本記事では、男鹿市職員採用試験の面接対策で必要な、男鹿市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

男鹿市役所の面接試験では、「なぜ男鹿市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。男鹿市の採用試験は、第2次と第3次がどちらも個人面接試験です。

教養試験も専門試験も作文試験も課されないため、筆記の勉強量では差がつきません。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と男鹿市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

男鹿市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは男鹿市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 秋田県の日本海側に位置する、人口22,728人の市である(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
  • 総面積は241.06km²、人口密度は94.3人/km²。県土のおよそ2%にあたる市域に、県人口の2.5%ほどが暮らしている。
  • 隣接するのは潟上市、山本郡三種町、南秋田郡大潟村の1市1町1村。市役所は船川港船川字泉台に置かれ、若美庁舎とあわせた2庁舎で市政を担っている。
  • 「男鹿のナマハゲ」は2018年にユネスコ無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」の一つとして登録された行事。1978年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。
  • ナマハゲは市内の約90の町内で12月31日の大晦日に行われる。後継者不足などで実施する地区は年々減っていたが、近年は復活する動きもみせていると市の採用試験案内が説明している。
  • 市の沖合に関わる海域では洋上風力発電の事業が計画されており、「能代・三種・男鹿沖」494,000kWと「男鹿・潟上・秋田沖」315,000kWを合わせると約80万キロワット規模になる。
  • 大学卒業程度の職員採用試験は行政A・土木・建築の3区分で、採用予定人員はいずれも若干名。1つの区分しか申し込めず、区分間の併願はできない。
  • 職員採用を所管するのは人事委員会ではなく、総務企画部総務課人事班である。
  • 市の花はツバキ、市の木は杉。
  • 市政の方向性を押さえるなら、男鹿市公式サイトの市政情報と広報紙が最も新しい一次情報になる。志望する分野に近いページから目を通しておこう。

男鹿市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「男鹿市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口・市域・人口密度といった男鹿市そのものの数字と、比較の物差しになる秋田県全体の数字を並べました。表に載せたのは公式に確かめられた項目だけです。

市民経済計算や年齢3区分別の人口を使いたい場合は、男鹿市公式サイトの統計ページで最新値をご確認ください。

項目内容
総人口22,728人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積241.06km²
人口密度94.3人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体潟上市・山本郡三種町・南秋田郡大潟村(1市1町1村)
庁舎本庁舎(船川港船川字泉台66-1)・若美庁舎(角間崎家ノ下452)
市の花/市の木ツバキ/杉
(参考)秋田県の総人口865,885人(2026年6月1日現在の推計)
(参考)秋田県の総面積1万1,637km²(全国6番目の大きさ)
(参考)秋田県の高齢化率39.5%(令和6年・全国で最も高い)

男鹿市の人口・総面積・人口密度・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整備する自治体データベース(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)による値です。基準日や集計方法によって市公式の推計人口とは差が出る場合があるため、面接で数値に触れる際は男鹿市公式サイトの最新値もあわせてご確認ください。庁舎の所在地は男鹿市職員採用試験案内(2026年実施)、秋田県の総人口は県の推計人口、総面積は県公式サイト、高齢化率は内閣府『高齢社会白書』令和7年版によります。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

男鹿市の人口密度94.3人/km²は、秋田県全体を人口と面積から計算した約74人/km²をやや上回ります。県内では人が比較的まとまって暮らしている部類ということですが、これは県全体が全国有数の低密度であることの裏返しでもあります。

その秋田県の人口は、2025年6月から2026年5月までの1年間で17,254人(1.95%)減りました。内訳は自然減が13,200人、社会減が4,054人で、減少の8割近くは出生と死亡の差によるものです(出典:秋田県の推計人口|2026年6月1日現在

人口の減り方が転出だけでなく世代交代そのものに起因しているということは、若い世代を呼び込む政策だけでは減少に歯止めがかからないことを意味します。人口2万人台の市では、この構造が公共施設の維持や地域行事の担い手といった身近な場面に早く現れます。

