円(うち製造業6,230億円)、第3次産業2兆5,461億円。
  • 県内総生産の対全国シェアは0.64%にとどまる。

県の経済は全国の0.64%という規模で、その7割強を第3次産業が占めています。産業振興や雇用の話題に触れるときは、この土台を前提に置いておくと、話が地に足のついたものになります。

(出典:秋田県民経済計算|令和3年度

農林業への偏りと、医療・福祉が担う雇用

産業の構成を細かくみると、秋田県の特徴がはっきりします。付加価値額の特化係数(全国水準を1としたときの偏りを示す値)でみると、農業・林業が3.64と全国水準を大きく上回る一方、製造業は0.76にとどまります。

業種別の付加価値額の割合でも、医療・福祉が20.9%(全国平均比プラス11.1ポイント)、建設業が11.2%(同プラス4.8ポイント)と高く、製造業は17.4%(同マイナス5.6ポイント)と低い水準です。(出典:秋田県の産業分析|秋田県。いずれも2012年の基準による値です)

土地に根ざした一次産業と、人の暮らしを支える医療・福祉が、県の経済を二本柱で支えているという読み方ができます。湯沢市が保健師を独立した試験区分として採用していることも、この構造と重ねると意味が見えてきます。

医療・福祉の割合の高さが、高齢化率が全国で最も高いという県の姿と表裏であるところまで説明できると、話が一段深くなります。

3県が接する南端という立地をどう読むか

秋田県は東北地方の日本海側にあり、県土は奥羽山脈や出羽山地などの山地と、秋田平野・能代平野・本荘平野などの平野、そして大館盆地・横手盆地といった盆地から成り立っています。県内には13の市、9つの町、3つの村があります。

湯沢市は、このうち県の南端に置かれた市です。

接する10自治体のうち6つが県外だという事実は、市の性格をよく表しています。山形県の新庄市や最上地方、宮城県の栗原市や大崎市とは、山を挟んで向かい合う関係にあります。

買い物や通院、通勤や進学の動きは、県境の線では止まりません。制度は県単位、暮らしは県をまたぐという前提は、地域振興や広域連携の話題に触れるときの出発点になります。

湯沢市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、湯沢市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

全国で最も高齢化が進んだ県で市政を担うということ

秋田県の高齢化率は令和6年時点で39.5%と、47都道府県のなかで最も高い水準にあります。最も低い東京都の22.7%とは17ポイント近い開きがあり、令和32年(2050年)には49.9%まで上がると推計されています。

全国で最初に「県民の半分近くが65歳以上」という段階へ入っていく県だ、ということです。(出典:高齢社会白書|令和7年版

人口そのものの動きも急です。令和2年国勢調査の県人口は前回の平成27年調査から63,617人減、減少率6.2%で、減少数・減少率とも過去最大でした。

減少率が全国で最も大きいのは、これで5回連続です。県人口ビジョンは、人口が昭和31年(1956年)の約135万人をピークに減少へ転じ、令和7年(2025年)には約87万9千人になったことを課題として明記し、社会減の早期抑制と自然減の抑制を柱に掲げています

(出典:秋田県人口ビジョン|令和8年3月改訂

県外が近いということの、裏側

秋田県は昭和26年(1951年)の調査開始以降、一貫して社会減が続いてきました。平成5年(1993年)には初めて死亡数が出生数を上回り、自然減の状態に入っています。

令和7年(2025年)は自然減14,019人、社会減3,408人でした。直近1年間(2025年6月から2026年5月まで)でみても、県内への転入11,191人に対して県外への転出は15,245人です。

県境が近いことは、交流の面では強みですが、進学や就職の時期には人が出ていきやすいという面も持ちます。湯沢市の面接を受ける人の多くが、県外へ出るという選択肢を現実に手にしている、ということでもあります。

ほかの道があるなかで、あえて湯沢市役所を選ぶ理由は、面接で必ず確かめられると考えておきましょう。地元出身の方なら「なぜ戻るのか」、市外出身の方なら「なぜこの市なのか」という形で問われます。

790.91km²の市域に、まばらに暮らす3万9千人

790.91km²という市域は、秋田県の県土のおよそ6.8%にあたります。そこに38,608人が暮らし、人口密度は48.8人/km²と県平均の6割ほどにとどまります

