本記事では、韮崎市職員採用試験の面接対策で必要な、韮崎市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
韮崎市役所の面接試験では、「なぜ韮崎市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。韮崎市は求める人材を採用ページに文章で掲げており、そこで名指しされた領域が、そのまま質問の下敷きになると考えておくのが安全です。
市が言葉にしている課題と、自分がこれまでやってきたことの接点を探す。この記事はそのための材料集としてお使いください。
第1部|自治体研究編
韮崎市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは韮崎市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 採用試験のページに求める人材を文章で掲げ、人口減少・少子高齢化・大規模災害対策・DXによる業務改革を名指ししている市。
- 市域は143.69km²、人口は27,413人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は191人/km²。
- 隣り合うのは南アルプス市、北杜市、甲斐市の3市。県内の内陸部に位置する。
- 市役所本庁舎は水神一丁目にあり、海抜353.94m。
- 65歳以上の割合は32.7%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、山梨県全体の32.1%をわずかに上回る。
- 市の花はレンゲつつじ、市の木はこぶし。
- 市立病院を持ち、看護師をはじめとする医療職が市職員として採用される。
- 採用試験の見直しで教養試験・専門試験を廃止し、「職務能力試験」に切り替えている。
- 選考は第1次から第3次までの3段階。集団討議は第2次、個人面接は第3次に置かれている。
韮崎市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「韮崎市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
韮崎市の数字は、どれも県の平均像から大きくは外れません。人口は3万人弱、市域は143.69km²、高齢化の水準も県全体とほぼ並びます。だからこそ、県の値と重ねたときのわずかな差に意味が出てきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 27,413人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 143.69km² |
| 人口密度 | 191人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 65歳以上の割合 | 32.7%(山梨県全体は32.1%) |
| 75歳以上の割合 | 18.5%(山梨県全体は18.6%) |
| 隣接自治体 | 南アルプス市・北杜市・甲斐市 |
| 市役所所在地 | 韮崎市水神一丁目3番1号(本庁舎の海抜353.94m) |
| 令和6年の観光入込客数(実人数) | 293,959人(県計は31,587,960人) |
| (参考)山梨県の推計人口 | 774,332人(令和8年6月1日現在。前年同月比6,652人減) |
65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値をもとにしています。同じ統計での韮崎市の総人口は27,413人、山梨県全体は794,684人で、割合の分母にもこれらを用いています。表の下段に置いた県の推計人口は国勢調査を基準とする推計であり、住民基本台帳とは調査の考え方が異なるため、両者を同じ列で比較することはできません。総面積・隣接自治体・本庁舎の所在地と海抜は公表値をもとに整理しています。
数字から考えられる市政課題
143.69km²に27,413人という規模は、人口密度にすると191人/km²です。市が本庁舎の海抜を353.94mと公表していることからもわかるとおり、市域は標高差を抱えた土地に広がっています(参考:韮崎市の位置・面積|令和8年)。
集落の置かれた高さが違えば、冬の道路の状況も、訪問にかかる時間も変わります。同じサービスでも届けるための手間が場所ごとに違うという前提は、福祉にも教育にも共通してのしかかります。
高齢化の水準は、県全体とほぼ並ぶ位置にあります。令和8年1月1日現在の住民基本台帳で65歳以上は32.7%、75歳以上は18.5%。県全体の32.1%、18.6%と大きくは離れていません(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