たとえば面接では、男鹿市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「男鹿市は人口が2万2千人ほどで、秋田県全体でも人口の減り方が大きいと知りました。しかも減っている理由の多くが、転出よりも亡くなる方と生まれる方の差だと聞きましたので、人を呼び込む取り組みと、いま住んでいる方の暮らしを支える取り組みを両方進める必要があるのではと感じています」

男鹿市の経済・産業

秋田県の経済という土台

市の産業を読むための足場になるのは、男鹿市が属する秋田県全体の経済の姿です。ここでは県の構造から、地域経済の土台を整理します。

  • 令和3年度の県内総生産は名目3兆5,453億円(前年度比2.2%増)。全国に占めるシェアは0.64%。
  • 経済活動別では第1次産業897億円、第2次産業9,163億円(うち製造業6,230億円)、第3次産業2兆5,461億円
  • 付加価値額の業種別割合(2012年)は医療・福祉が20.9%で全国平均を11.1ポイント上回り、建設業も11.2%と高い。一方で製造業は17.4%と全国平均を5.6ポイント下回る。
  • 付加価値額の特化係数でも農業・林業が3.64と全国水準を大きく上回り、製造業は0.76にとどまる。

つまり、医療・福祉と農林業に厚く、製造業が薄いというのが秋田県の産業構造です。工場誘致で雇用を一気に増やすという発想が通りにくい代わりに、高齢化の進行が医療・福祉の雇用を支えているという読み方もできます。

男鹿市の主要産業や事業所の状況は、市の公式サイトや広報紙であわせて確認しておきましょう。(出典:秋田県民経済計算|令和3年度

沖合で動き出す洋上風力発電

秋田県は洋上風力発電の促進区域として全国最多となる4海域が指定されており、県内の総発電容量は運用中と計画中を合わせて200万キロワット以上(およそ150万世帯分に相当)を見込んでいます。すでに能代港と秋田港の洋上風力発電所(138,000kW)は運用が始まっています(出典:秋田県の洋上風力発電の取組

このうち男鹿市の沖合に関わるのが、「能代・三種・男鹿沖」494,000kW(2028年12月運転開始予定)と「男鹿・潟上・秋田沖」315,000kW(2028年6月運転開始予定)の2件です。男鹿市は、いずれの海域にも名前が入る位置にあります。

産業振興やエネルギーに関心があるなら、発電量そのものよりも、工事や保守の仕事、港湾の利用、漁業との共存といった論点で押さえておくほうが、面接では話が広がります。

観光と文化資源

秋田県の観光地点等入込客数は、令和7年1月から9月までの延べ人数で約2,336万人でした。前年同期の約2,359万人から約23万人減り、対前年比は99.0%です(出典:秋田県観光統計 第3四半期速報|令和7年

首都圏からのアクセスは、秋田新幹線こまちが秋田と東京を3時間37分で結び、秋田空港の東京便は1日9便が運航しています。

男鹿市にとっての観光資源の核は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「男鹿のナマハゲ」です。ただしこの行事は、市の採用試験案内が触れているとおり、後継者不足で実施する地区が減ってきたという課題を抱えています。

守るべき文化であると同時に、担い手の確保という行政課題でもあるという二面性を押さえておくと、観光の話題でも人口の話題でも同じ素材が使えます。

男鹿市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、男鹿市が秋田県内の市として向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

全国でもっとも速い人口減少

秋田県人口ビジョン(令和8年3月改訂)は、県人口が昭和31年(1956年)の約135万人をピークに減少へ転じ、令和7年(2025年)には約87万9千人になったことを課題として明記しています。令和2年国勢調査での減少率6.2%は5回連続で全国最大で、国立社会保障・人口問題研究所の推計に基づく令和32年(2050年)の県人口は約56万人と見込まれています(出典:秋田県人口ビジョン|令和8年3月改訂

県は昭和26年(1951年)の調査開始以降ずっと社会減が続き、平成5年(1993年)には死亡数が出生数を上回る自然減の状態に入りました。人口ビジョンは、社会減の早期抑制と自然減の抑制を柱に掲げています。

