本記事では、横手市職員採用試験の面接対策で必要な、横手市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

横手市役所の面接試験では、「なぜ横手市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度の第2期(短大卒業程度・高校卒業程度・技能労務職)では第1次試験の段階から面接試験が課され、同じ第1次で小論文も実施されますので、筆記の勉強と並行して、話す準備と書く準備を早めに始めておきたいところです。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と横手市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

横手市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは横手市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 秋田県の内陸南部、横手盆地のなかにあり、人口は県内13市で秋田市に次ぐ2番目。県全体の人口のおよそ8.8%が横手市で暮らしている。
  • 総面積は692.80km²。秋田県全体の1万1,637km²のおよそ6.0%にあたり、県内13市のなかでは9番目の広さで、面積の並びは人口の並びより下にある。
  • 人口密度は114人/km²。県全体の平均およそ74人/km²の1.5倍ほどで、県内13市では秋田市、潟上市に次ぐ3番目にあたる。
  • 隣り合うのは大仙市、由利本荘市、湯沢市、雄勝郡羽後町、雄勝郡東成瀬村、仙北郡美郷町の県内6市町村と、県境を越えた岩手県和賀郡西和賀町の計7自治体である。
  • 市役所は中央町にあり、採用試験の第1次試験もこの本庁舎で行われる(横手駅東口から徒歩10分)。市の花は桜、市の木はりんごと定められている。
  • 秋田県の地震被害想定で県内最大の被害が見込まれているのは、市の名を冠した「横手盆地・真昼山地連動地震」である。防災は、この市の自治体研究で外せない論点になる。
  • 職員採用試験を所管するのは人事委員会ではなく総務企画部人事課。令和8年度は第1期(大学卒業程度)と第2期(短大卒業程度・高校卒業程度・技能労務職)に分けて実施されている。
  • これとは別に職務経験者枠(行政、行政(デジタル)、建築・土木)が年間を通して募集され、一般の受験案内とは別の案内が公表されている。
  • 市が実施する職員採用試験は他の試験区分との併願ができない。どの区分で受けるかを決める段階から、志望の説明が始まっていることになる。

横手市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「横手市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、隣り合う自治体など、横手市の位置づけを説明できる項目を整理しました。横手市単独の経済統計は公表資料の範囲が限られるため、比較の物差しとして秋田県全体の数値もあわせて示します。

項目内容
総人口78,958人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積692.80km²(秋田県のおよそ6.0%。県内13市で9番目)
人口密度114人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市役所所在地秋田県横手市中央町8番2号(横手駅東口より徒歩10分)
隣接自治体大仙市、由利本荘市、湯沢市、雄勝郡羽後町、雄勝郡東成瀬村、仙北郡美郷町、岩手県和賀郡西和賀町(7自治体)
市の花・市の木桜/りんご
(参考)秋田県の総人口865,885人(2026年6月1日現在の推計)
(参考)秋田県の総面積1万1,637km²(全国の都道府県で6番目)
(参考)秋田県の高齢化率39.5%(令和6年・全国で最も高い)

横手市の面積・所在地・隣接自治体・市の花・市の木は、自治体の公表値による数値で、横手市公式の推計人口との照合は済んでいません。実際の受験や提出書類で数値を用いる際は、市公式サイトの最新値をご確認ください。秋田県の総人口は県の推計人口(2026年6月1日現在)、総面積と全国順位は秋田県公式サイト、高齢化率は内閣府「高齢社会白書」令和7年版に示された令和6年の値です。県の平均人口密度、県土に占める面積の比率、県内13市での順位は、これらの公表値から当研究会が算出しました。市と県で数値の時点が異なるため、おおよその水準感として捉えてください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

横手市の輪郭は、三つの順位を並べると見えてきます。県内13市のなかで人口は2番目、面積は9番目、人口密度は3番目。

人口の順位が上で市域は狭いほうという組み合わせは、秋田県の市としてはむしろ少数派です。秋田県全体の865,885人と1万1,637km²から計算すると県平均はおよそ74人/km²ですから、横手市はその1.5倍ほどの密度で市政が営まれている計算になります。

