本記事では、小松島市職員採用試験の面接対策で必要な、小松島市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。試験の構成は令和8年度前期試験の受験案内書をもとに、上級行政を軸として整理し、上級消防との違いも併記します。

小松島市役所の面接試験では、「なぜ小松島市を志望したのか」、「市職員として何に取り組みたいのか」、「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度前期試験では上級行政に集団討論とプレゼンテーションが課されるため、市について自分の考えを持っているかどうかが、複数の場面で表に出ます。

ここに集めた事実を材料に、自分の強みや関心と小松島市政の接点を考え、回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

小松島市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは小松島市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 徳島県の東部沿岸に位置し、北で徳島市、南で阿南市、西で勝浦町と接する市。人口は33,936人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)。
  • 面積は45.37km²と、徳島県内8市の中で最も小さい。県土4,147.00km²に対して約1.1%にあたる。
  • 人口密度は約748人/km²で、県内8市では徳島市に次ぐ2番目の高さ。狭い範囲に人が集まっている市である。
  • 高齢化率は37.5%、75歳以上の割合は22.1%。いずれも県全体(34.9%、20.3%)を上回る。
  • 県が公表した南海トラフ巨大地震の被害想定で、市町村別の死者数が県内で最も多い市。冬・深夜の最大ケースで6,100人、うち津波によるものが5,800人と見込まれている。
  • 東は紀伊水道に面し、水道を挟んで和歌山県と向かい合う位置にある。
  • 令和8年度前期試験の採用予定人員は上級行政5名程度、上級消防若干名。市は自前の消防を持つ。
  • 市の花は花みずき、市の木はやまもも。市役所は小松島市横須町1番1号に置かれている。

小松島市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「小松島市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

志望動機や課題の話をするときに何度も立ち返ることになる数字を、先に並べておきます。

項目内容
総人口33,936人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口12,730人(37.5%、県34.9%)
75歳以上人口7,515人(22.1%、県20.3%)
総面積45.37km²(徳島県4,147.00km²の約1.1%)
人口密度約748人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
接する市町村徳島市、阿南市、勝浦町
市役所所在地小松島市横須町1番1号
市の花・市の木花みずき・やまもも

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。市の値と県の値は同じ系列でそろえていますが、国勢調査や人口推計を基礎とする数値とは調査の基準が違うため、両者を並べて増減を論じることはできません。人口密度は同じ住民基本台帳人口を面積で割った概数です。面積・所在地・接する市町村・市の花と木は、当研究会が整理した基礎データによります。

数字から考えられる市政課題

小松島市の高齢化率37.5%は、県全体を2.6ポイント上回り、75歳以上の割合でも県より高い水準です(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。人口3万人台の市で、7,515人が75歳以上という構成になります。

徒歩や自転車で動ける距離に人が集まっている市なので、施設や交通の話は「遠くて行けない」より「近いはずなのに行きづらい」という形で現れやすくなります。狭い市域はサービスを届けやすい条件でもあり、そこを強みに変えられるかが問われます。

もうひとつ避けて通れないのが災害です。県が令和8年2月に公表した被害想定で、市町村別の死者数が県内で最も多いのが小松島市でした。

人口33,936人の市に対して、冬・深夜の最大ケースで6,100人という数字が置かれています。防災の話題は、この市では抽象論では済みません。

面接でこの点に触れるなら、次のような言い方が考えられます。

「小松島市は3万人台の市ですが、県の被害想定では死者の数が県内で一番多く見込まれていると知りました。しかもその大半が津波によるものだと聞いています。数字を見たときに、まず逃げてもらうことに全力を注ぐ仕事があるのだと感じました」

小松島市の経済・産業

県経済の枠組み

県全体の経済規模から押さえます。令和4年度の徳島県の県内総生産は名目3兆2,658億円(対前年度比2.6%減)、県民所得は2兆2,309億円(同3.0%減)、1人当たり県民所得は317万円(同1.9%減)でした。

総額が縮む局面にあり、伸ばす話と守る話を同時に考えなければならないのが県内自治体に共通する前提です。県は医薬品・LED・リチウムイオン電池の大きな工場が立地する「LED王国」を自認し、機械製品の製造業に加え、家具や仏壇などの木工業を代表的な地場産業に挙げています。