男鹿市の人口がこの県全体の動きに対してどう推移してきたかは、市が公表している統計で必ず自分で確かめておきましょう。県の分析をそのまま男鹿市の課題として語ると、裏づけのない話になってしまいます

高齢化率が全国で最も高い県での暮らしの支え

秋田県の高齢化率は令和6年(2024年)現在で39.5%と全国で最も高く、最も低い東京都の22.7%と比べると17ポイント近い開きがあります。さらに令和32年(2050年)には49.9%まで上昇し、その時点でも全都道府県で最も高いと推計されています(出典:高齢社会白書|令和7年版

県民のおよそ2.5人に1人が65歳以上という段階に、県全体がすでに入っています。人口規模の小さい市ほど、その影響は介護、医療、移動手段の確保といった身近な場面に早く現れます。

男鹿市の組織にも介護サービス課や地域包括支援センター、男鹿みなと市民病院が置かれており、限られた職員数で福祉と地域づくりの両方を担う場面が想定されます。

日本海側の災害リスクへの備え

秋田県地震被害想定調査(平成25年8月)が想定する27パターンのうち被害が最大となるのは、横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)です。冬の深夜に発生した場合、死者数4,524人、建物全壊72,594棟、1か月後の避難者数約9万人と想定されています。

歴史上、県内に最も大きな被害を及ぼしたのは昭和58年(1983年)の日本海中部地震(マグニチュード7.7)で、県に影響する地震としては日本海東縁部の地震と、能代断層帯などの陸域の活断層による地震が想定されています(出典:秋田県地震被害想定調査(概要版)|平成25年8月

これらはいずれも県全体の想定です。日本海に面する男鹿市でリスクがどう現れるかは、市が公表しているハザードマップや防災情報で確認しておきましょう。

市の組織にも危機管理課が置かれており、防災はどの部署に配属されても関わりうる分野です

職員の担い手をどう確保するか

人口が減り高齢化が進むということは、行政サービスの受け手が増える一方で、支える側の人材が減っていくということでもあります。男鹿市が第1次試験にSPI3を用い、試験案内で「公務員試験対策が不要で、民間企業を志望されている方も受験しやすい試験です」と説明しているのは、この文脈の中で理解できます。

同じ案内は、第2次・第3次を面接試験のみとした理由を「応募者との相互理解を深めるため、面接機会を増やし、より人物理解を深める人物評価重視の選考を行います」と述べています。

つまり男鹿市は、採用の間口を広げて人を集めることと、市の仕事に長く向き合える人を見きわめることを同時に進めようとしています。受験者の側から見れば、これは「入口が広い分、人物試験での見きわめが丁寧になる」ということです。

重点政策|秋田県の方針と男鹿市の位置づけ

ここでは、男鹿市が属する秋田県の財政状況と、市の沖合で進む大規模プロジェクトを背景として整理し、市政を理解する土台とします。市の計画名や個別の施策は年度ごとに更新されますので、男鹿市公式サイトの市政情報で最新のものを確認しておきましょう。

県財政の状況という前提

秋田県の令和5年度の実質公債費比率は15.3%(全国43位)、将来負担比率は243.0%(全国42位)で、経常収支比率は89.8%と全国平均の92.5%より低いものの、自由に使える財源が潤沢とはいえない状態が続いています。令和7年度の一般会計当初予算は5,773億円で、県債残高は令和7年度末で約1兆2,128億円になる見込みです(出典:秋田県の財政状況|令和7年6月公表

県の財政状況資料は、社会保障関係経費や公債費の高止まりに加え、人口減少などの影響で地方交付税の減少が見込まれるとして、厳しい財政状況が続いていると明記しています。県と市では財政の規模も構造も異なりますが、「新しいことを始めるには、いまあるものを見直すしかない」という制約は共通です。

男鹿市自身の財政状況は市が公表する財政資料で確認できますので、志望動機で新しい取り組みを語る場合は、その財源をどう考えるかまで一言添えられるようにしておきましょう。

洋上風力を地域の将来にどうつなぐか

男鹿市の沖合に関わる2件の洋上風力発電は、いずれも2028年の運転開始が予定されています。2028年という時期は、いま採用される人が働き始めて間もない頃にあたります