(出典:秋田県の人口と世帯(推計)|令和8年6月1日現在秋田県の紹介(県土と地形)|秋田県

隣り合う市と並べると、位置づけはもう少しはっきりします。大仙市は83.4人/km²、由利本荘市は57.1人/km²、湯沢市は48.8人/km²で、いずれも横手市の114人/km²を下回ります。

県内で横手市より人口密度が高いのは、県都の秋田市(およそ320人/km²)と潟上市(316人/km²)の2市だけです。県南の内陸にありながら、人がまとまって暮らしている市だと押さえておくと、地域を語るときの足場になります。

もう一つの前提が、県全体の人口の動きです。秋田県の人口は2026年6月1日現在で865,885人。

直近1年間(2025年6月から2026年5月まで)で17,254人、率にして1.95%減りました。内訳は自然減が13,200人、社会減が4,054人です。

高齢化率は令和6年時点で39.5%と全国で最も高く、令和32年(2050年)には49.9%まで上がると推計されています。人が減り、そのなかで高齢の方の割合が増えるという二つの変化が、全国のどこよりも速く進んでいる県だということです。

県内での位置と県全体の速さは、面接で次のように結び付けられます。

「横手市は秋田県の内陸南部にある人口7万9千人ほどのまちで、県内では秋田市に次ぐ2番目の規模だと知りました。ただ県全体では1年で1万7千人ほど人が減っていて、高齢化率も4割近くと全国で一番高いと聞きました。人がまとまって暮らしている市だからこそ、身近な窓口や地域の支え合いをどう続けていくかが、これからの仕事の中心になるのではと感じています」

横手市の経済・産業

秋田県の経済規模と横手市の位置

横手市単独の市民経済計算は公表資料の範囲が限られるため、ここでは横手市が属する秋田県全体の姿を土台に、地域経済を整理します。

  • 秋田県の県内総生産は名目3兆5,453億円(令和3年度・前年度比2.2%増)。
  • 経済活動別では第1次産業897億円、第2次産業9,163億円(うち製造業6,230億円)、第3次産業2兆5,461億円。
  • 県内総生産の対全国シェアは0.64%で、全国の経済のおよそ160分の1にあたる。

つまり、「県全体を合わせても全国の1%に届かない規模のなかで、第3次産業が7割強を占める」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:秋田県民経済計算|令和3年度

ここで気をつけたいのは、これらがすべて県の数字だということです。県の総生産をそのまま面接で持ち出しても、「県の話」で終わってしまいます。

面接で効くのは、県の規模感を土台にしたうえで語られる横手市の話だけです。県全体の数字を知る意味は、自分が働く場所がどれくらいの経済のなかに置かれているかを見積もるためだと考えてください。

農林業への特化と、医療・福祉という雇用の受け皿

産業の構成をもう少し細かくみると、秋田県の特徴がはっきりします。付加価値額の特化係数(全国水準を1としたときの偏りを示す値)でみると、農業・林業が3.64と全国水準を大きく上回る一方、製造業は0.76にとどまります。

業種別の付加価値額の割合でも、医療・福祉が20.9%(全国平均比プラス11.1ポイント)、建設業が11.2%(同プラス4.8ポイント)と高く、製造業は17.4%(同マイナス5.6ポイント)と低い水準です。(出典:秋田県の産業分析|秋田県。いずれも2012年の基準による値です)

面接でこの構造に触れるときは、数字そのものより読み方を示しましょう。農林業と医療・福祉が県の経済を支えているということは、横手市で働く自分の仕事も、土地に根ざした産業と、人の暮らしを支える現場の両方に関わるということです。

医療・福祉の割合の高さが、高齢化率が全国で最も高いという県の姿と表裏であることまで言えると、話が一段深くなります。

横手盆地という立地をどう読むか

秋田県は東北地方の日本海側にあり、県土は奥羽山脈や出羽山地などの山地と、秋田平野・能代平野・本荘平野などの平野、そして大館盆地・横手盆地といった盆地から成り立っています。県内には13の市、9つの町、3つの村があります。