県の平均像に近いということは、県全体で起きることが、そのまま市でも起きるということでもあります。
面接で高齢化に触れるときは、こんな運び方があります。
韮崎市の経済・産業
県の基幹産業という土台
山梨県の製造品出荷額等は2兆5,302億20百万円で、構成比の最上位は生産用機械器具製造業の7,915億54百万円(31.3%)です。次いで食料品製造業2,490億5百万円(9.8%)、電子部品・デバイス・電子回路製造業2,300億80百万円(9.1%)と続きます。
はん用・生産用・業務用機械、電子部品、電気機械、情報通信機械、輸送用機械からなる機械電子産業が、山梨県の基幹産業に位置づけられています(出典:山梨県の工業(経済センサス活動調査)|令和3年)。
県内の市を志望するとき、農業や観光だけを見て産業の話を組み立てると、この柱が抜け落ちます。
果樹と水の県という文脈
農業では、山梨県のぶどう(収穫量43,600t、全国の26.0%)、もも(31,500t、29.0%)、すもも(5,090t、31.0%)がいずれも収穫量全国第1位です。ミネラルウォーターの出荷額も約585億円で全国の31.3%を占めて第1位、日本ワインの製成数量は4,278kl、ワイナリー数は89場です(出典:山梨県の日本一|令和6年産ほか)。
これらは県全体の数字ですが、面接で「山梨県で働くこと」の意味を問われたときの土台になります。
観光の規模感
令和6年の韮崎市の観光入込客数(実人数)は293,959人でした。県計は31,587,960人(前年比122.7%)で、県内では富士吉田市の5,719,640人や富士河口湖町の5,155,767人が大きく、来訪者の流れは富士山側に寄っています(出典:山梨県観光入込客統計調査報告書|令和6年)。
韮崎市を志望するなら、来訪者をどう増やすかという話に無理に寄せる必要はありません。市が採用の場面で名前を挙げたのは人口減少や災害対策のほうですから、そちらに軸足を置いたほうが、市の仕事の順番に沿った話になります。
韮崎市の主な行政課題
韮崎市の場合、市自身が採用ページで課題の名前を挙げています。それを含めて、面接で使える論点を4つに整理しました。
人口減少と、県と並走する高齢化
山梨県の高齢化率は2020年の30.8%から2080年には42.5%まで上昇すると見込まれています。県は2003年に自然減、2001年に社会減へ転じており、労働力人口は2020年の約45万人から2050年には35万人を下回る見通しです(出典:山梨県人口ビジョン2.0|令和7年)。
65歳以上32.7%の韮崎市は、この県全体の推移とほぼ同じ道筋の上にいます。市が求める人材の文言で人口減少と少子高齢化を先頭に置いているのは、この位置取りの反映と読めます。
風水害と震災への備え
市は大規模災害対策を、取り組むべき領域として明示しています。県の想定も見ておきましょう。
令和5年の山梨県地震被害想定調査によれば、被害が最も大きくなるのは曽根丘陵断層帯の地震で、建物の全壊・全焼が94,102棟、死者3,843人、1週間後の避難者が207,242人。
M9クラスの南海トラフ巨大地震(東側ケース)の場合は県中西部で最大震度7が想定され、建物の全壊・全焼60,017棟、死者3,019人、1週間後の避難者140,329人とされています(出典:山梨県地震被害想定調査(概要版)|令和5年)。避難所の運営も要支援者の把握も、日常の窓口業務の延長線上にあります。
DXを活用した業務改革
DXは、市が求める人材の文言の中に自ら書き込んだ領域です。人口3万人を切る規模の市で、行政サービスの範囲を保ちながら職員数を増やさずに回していくには、事務のやり方そのものを変える必要が出てきます。
受験申込にやまなしくらしねっと電子申請サービスを用意していることも、その方向の一端です。志望動機でDXに触れるなら、流行の言葉としてではなく、市民が窓口へ足を運ぶ回数を減らすといった具体の場面に置き換えて話しましょう。
市立病院を含む組織を支える人手
韮崎市は市立病院を持ち、看護師10名程度をはじめとする医療職を、事務職と同じ採用試験案内の中で募集しています(出典:韮崎市職員採用試験案内|令和8年度)。行政(一般事務・大学卒業程度)の予定人員が5名程度であることと並べると、市役所の事務職が医療や福祉の現場とも接しながら組織全体を支える構図が見えてきます。
事務職志望であっても、市が抱える施設の広がりは押さえておきたいところです。
重点政策|市が名指しした4つの領域
以下は計画の要約ではありません。韮崎市の総合計画や当年度の予算方針は市の公式サイトで現行版が公開されていますので、志望者はそちらを一次資料として読んでください。この節で扱うのは、市が採用の場面で自ら言葉にした優先領域と、その背景にある県の見通しです。
採用ページに並んだ課題の名前
