本記事では、能代市職員採用試験の面接対策で必要な、能代市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
能代市役所の面接試験では、「なぜ能代市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みを市政でどう活かしたいか」といった、市政への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度前期の受験案内を見ると、第1次試験はSPI3のみですが、第2次試験には論文試験と職場適応性試験(集団討論等)と面接試験の3種目が並びます。
話す準備と書く準備を、同時に進めておく必要のある試験構成です。
本記事を参考に、自分の強みや関心と能代市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
能代市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは能代市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 秋田県の北西部、日本海に面する市で、人口46,202人は県内13市で6番目、人口密度108人/km²は4番目。県全体の人口のおよそ5.1%が能代市で暮らしている。
- 総面積は427.18km²。秋田県全体の1万1,637km²のおよそ3.7%にあたり、県内13市では10番目の広さで、面積の並びは人口の並びより下にある。
- 隣り合うのは北秋田市、山本郡藤里町、三種町、八峰町、北秋田郡上小阿仁村の5市町村。いずれも同じ秋田県内で、県境には接していない。
- 市役所は上町にあり、第2次試験の会場もこの本庁舎である。市の木は黒松と秋田杉と定められている。
- 能代港・秋田港の洋上風力発電所(138,000kW)は、県内ですでに運用開始済みである。さらに能代市・三種町及び男鹿市沖では494,000kWの計画が進み、2028年12月の運転開始が予定されている。
- 令和8年度前期の試験区分は上級(一般行政、一般行政(情報処理)、一般行政(埋蔵文化財)、土木・建築)、保健師、職務経験者(一般行政、一般行政(ICT)、一般行政(埋蔵文化財)、土木・建築、保健師)と幅広い。
- 採用予定人数は、全試験区分をあわせて10人程度である。
- 申込は市の職員採用情報サイト「パブリックコネクト」で会員登録と受験申込(エントリー)を行う方式。会員登録時にプロフィール(基本情報、顔写真、自己PR、保有資格・免許、学歴・職歴)を登録する。
- 高校卒業程度の初級等を対象とする後期の試験は別に案内され、前期と後期の日程は併願できない。試験を所管するのは総務部総務課職員係である。
能代市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「能代市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、能代市の位置づけを説明できる項目を整理しました。市単独の経済統計は公表資料が限られるため、比較の物差しとして秋田県全体の数値もあわせて示します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 46,202人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 427.18km²(秋田県のおよそ3.7%。県内13市で10番目) |
| 人口密度 | 108人/km²(上記の総人口と総面積から算出。県内13市で4番目。秋田県の平均はおよそ74人/km²) |
| 市役所所在地 | 秋田県能代市上町1番3号 |
| 隣接自治体 | 北秋田市、山本郡藤里町、三種町、八峰町、北秋田郡上小阿仁村(5市町村) |
| 市の木 | 黒松、秋田杉 |
| 沖合の大規模プロジェクト | 能代港・秋田港の洋上風力発電所138,000kWが運用開始済み。能代市・三種町及び男鹿市沖494,000kWは2028年12月運転開始予定 |
| (参考)秋田県の総人口 | 865,885人(2026年6月1日現在の推計) |
| (参考)秋田県の総面積 | 1万1,637km²(全国の都道府県で6番目) |
| (参考)秋田県の高齢化率 | 39.5%(令和6年・全国で最も高い) |
能代市の人口・面積・所在地・隣接自治体・市の木は、公表値をもとに整理した数値です。秋田県の総人口は県の推計人口(2026年6月1日現在)、高齢化率は内閣府「高齢社会白書」令和7年版の令和6年の値です。秋田県の総面積1万1,637km²は県公式サイトの県土の説明によります(出典:秋田県の紹介(県土と地形)|秋田県)。県の平均人口密度、県土に占める面積の比率、県内13市での順位は、これらの公表値から当研究会が算出しました。市と県で数値の時点が異なるため、おおよその水準感として捉えてください。実際の受験や提出書類で数値を用いる際は、能代市公式サイトの人口統計で再確認してください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