横手市はこのうち県南の内陸、横手盆地のなかに置かれた市です。

内陸であるということは、日本海に面していないということです。港や海の資源に直接ひもづく仕事とは距離がある一方、県内の6市町村と岩手県西和賀町という7つの自治体に接する結び目の位置にあります

通勤や買い物、通院といった暮らしの動きは、市の境で止まりません。県境をまたいで人が行き来する市だという前提は、地域振興や交流人口の話題に触れるときの出発点になります。

横手市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、横手市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

全国で最も高い高齢化率のもとで進む人口減少

秋田県の高齢化率は令和6年時点で39.5%と、47都道府県のなかで最も高い水準にあります。最も低い東京都の22.7%とは17ポイント近い開きがあり、令和32年(2050年)には49.9%まで上がると推計されています。

全国で最初に「県民の半分近くが65歳以上」という段階に入る県だ、ということです。(出典:高齢社会白書|令和7年版

人口そのものの動きも急です。令和2年国勢調査の人口は前回の平成27年調査から63,617人減、減少率6.2%で、減少数・減少率とも過去最大でした。

減少率が全国で最も大きいのは、これで5回連続です。県人口ビジョンは、人口が昭和31年(1956年)の約135万人をピークに減少へ転じ、令和7年(2025年)には約87万9千人になったことを課題として明記しています。

人が減りながら高齢の方の割合が増える局面では、必要とされる行政サービスの量と、それを支える職員や財源の見通しが、逆の方向へ動きはじめます。横手市で仕事を語るなら、増やす話だけでなく、限られた人手をどこに厚く置くかという判断まで視野に入れておきたいところです。

(出典:秋田県人口ビジョン|令和8年3月改訂

若い世代の転出超過という積み重ね

秋田県は昭和26年(1951年)の調査開始以降、一貫して社会減が続いてきました。平成5年(1993年)には初めて死亡数が出生数を上回り、自然減の状態に入っています。

令和7年(2025年)は自然減14,019人、社会減3,408人でした。直近1年間(2025年6月から2026年5月まで)でみても、県内への転入11,191人に対して県外への転出は15,245人です。

転出は、進学や就職の時期に集中して起こります。つまり、横手市の面接を受ける人の多くが、県外へ出るという選択肢を現実に持っている、ということでもあります。

県外へ出る道があるなかで、あえて横手市役所を選ぶ理由は、面接で必ず確かめられると考えておきましょう。地元出身の方なら「なぜ戻るのか」、市外出身の方なら「なぜこの市なのか」という形で問われます。

どちらの立場でも、自分の経験に接続した答えが必要です。

市の名を冠した想定地震への備え

秋田県が平成25年8月に取りまとめた地震被害想定調査では、県に影響を及ぼす地震として、日本海東縁部の地震と陸域の活断層による地震(能代断層帯、横手盆地東縁断層帯、北由利断層など)の計27パターンが想定されています。このうち被害が最大となるのが、横手盆地・真昼山地連動地震です(マグニチュード8.1・最大震度7)。

冬の深夜に発生した場合の想定は、県内死者数4,524人、建物全壊72,594棟、1か月後の避難者数が約9万人。直接経済被害額は複数の地震で1兆円を超えると見込まれています。

なお、歴史上、秋田県に最も大きな被害を及ぼした地震は昭和58年(1983年)の日本海中部地震(マグニチュード7.7)でした。(出典:秋田県地震被害想定調査(概要版)|平成25年8月

これらは秋田県全体の想定値であって、横手市単独の被害想定ではありません。ただ、想定地震の名称と市の名前が重なっているという事実は、この市で防災を語るときの出発点になります

防災に触れるときは、想定の規模に軽く触れたうえで、692.80km²の市域で被害を把握し、避難所を回す市職員の現場へ話を進めると、地に足のついた説明になります。

県全体の厳しい財政という前提

ここに並べるのは秋田県全体の公表数値ですが、横手市政が置かれた土台は、この数字からある程度読み取れます。秋田県の財政力指数は0.31178(令和5年度)。

実質公債費比率は15.3%で全国43位、将来負担比率は243.0%で全国42位です。経常収支比率は89.8%で、全国平均の92.5%をわずかに下回っています。

県の令和7年度一般会計当初予算は5,773億円(前年度当初比69億円・1.2%の減。知事改選期のため骨格予算)、県債残高は令和7年度末で約1兆2,128億円となる見込みです。県の財政状況資料は、社会保障関係経費や公債費の高止まりに加えて、人口減少などの影響で地方交付税の減少が見込まれるとして、厳しい財政状況が続いていると明記しています。