つまりこれは遠い将来の話ではなく、入庁後の数年で担当しうる分野だということです。

ただし、洋上風力の促進区域を進めているのは県であって、市が単独で実施する事業ではありません。面接で触れるのであれば、市の施策として語るのではなく、「全国最多の促進区域を抱える県にあって、その動きを市の雇用や暮らしにどう還元するか」という自分の問題意識として語るほうが安全です。

市の産業建設部や男鹿まるごと売込課がどんな発信をしているかを見ておくと、話の具体性が上がります。

POINT|計画名がわからなくても自治体研究はできる

計画の名称を覚えることが自治体研究の目的ではありません。①男鹿市の人口規模と位置を知る → ②市の組織図から、自分が携わりたい仕事がどの部署の担当かを確かめる → ③その部署の取り組みを市公式サイトや広報紙で調べる → ④自分の経験や強みをどう生かせるかを言葉にする、という順で進めましょう。

悪い例「男鹿市の地域活性化に貢献したいです」

改善例「まずは税や住民登録の窓口など、市民の方と直接やり取りする仕事から覚えていきたいです。その上で、男鹿市の沖では大きな洋上風力の計画が動いていると聞きましたので、そこで生まれる仕事や人の動きを市の中に残していく取り組みにも関わってみたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 男鹿市職員採用試験案内(最新年度・志望する試験区分のもの)
  • 男鹿市公式サイトの市政情報・広報紙・財政に関する公表資料
  • 男鹿市が公表している防災情報(ハザードマップ等)
  • 秋田県の人口ビジョン・財政状況資料(県内における男鹿市の位置づけを知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、男鹿市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。男鹿市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

男鹿市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

男鹿市役所の面接の概要

ここからは、男鹿市役所の採用試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

男鹿市役所の面接の流れ

2026年実施(2027年4月1日採用)の男鹿市職員採用試験案内(大学卒業程度)によると、行政A・土木・建築の各区分は第1次から第3次までの3段階で行われます。第1次試験はSPI3、第2次試験と第3次試験はいずれも個人面接試験で、教養試験・専門試験・作文試験は試験種目として課されません(出典:男鹿市職員採用試験案内(大学卒業程度)|2026年実施

項目内容(2026年実施・大学卒業程度)
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験SPI3(性格検査と能力検査〔基礎能力検査、構造的把握力検査〕)
第1次試験の受け方全国のSPI3テストセンター(リアル会場)またはオンライン会場を選び、指定された受験期間のうち都合のよい日時を予約します。性格検査を先に自宅等のパソコンやスマートフォンで受け、これを終えると会場予約が確定します(翌日午前3時までに性格検査を受けないと予約は無効)
第2次試験個人面接試験
第3次試験個人面接試験
面接の回数と会場個人面接が計2回。会場は男鹿市役所(受験者数等により男鹿市内の別会場に変更する場合があります)
配点・合否判定各試験種目の配点、人物試験の比重、合否判定の方法は試験案内に記載がなく、公表されていません
試験区分行政A・土木・建築の3区分(採用予定人員はいずれも若干名)。申し込めるのは1区分のみで、他区分との併願はできません
申込方法必ずインターネットで行い、持参や郵送では受け付けられません。リクナビのサイトでWEBエントリーを行うと、市から「エントリーシート」の登録依頼メールが届き、期限までに入力して返信します
提出書類第2次・第3次試験については「必要に応じて試験開始前に提出書類を求める場合があります」との記載のみで、書類名や様式は公表されていません
合格発表各次とも男鹿市役所前の掲示場と市ホームページに受験番号を掲示し、合格者にのみ通知されます。不合格者は試験の結果について開示請求ができます
試験の所管人事委員会ではなく、総務企画部総務課人事班

試験案内には、令和7年度採用試験(大卒程度)の実施状況も掲載されています。行政区分は第1次試験受験者30名に対して第1次合格者21名、第2次合格者13名、最終合格者5名で、最終倍率は6.0倍でした。