佐竹町の本庁舎まで出てくること自体が負担になる市民の方がいる、という前提から市政を考える必要があるということです。

採用の規模も、この条件と無縁ではありません。令和8年度の採用予定人員は、一般事務職が3区分あわせて3名程度、技術職(土木・上級)が1名程度、保健師が1名程度。

少人数で市域全体を支える体制ですから、担当外の仕事に手を伸ばす場面は避けられません。市の仕事を語るときは、「何をやりたいか」に加えて、「その仕事を、集落が点在する市域の隅々まで同じ質で届けるには何が要るか」という視点を一つ足すと、話が具体的になります。

災害への備えという共通の宿題

秋田県が平成25年8月に取りまとめた地震被害想定調査では、県に影響を及ぼす地震として、日本海東縁部の地震と陸域の活断層による地震(能代断層帯、横手盆地東縁断層帯、北由利断層など)の計27パターンが想定されています。被害が最大となるのは横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)で、冬の深夜に発生した場合の想定は県内死者数4,524人、建物全壊72,594棟、1か月後の避難者数が約9万人です。

(出典:秋田県地震被害想定調査(概要版)|平成25年8月

これらは秋田県全体の想定値であって、湯沢市単独の被害想定ではありません。ただ、県が27パターンもの地震を想定しているという事実は、防災を語るときの出発点になります

防災に触れるなら、想定の規模に軽く触れたうえで、790.91km²の市域で被害を把握し避難所を回す市職員の側へ話を進めると、地に足のついた説明になります。

県全体の厳しい財政という土台

湯沢市自身の予算や決算の資料は市の公式サイトで公表されていますから、志望動機を固める段階で一度目を通しておきましょう。ここでは、市政が置かれた土台のほうを県全体の数字から押さえます。

秋田県の財政力指数は0.31178(令和5年度)で、将来負担比率は243.0%と全国42位です。県の令和7年度一般会計当初予算は5,773億円(前年度当初比69億円・1.2%の減。知事改選期のため骨格予算)で、県債残高は令和7年度末に約1兆2,128億円となる見込みです。

県の財政状況資料は、社会保障関係経費や公債費の高止まりに加え、人口減少などの影響で地方交付税の減少が見込まれるとして、厳しい財政状況が続いていると明記しています。(出典:秋田県の財政状況|令和7年6月公表

面接で財政の話を持ち出す必要はありません。ただ、この前提を知っているかどうかで、「やりたいこと」の語り方は変わります。

新しい事業を提案する形で志望を語るなら、その財源をどこから持ってくるのかという問いが返ってくることを想定しておきましょう

湯沢市の重点政策|受験案内が掲げる人材像

湯沢市の総合計画や重点施策の名称は、市の公式サイトの市政情報のページで最新のものを確かめられます。本記事では、市が受験案内で公表している人材像と取組を土台に、市政を理解する手がかりをつくります。

受験案内が言葉にしている「求める人材像」

湯沢市の受験案内は、その冒頭で求める人材像を掲げています。「住み続けることを誇りに思えるまちづくりを目指し、湯沢市を元気にしたいという熱い心を持った人材を求めています」という一文がそれです。

そのうえで、次の2点が具体的に列挙されています。(出典:令和8年度湯沢市職員採用試験受験案内|令和8年度

  • 地域課題の解決に向けて、共に知恵を出し、汗を流し、積極的に行動することができる人
  • 喜びと笑顔があふれ、次代に向かって夢が広がるまちづくりを目指すことができる人

この2点は、そのまま面接での問いに翻訳できます。前者が求めているのは「共に」と「行動」ですから、一人で完結した成果ではなく、誰かと組んで手を動かした経験が問われます。

後者は市の将来像に関わる話ですから、自分が湯沢市の何年か先をどう思い描いているかを言えるかどうかが分かれ目になります。人材像は、覚えて復唱するためではなく、自分の経験を選ぶ物差しとして使うものだと考えてください。

「音楽のまち“ゆざわ”」という具体例

湯沢市は「音楽のまち“ゆざわ”」の推進に取り組んでいます。注目したいのは、この事業を担当しているのが令和7年度採用の一般事務職員だと、受験案内の先輩職員からのメッセージで紹介されている点です。