(出典:秋田県の財政状況|令和7年6月公表

面接で財政の話を持ち出す必要はありません。ただ、この前提を知っているかどうかで、「やりたいこと」の語り方は変わります。

新しい事業を提案する形で志望を語るなら、その財源をどこから持ってくるのかという問いが返ってくることを、あらかじめ想定しておきましょう

広い市域に、同じ質のサービスをどう届けるか

692.80km²という市域は、秋田県の県土のおよそ6.0%にあたります。そこに78,958人が暮らし、市役所の本庁舎は中央町に置かれています。

人口密度114人/km²は県内では高いほうですが、全国の物差しでみれば、人が密集している市とはいえません。市役所へ出向くだけで相応の時間がかかる市民の方がいる、という前提から市政を考える必要があります。

受験案内は、行政職の仕事を「市政のあらゆる分野における計画策定、企画立案、事業実施、税務、許認可事務、窓口対応等、一般行政事務職として幅広い業務に従事します。」と説明しています。技能労務職の職務内容には、小中学校での学校校務員業務や、市役所庁舎等の施設維持管理、道路・公園の維持管理業務が挙げられています。

市域のあちこちにある施設や道路を保つ仕事が、採用の入口の段階で明示されているということです。横手市の仕事を語るときは、「何をやりたいか」に加えて、「それを市内のどこに住む人にも同じ質で届けるには何が要るか」という視点を一つ足すと、話が具体的になります。

横手市の重点政策|受験案内が示す職務と県の背景

横手市の総合計画や重点施策の名称は、市の公式サイトの市政情報のページで最新のものを確かめられます。本記事では、市が受験案内で公表している職務と研修の姿と、横手市が属する秋田県の背景を組み合わせて、市政を理解する土台をつくります。

受験案内が示す「横手市職員の仕事」

令和8年度第2期の受験案内は、職種ごとの職務内容を次のように説明しています。(出典:横手市職員採用試験受験案内(第2期)|令和8年度

職種受験案内が示す職務内容
行政市政のあらゆる分野における計画策定、企画立案、事業実施、税務、許認可事務、窓口対応等、一般行政事務職として幅広い業務に従事します。
建築・土木主に、建設部や上下水道部等で、より安全で安心して暮らしていける地域づくりを行うために、社会基盤の整備・補修・維持管理など建築や土木の専門業務に従事します。
技能労務主に、小・中学校での学校校務員業務、市役所庁舎等の施設維持管理、道路、公園の維持管理業務等に従事します。

注目したいのは、行政の説明のなかで「計画策定」「企画立案」から「税務」「許認可事務」「窓口対応」までが一続きに並んでいるところです。政策をつくる仕事と、市民一人ひとりに向き合う仕事が、同じ職種の説明に収まっています。

第2期の採用予定数は行政5名程度、建築2名程度、土木2名程度、技能労務2名程度ですから、少人数が幅広い分野を担うことが前提になっている、と読めます。

採用後の研修についても、受験案内は「採用後、特に1年目は、横手市役所職員としての心構え、業務全般の基礎知識、お客様への接遇、チームワーク、コミュニケーション能力向上研修など、様々なメニューの下、中身の濃い研修を数多く実施し、業務遂行能力の向上を図ります。」と記載しています。接遇とチームワークとコミュニケーションをわざわざ名指ししているところに、入庁後に伸ばしてほしい力が表れています。

