本記事では、南魚沼市職員採用試験の面接対策で必要な、南魚沼市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
南魚沼市役所の面接試験では、「なぜ南魚沼市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。
南魚沼市の採用試験は、職種によっては第2次試験でグループ討議と個別面接の両方が課されます。
一人で語る準備と、他の受験者と議論する準備の両方が要ると考えておきましょう。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と南魚沼市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
南魚沼市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは南魚沼市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 新潟県の南東部にあり、群馬県との県境をまたぐ位置にある市。隣接するのは魚沼市、十日町市、湯沢町と、群馬県のみなかみ町の4自治体。
- 人口は51,603人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。新潟県内20市のなかでは9番目の規模で、市役所は六日町に置かれている。
- 市域は584.55km²で県内20市の9番目。人口密度は88.3人/km²と、市街地と農地と山地が同じ市域に収まっている。
- 豪雪地帯対策特別措置法上、市域に例外なく特別豪雪地帯の指定がかかっている。全域が指定された市町村は、新潟県内に11ある。
- 65歳以上の割合は35.7%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。県内20市のなかでは13番目で、雪国のなかでは高齢化が急な側ではない。
- 75歳以上の割合は19.6%で、県内20市では16番目。後期高齢者の厚みという点では、まだ余力を残している。
- 消防は南魚沼市消防本部が担い、管内は南魚沼市と湯沢町。平成28年の糸魚川市駅北大火では、新潟県の広域消防応援として県内17本部の一つとして出動した。
- 市の花はカタクリ、市の木はコブシ。市名のとおり、隣接する魚沼市とは別の自治体であり、採用試験の枠組みもそれぞれ独自に組まれている。
南魚沼市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「南魚沼市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
南魚沼市の数字を読むときは、県内の他の市と並べてみるのが近道です。ここでは人口と市域に加えて、高齢化の位置を県内20市の順位で示し、新潟県全体の値を横に置きました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 51,603人(令和8年1月1日現在・住民基本台帳/県内20市で9番目) |
| 総面積 | 584.55km²(県内20市で9番目) |
| 人口密度 | 88.3人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 高齢化率 | 35.7%(65歳以上18,437人・県内20市で13番目) |
| 75歳以上の割合 | 19.6%(10,132人・県内20市で16番目) |
| 位置づけ | 新潟県南東部。群馬県と県境を接する |
| 隣接自治体 | 魚沼市、十日町市、湯沢町、群馬県みなかみ町 |
| 市役所所在地 | 〒949-6696 新潟県南魚沼市六日町180-1 |
| 市の花・市の木 | カタクリ・コブシ |
| 消防の管轄 | 南魚沼市消防本部(管内は南魚沼市・湯沢町) |
| (参考)新潟県の総人口 | 2,071,066人(令和7年10月1日現在の推計人口) |
| (参考)新潟県の高齢化率 | 34.6%(令和7年10月1日現在。全国は29.4%) |
南魚沼市の人口・高齢化率・75歳以上の割合と県内順位は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)をもとに当研究会が集計したものです。面積・隣接自治体・市役所所在地・市の花木は、公表値をもとに整理した自治体データベースによります。人口密度は、この住民基本台帳の総人口を総面積で割って算出しました。新潟県の総人口・高齢化率は令和2年国勢調査を基準とする推計人口(令和7年10月1日現在)です。市の値と県の値は集計の基礎が異なりますので、そのまま引き算するのではなく、傾向の違いを読む材料として使ってください。
数字から考えられる市政課題
南魚沼市の高齢化率35.7%は、新潟県全体の34.6%と近い水準にあり、県内20市では13番目です。
同じ豪雪地帯の市と比べても、高齢化が最も進んだ側ではありません。
75歳以上の割合19.6%は県内20市で16番目で、後期高齢者の厚みという点ではまだ余裕があります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