能代市の輪郭は、三つの順位を並べると見えてきます。県内13市のなかで人口は6番目、面積は10番目、人口密度は4番目。
面積の順位より人口の順位が上、そして密度はさらに上という並びは、限られた市域に人がまとまって暮らしている市であることを示しています。秋田県全体の865,885人と1万1,637km²から計算した県平均はおよそ74人/km²ですから、能代市の108人/km²はその1.4倍ほどになります。
県内で能代市より人口密度が高いのは、秋田市(およそ320人/km²)、潟上市(316人/km²)、横手市(114人/km²)の3市だけです。逆に、隣り合う北秋田市は23.6人/km²で、能代市の5分の1程度にとどまります。
県北のなかでは人が集まっている市だという位置づけは、地域を語るときの足場になります。
もう一つの前提が、県全体の人口の動きです。秋田県の人口は2026年6月1日現在で865,885人。
直近1年間(2025年6月から2026年5月まで)で17,254人、率にして1.95%減りました。内訳は自然減が13,200人、社会減が4,054人です。
高齢化率は令和6年時点で39.5%と全国で最も高く、令和32年(2050年)には49.9%まで上がると推計されています。面接では、次のように話せます。
能代市の経済・産業
秋田県の経済規模と能代市の位置
市の産業を読むための足場になるのは、能代市が属する秋田県全体の姿です。まずはそこから、地域経済の土台を整理します。
- 秋田県の県内総生産は名目3兆5,453億円(令和3年度・前年度比2.2%増)。
- 経済活動別では第1次産業897億円、第2次産業9,163億円(うち製造業6,230億円)、第3次産業2兆5,461億円。
- 県内総生産の対全国シェアは0.64%で、全国の経済のおよそ160分の1にあたる。
つまり、「県全体を合わせても全国の1%に届かない規模のなかで、第3次産業が7割強を占める」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:秋田県民経済計算|令和3年度)
農林業への特化と、医療・福祉という雇用の受け皿
産業の構成をもう少し細かくみると、県の特徴がはっきりします。付加価値額の特化係数(全国水準を1としたときの偏りを示す値)でみると、農業・林業が3.64と全国水準を大きく上回る一方、製造業は0.76にとどまります。
業種別の割合では、医療・福祉が20.9%(全国平均比プラス11.1ポイント)、建設業が11.2%(同プラス4.8ポイント)と高く、製造業は17.4%(同マイナス5.6ポイント)です。(出典:秋田県の産業分析|秋田県。いずれも2012年の基準による値です)
林業への特化は、能代市が市の木として黒松と秋田杉を掲げていることと重なります。木を育て、運び、加工するという一連の営みが、この地域の暮らしと結びついてきたということです。
面接で産業に触れるときは、県の統計を引くだけで止めず、市が何を自らの象徴として選んでいるかまで見ておきましょう。
県内で先に動き出した洋上風力という立地
秋田県は東北地方の日本海側にあり、県土は奥羽山脈や出羽山地などの山地と、秋田平野・能代平野・本荘平野などの平野、大館盆地・横手盆地といった盆地から成り立っています。県内には13の市、9つの町、3つの村があります。
能代市は、市の名を冠した平野が県土の説明に登場する、日本海側の市です。
海に面しているということは、港があるということでもあります。秋田県内で運用が始まっている洋上風力発電所の一つが、能代港と秋田港の2港にまたがる「能代港・秋田港洋上風力発電所」(2港合計138,000kW)です。
県全体では促進区域として全国最多となる4海域が指定され、運用中と計画中を合わせて200万キロワット以上、およそ150万世帯分に相当する発電容量が見込まれています。能代市・三種町及び男鹿市沖の494,000kWは、2028年12月の運転開始が予定されています。
(出典:洋上風力発電の推進|秋田県)
これらは県レベルで進められている事業であり、市が単独で実施するものではありません。市の側から考えるべきなのは、工事や運用にともなって人と仕事がどう動くか、そして既存の生業とどう折り合いをつけるかという部分です。
すでに運転している設備があるということは、能代市には他の地域より一歩先の経験が積み重なっているということでもあります。
能代市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、能代市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
全国で最も高い高齢化率のもとで進む人口減少
秋田県の高齢化率は令和6年時点で39.5%と、47都道府県のなかで最も高い水準にあります。最も低い東京都の22.7%とは17ポイント近い開きがあり、令和32年(2050年)には49.9%まで上がると推計されています。
全国で最初に「県民の半分近くが65歳以上」という段階に入る県だ、ということです。(出典:高齢社会白書|令和7年版)