志望動機を「この分野だけをやりたい」という形で組み立ててしまうと、これらの記述と噛み合わなくなります

秋田県の政策の方向を、横手市の現場でどう受け止めるか

県の統計や計画が示すのは、秋田県全体としてどちらへ向かうかという方向です。人口ビジョンは、社会減の早期抑制と自然減の抑制を柱に掲げています。

この方向を、横手市役所の窓口に持ち込まれる一つひとつの相談や申請という形で受け止めるのが、市職員の仕事になります。

県と市の違いは、権限の上下ではなく市民との距離だと考えると、志望理由の輪郭がはっきりします。県が方向を定め、市がその方向を暮らしの単位まで運ぶ。

横手市役所を選ぶ理由を説明するときは、この距離の話を自分の経験に重ねてください。県の資料を読む目的も、覚えるためではなく、横手市の仕事がどんな流れのなかに置かれているかをつかむためです。

POINT|計画名を言えなくても、面接の準備はできる

計画の名称を覚えることが自治体研究の目的ではありません。①横手市の人口と面積、県内13市での位置づけを知る → ②秋田県が全国で最も高齢化の進んだ県だという前提を重ねる → ③その条件のもとで自分が携わりたい仕事を考える → ④市の公式サイトや広報紙で、実際に動いている取組を確かめる、という順で準備しましょう。

悪い例「横手市の地域振興に貢献したいです」

改善例「秋田県は高齢化率が4割近くて全国で一番高いと聞きました。横手市もそのただ中にありますので、まずは窓口で、市民の方の話を落ち着いて受け止められるようになりたいです。そのうえで、市役所まで来るのが大変な方にも同じ説明が届くように、先輩に教わりながら進め方を身につけていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 横手市職員採用試験の受験案内(自分が受ける期・区分・年度のもの。第1期と第2期で別に公表されます)
  • 横手市の職員採用ページ(申込はウェブサイトの専用フォームのみで、顔写真のアップロードが必要です)
  • 職務経験者採用試験の受験案内(年間を通して募集されており、一般の受験案内とは別冊です)
  • 横手市公式サイトの市政情報・広報紙・各種計画のページ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、横手市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。横手市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

横手市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

横手市役所の面接の概要

ここからは、横手市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

横手市役所の試験の流れ(第2期)

令和8年度第2期(短大卒業程度・高校卒業程度・技能労務職)の受験案内は、試験を第1次試験と第2次試験の二段階と定めています。特徴が出ているのは第1次の中身で、教養試験と小論文に加えて、第1次の段階から面接試験が課されます

しかも面接の形式は、各職種共通で「個人面接」と明記されています。筆記を通過してから人物対策に取りかかるという段取りでは、間に合わない構成です。

項目内容(令和8年度・第2期/短大卒業程度・高校卒業程度・技能労務職)
試験の段階第1次試験・第2次試験の二段階。第2次試験の詳細は、第1次試験の合格通知の際に知らされます
採用予定数行政5名程度、建築2名程度、土木2名程度、技能労務2名程度(令和9年4月1日採用予定)
第1次試験の種目教養試験、小論文、面接試験の3種目
教養試験の内容時事、社会・人文、自然に関する一般知識と、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する一般知能。試験時間は短大卒業程度・高校卒業程度が120分、技能労務職は30分
小論文の内容課題に対する識見、判断力、思考力及び文章による表現力についての試験(800字程度)。試験時間60分。各職種共通で第1次試験に実施されます
面接の形式各職種共通で「個人面接」と明記されています(時間割は当日発表)。受験案内に集団面接・集団討論の記載はありません
第2次試験の種目「事務適性検査、面接試験などを予定しています」と記載されています
配点各種目の配点、および人物試験の比重は、受験案内に記載がありません
結果の開示希望者に本人の得点と順位が開示されます(第2次試験の合格者は得点のみ)。請求できるのは各試験の合格発表の日から1か月間で、本人が本人確認書類を持参して総務企画部人事課へ来庁する必要があります
提出書類申込はウェブサイトの専用申込フォームのみ。申込時に顔写真(3か月以内に撮影、正面・無帽・無背景)をアップロードします。受験票はPDFで交付されます。面接カードにあたる様式の記載はありません
併願市が実施する職員採用試験は、他の試験区分との併願ができません
試験会場第1次試験は横手市役所本庁舎(横手市中央町8番2号。横手駅東口より徒歩10分、車で4分)
最終合格後最終合格者には健康診断が課されます。最終合格者のほかに補欠合格者を決定することがあり、採用内定者は採用候補者名簿に登載されたうえで採用者が決定されます
(参考)初任給新卒の場合、短大卒は行政・建築・土木が行政職給料表で224,369円。高校卒は行政・建築・土木が208,343円、技能労務が技能労務職給料表で206,629円(令和8年4月1日現在)
(参考)勤務条件勤務時間は原則として午前8時30分から午後5時15分まで。年次有給休暇は年20日