建築は受験者1名・最終合格1名(1.0倍)、文化財は受験者6名・最終合格1名(6.0倍)、社会福祉士は受験者5名・最終合格1名(5.0倍)、土木は受験者がいませんでした。

ここから読み取れるのは、第1次のSPI3では7割が通過し、その後の2回の個人面接で受験者が4分の1以下まで絞られるという構造です。筆記で落とす試験ではなく、面接で選ぶ試験だということが数字の上でも確かめられます。

なお、令和7年度にあった文化財と社会福祉士の区分は2026年実施分の募集にはなく、募集区分は年度によって変わります。最新の実施状況や結果は、市公式サイトの採用情報ページで公表されます(参考:男鹿市の職員採用情報

上記は2026年実施(2027年4月1日採用)の男鹿市職員採用試験案内による大学卒業程度(行政A・土木・建築)の内容です。男鹿市は高等学校卒業程度の採用試験も別に実施しており、試験種目や段階構成が異なる場合があります。また、面接の所要時間、面接官の人数や構成、質問の構成は公表されていません。試験案内に集団討論やグループワークの記載はありませんが、実施しないと明記されているわけではありません。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。

男鹿市役所が求める人物像

男鹿市の場合、この点を推測に頼る必要はありません。採用試験案内が「目指すべき職員像」を4項目、「職員に求める能力」を8項目、そのうち特に求める資質を3点、明文で示しています

まず「目指すべき職員像」の4項目です。

  • 倫理観と使命感を持ち、市民に信頼される職員
  • 市民とともに考え、協働によるまちづくりを進める職員
  • 経営感覚を持ち、効率的で効果的な行政運営を行う職員
  • 自己啓発に努め、資質・能力向上への意欲のある職員

「職員に求める能力」としては、基礎的業務遂行能力、政策形成能力、法務能力、対人能力、問題解決能力、組織管理能力、行政経営能力、危機管理能力の8つが挙げられています。そのうえで案内は「中でも以下の能力を持った方を求めています」として、次の3点を名指ししています。

  • 人に働きかけ、多くの人と関係を築く
  • さまざまな環境に適応できる柔軟性を持つ
  • 困難な課題にも果敢に取り組む

この3点は、そのまま面接で確かめられる中身になります。自己PRで「協調性があります」「粘り強いです」と述べて終わらせず、その力を使って誰に何を働きかけ、周囲がどう動いたのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。男鹿市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらから来られましたか身構えていないやり取りに出る、第一声の表情と声の落ち着き
② 動機・志望民間企業ではなく公務員を選んだ理由を教えてください民間でも実現できる動機で止まっていないか。職業選択の理由が自分の経験とつながっているか
③ 自己理解ご自身の短所を、どう付き合っているかも含めて教えてください自分を客観視できているか。短所を認めたうえで対処まで語れるか
④ 経験・行動これまでで最も苦労した経験と、その時どう動いたかを教えてください苦労の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという中身
⑤ 学業・経歴学んできた内容を、専門外の人にも分かるように説明してください相手に合わせて言葉を選び直す力と、学びを仕事へつなげる視点
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたらどうしますか市役所の仕事の幅への理解と、配属をめぐる現実的な構え
⑦ 公共性・社会性最近気になった地域の出来事を教えてください身の回りの出来事を行政の視点でとらえ、自分の意見を述べられるか

ただし、この7カテゴリーは男鹿市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「男鹿市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「男鹿市役所ならでは」の質問

「なぜ秋田県庁ではなく、男鹿市役所なのですか」
「男鹿市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

男鹿市の第1次試験はSPI3だけなので、民間企業と並行して受ける人も想定されます。だからこそ「なぜ民間ではなく公務員なのか」「なぜ県庁ではなく男鹿市なのか」という二段構えの問いに、自分の言葉で答えられるかどうかが差になります。

