本記事では、秋田県職員採用試験の面接対策で必要な、県の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
秋田県庁の面接試験では、「なぜ秋田県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。全国でも群を抜くペースで進む人口減少という現実や、それに立ち向かう県の政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、秋田ならではの事情を踏まえた説明がしやすくなります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と秋田県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
秋田県の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは秋田県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 県庁所在地は秋田市。東北地方の日本海側、ちょうど北緯40度に位置し、青森・岩手・宮城・山形の4県と接する。
- 面積は約1万1,637km²で全国6番目の広さがある一方、県内は13市・9町・3村の計25市町村で、人口密度は低い。
- 地形は、奥羽山脈や白神山地などの山地と、秋田平野・横手盆地などの平野・盆地から成り、県土は東西約70km・南北約170kmと南北に長い。
- 古くから米・木材・鉱物などに恵まれた「資源大国」として知られ、農業産出額に占める米の比重が大きい全国有数の米どころである。
- 首都圏とのアクセスは秋田新幹線「こまち」が担い、秋田と東京を最速3時間37分で結ぶ。秋田空港からは東京便が1日9便運航し、日本海側の物流拠点である秋田港には、令和6年に26回のクルーズ客船が寄港した。
- 洋上風力発電の促進区域として全国最多の4海域が指定されており、県は再生可能エネルギーを秋田再興の新しい柱に育てようとしている。
- 高齢化率は39.5%(令和6年)と全国で最も高く、人口減少の進み方も全国最速の水準にある。
- 県財政は構造的に厳しい状況が続いている。社会保障関係経費や公債費が高止まりする一方、県税収入の規模は小さく地方交付税への依存度が高いため、限られた財源で必要な行政サービスを維持していく財政運営が課題となっている。
秋田県の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「秋田県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、県土の広さ、経済規模、市町村構成など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 約86万5千人(令和8年6月1日・推計) |
| 総世帯数 | 約38万世帯(令和8年6月1日・推計) |
| 高齢化率(65歳以上) | 39.5%(令和6年・全国で最も高い) |
| 総面積 | 約1万1,637km²(全国6位) |
| 市町村数 | 25市町村(13市・9町・3村) |
| 名目県内総生産 | 約3兆5,453億円(令和3年度・対全国シェア0.64%) |
| 財政力指数 | 0.31178(令和5年度) |
人口・世帯数は秋田県の人口月報(令和8年6月1日現在の推計)、高齢化率は内閣府『高齢社会白書』令和7年版(令和6年)、面積・市町村数は県公表資料、県内総生産は県民経済計算(令和3年度)、財政力指数は総務省『地方公共団体の主要財政指標一覧』(令和5年度)による数値です。人口の全国順位は公式資料で明示が確認できなかったため掲載していません。
数字から考えられる県政課題
秋田県の人口は、昭和31年(1956年)の約135万人をピークに減少へ転じ、令和7年(2025年)には約88万人まで縮小しました。令和2年国勢調査の減少率6.2%は、5回連続で全国最大です。
高齢化率も全国で最も高く、令和32年(2050年)には49.9%まで上昇すると見込まれています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、同じ令和32年(2050年)の県人口は約56万人まで縮小するとされ、限られた人手で地域や行政サービスをどう維持していくかが問われます。
つまり秋田県は、多くの県がこれから直面する課題に、全国の先頭で向き合っている県だと言えます。
たとえば面接では、秋田県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。
秋田県の経済・産業
経済・産業構造の概要
- 名目県内総生産は約3兆5,453億円(令和3年度・前年度比2.2%増)。対全国シェアは0.64%で、経済規模は全国的に見て小さい。
- 経済活動別では第三次産業が2兆5,461億円と大半を占め、第二次産業9,163億円(うち製造業6,230億円)、第一次産業897億円と続く。
- 付加価値額の特化係数(産業のかたよりを示す指標)では、農業・林業が3.64と全国水準を大きく上回る(2012年基準の県産業分析)。
- 一方で製造業の特化係数は0.76にとどまり、ものづくりの比重は全国平均より小さい。
つまり、「豊かな農林資源を土台にしつつ、洋上風力などの再生可能エネルギーを新しい柱に育てようとしている」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:県民経済計算|令和3年度)
農林水産業