人口そのものの動きも急です。令和2年国勢調査の人口は前回の平成27年調査から63,617人減、減少率6.2%で、減少数・減少率とも過去最大でした。
減少率が全国で最も大きいのは、これで5回連続です。県人口ビジョンは、人口が昭和31年(1956年)の約135万人をピークに減少へ転じ、令和7年(2025年)には約87万9千人になったことを課題として明記しています。
(出典:秋田県人口ビジョン|令和8年3月改訂)
働き手をどう確保し、どう呼び戻すか
秋田県は昭和26年(1951年)の調査開始以降、一貫して社会減が続いてきました。平成5年(1993年)には初めて死亡数が出生数を上回り、自然減の状態に入っています。
令和7年(2025年)の1年間では、自然減14,019人、社会減3,408人でした(出典:秋田県人口ビジョン|令和8年3月改訂)。
期間を2025年6月から2026年5月までの1年間に取ると、県内への転入11,191人に対して県外への転出は15,245人で、差引4,054人の社会減です(出典:秋田県の人口と世帯(推計)|令和8年6月1日現在)。
集計の期間が異なる数字ですので、並べて増減を計算しないようご注意ください。
能代市の採用試験には、民間企業等での職務経験が5年以上ある人を対象とした職務経験者の区分が置かれています。しかもこの区分には、能代山本地域内に本社がある民間企業等に正規雇用労働者として在職する人は受験できないという条件が付いています。
地元の企業から人材を引き抜く形にならないよう配慮した規定だと読めます。限られた働き手を地域全体でどう分け合うかという問題意識が、採用の設計そのものに表れているということです。
海と平野を抱える市の災害への備え
秋田県が平成25年8月に取りまとめた地震被害想定調査では、県に影響を及ぼす地震として、日本海東縁部の地震と陸域の活断層による地震(能代断層帯、横手盆地東縁断層帯、北由利断層など)の計27パターンが想定されています。被害が最大となるのは横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1・最大震度7)で、冬の深夜に発生した場合の県内死者数は4,524人、1か月後の避難者数は約9万人と見込まれています。
歴史上、県に最も大きな被害を及ぼした地震は昭和58年(1983年)の日本海中部地震(マグニチュード7.7)でした。(出典:秋田県地震被害想定調査(概要版)|平成25年8月)
これらは秋田県全体の想定値であって、能代市単独の被害想定ではありません。ただ、想定に挙げられた活断層のなかに能代断層帯という、市の名を冠した名称があること。
そして日本海中部地震が県に最も大きな被害をもたらした地震であり、能代市が日本海に面していること。この二つは、この市で防災を語るときの出発点になります。
県全体の想定値だと断ったうえで、427.18km²の市域で被害を把握し避難所を回す市職員の側から何ができるかへ話を進めましょう。
少人数の採用で、広い職域をどう担うか
令和8年度前期の採用予定人数は、全試験区分をあわせて10人程度です。その一方で、試験区分には一般行政のほか、情報処理、ICT、埋蔵文化財、土木・建築、保健師が並びます。
少ない人数で、行政事務からデジタル、文化財の保護、社会基盤の整備、保健まで受け持つ体制だということです。
この構造は、志望動機の作り方に直接効いてきます。特定の分野だけをやりたいという語り方では、少人数で幅広い分野を回す実際の姿と噛み合いません。
市は研修についても、新規採用職員研修から初級・中級職員研修、監督者研修、管理者研修、実務研修、ステップアップ研修までを用意しています。長く働きながら段階的に力を伸ばしていく前提が、そこに表れています。
重点政策|受験案内から読む職域と働き方
能代市の総合計画や個別計画の名称と内容は、市の公式サイトの市政情報のページで最新のものを確かめられます。本記事では、市が受験案内で公表している職域と処遇の姿を土台に、市政を理解する材料を整理します。
受験案内が示す「能代市職員として働くということ」
令和8年度前期の受験案内は、入庁後の姿をいくつかの数字で示しています。(出典:能代市職員採用試験受験案内(前期)|令和8年度)
| 項目 | 受験案内が示す内容 |
|---|---|
| 初任給(令和8年4月1日から) | 大学卒業239,488円、高校卒業208,343円(職務経験等がある場合は一定の基準で加算) |
| 昇給例(新卒モデル・大学卒業) | 勤務10年で289,483円、20年で337,764円、30年で406,506円 |
| 研修制度 | 新規採用職員研修、初級職員研修、中級職員研修、監督者研修、管理者研修、実務研修、ステップアップ研修など |
| 採用候補者名簿 | 最終合格者は試験区分ごとの名簿に登載され、欠員が生じた際に名簿登載者のなかから採用者が決定されます。名簿の有効期間は登載の日から令和10年3月31日まで |
| 補欠合格 | 最終合格者のほかに補欠合格者を決定する場合があり、補欠合格者名簿は令和9年5月31日まで有効です |