ただし、この位置は永続するものではありません。新潟県全体では2024年の合計特殊出生率が1.14、社会動態は4,548人の転出超過で、最も多いのは20歳から24歳の層です。
今まだ余力があるうちに手を打てるかどうかが、南魚沼市の10年後を分けるという読み方が、この数字からできる最も実用的な解釈です。
面積584.55km²に51,603人という配置は、雪の季節にはそのまま除雪と移動の負担になります(参考:新潟県の高齢者の現況|令和7年10月1日現在)。
南魚沼市の経済・産業
市の経済を語るための土台
南魚沼市について公表されている市単独の経済統計は限られます。新潟県が公表する市町村別の工業統計では、製造品出荷額等の上位10市町にも、製造業の事業所数の上位にも南魚沼市の名前は挙がっていません。
つまり、工場の集積が経済の中心にある市ではないということです。
584.55km²という広い市域に51,603人が暮らし、そこに農地と山地が広がるという土地の条件が、そのまま産業の姿につながっています。
この輪郭を先に持っておくと、産業や雇用の質問で借り物の言葉を並べずに済みます。
県の柱がどこにあるか
市の統計で埋まらない部分は、県全体の姿から補います。新潟県の製造品出荷額等は全製造業合計で41,797億円(令和2年実績)、そのうち食料品等が8,325億円で構成比19.9%の第1位です。米菓は出荷額が全国一、水産練り製品は生産量と製造品出荷額のいずれも全国1位という位置にあります。県の産業の重心が食のものづくりにあるという事実は、地元の農産物をどこまで市内で価値に変えられるかという問いにつながります(出典:新潟県 食品産業のすがた)。
交流人口という切り口
令和5年の新潟県の観光入込客数は62,401千人で、前年比12.8%増と約1割増えましたが、令和元年と比べるとまだ9割ほどの水準です。分類別では都市型観光が34.6%で最多、次いでスポーツ・レクリエーションが18.3%、歴史・文化13.0%、温泉・健康10.7%と続きます。
南魚沼市は都市型観光の受け皿ではありませんが、スポーツ・レクリエーションと温泉・健康を合わせると県全体の約3割にあたります。
雪と山を持つ市にとって、この2分類の厚みは意味のある数字です。
交流人口の話をするなら、来訪者の数ではなく、来た人が市とどう関わるかまで踏み込みましょう(出典:新潟県観光入込客統計|令和5年)。
南魚沼市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、南魚沼市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
まだ余力があるうちの人口対策
新潟県の人口は1998年1月の約249.4万人をピークに減少へ転じ、2024年には約209.9万人になりました。2024年の出生数は9,941人で、1950年には7万2千人を超えていたことを思えば、7分の1近くまで減った計算です。社会動態も4,548人の転出超過で、20歳から24歳、15歳から19歳、25歳から29歳の順に多くなっています。県は、進学・就職を契機とする若者の県外流出により人口減少局面が続くことは避けられないという認識を示しています。南魚沼市の高齢化率が県内20市で13番目にとどまっているのは幸運ではなく、打てる手がまだ残っているという意味だと捉えるのが実際的です(出典:新潟県人口ビジョン)。
市域の全部が特別豪雪地帯という条件
南魚沼市は、市域の全部が特別豪雪地帯に指定されている11市町村の一つです。新潟県内の特別豪雪地帯は18市町村(14市3町1村)ですが、そのなかには一部の地域だけが指定されている市もあります。
南魚沼市はそうではなく、どこに住んでいても同じ条件がかかります。
雪は毎年必ず来ることが分かっている災害であり、そのぶん備えの巧拙が住民の暮らしにそのまま表れます。
除雪路線の優先順位、雪下ろしの担い手、雪の日の通学路。584.55km²を限られた人手で回すという条件は、市役所のどの部署にいても意識することになります(出典:豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定状況|令和8年4月1日現在)。
地震への備えを、県の想定から逆算する
新潟県の地震被害想定調査は、内陸6地震と海域3地震の計9地震を想定し、最大の被害をもたらすのは長岡平野西縁断層帯の地震(マグニチュード7.50)としています。
県全体の想定は、死者7,920人(冬・深夜強風時のシーン)、全壊171,244棟、避難者471,386人です。
平成16年の中越大震災では県内で死者68人、全壊3,175棟という被害が実際に発生しており、想定は机上の話ではありません。
雪の季節に地震が起きればどうなるかという問いは、この地域では現実の設計課題です(出典:新潟県地震被害想定調査)。
担い手をどう確保するか
南魚沼市の採用試験を見ると、職種ごとの採用予定人員はおおむね1名から2名程度です。そのうえで市は、民間企業等経験者枠と公務員経験者枠を設け、さらに一度内定を辞退した人が第1次試験を免除されて受験できるカムバック採用枠まで用意しています。