秋田県は全国有数の米どころとして知られ、付加価値額の特化係数でも農業・林業が3.64(2012年基準)と、産業構造上の大きな強みになっています。
県は、県産米「サキホコレ」を含む秋田米全体の需要拡大と輸出に力を入れるとともに、園芸・畜産の生産体制の強化、再造林や県産材の販路拡大による林業の高付加価値化などを後押ししています。
面接では、「守る農業」だけでなく「売り込む・輸出する農業」という視点まで語れると、県の方向性を踏まえた話になります。(出典:秋田県の産業分析|2012年基準)
製造業・ものづくり
製造業の県内総生産は6,230億円(令和3年度)で、第二次産業の中心を担っています。ただし特化係数は0.76(2012年基準)と全国水準を下回り、ものづくりの集積は相対的に薄いのが実情です。
県は、事業者の意識改革やデジタル技術の導入、経営規模の拡大などによる生産性の向上を支援し、継続的な賃上げにつなげようとしています。
面接では、「製造業が弱い」で止めず、次に述べる再生可能エネルギー関連産業など、県が新たに育てようとしている分野とセットで捉えると、前向きな課題認識として話せます。
再生可能エネルギー(洋上風力)
秋田県の産業を語るうえで欠かせないのが、洋上風力発電です。洋上風力発電の促進区域として全国最多の4海域が指定され、県内の総発電容量は運用中と計画中を合わせて200万キロワット以上(約150万世帯分に相当)が見込まれています。
能代港・秋田港の洋上風力発電所(13万8,000キロワット)はすでに運用を開始し、由利本荘市沖などの大型計画も控えています。
県は再エネ工業団地を核にGX産業の集積と地産地消を進めており、「資源大国あきた」の再興を象徴するテーマです。(参考:洋上風力発電の促進区域)
観光業
観光地点等入込客数は、令和7年1月から9月までの延べで約2,336万人と、前年同期(約2,359万人)から約23万人減少し、対前年比99.0%でした。
県は、インバウンドをはじめとする宿泊客数が伸び悩む観光を「むしろ最大の伸び代」と捉え、人流データを活用したマーケティングや多言語対応、海外直行便の活用などで誘客拡大を目指しています。
面接では、この「伸び代」という県の見立てを踏まえると、観光を前向きな成長分野として語れます。(出典:県観光統計|令和7年速報)
秋田県の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、秋田県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
人口減少と少子高齢化
秋田県が抱える最大の課題は人口減少です。令和2年国勢調査の人口減少率6.2%は5回連続で全国最大であり、高齢化率も39.5%(令和6年)と全国で最も高い水準です。
県の人口ビジョンは、社会減の早期抑制と自然減の抑制を柱に据えています。
子育て支援だけでなく、若者の雇用、教育、医療・介護、地域交通などを関連付けて考える必要があります。(出典:秋田県人口ビジョン|令和8年改訂)
若者の県外流出(社会減)
秋田県は昭和26年(1951年)の調査開始以降、一貫して社会減が続いています。令和7年(2025年)は自然減1万4,019人に加え、社会減が3,408人となりました。
とりわけ進学や就職を機とした若年層の転出超過が大きく、県は総合計画で、令和10年度までに人口の社会減少数を1,990人まで縮減する目標を掲げ、移住促進や教職員・警察官のAターンなど、多方面からの対策を進めています。
厳しい財政状況
財政基盤の弱さも大きな課題です。財政力指数は0.31178(令和5年度)と低く、歳入に占める地方交付税の割合が高い構造です。
将来負担比率は243.0%(令和5年度・全国42位)、実質公債費比率は15.3%(同・全国43位)で、令和7年度の一般会計当初予算は総額5,773億円(知事改選期のため骨格予算)で、県債残高は令和7年度末に約1兆2,128億円へ達する見込みです。
経常収支比率も89.8%(令和5年度)と高く、社会保障関係経費や公債費が高止まりするなか、限られた財源をどう配分するかが問われています。(参考:秋田県の財政状況資料|令和7年)
大規模災害と鳥獣被害への備え
秋田県の地震被害想定調査(平成25年)では、横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)で被害が最大となり、冬の深夜には死者約4,524人、建物全壊約7万2,594棟が想定されています。
歴史的にも昭和58年(1983年)の日本海中部地震で大きな被害を受けました。
近年は大雨災害に加え、ツキノワグマの大量出没も深刻で、県は「人身被害ゼロ」を掲げ、防災基本条例の制定に向けた検討も進めています。
産業構造の転換と雇用
農林業への特化が強く、製造業の比重が小さい産業構造は、若い世代の働く場が限られる一因にもなっています。
付加価値額の構成では、医療・福祉が20.9%、建設業が11.2%(いずれも2012年基準)と全国平均を上回っており、公的なサービスや建設が地域の雇用を支える面も大きいのが実情です。
県は、洋上風力を中心とする再生可能エネルギー関連産業やGX、観光インバウンドなどを「新しく稼ぐ力」として育て、県民所得の向上と若者の定着につなげようとしています。
「取り組みたい仕事」を考えるときも、こうした県の成長戦略のどこに位置づくのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。
秋田県の重点政策|秋田県総合計画
秋田県の最上位計画は「秋田県総合計画 ~秋田再興への第一歩~」(令和8年3月策定)です。計画期間は令和8年度から令和11年度までの4年間で、基本理念に「寛容・挑戦・安心」を掲げ、社会減の抑制に向けた取組を軸に据えています。(出典:秋田県総合計画)