注目したいのは、新卒モデルの昇給例が勤務30年先まで具体的な金額で示されているところです。受験者に長く働く姿を思い描いてほしいという意図が読み取れます。
採用候補者名簿の有効期間が令和10年3月31日までと長めに設定されていることも、欠員の状況に応じて順次採用していく運用を前提とした設計です。志望動機を組み立てるときは、入庁直後の数年だけでなく、その先まで見通した言葉を用意しておきましょう。
POINT|計画名を言えなくても、面接の準備はできる
能代市の場合、①人口46,202人・面積427.18km²・人口密度108人/km²という輪郭をつかむ → ②県内13市で人口6番目、密度4番目という位置づけを説明できるようにする → ③採用予定10人程度に対して職域が広いという条件を理解する → ④市公式サイトの市政情報や広報紙で、いま実際に動いている取組を確かめる、という順で進めるのが近道です。
悪い例「能代市の観光振興に貢献したいです」
改善例「能代市は採用予定が10人ほどなのに、行政事務から情報処理や埋蔵文化財、保健師まで区分があると知りました。少ない人数で幅広く受け持つということだと思います。まずは配属された場所で市民の方のお話を正確に受け止められるようになりたいです。そのうえで、担当が変わっても学び直せるように、先輩に教わりながら続けていきたいです」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
- 自分が受ける年度・区分の職員採用試験受験案内(前期と後期で別に案内されます)
- 職員採用情報サイト「パブリックコネクト」(会員登録とエントリーはここから行います)
- 能代市公式サイトの市政情報・広報紙・各種計画のページ
- 秋田県が公表する洋上風力発電の関連ページ(市域の沖合の動きを知るための県側の資料です)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、能代市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。能代市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
能代市役所の面接の概要
ここからは、能代市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
能代市役所の試験の流れ(令和8年度前期)
令和8年度前期の受験案内は、試験を第1次試験と第2次試験の二段階選抜と定めています。特徴が出ているのは第2次試験の中身で、論文試験、職場適応性試験(集団討論等)、面接試験という3つの種目が並びます。
第1次試験がSPI3だけであることを考えると、選考の重心は明らかに第2次試験に置かれています。
| 項目 | 内容(令和8年度前期) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験と第2次試験の二段階選抜 |
| 試験区分 | 上級(一般行政、一般行政(情報処理)、一般行政(埋蔵文化財)、土木・建築)、保健師、職務経験者(一般行政、一般行政(ICT)、一般行政(埋蔵文化財)、土木・建築、保健師) |
| 採用予定人数 | 全試験区分あわせて10人程度 |
| 第1次試験 | SPI3(性格検査、基礎能力検査、構造的把握力検査(上級のみ))。全国のSPI3テストセンター(オンライン会場を含む)から会場を選択します |
| 第1次試験の受け方 | 受験依頼メールを受け取ったあと、自分でテストセンターを予約します。まずパソコン等で性格検査を受験し、その後、予約した日時と会場で能力検査を受験します |
| 受験票 | 受験予約の完了画面または受験予約確認メールを印刷したものが受験票となります |
| 第2次試験(予定) | 論文試験、職場適応性試験(集団討論等)、面接試験の3種目。会場は能代市役所本庁舎です |
| 上級の受験資格 | 平成8年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた方で、大学(短期大学を除く)を卒業した方または令和9年3月31日までに卒業見込みの方 |
| 職務経験者の受験資格 | 昭和61年4月2日以降に生まれた方で、高校以上を卒業し、民間企業等での職務経験年数が5年以上である方(受験申込日現在、能代山本地域内に本社がある民間企業等に正規雇用労働者として在職する方を除く) |
| 申込方法 | 職員採用情報サイト「パブリックコネクト」で会員登録と受験申込(エントリー)を行います。会員登録時にプロフィール(基本情報、顔写真、自己PR、保有資格・免許、学歴・職歴)を登録し、エントリー画面で必要な内容をすべて入力します |
| 配点 | 各試験種目の配点と合計点は、受験案内に記載がありません |
| 併願 | 高校卒業程度の初級等を対象とする後期の試験とは、日程の併願ができません |
| 最終合格後 | 試験区分ごとの採用候補者名簿に登載され、欠員が生じた際に名簿登載者のなかから採用者が決定されます(名簿の有効期間は登載の日から令和10年3月31日まで) |