韮崎市は職員採用試験のページで、求める人材を一文で示しています。そこに並ぶのは、地域の課題、人口減少、少子高齢化問題、風水害や震災などの大規模災害対策、DXを活用した業務改革という具体的な対象です(出典:韮崎市職員採用試験について|令和8年度)。
求める資質を抽象語で示す代わりに、取り組む対象を挙げるという書き方です。志望動機を組み立てるうえで、これほど扱いやすい手がかりはありません。
県の人口見通しという背景
人口ビジョン2.0が描く将来像は具体的です。2100年までに、県内のスーパーやコンビニの数は現在の半分以下、小中学校は約3分の1、消防団員数は4割弱まで減ると試算されています。
減少のスピードが速いのは峡南地域と東部地域とされ、これらの地域では現存店舗の9割以上が閉店するという見通しも示されています。韮崎市が置かれた峡北の側はこの2地域に含まれませんが、生活関連サービスが細るという前提は県内で共通です。
市が掲げた4つの領域は、この見通しへの応答として読むと筋が通ります。
POINT|4つ全部を語ろうとしない
市が挙げた領域は4つありますが、面接で4つとも語る必要はありません。①自分の経験に一番近い領域を1つ選ぶ、②その領域で市民が困っている場面を具体的に書き出す、③市がすでに何をしているかを公式サイトで確かめる、④自分が実際に動かした経験のどこが使えるかを言葉にする。この順で1本にまとめるほうが、面接では強く残ります。
悪い例「人口減少や災害対策など、韮崎市の課題解決に幅広く貢献したいです」
改善例「大学のゼミで高齢の方の買い物調査をしたことがあります。韮崎市も高齢化の割合が県全体と同じくらいと知りましたので、まずは窓口で市民の方の困りごとを覚えたうえで、移動や買い物を支える仕事に関わっていきたいです」
あわせて確認したい公式資料
4つに同じ時間をかける必要はありません。市が出している上の3つは自分の言葉で言い直せるところまで、県の人口ビジョン2.0は先に挙げた試算の数字を手元に置いておく程度で構いません。
- 最新年度の韮崎市職員採用試験案内と、求める人材の文言が載っている採用試験のページ
- 韮崎市の総合計画と、その年度の予算に関する市の説明資料
- 韮崎市立病院の概要(医療・福祉分野に関心がある場合)
- 山梨県人口ビジョン2.0(県全体の人口の見通しを押さえるため)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、韮崎市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。韮崎市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
韮崎市役所の面接の概要
ここからは、韮崎市の3段階の選考がどんな順番で人物を見ているのかを、市が公開している試験案内と当研究会の分析から確認していきます。
韮崎市役所の試験の構成
韮崎市の職員採用試験(令和9年4月1日採用)は、第1次から第3次まで進む形で組まれています。受験区分によって面接の形式が分かれる点が特徴で、一般枠の一般事務は第2次で集団討議、第3次で個人面接という順に進みます。
| 項目 | 内容(令和8年度・令和9年4月1日採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次・第2次・第3次の3段階。ただし医療職(診療放射線技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師)は第3次試験を実施しない |
| 第1次試験 | 全職種共通で4種目。職務能力試験(択一式60分・職務を遂行する上で必要となる基礎的な知的能力と適応性)、小論文(記述式90分・主として文章による表現力、構成力、課題に対する理解力等)、性格特性検査(20分)、職場適応性検査(20分) |
| 試験内容の見直し | 教養試験・専門試験を廃止し、「職務能力試験」に変更している |
| 第2次試験 | 一般事務・土木・建築・学芸員(文化財)・保育士は集団討議による検査。一般事務・土木・建築の各社会人枠は個人面接による検査。医療職も個人面接による検査 |
| 第3次試験 | 一般事務(社会人枠含む)・土木(社会人枠含む)・建築(社会人枠含む)・学芸員(文化財)・保育士を対象に、社会性、貢献度、指導性等についての個人面接 |
| 提出書類 | 第1次試験の合格者は、第2次試験にあたり別途「自己PRシート」を提出する |
| 採用予定人員 | 行政(一般事務・大学卒業程度)5名、同【社会人枠】若干名、行政(土木・高校卒業程度)1名程度、行政(建築・大学卒業程度)1名程度、行政(学芸員〈文化財〉)1名程度、行政(保育士)1名程度ほか、医療職各区分 |
| 採用後の条件 | 行政(一般事務)は、採用後に韮崎市内に居住できる者とする(社会人枠は除く) |