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「男鹿市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい男鹿市の事実答え方のヒント
市の規模感人口22,728人・面積241.06km²・人口密度94.3人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。秋田県全体の人口は865,885人(2026年6月1日現在の推計)2万2千人という数字を小ささの話で終わらせず、行政Aが若干名という採用規模のもとで職員一人の受け持つ範囲が広くなることを、自分が望む働き方と結び付けて話します
なぜ県庁ではなく市役所か男鹿市には人事委員会がなく、総務企画部総務課人事班が採用試験を所管している。事務職の配属先は税、住民登録、福祉、観光など「直接市民と接する職場」と案内に明記されている県と市の役割分担の説明で止めず、税や住民登録の窓口で市民と向き合う仕事を自分がどう担いたいのかまで踏み込みます
男鹿市の魅力「男鹿のナマハゲ」は1978年に国の重要無形民俗文化財、2018年にユネスコ無形文化遺産に登録。市内約90の町内で大晦日に行われ、担い手不足で減った地区に復活の動きもある行事の紹介で終えず、担い手が減っているという課題と、復活の動きを行政がどう支えるかまで一続きで語ります
地域の大きな動き男鹿市の沖合に関わる洋上風力は「能代・三種・男鹿沖」494,000kWが2028年12月、「男鹿・潟上・秋田沖」315,000kWが2028年6月の運転開始予定2028年の運転開始は、いま採用される職員が現場を担う時期と重なります。発電量の数字ではなく、そこで生まれる仕事や人の流れを市に残す視点で話します
防災・危機管理秋田県地震被害想定調査は、横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)が冬の深夜に起きた場合、死者数4,524人・避難者約9万人と想定。昭和58年の日本海中部地震(マグニチュード7.7)は県内に大きな被害を与えた県の想定を出発点にしつつ、日本海に面する男鹿市のハザードマップで自分の関わる地域の想定を確かめたうえで、備えとして何ができるかを話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、試験案内が名指しした3つの資質に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
人に働きかけ、関係を築く力誰に、どんな言葉で働きかけ、その結果まわりがどう動いたかを具体的に説明できるか試験案内が「協働によるまちづくりを進める職員」を目指すべき職員像に挙げていることと重なる観点です。立場の違う人をつないだ場面を一つ選び、自分が言った言葉まで思い出しておきます
環境に適応する柔軟性希望と違う配属や不慣れな役割にどう向き合うかを問われる男鹿市の定期人事異動は毎年4月で、幅広い業務を経験できるようおおむね3年から5年のサイクルで行われます。慣れない役割を引き受けた経験を、このサイクルで働く自分の姿と重ねて話せるようにします
困難な課題に取り組む姿勢うまくいかない状況で何を考え、どう動き続けたかという行動の中身人口2万人台で高齢化も進む市では、成果が出るまで時間のかかる仕事があります。途中で投げ出さずに続けた経験を、工夫した点まで含めて説明できるようにしておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。男鹿市は個人面接が2回ありますので、同じ経験を別の面接官から角度を変えて確かめられることも想定しておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておくことが、いちばんの備えになります。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の採用試験案内を読み、志望区分の受験資格と3段階の流れを確認する。申込はインターネット限定で、WEBエントリー後に届くエントリーシートの登録依頼メールが起点になる
  2. SPI3の段取りを先に決める。性格検査を自宅等で受けないと会場の予約が確定しない仕組みなので、受験期間の早いうちに動く
  3. 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る。エントリーシートに書いた内容と食い違わないかも確かめる
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習する。個人面接が2回ある試験なので、同じ経験を別の角度から聞かれる想定で、答えるたびに掘られそうな点を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、男鹿市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

男鹿市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

男鹿市役所の想定問答集を見る

さいごに

男鹿市の採用試験は、第1次がSPI3だけという入口の広さと、第2次・第3次がどちらも個人面接という組み合わせに特徴があります。配点は公表されていませんが、令和7年度の行政区分では第1次試験の受験者30名から最終合格5名まで絞られており、面接の場で何を語れるかが結果を決める試験だといえます。

人口2万2千人あまりの市では、ナマハゲという文化の担い手を支える仕事と、沖合で動き出す洋上風力という新しい仕事が、同じ役所の中で並んで進んでいきます。その両方が視野に入る場所で、自分は何を担いたいのか。

市の規模と秋田県全体の人口の見通しを手がかりに、自分の経験と結び直してから本番に臨んでください。