農業では吉野川沿いの平野を中心に、なると金時やすだちの生産が盛んです。(出典:徳島県の県民経済計算|令和4年度/徳島県の産業紹介(工業))

県都に隣接するという条件

小松島市は北で徳島市と接しています。徳島市の人口は242,618人で県全体の約35%にあたり、県内最大の商業や行政の機能がそこに集まっています(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)。

隣にそれだけの都市があるということは、通勤や買い物の流れが市外へ出やすいということでもあります。一方で、住む場所として選ばれれば人口を保ちやすい位置でもあります。

県都との距離をどちらの向きに使うかが、この市の経済政策の分かれ目です。面接で産業を語るなら、企業誘致の話に飛ぶ前に、この地理的な条件をどう見るかを述べたほうが具体的になります。

観光と交通の現在地

県全体の観光は回復途上にあります。徳島県の延べ宿泊者数は令和6年(2024年)に全国46位(速報値)ながら歴代2番目の水準で、外国人の延べ宿泊者数は過去最多となりました。

過去最多は平成26年(2014年)の287万人です。交通面では、県東部を南北に走る四国横断自動車道(県内約49km)が地域の縦の動線を担います。

ただし県内の国県道の改良率は65.4%、舗装率は57.5%と全国的に低い水準で、急峻な山地と河川の橋梁費用が理由とされています。幹線の整備と生活道路の維持は別の課題として並んでいると理解しておきましょう。(参考:徳島県の観光の現状|令和6年/徳島県の道路整備の現状)

小松島市の主な行政課題

ここまでに挙げた条件を、市が抱える宿題という形に並べ替えると、次の4つになります。面接で「市の課題」を聞かれたときの手持ちにしてください。

県内で最も重い津波の想定

県が令和8年2月4日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定で、小松島市の死者は冬・深夜の最大ケースで6,100人、うち津波によるものが5,800人とされました。建物の全壊・焼失は冬・夕のケースで8,900棟です。

県全体では死者21,700人・全壊焼失81,100棟という想定なので、市町村別に見て小松島市の負う想定は突出しています。(出典:南海トラフ巨大地震・被害想定|令和8年)

県が令和7年9月に公表した津波浸水想定では、市内の地点として神田瀬川河口4.7m(54分)、辰巳4.0m(38分)、中島港口3.7m(40分)といった数値が示されています。県南部の海部郡では26分から31分で到達する地点が多いのに比べれば時間はありますが、平地が広く人口が密集している分、動かすべき人の数は多くなります。

時間があることと、間に合うことは別だという理解が要ります。県は、住宅の耐震化率を100%にすれば県全体の死者を約3割、早期避難率も100%にすればおよそ9割減らせると試算していますが、現状は耐震化率86%(令和5年時点)、早期避難率33%です。

県を上回る高齢化と、支える手の確保

県の推計人口は令和8年6月1日現在で669,003人、前月から626人減と、毎月数百人単位で減少が続いています。県の総合計画はこの状況を「静かなる有事」と呼びました。

小松島市の高齢化率37.5%は同じ系列の県平均34.9%を上回っており(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)、避難の場面でも介護の場面でも、支えを必要とする人の割合が大きいことを意味します。

防災と福祉が別々の課題ではなく、同じ名簿の上で重なります。この重なりに気づいているかどうかで、答えの深さが変わります。(参考:徳島県の推計人口|令和8年6月1日現在/高齢化の状況|令和6年)

狭い市域という条件をどう使うか

45.37km²という面積は、県内8市の中で最も小さく、県土の約1.1%にあたります。移動の負担が小さい分、巡回や訪問はしやすくなります。

一方で、市域が狭いということは開発できる余地も限られるということです。土地を増やせない前提で、いまある場所の使い方を組み替えるという発想が求められます。

公共施設の配置、住宅地と浸水想定区域の関係、空き地の活用といった話は、この条件から出発すると具体的になります。

水と川に囲まれた地形

小松島市は紀伊水道に面し、市内を川が横切ります。川と海が近いことは、津波だけでなく高潮や洪水の話にもつながります。

加えて、県全体では平成6年の列島渇水で吉野川水系の取水制限が139日間続き、徳島県の渇水対策本部は104日間設置されました。水は多すぎても足りなくても暮らしを止めます。