この表から読み取れることが二つあります。一つは、第2次試験で書く力と話す力の両方が問われることです。
論文試験がある以上、自分の考えを文章にまとめる練習を後回しにはできません。もう一つは、集団討論等が「面接試験」とは別の種目として置かれていることです。
一人で答える場と、複数人のなかで振る舞う場が、それぞれ別に評価されると考えて備えましょう。
上記は能代市の令和8年度(2026年度)前期職員採用試験の受験案内にもとづく内容です。各試験種目の配点や合計点、第1次試験(SPI3)の成績を第2次試験の合否判定に加味するかどうかは、受験案内に記載がありません。面接試験が個別面接か集団面接か、また面接の回数も明示がありません(種目名は「面接試験」のみです)。なお、第2次試験の「職場適応性試験」は括弧書きのとおり集団討論等を指し、いわゆる適性検査ではありません。また「面接カード」という名称の提出書類は受験案内になく、自己申告にあたる情報は採用サイトのプロフィールとエントリー画面の入力項目です。エントリー画面の具体的な設問は市公式サイトの外にあるため、本記事では扱っていません。受験者数・合格者数・倍率も市公式ページ本文には掲載がありません。「能代山本地域」の範囲は受験案内に定義がないため、本記事では具体的な市町村名を挙げていません。試験の構成・区分・日程等は年度によって変わりますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご確認ください。
能代市役所が求める人物像
能代市の受験案内と職員係のページには、他の自治体でみられる定型の「求める人物像」にあたる文言を、当研究会では見つけられていません。そこで評価されやすい資質を、市が示している事実のほうから読み解きます。
手がかりは三つあります。第2次試験に集団討論等が独立した種目として置かれていること。
採用予定10人程度に対して試験区分が幅広く、少人数で広い職域を担う体制であること。そして申込の段階で自己PRを含むプロフィールの登録が求められること。
これらを重ねると、「複数人のなかで話を前に進める力」「担当が変わっても学び直せる姿勢」「自分の持ち味を短い言葉で示せること」のあたりが評価の中心になると考えられます。自己PRでは、こうした資質を名乗るだけで終わらせず、その力を使って何を行い、周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。能代市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 本庁舎までの道のりはいかがでしたか | 身構えていない問いかけへの応じ方。声の出し方や表情がここで確かめられます |
| ② 動機・志望 | 民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください | 比べたうえでの選択になっているか。動機が自分の来し方と地続きか |
| ③ 自己理解 | エントリーで登録した自己PRの内容を、口頭で説明してください | 書いたことと話すことが一致しているか。書面より一段詳しく語れるか |
| ④ 経験・行動 | 複数人で意見をまとめた経験を、自分の役割がわかるように話してください | 集団討論等の種目と対をなす問い。話をまとめる側に回れるかどうか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れたことを、専門を知らない人にも伝わるように話してください | 相手に合わせて言い換える力。学んだことを市の仕事へつなぐ視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 10年後、能代市役所でどんな仕事をしていたいですか | 長く働く姿を描けているか。希望どおりの配属でない場合の構え方 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近見聞きした出来事で、印象に残っているものはありますか | 社会の動きに目を向けているか。自分の受け止めを短い言葉にできるか |
ただし、この7カテゴリーは能代市に限らず全国の官公庁でほぼ共通で、受験者全員が対策してきます。差がつくのは、次の「能代市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「能代市役所ならでは」の質問
どちらも能代市の現状を知らなければ、その場で組み立てるのは難しい質問です。裏を返せば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「能代市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい能代市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と密度 | 人口46,202人・面積427.18km²・人口密度108人/km²。県内13市で人口は6番目、面積は10番目、密度は4番目 | 面積の順位より人口と密度の順位が上、という並びが能代市の輪郭です。隣の北秋田市が23.6人/km²だという比較を添えると、県北での位置がはっきりします |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 試験区分には一般行政のほか情報処理、ICT、埋蔵文化財、土木・建築、保健師が並び、採用予定は全区分で10人程度 | 少人数で広い職域を受け持つ体制を挙げると、市役所を選ぶ理由が実務に接地します。県との違いは、権限の上下ではなく市民との距離で語ります |