計画を貫く考え方
計画が目指す姿は「新時代に咲き誇る秋田」です。受験生としては、①多様な個性や自由な発想が尊重される(寛容)②失敗を恐れず果敢に挑戦できる(挑戦)③暮らしと命が守られ、住み続けたいと思える(安心)という3つの言葉で理解しておくとよいでしょう。
県は、この理念のもとで、令和10年度までに人口の社会減少数を1,990人以下にするという野心的な目標を掲げています。
八つの政策
| 政策 | 扱う主な分野 |
|---|---|
| 1 未来づくり | 移住・定住、結婚・出産の希望実現、年少人口の下げ止まり、地域の維持 |
| 2 観光・交流 | 観光資源のマーケティング、交通網の維持・拡充、文化・スポーツ |
| 3 農林水産 | 農林水産物の生産・輸出拡大、食料安全保障、農山漁村の所得向上 |
| 4 産業 | デジタル・グリーンへの参入、産業集積、Aターン、県民所得の向上 |
| 5 健康・医療・福祉 | 医療・介護人材の確保、医師偏在の是正、誰一人取り残さない福祉 |
| 6 教育・人づくり | こどもまんなか、自己肯定感と主体性、新時代を生き抜く教育 |
| 7 防災・減災・県土強靱化 | 自然災害への対策、インフラの維持、建設産業の担い手確保 |
| 8 環境・くらし | 人とクマの共生、特殊詐欺・交通安全、カーボンニュートラル |
面接では、自分の取り組みたい仕事がどの政策に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。
令和8年度の県政運営のポイント
令和8年度当初予算案の提案にあたり、鈴木健太知事は所信を3つの視点で整理しています。①資源の価値を引き出し地域の利益につなげる「地域が潤う豊かさの創出」、②多様性を尊重し誰もが活躍できる「個性が輝く活躍の場の創出」、③医療・福祉や防災で暮らしを支える「守り支える安らぎの創出」です。
あわせて、政策の統括機能と人口減少対策の司令塔機能を強化するため、「政策企画部」と「人口戦略部」への組織改編を進めるとしています。(出典:知事説明要旨|令和8年2月)
POINT|八つの政策をすべて暗記しなくてよい
名称をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③現在の取組 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。
悪い例「秋田県の農業に関わる仕事がしたいです」
改善例「まずは県産米の販路を広げる現場の仕事に携わりたいです。その上で、サキホコレのような高付加価値のお米を海外の市場にも届ける取り組みに、少しずつでも関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 秋田県職員採用試験の受験案内/職員採用案内・職種紹介
- 秋田県総合計画 ~秋田再興への第一歩~(概要版)
- 最新年度の当初予算・知事説明要旨/関心分野の個別計画
- 秋田県人口ビジョン・県の統計(人口・産業・福祉・観光などの統計)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、秋田県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。秋田県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
秋田県の面接の概要
ここからは、秋田県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
秋田県の面接の流れ
秋田県の職員採用試験では、令和8年度実施試験から出願にあたって「面接シート」の提出が求められており、人物試験(面接)が実施されることは確実です。
近年は全国的に人物重視の傾向が強まっており、面接シートに書いた経験を、その場で何度も掘り下げられても語り切れるかが問われます。
なお、試験の段階構成や面接の形式・回数・配点は、今回参照した公表資料では詳細を確認できなかったため、必ず最新の受験案内でご確認ください。
| 項目 | 内容(令和8年度・大学卒業程度〈通常枠〉) |
|---|---|
| 人物試験(面接) | 実施あり。出願にあたり「面接シート」の提出が必要 |
| 面接シート | 受験の過程で提出。記入項目は受験案内で確認(志望動機や自己PR等が想定される) |
| 外国語資格加点 | 一定の外国語資格の保有者に、資格に応じて6点または7点を加点(希望者は加点申請書を提出) |
| 面接の形式・回数・配点 | 公表資料で詳細が確認できないため、最新の受験案内でご確認ください |
上記は、秋田県が公表する令和8年度実施試験の情報にもとづく概略です。試験の段階構成・面接の形式・回数・配点等は、受験区分や年度によって異なる可能性があり、今回参照した公表資料では詳細が確認できない項目もあります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。
秋田県が求める人物像
秋田県は、全ての受験者に求める人材像として「成果にこだわり、従来の慣習にとらわれることなく挑戦することができる人」「県民目線で考え、県民とともに歩み、スピーディーに対応することができる人」「高い意識と専門性を有し、県民と一体となって成果を追求することができる人」の3つを公表しています。(参考:県の職員採用案内)