採用から間もない職員が、市の看板となる取組の現場に立っているということです。

行政の仕事というと、窓口と事務処理の印象が先に立ちます。しかし実際には、生涯学習課社会教育班のように、人が集まる場をつくる部署にも新採用の職員が配置されます。

志望動機を「この分野だけをやりたい」という形で組み立てると、こうした配属の広がりと噛み合わなくなります。逆に言えば、自分の得意なことを市のどんな場面で使えそうか、複数の候補を持っておくと、配属の話題にも落ち着いて答えられます。

POINT|人材像を、自分の経験に翻訳する

①受験案内の人材像を読む → ②「共に知恵を出し、汗を流し」に当てはまる自分の経験を1つ選ぶ → ③その経験を、湯沢市の人口38,608人・面積790.91km²という条件のもとでどう活かせるか考える → ④市の公式サイトや広報紙で、実際に動いている取組を確かめる、という順で準備しましょう。

悪い例「湯沢市を元気にしたいと思っています」

改善例「受験案内に、湯沢市を元気にしたいという熱い心を持った人を求めますと書かれているのを読みました。私はまず窓口で、市民の方が何に困っているのかを正確に受け止められるようになりたいです。そのうえで、音楽のまちの取り組みのように人が集まる場をつくる仕事にも、いずれ関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 湯沢市職員採用試験の受験案内(自分が受ける区分・年度のもの。上級等と中級・初級等では案内そのものが分かれています)
  • 受験案内に掲載された先輩職員からのメッセージ(配属先と仕事の中身が具体的に書かれています)
  • 湯沢市公式サイトの市政情報・広報紙・各種計画のページ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、湯沢市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。湯沢市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

湯沢市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

湯沢市役所の面接の概要

ここからは、湯沢市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

湯沢市役所の試験の流れ

令和8年度の湯沢市職員採用試験(一般事務職の上級・就職氷河期世代・職務経験者、技術職の上級、保健師)は、第一次試験と第二次試験の二段階で行われます。第一次は択一式の筆記試験、第二次は「面接ほか」です。

第二次の詳細は第一次試験の合格者に通知される運用ですので、面接の形式や回数が公表されないまま準備を進めることになります

項目内容(令和8年度・上級等の区分)
試験の段階第一次試験・第二次試験の二段階
第一次試験の種目筆記試験(択一式)。会場は湯沢市役所本庁舎
一般事務職(上級)の出題40題90分。大学卒業程度の一般的知識・知能(時事、社会・人文及び自然に関する一般知識並びに文章理解、判断・数的推理及び資料解釈)
一般事務職(就職氷河期世代)の出題60題60分。公的部門の職員として職務遂行に必要な能力(論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等)
専門試験技術職(土木・専門試験枠・上級)は30題120分(数学・物理、応用力学、水理学、土質工学、測量、土木計画、材料・施工)。保健師は30題90分(公衆衛生看護学、疫学、保健統計学、保健医療福祉行政論)
一般事務職(職務経験者)筆記試験は行われず、申し込み時に提出された書類及び試験課題により書類選考が行われます
第二次試験の種目「面接ほか(詳細は第一次試験合格者に通知します。)」と記載されています。面接の形式・回数、「ほか」に当たる種目は受験案内に記載がありません
第一次試験の結果本人に合否の別、試験の点数及び順位が通知され、市ホームページに合格者の受験番号が掲示されます
配点各試験段階の配点・満点・合否判定方法は、受験案内に記載がありません
採用予定人員一般事務職(上級・就職氷河期世代・職務経験者の3区分あわせて)3名程度、技術職(土木・上級)1名程度、保健師1名程度
併願「上記の試験区分の一つに限り受験できます」と明記されています
提出書類受験申込書(A4横。2枚目の氏名欄は自署、写真は申込み前3か月以内の縦4cm×横3cm)。就職氷河期世代・職務経験者の区分は申込書2枚目に代えて職歴等シートを、職務経験者はさらに試験課題を作成します
申込方法持参又は郵送。受験案内に電子申請の記載はありません
技術職の枠の違い技術職(土木・上級)には専門試験枠と一般試験枠があり、同じ上級でも第一次試験の内容が異なります。一般試験枠の合格者は、採用後一定期間は維持管理部門への配属となります
最終合格後採用候補者名簿に登載され、令和9年4月1日以降に必要に応じて採用されます(名簿の有効期間は1年。必ずしも全員が採用されるとは限りません)
(参考)初任給上級の試験区分で239,488円(令和8年4月の新卒者の標準例。職歴等がある場合は一定の基準により加算されます)
(参考)勤務条件勤務時間は原則として午前8時30分から午後5時15分まで。休日は原則として土曜日・日曜日・祝日・年末年始