防災を語るときに地震だけを見ていると、この幅を落とすことになります。

小松島市の重点政策|狭い市域に集まる課題と県の計画

市が受験者に向けて公表している文書からも、市政の力点は読み取れます。令和8年度前期試験の案内で、上級行政の職務内容は「本市の関係機関において、一般行政事務に従事します。」と示されています。

分野を限定していないということは、入ってからどこにでも配属されうるという意味です。あわせて、市は試験で免許・資格等を加味する場合があると明記し、実用英語技能検定やTOEIC、基本情報技術者、応用情報技術者、ITパスポート試験、行政書士、日商簿記検定、救急救命士などを例として挙げています。

行政の仕事に直接つながる資格だけでなく、語学や情報の資格まで並んでいる点は、市がどんな力を欲しがっているかの手がかりになります。

総合計画をはじめとする市の計画は年度ごとに見直されます。志望する分野に関わるものは、小松島市の公式サイトで現在有効な版を開き、掲げられている目標と、そこに至る道筋を自分の目で確かめておいてください。

県の計画が置いている前提

小松島市の施策は、県全体の方向とも重なります。県全体の方向を示す計画は「徳島新未来創生総合計画」という名前です。

令和6年3月の策定、令和7年3月の改訂を経て、令和6年度から令和10年度までを対象としています。ビジョンは「未来に引き継げる徳島」の実現。安心度・魅力度・透明度という3つの物差しをそれぞれ引き上げることをミッションに置き、17の戦略と75の戦術、そして93のKPIで進み具合を追う形です。

県が現状認識の柱に据えたのは、労働力不足や過疎化の進行と、自然災害の頻発化・激甚化でした。(出典:徳島新未来創生総合計画)

POINT|計画名を暗記しても答えにはならない

関心のある分野を一つか二つ選び、「①何が課題か → ②市や県はどんな状態を目指すか → ③今どんな事業が動いているか → ④市だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験をどう生かすか」の順に押さえると、集団討論でも面接でも取り出せる形になります。

悪い例「小松島市の防災に携わりたいです」

改善例「県の想定では、市内でも津波が40分くらいで届く場所があると知りました。歩くのが大変な方をその時間で動かすには、日頃から誰がどこに住んでいるかを把握しておく必要があると思います。福祉の部署と防災の部署をつなぐような仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

全部に手を伸ばす必要はありません。自分の志望分野に一番近いものから開き、面接で一言に縮められるところまで整理しておいてください。

  • 小松島市職員採用試験の受験案内書(最新の実施分)と面接カードの様式
  • 小松島市の総合計画・個別計画のうち、志望分野に関係するもの
  • 小松島市の防災・避難に関する公表資料
  • 徳島県の南海トラフ巨大地震被害想定と津波浸水想定
  • 徳島新未来創生総合計画(概要版)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、小松島市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。小松島市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

小松島市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

小松島市役所の面接の概要

ここからは、小松島市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公表資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

小松島市役所の面接の流れ

令和8年度前期試験は3次試験制です。特徴は入口と出口の落差にあります。

第一次試験はSPI3検査だけで、しかもテストセンター方式。市は案内の中で「県内外を問わず、民間企業に就職されている方や、転職を考えている方も受験がしやすい試験制度です」と説明しています。

ところが第二次試験からは、県外に住む人であっても小松島市内で受験する必要があると案内に明記されています。人物を見る段階は、市の中で行うという方針が読み取れます。

項目内容(令和8年度前期試験・上級行政)
試験の段階3次試験制。第一次試験 → 第二次試験 → 第三次試験と段階ごとに絞り込みます
第一次試験SPI3検査(基礎能力検査および性格検査)。テストセンター方式で、常設会場のほか全国の臨時会場や自宅でも受験できます
第二次試験面接試験等、論文試験、集団討論。実施場所は小松島市役所で、県外に住む人も市内で受験します
第三次試験面接による口述試験とプレゼンテーション。プレゼンテーションは与えられた課題について、自分の言葉で3分程度述べる予定とされています
集団討論上級行政のみ。6人程度のグループで、与えられた課題に各自が意見を発表し議論するもので、論理性・協調性・指導性等をみる試験です
論文試験文章による表現力、説得力、文章構成力等を有するかどうかをみる試験です
上級消防との違い上級消防は第二次試験で集団討論ではなく体力試験を受け、第二次試験合格者には医療機関で受診した身体検査書の提出が求められます
提出書類第二次試験に必要な面接カードを、小松島市のホームページからダウンロードして提出します(エクセル形式とPDF形式の両方が配布されています)
申込方法受験申込書を郵送または持参します。郵送の場合は封筒の表に「職員採用試験申込」と朱書きし、簡易書留郵便で送ります