人を選ぶというより、来てもらう入口を増やしている設計です。消防も市が自前で持ち、南魚沼市と湯沢町を管内としています。
人口が減っていく地域で、行政サービスの担い手をどう確保し続けるかは、市そのものの持続に関わる課題です。
南魚沼市の重点政策|採用の設計と新潟県の見通し
南魚沼市が公表している総合計画や施策の体系は、市公式サイトの最新版で確認するのが確実です。ここでは、確実に確認できる二つの材料から市の方向性を読み解きます。ひとつは市自身が組んだ採用の仕組み、もうひとつは市を取り巻く新潟県の人口と財政の見通しです。
採用の設計から読み取れること
令和8年度の職員採用試験(令和9年4月採用・後期試験)の案内には、市の姿勢が具体的な形で表れています。
第1次試験のSPI3-Hはテストセンター方式とマークシート方式のどちらかを選んで受験でき、申込は専用サイトでのプロフィール登録によって行われます。しかもその案内には、登録内容が第2次試験で使われる旨が明記されています。
受験しやすさを広げつつ、選考の中身は人物に寄せるという組み立てです。
経験者枠とカムバック採用枠が並んでいることも、同じ方向を向いています。
県の見通しという外枠
新潟県人口ビジョンは、2050年に合計特殊出生率2.07と社会動態の均衡が実現した場合、2100年ごろに人口が100万人程度で安定するという将来推計を示しています。
財政面では、県の令和7年度当初予算は一般会計1兆2,635億円で前年度から1.8%の減、令和5年度決算の実質公債費比率は18.4%で、県債の発行に国の許可が必要な起債許可団体にあたります(出典:新潟県の健全化判断比率|令和5年度決算)。
県の財布に余裕がないという事実は、市の事業の組み立て方にも影響します。
| 確認できる材料 | 南魚沼市の論点としてどう読むか |
|---|---|
| 職種ごとの採用予定人員は1名から2名程度 | 一人が担う守備範囲が広いということ。配属先を限定した志望ではなく、幅を受け入れる姿勢が伝わる話し方が要ります |
| 経験者枠とカムバック採用枠を設けている | 市の外で働いた経験を歓迎する構えがあります。学生でも、市外での経験をどう持ち込むかは語る価値があります |
| 県は20代前半を中心に転出超過が続く | 若い世代に選ばれ続けるための施策が、あらゆる部署の課題に接続します |
| 県は起債許可団体で財政に余裕がない | 新しい事業を足す提案より、今ある事業をどう組み替えるかという発想が求められます |
面接では、自分の取り組みたい仕事がこの4つのどこに接するのかを一言添えられるだけで、市の置かれた状況を踏まえた志望だと伝わります。
POINT|計画名を覚えることが目的ではない
資料に載っている名称を再現できても、それだけでは面接の評価につながりません。関心のある分野を一つか二つに絞り、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③今どんな取組があるか → ④市だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験をどう生かすか」の順で調べていきましょう。
悪い例「南魚沼市の魅力を発信する仕事がしたいです」
改善例「まずは配属された部署の仕事を一通り覚えたいです。そのうえで、県全体では20代前半の転出が一番多いと聞きましたので、進学で市を出た人が戻ってくる時に相談できる窓口づくりに関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、要点を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
- 受験する回次の南魚沼市職員採用試験案内(南魚沼市は年度内に前期・後期の試験を実施しており、構成が異なる可能性があります)
- 南魚沼市の総合計画と最新年度の予算資料(市公式サイトの最新版)
- 市の地域防災計画・雪に関する取組の資料(除雪や克雪を調べるとき)
- 新潟県人口ビジョン、新潟県地震被害想定調査(市を取り巻く条件を確かめるとき)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、南魚沼市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。南魚沼市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
南魚沼市役所の面接の概要
ここからは、南魚沼市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
南魚沼市役所の面接の流れ
令和8年度職員採用試験(令和9年4月採用・後期試験)を例にとると、試験は第1次試験と第2次試験の2段階です。注目したいのは第2次試験の中身が職種で分かれている点で、一般事務Aと消防士、経験者枠の一般行政はグループ討議と個別面接の両方が課され、2日間の予定が組まれています。それ以外の職種は個別面接のみで1日間の予定です。
| 項目 | 内容(令和8年度・令和9年4月採用・後期試験) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験 → 第2次試験の2段階 |
