五城目町消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性と災害リスク消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

五城目町消防本部の面接試験では、「なぜ消防官を志望したのか」「五城目町消防本部で何に取り組みたいのか」「自分の経験や強みを消防の仕事でどう活かせるか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。この本部の規模や採用試験の作りを知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論で終わらせず、五城目町に固有の事情を踏まえた説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と五城目町消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

五城目町消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは五城目町消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 五城目町消防本部は、秋田県南秋田郡の五城目町を単独で管轄する町直営の消防本部である。職員の中核は消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)で、31人が在籍している(うち女性3人・令和7年4月1日現在)。秋田県内でも最小規模級の本部である
  • 令和6年中の出動件数は火災2件・救急453件・救助7件で、救急が出動の大部分を占める。
  • 採用は五城目町の職員採用試験の枠組みで実施される。令和8年度の区分は「高校卒業程度」「大卒程度」の2つで、消防職に特化した区分名は示されていない。
  • 試験は第1次=教養試験・性格特性検査、第2次=口述試験・作文・身体検査という2段階構成である。
  • 過去の採用(令和3年度)でも、教養試験・性格特性検査のあとに口述試験・作文という同じ流れが確認されている。
  • 令和9年度についても「採用実施予定。詳細については未定」と公表されており、募集の詳細は年度ごとに確認する必要がある

五城目町消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「五城目町消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

単独設置の町の本部ですので、項目は町の人口と高齢化率、吏員31人という体制、そして火災・救急・救助それぞれの出動件数に絞ってあります。

項目内容
管内人口7,566人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)
高齢化率50.7%(令和8年1月1日現在)
設置形態単独(五城目町)
消防吏員数31人(うち女性3人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数2件(令和6年中)
救急出動件数453件(令和6年中)
救助出動件数7件(令和6年中)

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の全国消防本部データ検索によります。

数字から考えられる五城目消防の課題

火災2件に対し救急453件という差は、秋田県内の他本部と比べても際立っています。五城目町の高齢化率は50.7%(令和8年1月1日現在)で、町民の半数以上が65歳以上という水準にあります。

この人口構成が、救急を中心とした出動実態と密接に結び付いていると考えられます。

「五城目町消防本部では、令和6年の1年間に450件ほどの救急出動があった一方、火災は2件だったと聞きました。高齢化率が50%を超えていることを踏まえると、救急への対応がこの町の消防にとって中心的な役割になっていると感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

五城目町の地理的特性

  • 五城目町消防本部の管轄は五城目町1町のみで、秋田県南秋田郡に位置します。
  • 管内人口は7,566人(令和8年1月1日現在)で、高齢化率は50.7%と、町民の半数以上を65歳以上が占めます。
  • 消防吏員31人という体制は、秋田県内で単独設置する本部の中でも最小規模級にあたります。

つまり五城目町消防本部は、県内でも小規模な体制で、高齢化が進んだ町を一つの本部で支える存在だと整理できます。人口規模の小ささは、住民との距離の近さという特色にもつながります。

秋田県内で想定される地震リスク

秋田県の地震被害想定調査(平成25年8月公表)によると、県内で最大規模の被害が想定されるのは横手盆地・真昼山地連動地震(マグニチュード8.1、最大震度7)です。この地震が冬の深夜に起きた場合を想定したケースでは、対策を講じなければ死者数4,524人・建物の全壊72,594棟、発災1か月後の避難者数は約9万人にのぼるとされています(出典:秋田県地震被害想定調査概要版|平成25年8月

これは秋田県全体を対象とした想定であり五城目町に固有の被害数値ではありませんが、31人という小規模な体制で管轄を守る本部にとって、県全体の想定を踏まえた備えは欠かせません

五城目町の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、五城目町消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の3つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

救急出動は全国的に増え続けており、令和6年中は771万8,380件と集計開始以降の最多を更新しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況。五城目町消防本部の令和6年中の救急出動453件も、この流れの中にあります。

高齢化率50.7%という町の人口構成を踏まえると、救急需要は今後も高い水準で推移すると考えられます。31人という人数で年間400件を超える救急要請を受け持つ体制をどう保つかが、この本部の続く課題です。

大規模災害への備え

前の章で見た横手盆地・真昼山地連動地震の想定は、五城目町も例外ではありません。吏員31人規模の小規模本部では、複数の現場が同時に立ち上がった時点で手持ちの人員は尽きてしまいます。

だからこそ、県内外の本部から応援を受ける前提で動きを考えておくことが重要になります。緊急消防援助隊には全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が加わっており、管轄を越えた応援体制が動く仕組みになっています。