自己PRでは、「挑戦する力があります」と述べるだけでなく、その力を使って何を行い、周囲や相手にどのような変化をもたらしたのかまで説明しましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。秋田県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 試験会場までは、どうやって来ましたか? | 緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます |
| ② 動機・志望 | なぜ本県を志望するのですか? | 「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れて取り組んだことは何ですか? | 自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか |
| ⑥ 適性・将来 | 10年後、どんな職員になっていたいですか? | 働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近、気になっている社会問題はありますか? | 社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点 |
ただし、この7カテゴリーは秋田県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「秋田県ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「秋田県ならでは」の質問
どちらも、秋田県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「秋田県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい秋田県の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口減少 | 人口は昭和31年の約135万人をピークに令和7年に約88万人へ。令和2年国勢調査の減少率6.2%は5回連続で全国最大 | 「なぜ人が県外へ出ていくのか」という社会減の中身まで踏み込むと、対策の話に説得力が出ます |
| 県の総合計画 | 「秋田県総合計画 ~秋田再興への第一歩~」(令和8年3月策定)。基本理念は寛容・挑戦・安心、8つの政策で構成し、社会減少数を令和10年度までに1,990人以下にする目標 | やりたい仕事を8つの政策のどれかに位置づけて話すと、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります |
| 再生可能エネルギー | 洋上風力発電の促進区域として全国最多の4海域が指定。県は「資源大国」の再興を掲げ、GX産業の集積を進める | 「資源大国あきた」という県の自己認識に触れ、産業と若者の雇用の話につなげます |
| 農林水産 | 付加価値額の特化係数で農業・林業が3.64(2012年基準)と全国水準を大きく上回る。県はサキホコレなど秋田米の需要拡大と輸出を後押し | 「守る農業」だけでなく「売り込む・輸出する農業」まで語れると一歩踏み込めます |
| 防災・鳥獣被害 | 地震被害想定調査は横手盆地・真昼山地連動地震(M8.1・最大震度7)で最大の被害を想定。ツキノワグマの大量出没も課題で県は「人身被害ゼロ」を掲げる | 全国的な話題になったクマ対策は、県の安全・安心の取組として押さえると即答しやすいです |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「求める人材像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
求める人材像の3つの柱に沿って、確かめられ方と準備のポイントを整理しました。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 挑戦・成果へのこだわり | 前例のないやり方を試したり、うまくいかない状況を工夫で変えたりした経験があるか | 部活やアルバイトで「今までのやり方を変えてみた」小さな経験を、なぜ変えたのかまで言葉にしておく |
| 県民目線・スピード感 | 相手の立場で考えて動いた経験、状況に合わせて素早く対応した経験があるか | 困っている人に自分から関わった場面を、相手がどう変わったかまで話せるようにする |
| 高い意識・専門性 | 学び続ける姿勢があるか。課題の原因を整理して解決策を考えられるか | 秋田県が「高い意識と専門性」を求める点をふまえ、学業や資格の勉強でぶつかった課題を、原因の掘り下げと解決までの手順とともに語れるようにする |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 令和8年度の受験案内を読み、試験日程と面接シートの記入項目を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、秋田県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
秋田県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
秋田県は、多くの県がこれから経験する人口減少や高齢化に、全国の先頭で向き合っている県です。県の論文試験でも、人口減少や地域の未来づくりが繰り返し問われてきました。
面接でも、この現実にどう向き合いたいかが、遠回しに、あるいは正面から必ず問われます。
だからこそ、なぜ秋田で働きたいのか、秋田の何を守り、何を変えたいのかを、自分自身の経験に根ざした言葉で語れることが、そのまま強みになります。この記事の内容を土台に、一つずつ準備を積み重ねていきましょう。