| 申込方法 | 持参・郵送(申込書は市役所1階受付、市保健福祉センター、市立病院事務局で交付)と、やまなしくらしねっと電子申請サービスのいずれかを選択 |
| 結果の開示 | 不合格者本人が口頭で開示請求できる。開示内容は自身の得点及び順位、開示期間は試験結果発表から2週間、開示場所は秘書人事課 |
ここで注意したいのは、集団討議と個人面接が別の段階に置かれていることです。一般枠は集団討議を通ってから個人面接に進み、社会人枠は個人面接を2回受ける流れになります。
自分の受験区分がどちらかで、対策の重心が変わります。あわせて、第1次の合格後に自己PRシートの提出が控えている点も忘れないでください(出典:韮崎市職員採用試験案内(試験の方法)|令和8年度)。
上記は韮崎市の令和8年度(令和9年4月1日採用)職員採用試験案内にもとづく内容です。各試験種目の配点および人物試験の比重は案内に記載がなく、開示されるのも自身の得点及び順位のみです。医療職は第3次試験がないなど区分によって流れが異なりますので、事務職志望の方は自分の区分の記述だけを追ってください。また韮崎市は年度当初の試験のほかに年度途中採用の募集も随時行っています。試験の構成や職種は年度ごとに見直される可能性がありますので、出願前にその年度の案内で確認してください。
韮崎市役所が求める人物像
韮崎市は、採用試験のページで求める人材を明記しています。「挑戦意欲を持って、地域の課題や人口減少、少子高齢化問題、風水害や震災などの大規模災害対策、DXを活用した業務改革など、市民の皆さんとともにその解決に取り組む実行力を有する人材」という一文です。
目を引くのは、資質の名前ではなく取り組む対象が具体的に並んでいる点です。志望動機を組むとき、4つの領域のどれに自分が近いのかを先に決めておくだけで、話の輪郭がはっきりします。文末の「実行力」という言葉も、意欲の表明ではなく、実際に動かした結果があるかどうかを問う言葉として受け取っておくのが自然です。
市が言葉にしているのはこの一文です。ここに、選考の順番から読み取れることを重ねておきます。一般事務は第2次で集団討議を通り、第3次で個人面接に進みます。
集団の中での立ち回りを先に見たうえで、一対一で掘るという設計です。予定人員が5名程度で、市立病院を含む組織を支える市ですから、一つの案件を、相談を受ける段階から関係機関との調整、市民への説明まで通しで見ることになります。
市が言う実行力は、答えが先に見えている仕事に対して発揮されるものではないでしょう。手順の決まっていない案件を前にして、まず何に手をつけたのか。
そこを具体的に語れることが、実行力の中身として問われる可能性は小さくありません。
市が挙げた4つの領域は、どれも一人で完結する仕事ではありません。挑戦という言葉に引きずられて大きな構想を用意するより、あなたが実際に人を巻き込んで動かした場面を、4つのどれかに寄せて話すほうが噛み合います。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。韮崎市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどちらから来られましたか | 身構える前の一言に出る、話し方の自然さ |
| ② 動機・志望 | 公務員を志望した理由を教えてください | どの自治体にも当てはまる理由で止まっていないか |
| ③ 自己理解 | ご自身の長所を一つ挙げてください | 申告の内容ではなく、裏づけになる出来事があるか |
| ④ 経験・行動 | 自分から提案して物事を動かした経験はありますか | 市が掲げる実行力と直接つながる観点 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れて学んだことは何ですか | 知識の量より、仕事へのつなげ方の説明 |
| ⑥ 適性・将来 | 希望する部署に配属されなかったらどうしますか | 市の業務範囲への理解と、配属に対する構え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になった出来事はありますか | 社会の動きへの目配りと、短くまとめる力 |
ここまでは、どの自治体を受けても準備の仕方が大きくは変わらない部分です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「韮崎市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「韮崎市ならでは」の質問