人材確保と女性吏員の活躍

五城目町消防本部の消防吏員31人のうち、女性は3人で、割合にすると約1割です。全国の消防吏員に占める女性の割合は約3.8%(168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁

五城目町消防本部の女性吏員の割合は、全国平均を上回る水準にあります。31人という小さな組織の中で、性別を問わず活躍できる環境づくりが続いていると考えられます。

重点方針|試験構成の継続性からみる運営

五城目町の公式サイト・総務省消防庁の公表情報の範囲には、消防本部が独自に公表する運営方針や戦略文書は見当たりません。また、町の採用情報ページは申込受付終了後に受験案内を削除する運用になっており、2026年8月時点では次年度以降の詳細を確認できません

この章では、複数年度にわたって続く試験構成そのものから、この本部が採用にどう向き合っているかを読み取るという組み立てで進めます。

教養試験・性格特性検査から口述試験・作文へ

総務省消防庁が公表する情報によると、五城目町消防本部の採用試験は第1次=教養試験・性格特性検査、第2次=口述試験・作文・身体検査という構成です(出典:消防本部の情報|五城目町消防本部(総務省消防庁)。この構成は令和3年度に実施された過去の採用でも、教養試験・性格特性検査のあとに口述試験・作文という同じ流れが確認されており、複数年度にわたって同じ型が続いていることがうかがえます。

令和9年度についても、同じ構成で実施予定と予告されています。

体力試験の記載がないという特徴

秋田県内の他の消防本部では体力測定を第2次試験に組み込む例が見られますが、五城目町消防本部の試験には体力試験の記載がなく、身体検査のみが明示されています。

これは他本部の基準をそのまま当てはめてよい話ではなく、五城目町消防本部固有の設計として理解しておく必要があります。口述試験の形式(個別面接か集団面接か)は公表されておらず、確認できていません。

POINT|区分名・採用予定数は実施年度の案内で確認する

五城目町の採用情報は、申込受付が終わると受験案内が公式サイトから削除される運用になっています。①募集が始まる時期を把握しておく → ②区分(高校卒業程度・大卒程度等)と採用予定数を早めに確認する → ③教養試験・性格特性検査の対策と、口述試験・作文の準備を並行して進める、の順で動きましょう。

悪い例「人の役に立つ仕事がしたいので、五城目町消防本部を志望しました」

改善例「これまで地域の行事や部活動を通じて、人と関わりながら物事を進める経験を積んできました。五城目町は高齢化率が50%を超えていると知りましたので、身体検査だけでなく口述試験でも、地域の方に信頼してもらえる受け答えを大切にしたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

次に挙げる資料は、募集の有無を確かめるものと、地域理解を深めるためのものです。五城目町は受付終了後に受験案内が非公開になるため、募集時期の早い段階で内容を確認しておくことをおすすめします。

  • 五城目町職員採用試験のお知らせ(町公式サイト「採用情報」・募集期間中に掲載)
  • 総務省消防庁「消防本部の情報」五城目町消防本部のページ
  • 秋田県地震被害想定調査概要版

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、五城目町消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。五城目町消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

五城目町消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

五城目町消防本部の面接の概要

ここからは、五城目町消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

五城目町消防本部の採用試験の流れ

五城目町消防本部の採用試験は、町の職員採用試験の枠組みの中で実施されます。令和8年度の区分は「高校卒業程度」「大卒程度」の2つで、消防職に特化した区分名は示されていません。

第1次=教養試験・性格特性検査、第2次=口述試験・作文・身体検査という2段階構成です。

項目内容(令和8年度)
受験資格高校卒業程度・大卒程度の年齢要件が区分ごとに設定(詳細は実施年度の受験案内で確認)
試験の段階第1次試験・第2次試験の2段階制
第1次試験教養試験、検査(性格特性検査)
第2次試験口述試験、作文、身体検査
体力試験記載なし(身体検査のみ)
面接カード該当する様式は確認できず

特に注目したいのは、体力試験の記載がなく身体検査のみが明示されている点です。秋田県内には体力測定を課す本部も多いため、五城目町消防本部を受ける場合は他本部の情報と混同しないよう注意しましょう。

上記は総務省消防庁が公表する情報にもとづくものです。五城目町の受験案内は申込受付終了後に町公式サイトから削除される運用のため、提出書類や口述試験の形式など確認できていない項目があります。内容は年度ごとに見直される可能性があります。受験の際は、必ず募集時期に公表される最新の受験案内をご確認ください。