この表から読み取れることが二つあります。一つは、第1次試験という一日のなかに、教養試験と小論文と個人面接が並ぶ密度です。

もう一つは、配点が公表されていないことです。何点で何が決まるのかは分かりませんが、希望すれば自分の得点と順位を開示してもらえる制度があります

結果を受け止めて次に生かす道は用意されている、ということです。

上記は横手市の令和8年度職員採用試験(第2期・短大卒業程度/高校卒業程度/技能労務職)の受験案内にもとづく内容です。令和8年度の第1期(大学卒業程度・行政A・行政B・建築土木A・建築土木B)については、本記事の執筆時点で公式サイトに受験案内が掲載されておらず、段階構成・試験種目・面接の形式や回数を確認できていません。第2期の内容をそのまま大学卒業程度に当てはめないでください。行政Aと行政Bの区分の違いも、公式に確認できた情報がありません。また、第2次試験の面接が個人面接か否か、面接が全体で何回行われるかは、受験案内に記載がなく未確定です。試験の構成・区分・日程等は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の受験する区分の情報をご確認ください。(出典:令和8年度横手市職員採用試験情報|横手市

横手市役所が求める人物像

横手市が公表する「求める人物像」にあたる文言を、採用情報のページと受験案内のなかでは確認できていません。公表されたものがない以上、評価されやすい資質は、市が示している事実から読み解くことになります。

手がかりは三つあります。行政職の職務内容に、計画策定や企画立案と並んで税務・許認可事務・窓口対応が挙げられていること。

採用予定数が職種ごとに数名程度で、少人数が幅広い分野を担う体制であること。そして採用1年目の研修として、接遇・チームワーク・コミュニケーション能力の向上が名指しされていること。

これらを重ねると、「相手の事情に立ち入って手続を進める力」「配属が変わっても働ける幅」「教わったことを素直に取り入れる姿勢」のあたりが評価の中心になると考えられます。自己PRでは、こうした資質を名乗るだけで終わらせず、その力を使って何を行い、周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。横手市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は会場まで、迷わずに来られましたか身構えていない問いかけへの応じ方。声の出し方や表情が、ここで一度確かめられます
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください比べたうえでの選択になっているか。動機が自分の来し方と地続きか
③ 自己理解自分の短所を一つ挙げて、どう付き合っているか教えてください弱さを言い切れるか。認めたうえで手を打っているところまで話せるか
④ 経験・行動うまくいかなかった経験を一つ挙げて、そのとき何をしたか教えてください困りごとの大きさではなく、その場面で自分がどこから手を動かしたか
⑤ 学業・経歴学校生活で力を入れたことを、事情を知らない人にも伝わるように話してください相手に合わせて言い換える力。学んだことを仕事へつなぐ視点
⑥ 適性・将来5年後、横手市役所でどんな仕事をしていたいですか市の仕事の広がりをどこまで見込んでいるか。希望どおりの配属でない場合の構え方
⑦ 公共性・社会性最近見聞きした出来事で、印象に残っているものはありますか社会の動きに目を向けているか。自分の受け止めを短い言葉にできるか

ただし、この7カテゴリーは横手市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「横手市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「横手市役所ならでは」の質問