この構成には準備上の意味が二つあります。ひとつは、第二次試験で提出する面接カードが、その後の質問の起点になることです。

書いた内容から質問が伸びていくため、面接カードは提出前に「ここを掘られたら何と答えるか」まで考えて書くべき書類です。

もうひとつは、上級行政では集団討論とプレゼンテーションの両方が課されること。集団の中で議論を進める力と、一人で構成を立てて話す力は別ものなので、練習も分けて用意する必要があります。

上記の試験構成は、小松島市が公表した令和8年度前期試験の受験案内書にもとづく上級行政のものです。配点(得点配分)は同案内書には記載されていません。高校卒業者向けの行政職試験は後期試験で実施される予定とされており、前期試験を受験した人は後期試験を受験できないとされています。受験の際は、ご自身が申し込む試験区分の最新の受験案内書をご確認ください。

小松島市役所が求める人物像

小松島市の令和8年度前期試験の受験案内書には、体系化された「求める人物像」にあたる記載がありません。ただ、試験の中身は市の関心をよく表しています。

集団討論で見るとされているのは論理性・協調性・指導性、論文で見るとされているのは表現力・説得力・文章構成力、プレゼンテーションでは自分の言葉で述べることが求められています。いずれも、考えを持ったうえで人に伝わる形にできるかどうかを問う設計です。

ここから先は当研究会の読みとして書きます。上級行政の採用予定人員は5名程度で、人口3万人台の市の行政をこの規模の職員で回していきます。

分野ごとに専任を置く余裕は大きくありませんから、一人が複数の仕事を持ち、前例のない相談にも自分で当たることになるはずです。そこで効いてくるのは、知らないことを知らないまま放置せず、資料に当たり、庁内の誰に聞けばよいかを見つけて、答えを形にするまでの粘りでしょう。

市が免許・資格を加味する場合があるとして情報系や語学の資格まで並べているのも、担当が固定されない環境で使える手数を求めているからだと読めます。

志望動機を組み立てるときの起点は、面接カードに置くのが確実です。この市では第二次試験に面接カードの提出があり、そこに書いた一行が、討論を挟んだ後の口述試験まで面接官の手元に残ります。

県内で最も重い津波の想定と、県内8市で最も狭い市域。どちらも小松島市でしか書けない条件ですから、自分の関心をどちらに寄せるかを決めてから、カードの下書きに取りかかってください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。小松島市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらから来られましたか?県外からの受験者も市内で受験する試験ならではの入口。移動の話から緊張のほぐれ方を見られる
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間との比較で止まっていないか。面接カードに書いた志望理由と口頭の説明がそろっているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分の傾向を把握しているか。集団討論での振る舞いと矛盾しない自己像か
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください出来事の大きさではなく、その場面で何を考えどう動いたか。前例のない仕事に向かう構えの裏づけ
⑤ 学業・経歴卒業論文(研究)のテーマを簡単に説明してください知らない相手に届く言葉へ置き換える力。第三次試験のプレゼンテーションと同じ筋肉
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?一般行政事務という括りの中で、自分の関心をどこに置くかを説明できるか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?関心の向け方に偏りがないか。3万人台の市で起きうる話として語れるか

この7つが扱うのは、小松島市が論文と集団討論とプレゼンテーションで測ろうとしている力の土台にあたる部分です。ただし小松島市では、提出した面接カードが面接官の手元に残り、討論でもプレゼンテーションでも同じ人物が繰り返し確かめられます。

7カテゴリーの答えは、そのすべての場面で使い回せる形にしておく必要があります。使い回しの芯になるのが、次に挙げる質問です。

合否を分けるのは「小松島市役所ならでは」の質問

「なぜ徳島県庁ではなく、小松島市役所なのですか?」
「小松島市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