この表から読み取れることが二つあります。一つは、第一次試験の点数と順位が本人に通知されるという点です。

自分がどの位置で二次へ進んだのかを知ったうえで、面接に臨めるということですから、通知の内容は次の準備に生かせます。もう一つは、第二次の中身が事前には分からないという点です。

個別面接なのか集団面接なのか、集団討論があるのかどうかは公表されていませんので、どの形でも話せる状態にしておく必要があります。

上記は湯沢市の令和8年度職員採用試験(一般事務職の上級・就職氷河期世代・職務経験者、技術職の上級、保健師)の受験案内にもとづく内容です。面接の形式(個別面接か集団面接か)、集団討論の有無、面接の回数、各段階の配点は、受験案内・市の採用試験ページのいずれにも記載がなく、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。面接カード・自己PRシート等の名称の提出書類も確認できていません。中級・初級等の区分は別の案内で実施される予定で、その試験構成は本記事では扱っていません。試験の構成・区分・日程等は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の受験する区分の情報をご確認ください。

人材像から読む、評価されやすい資質

湯沢市は求める人材像を公表していますから、評価されやすい資質はそこから素直に読み取れます。手がかりは三つあります。

「地域課題の解決に向けて、共に知恵を出し、汗を流し」という言い回しに、協働と実行が並んで置かれていること。「次代に向かって夢が広がるまちづくり」という将来志向の言葉が続くこと。

そして採用予定が一般事務職3名程度・技術職1名程度・保健師1名程度という少人数であることです。

これらを重ねると、「人と組んで動いた経験があること」「言われる前に手を出せること」「市の将来像を自分の言葉で語れること」のあたりが評価の中心になると考えられます。自己PRでは、こうした資質を名乗って終わらせず、その力を使って何を行い、周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。湯沢市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどのように会場までいらっしゃいましたか身構えていない問いかけへの応じ方。声の大きさや表情が、ここで一度確かめられます
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください比べたうえでの選択になっているか。動機が自分の来し方と地続きか
③ 自己理解ご自身の長所を、それが表れた場面とあわせて教えてください抽象的な性格語で終わらせず、行動の裏づけを持っているか
④ 経験・行動周りの人を巻き込んで取り組んだ経験を教えてください誰とどう組んだか。自分の役割をどこまで自覚していたか
⑤ 学業・経歴学校生活や職務で力を入れたことを、事情を知らない人にも伝わるように話してください相手に合わせて言い換える力。学んだことを仕事へつなぐ視点
⑥ 適性・将来10年後の湯沢市が、どんなまちになっていてほしいですか市の将来像を自分の言葉で描けるか。そこに自分の役割を置けるか
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースを一つ挙げて、感想を聞かせてください社会の動きに目を向けているか。自分の受け止めを短い言葉にできるか

ただし、この7カテゴリーは湯沢市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「湯沢市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「湯沢市役所ならでは」の質問