| 能代市の魅力 | 日本海に面し、県土の説明に能代平野が登場する。市の木は黒松と秋田杉 | 名所を並べるのではなく、市が自ら木を象徴に選んでいるという事実から、林業と暮らしの結びつきに引きつけて話します |
| 洋上風力 | 能代港・秋田港の138,000kWは運用開始済み。能代市・三種町及び男鹿市沖の494,000kWは2028年12月運転開始予定 | 県レベルの事業であって市の事業ではない、と正確に線を引いたうえで、すでに動いている設備がある地域だからこその経験へ話を進めます |
| 働き手の確保 | 職務経験者区分には、能代山本地域内に本社がある民間企業等に在職する人は受験できないという条件がある | 地元企業から人材を引き抜かない配慮だと読み解けると、採用の設計まで理解していることが伝わります。地域名の範囲は公表されていないため、具体的な市町村名を挙げないのが安全です |
| 試験の性格 | 第1次はSPI3のみ。第2次は論文試験、職場適応性試験(集団討論等)、面接試験の3種目で、会場は本庁舎 | 書く力と話す力の両方が第2次に集まっています。論文で書く内容と面接で話す内容の芯をそろえておく、と言えると準備の質が伝わります |
コツは、6つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、先ほど整理した「能代市で評価されやすい資質」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 複数人のなかで話を前に進める力 | 議論が止まった場面で、自分がどこから動いたか | 第2次試験には職場適応性試験(集団討論等)が独立した種目として置かれています。人の意見を引き出した場面と、自分の主張を通した場面の両方を用意しておく |
| 担当が変わっても学び直せる姿勢 | 知らない分野を任されたとき、何から手をつけたか | 採用予定は10人程度で、区分には情報処理や埋蔵文化財、保健師まで並びます。少人数で幅広く回す職場ですから、未経験から立ち上げた経験を一つ選んでおく |
| 自分の持ち味を短い言葉で示せること | 書面に書いた自己PRを、口頭でどこまで広げられるか | 申込時にプロフィールとして自己PRを登録します。書いた文章をそのまま読み上げるのではなく、その裏づけになる場面を口頭で足せるようにしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。能代市では申込時に登録した自己PRが手元の資料として使われる可能性がありますから、書いたことを起点に掘られる前提で備えましょう。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておくことです。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける年度・区分の受験案内を読み、申込がパブリックコネクトでの会員登録とエントリーであること、第1次試験がSPI3であることを確認する
- プロフィールに登録する自己PRを先に書き上げる。面接で掘られる前提で、裏づけになる場面をあわせて書き出しておく
- これまでの経験を棚卸しし、一人で動いた場面と、複数人のなかで動いた場面をそれぞれ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。人口46,202人・面積427.18km²・人口密度108人/km²という輪郭と、県内13市での位置づけを、自分の言葉で説明できるようにする
- 第2次試験の論文試験を想定して一本書き上げ、それを声に出して読んでから面接と集団討論の練習に移る
優先順位に注意
ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、能代市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
能代市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
能代市の前期試験は、第1次がSPI3だけである一方、第2次に論文試験と集団討論等と面接試験が集まります。書く準備と話す準備を切り離せない構成だということです。
採用予定は10人程度、それでいて職域は行政事務から埋蔵文化財や保健まで広がっています。人口4万人余りのまちで、自分はどの現場に立ち、何を受け持つつもりなのか。
申込のときに登録する自己PRの一文から、その答えは始まっています。