1問目は、県都に隣接する市だからこそ答えを求められる質問です。徳島市の隣という位置は、県の出先も市役所も生活圏の中にあるということでもあります。近いからこそ、なぜここを選ぶのかを言葉にしておく必要がある質問だといえます。下の表に、答えの土台になる事実と、話の運び方をまとめておきます。

質問テーマ知っておきたい小松島市の事実答え方のヒント
市の規模人口33,936人、高齢化率37.5%、75歳以上22.1%。面積45.37km²は県内8市で最小(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)小ささを弱点として語るのではなく、市域が狭いからこそ手が届く仕事があるという向きで話すと前向きに聞こえます
なぜ県庁ではなく市役所か上級行政の職務内容は「本市の関係機関において、一般行政事務に従事します。」で、配属分野は限定されていない制度上の役割分担を論じるより、住民票や福祉の窓口といった直接住民に向き合う仕事を選ぶ理由を自分の経験から述べます
防災南海トラフ巨大地震の被害想定で死者6,100人(冬・深夜の最大ケース、うち津波5,800人)と市町村別で県内最多。津波は辰巳で4.0mが38分後数字を挙げるだけで終えず、到達までの時間に誰をどう動かすかという実務の話まで進めると、覚えてきた印象になりません
県都との関係北で徳島市と接する。徳島市の人口242,618人は県全体の約35%にあたる「ベッドタウン」で片づけず、通勤や買い物が市外へ流れることの影響と、住む場所として選ばれる可能性の両面を挙げます
市の課題県の推計人口は令和8年6月1日現在669,003人で毎月数百人単位の減少。市の高齢化率は県平均を上回る県全体の傾向をなぞるのではなく、避難と介護が同じ人の上で重なるという小松島市固有の重なり方を切り出して話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

小松島市は体系化された人物像を公表していないため、選考の設計に照らして観点を読み取ります。案内が各科目で見るとしている要素を並べると、確かめられているのは答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性だと考えられます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
論理性第二次試験の集団討論。与えられた課題に対して意見を述べ、議論を組み立てる市の課題を一つ選び、原因と打ち手を三段で言う練習をする。結論から先に置く癖をつける
協調性と指導性同じく集団討論。6人程度のグループで、他の受験者の発言をどう受けて動くか意見が割れた場面を思い出し、自分がまとめ役だったのか支え役だったのかを言葉にしておく
表現力と文章構成力第二次試験の論文試験。文章による表現力、説得力、文章構成力を見る試験と定義されている面接カードを書く段階から、一文を短く、根拠を先に置く書き方に慣れておく
自分の言葉で述べる力第三次試験のプレゼンテーション。与えられた課題について3分程度述べる予定とされている手元の原稿を読み上げずに話せるよう、伝えたいことを三つに絞って組み立てる練習をする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

小松島市では面接カードという手がかりが面接官の側にあるため、書いた内容の細部まで問われる前提で備えておきましょう。自分の言葉で語れる実体験に根ざした答えを用意しておくことが、いちばん確かな準備になります。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する試験区分を決め、その受験案内書で段階構成と試験科目を確認する(令和8年度前期試験の上級行政なら3次試験制で、第二次試験に集団討論がある)
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. この記事の前半を読み返し、志望分野に近い小松島市の事実を2〜3個、自分の言葉で言えるようにする
  5. 面接カードを下書きし、書いた各項目について「ここを掘られたら何と返すか」を余白に書き添える
  6. 集団討論とプレゼンテーションを分けて練習する。討論は結論から述べる訓練、プレゼンは伝えたいことを三つに絞る訓練として組み立てる

優先順位に注意

ステップ4の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ5の面接カードの下書きを先に片づけてください。小松島市では面接カードが第二次試験に必要な書類で、そこに書いた内容がその後の質問の起点になります。市のことをいくら覚えても、自分の話ができなければ面接では点になりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、小松島市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

小松島市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

小松島市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度前期試験の小松島市は、SPI3で全国どこからでも入口をくぐれるようにしたうえで、第二次試験からは市内に来てもらい、面接カードと論文と集団討論、そして第三次試験で口述試験とプレゼンテーションを重ねます。

書く、話す、議論する。手を変えながら同じ人物を確かめる試験です。

県内で最も重い津波想定を負い、県内8市で最も狭い市域に3万人余りが暮らす市で、あなたはどの仕事に手を挙げるのか。

その一行を面接カードに書ければ、あとの準備は自然と定まってきます。