「なぜ秋田県庁ではなく、湯沢市役所なのですか」
「湯沢市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも湯沢市の現状を知らなければ、その場で組み立てるのは難しい質問です。裏を返せば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「湯沢市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい湯沢市の事実答え方のヒント
市の規模と密度人口38,608人・面積790.91km²・人口密度48.8人/km²。県内13市で人口と面積は7番目、密度は10番目で、県平均のおよそ6割「人口と面積の順位はそろっているのに、密度だけが下に来る市」という置き方が湯沢市の輪郭です。規模を言って終わらせず、集落の間に距離がある土地柄まで一言添えます
なぜ県庁ではなく市役所か受験できるのは一つの試験区分に限られ、採用予定は一般事務職3名程度・技術職1名程度・保健師1名程度。第一次試験の会場も市役所本庁舎少人数の採用だからこそ、一人が受け持つ範囲が広くなります。県の施策を暮らしの単位へ運ぶ側に立ちたい、という言い方に自分の経験を重ねます
湯沢市の魅力秋田県の南端に位置し、接する10自治体のうち6つが山形県・宮城県側。市の花は桜、市の木は欅。「音楽のまち“ゆざわ”」を推進している名所を並べるのではなく、3県が接する土地であることと、音楽のまちという市の打ち出しを結び付けて、自分が見聞きした実感から話します
人材像への理解受験案内は「地域課題の解決に向けて、共に知恵を出し、汗を流し、積極的に行動することができる人」「喜びと笑顔があふれ、次代に向かって夢が広がるまちづくりを目指すことができる人」を挙げている人材像を復唱するのではなく、「共に」「汗を流し」に当てはまる自分の経験を先に出し、そのあとで人材像と重ねると、借り物に聞こえません
人口と高齢化令和6年時点で秋田県の高齢化率は39.5%にのぼり、47都道府県のうち最も高い水準。令和32年(2050年)の推計は49.9%。直近1年の県人口の減少は17,254人(1.95%)で、自然減が13,200人、社会減が4,054人県の順位をなぞるだけでは、他の受験者と同じ答えになります。集落の間に距離がある48.8人/km²の湯沢市で、その変化が誰の暮らしに先に及ぶのかまで踏み込んでください
試験の性格第二次試験は「面接ほか」とだけ記され、詳細は第一次試験の合格者に通知される。第一次の結果は点数と順位が本人に通知される形式が分からない以上、個別でも集団でも通じる話の組み立てが必要です。一次で通知される順位を、二次までの伸ばしどころの目安として使う姿勢も語れます

使い方のコツは、6つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど整理した「湯沢市で評価されやすい資質」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
人と組んで動く力誰と、どんな役割分担で取り組んだか。意見が割れたときにどう調整したか人材像の一つ目は「共に知恵を出し、汗を流し」です。一人でやり切った話より、複数人で進めた話のほうが噛み合います。自分が全体のどこを担ったかまで言えるようにしておく
言われる前に手を出せること頼まれていないのに動いた場面と、その判断の理由採用予定は一般事務職3名程度・技術職1名程度・保健師1名程度という規模です。担当外に手を伸ばす場面が前提だと考え、自分から引き受けた経験を書き出しておく
まちの将来像を語れること湯沢市が数年後どうなっていてほしいかを、自分の言葉で言えるか人材像の二つ目は「次代に向かって夢が広がるまちづくり」です。人口38,608人という現在地と、市が推す「音楽のまち“ゆざわ”」のような具体の取組を結び、自分なりの将来像を一つ用意しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。湯沢市の第二次試験は形式が公表されていませんので、どの聞かれ方でも同じ経験を語り直せるように準備しておく必要があります。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける区分の最新の受験案内を読み、第一次の出題形式(題数と時間)と、提出書類(受験申込書、区分によっては職歴等シートや試験課題)を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業、部活動、アルバイト、職務、地域での活動から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、人口38,608人・面積790.91km²・人口密度48.8人/km²という湯沢市の輪郭と、3県に接する位置を、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 受験案内の人材像2点に、自分の経験を1つずつ割り当てる。割り当てられない項目があれば、そこが準備の抜けている場所です
  6. 第二次試験の形式が公表されていないことを前提に、1分程度で答える短い型と、掘り下げて答える長い型の両方を声に出して練習する

順番に注意

ステップ4の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ5の人材像との突き合わせを優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、湯沢市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

湯沢市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

湯沢市役所の想定問答集を見る

さいごに

湯沢市の第二次試験は「面接ほか」とだけ書かれていて、形式も回数も事前には分かりません。裏を返せば、どの聞かれ方でも通じる材料を持っている人が強いということです。

市が受験案内の冒頭に掲げた「湯沢市を元気にしたい熱い心」という言葉に、自分のどの経験で応えるのか。秋田県の南端で、山形県と宮城県に向かって開いた3万9千人のまちで、自分は何をする職員になりたいのか。

その二つを結び直しながら、手持ちの経験を一つずつ言葉にしていってください。