五城目町消防本部が求める人材

五城目町消防本部について、「求める人物像」を明文で示した公表資料は見当たりません(2026年8月時点・当研究会調べ)。参考になるのが、吏員31人という秋田県内でも最小規模級の本部に共通しやすい傾向です。

一人の消防吏員が消火・救急・救助だけでなく予防や地域への呼びかけまで幅広く担う場面が多く、未経験の業務にも自分で調べ、周囲に聞きながら形にしていく姿勢が、31人で町全体を受け持つ日々の業務では欠かせません。少人数の職場で住民と日常的に顔を合わせる距離の近さもあり、丁寧な対応がそのまま信頼につながりやすい環境です

ここまでは町が示した選考基準ではなく、小規模本部の働き方から当研究会が読み取った一般的な傾向にすぎません。決め手になるのは、自分の経験や強みを五城目町の業務環境に置き換えて語れるかどうかです

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。五城目町消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ五城目町消防本部を志望するのですか?消防官という仕事とこの町を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生生活で、力を入れて取り組んだことは何ですか?何に時間を使ってきたかと、そこで身につけたものを結び付けて話せるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?身体検査の基準を意識した体調の整え方と、現場で働き続ける覚悟があるか
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

7つの代表質問への備えは基本の型ですが、口述試験の機会が限られる五城目町消防本部では、それだけで差をつけるのは難しいのが実情です。五城目町を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。

合否を分けるのは五城目町消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官を志望するのですか」
「なぜ五城目町消防本部を志望するのですか」

2問とも、限られた口述試験の機会でどれだけ具体的に語れるかが分かれ目になる質問です。似た仕事との違いや、五城目町ならではの事情を、自分なりの言葉で説明できるように準備しておきましょう。

質問テーマ知っておきたい五城目町の事実答え方のヒント
消防士としての適性・覚悟試験は教養試験・性格特性検査に続き口述試験・作文・身体検査で構成され、体力試験の記載はない(詳細は第1部5章)体力面だけでなく、人物面での受け答えの準備に比重を置く
管轄地域の理解管轄は五城目町1町、管内人口7,566人、高齢化率50.7%(詳細は第1部3章)半数以上が高齢者という人口構成を、自分の言葉で説明できるようにする
救急需要への理解令和6年中の救急出動453件に対し火災は2件(詳細は第1部2章・4章)数字の差から、救急を中心とした業務実態を語る
地域防災・大規模災害秋田県は横手盆地・真昼山地連動地震(M8.1)を想定している(詳細は第1部3章)31人という小規模な体制だからこそ、応援体制への理解も志望動機に加える
消防士としての職務理解採用は町の職員採用試験の枠組みで実施され、複数年度にわたり同じ試験構成が続いている(詳細は第1部5章)一時的な志望ではなく、長く働く意思を伝える

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

五城目町消防本部は、試験の段階・種目までは確認できていますが、配点や評価の基準は公表されていません。そこで一般論として、コンピテンシー評価という考え方を軸に、評価の観点を整理します。

口述試験の回数・形式が公表されていない分、限られた機会でどれだけ具体的に語れるかが重みを持つと考えられます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
現場対応への適性未経験の業務にどう向き合ってきたか、身体検査の基準をどう捉えているか経験を「調べながら形にした」プロセスとして説明できるようにする
地域住民との関わり方少人数の職場で、住民と日常的に信頼関係を築けるか地域の人と丁寧に関わった経験を具体的に用意する
定着して働く意思五城目町を選んだ理由を、長く働く前提で語れるか採用が毎年あるとは限らない小規模な組織であることを踏まえ、腰を据えて働く姿勢を伝える

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。五城目町消防本部のように口述試験の回数が限られる試験ではなおさらです。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 募集時期に公表される受験案内を確認し、自分が対象となる区分(高校卒業程度/大卒程度)を確認する
  2. 学生生活や地域活動での経験を棚卸しする。人と関わりながら物事を進めた具体例を1つ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で五城目町消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、五城目町消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

五城目町消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。口述試験の機会が限られる試験だからこそ、事前の言語化の質がそのまま結果に響きます

五城目町消防本部の想定問答集を見る

さいごに

五城目町消防本部の試験は、教養試験・性格特性検査のあとに口述試験・作文・身体検査という構成が、複数年度にわたって続いてきました。体力試験を課さない設計である一方、口述という限られた機会で自分をどう伝えるかが重みを持ちます

31人という小さな組織で、高齢化率50%を超える町を支えるこの本部の姿を理解した上で、自分がこの町で何をしたいのかを言葉にしてみてください。準備を重ねる皆さまの歩みを、当研究会は見守っています。