「なぜ秋田県庁ではなく、横手市役所なのですか」
「横手市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも横手市の現状を知らなければ、その場で組み立てるのは難しい質問です。裏を返せば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「横手市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい横手市の事実答え方のヒント
市の規模と密度人口78,958人・面積692.80km²・人口密度114人/km²。県内13市で人口は2番目、面積は9番目、密度は3番目「県内で2番目に人が多い市が、県内では狭いほうの市域に収まっている」という並びが横手市の輪郭です。規模を言って終わらせず、盆地に人がまとまっている土地柄まで一言添えます
なぜ県庁ではなく市役所か受験案内は行政職の仕事を「市政のあらゆる分野における計画策定、企画立案、事業実施、税務、許認可事務、窓口対応等」と説明。市の採用試験は他の試験区分と併願できない税務や許認可事務という具体名を出すと、市役所を選ぶ理由が実務に接地します。併願できない試験をあえて選んだこと自体も、志望度の説明に使えます
横手市の魅力秋田県の内陸南部、横手盆地に位置し、県内6市町村と岩手県和賀郡西和賀町の計7自治体に接する。市の花は桜、市の木はりんご名所を並べるのではなく、県境をまたいで人が行き来する内陸の結び目という位置から、暮らしの実感に引きつけて話します
防災秋田県の被害想定で県内最大の被害が見込まれるのは横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)。冬の深夜に起きた場合の県内死者数は4,524人、1か月後の避難者数は約9万人想定地震の名称に市の名が入っています。県全体の想定値だと断ったうえで、692.80km²の市域で避難所を回す市職員の側から何ができるかへ話を進めます
人口と高齢化秋田県の高齢化率39.5%(令和6年)は47都道府県で最も高く、令和32年(2050年)には49.9%の見込み。県人口は直近1年で17,254人(1.95%)減少し、自然減13,200人、社会減4,054人数字を挙げるだけなら誰でも同じ話になります。県内で2番目に人口の多い市の窓口や地域の現場でそれがどう表れるかまで、自分の見立てを足してください
試験の性格第2期は第1次試験の段階から個人面接が課され、同じ第1次で小論文(800字程度・60分)も実施される。配点は非公表だが、希望者は得点と順位の開示を請求できる筆記が終わってから面接を考える段取りでは間に合いません。小論文で書く内容と面接で話す内容を、早い段階からそろえておきます

使い方のコツは、6つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど整理した「横手市で評価されやすい資質」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
相手の事情に立ち入って手続を進める力歓迎されない話を伝えなければならない場面で、どこまで踏みとどまったか受験案内は行政職の仕事に税務と許認可事務を名指ししています。どちらも相手の財産や事業に関わる手続です。断られた、揉めた、それでも話を続けたという場面を一つ選び、何を説明し、どこで折り合いをつけたかまで書き出しておく
配属が変わっても働ける幅配属や役割が変わった場面での構え直し方。担当外の頼みごとの引き受け方第2期の採用予定数は行政5名程度、建築2名程度、土木2名程度、技能労務2名程度です。少人数で「市政のあらゆる分野」を回す前提ですから、担当外のことを引き受けて形にした経験を用意しておく
教わったことを素直に取り入れる姿勢指摘や指導を受けたあと、実際に何をどう変えたか受験案内は1年目に接遇・チームワーク・コミュニケーション能力の研修を数多く行うと書いています。人から言われて直した経験を、直す前と後の違いが相手に分かる形で話せるようにしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。横手市の第2期は第1次と第2次の両方に面接試験が置かれていますから、同じテーマを別の場面で問い直される前提で備えておく必要があります。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける期・区分の最新の受験案内を読み、試験の段階と種目、そして申込がウェブサイトの専用フォームだけで受け付けられること(顔写真のアップロードが必要です)を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業、部活動、アルバイト、地域での活動から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、人口78,958人・面積692.80km²・人口密度114人/km²という横手市の輪郭と、県内13市での位置づけを、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 800字程度の小論文で書きそうな内容を先に文章化し、それを声に出して読んでから面接の練習に移る。答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、横手市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

横手市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

横手市役所の想定問答集を見る

さいごに

横手市の第2期の試験は、第1次試験という一日のなかに、教養試験と800字程度の小論文、そして個人面接が並びます。筆記を仕上げてから人物対策に移るという順番では、準備が追いつきません。

県内で2番目に人口の多い市が、全国で最も高齢化の進んだ県のなかで、どうやって暮らしを支え続けるのか。横手市役所の窓口に立つ自分を思い描きながら、手持ちの経験を一つずつ言葉にしていってください。