いずれも韮崎市の中身を知らなければ答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。面接で扱いやすい事実に絞り、答え方の目安とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい韮崎市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 行政(一般事務・大学卒業程度)の予定人員は5名程度。市立病院を含む組織を、この規模の事務職で支えている | 制度をつくる立場と現場へ届ける立場の違いに触れたうえで、市が挙げた4領域のどれに関わりたいかまで具体化します |
| 市が掲げる求める人材 | 人口減少、少子高齢化問題、風水害や震災などの大規模災害対策、DXを活用した業務改革を名指しし、実行力を有する人材と結んでいる | 4つを並べ直すのではなく、自分の経験に近い1つを選び、そこで実際にやったことを先に話す順番にします |
| 試験制度の見直し | 教養試験・専門試験を廃止し、「職務能力試験」へ変更した | 変更そのものを論じる必要はありません。受験の間口を広げようとしている市だという前提を、志望の理由づけに生かします |
| 高齢化の水準 | 65歳以上32.7%、75歳以上18.5%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。県全体は32.1%と18.6% | 数字を挙げたあと、通院や買い物といった場面を一つ選び、そこで市が何をしているかまで調べておくと厚みが出ます |
| 韮崎市の魅力と課題 | 南アルプス市・北杜市・甲斐市と接する143.69km²の市域。令和6年の観光入込客数は293,959人 | 魅力を語ったあとに、市が公表した4領域のどれかを課題として置くと、市の問題意識と自分の見方がそろいます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
韮崎市が言葉にした「実行力」は、面接では過去の行動として確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 集団討議での立ち回り | 第2次の集団討議で、職務遂行に必要な資質と適正がどう表れるか | 案内は集団討議を第2次に置いています。結論を押し通す練習ではなく、他の人の案を拾って前へ進める練習をしておきましょう |
| 書いて考える力 | 第1次の小論文90分。文章による表現力、構成力、課題に対する理解力 | 90分は、書き出す前に構成を組む余裕がある長さです。市が挙げた4領域から1つ選び、時間を計って書いてみてください |
| 実行力の裏づけ | 第3次の個人面接で問われる社会性、貢献度、指導性 | 市が言う実行力は、意欲ではなく結果で示す種類のものです。自分が言い出して人が動いた場面を、順を追って説明できるようにしましょう |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
韮崎市では第2次に提出する自己PRシートが手元の資料として使われますから、そこに書いた内容から掘られる前提で組み立ててください。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新の試験案内で、自分が受けるのが一般枠か社会人枠かを確かめる(第2次の形式が分かれます)
- 職務能力試験の性格を案内で確かめ、択一式60分を時間を計って解いてみる
- 学業や仕事から、自分が言い出して人が動いた場面を書き出す
- 第1次合格後に提出する自己PRシートの下書きを、結果を待たずに作っておく
- 第1部の事実から、市が挙げた4領域に近いものを2つ選び、自分の言葉で説明できるようにする
- 小論文90分を1本書き上げ、集団討議と個人面接の両方を想定して声に出す
優先順位に注意
市の事実を押さえるステップ5は、他の受験生と差をつけるための上乗せです。手が回らないときは、ステップ3で自分が動かした場面を書き出し、それが市のどの仕事につながるかを考える作業から先に片づけてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、韮崎市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
韮崎市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
韮崎市は、求める人材の文言の中で取り組むべき対象をはっきり名指しした市です。人口減少、少子高齢化、災害対策、DX。
面接の場でこの言葉をなぞる必要はありませんが、自分が話す内容がそのどこに触れているかは意識しておいて損はありません。第2次の集団討議で人の中に立ち、第3次の個人面接で一対一の問いに答える。
二つの場面を通して確かめられるのは、あなたが実際に何を動かしてきたかです。書き出した経験の数だけ、当日に選べる引き出しが増えます。