| 第1次試験 | SPI3-Hの基礎能力検査と性格検査。基礎能力検査の出題分野は言語的理解力、数量処理能力、論理的思考力 |
| 受験方式 | テストセンター方式かマークシート方式のどちらかを選択。テストセンター方式でも前回結果の送信は認められません |
| 第2次試験(グループ討議あり) | 一般事務A、消防士、一般行政(民間企業等経験者枠・公務員経験者枠)はグループ討議及び個別面接試験(2日間を予定) |
| 第2次試験(個別面接のみ) | 上記以外の職種は個別面接試験(1日間を予定) |
| 配点・人物試験の比重 | 試験案内に記載がなく非公表 |
| 申込と提出情報 | 市の採用専用サイトで利用者登録を行い、基本情報・自己PR・学歴・職歴・資格等をプロフィールとして登録してエントリー。案内には、この登録内容が第2次試験で使用される旨が明記されています |
| 第1次試験の免除 | カムバック採用枠は第1次試験を免除。令和5年度から令和7年度までの南魚沼市職員採用試験で内定後に辞退した人も、第1次試験が免除されます |
| 結果の開示 | 第1次不合格者は総合得点及び順位、第2次不合格者は面接試験得点及び順位。請求できるのは各試験の合格発表日から1か月間(電話等による請求は不可) |
この設計から読み取れることは2つあります。1つは、筆記がSPI3のみで論文や教養試験がなく、選考の重心が第2次試験に置かれていること。もう1つは、申込時に登録したプロフィールがそのまま面接の資料になるということです。自己PRの欄に書いた一文が、面接で最初に掘られる入口になります。書いた内容と当日話す内容がずれないよう、登録前に自己分析を済ませておきましょう。
上記の試験構成は、令和8年度南魚沼市職員採用試験(令和9年4月採用・後期試験)の試験案内にもとづくものです。配点や人物試験の比重は公表されていません。また、南魚沼市は同一年度に前期の採用試験も実施しており、回次によって職種や試験構成が異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が受ける回次の最新の受験案内をご確認ください(出典:南魚沼市職員採用試験案内|令和8年度・後期試験)。
南魚沼市役所が求める人物像
確認した南魚沼市の令和8年度職員採用試験案内(後期試験)と市公式サイトの採用情報のページには、「求める職員像」として項目立てされた記載は見当たりませんでした。
そこで手がかりになるのが、市が組んだ試験そのものの形です。
案内から確実に言えるのは、市が第2次試験に多くの時間を割いていること、職種によってはグループ討議を課していること、そして申込時のプロフィールを面接資料として使うと明言していることです。
グループ討議が課されるということは、初対面の相手と議論を前に進められるかを直接確かめたいということです。自分の意見の正しさを主張しきる場ではなく、他の人の発言を受けて話をまとめていく場だと理解しておきましょう。プロフィールを面接資料に使うという運用も、当日その場で作った答えではなく、書いたことと話すことが一貫しているかを見る仕組みだと読めます。
ここからは市の公表内容を離れ、当研究会の見立てになります。南魚沼市の職種別の採用予定人員は、おおむね1名から2名程度です。同期が何十人もいる組織とは違い、配属先ではその年の新人が自分ひとりという場面も出てきます。そのうえ市は、民間企業等経験者枠や公務員経験者枠、カムバック採用枠まで用意しています。年齢も職歴もばらばらの人が同じ課に並ぶ職場になりやすい、ということです。教えてくれる先輩が民間出身ということもあれば、年下の職員が前任者ということもあります。相手の背景に合わせて話を通せる感覚は、この構成の職場では重宝されやすいと考えられます。
第2次試験にグループ討議を置く職種があることも、この見立てと重なります。市の仕事の多くは、一人で結論を出すのではなく、関係する課や団体と話しながら形を決めていくものです。
討議で見られているのは発言の量ではなく、議論が止まったときに前へ進める一言を出せるかどうかだと考えておくとよいでしょう。
市外から受ける場合も、出身地の差が決め手になることはありません。南魚沼市の何に関心があり、そこで暮らす一人としてどう関わるつもりかを具体的に話せれば十分です。
申込時に登録する自己PRも、面接で掘られる前提で、自分がやってきたことの中身がそのまま伝わる言葉を選んでおきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。南魚沼市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 会場までの道は分かりましたか? | 張り詰めていない場面での話しぶり。肩の力が抜けているときの表情や間の取り方 |
| ② 動機・志望 | 民間企業ではなく公務員を選んだ理由を教えてください | 民間企業でもできる話に収まっていないか。その仕事を選ぶまでの筋道が本人の経験から出てきているか |
| ③ 自己理解 | 周囲からはどんな人だと言われますか? | 自分の見え方を客観的につかめているか。他者の評価と自己認識のずれをどう説明するか |
| ④ 経験・行動 | チームで何かをやり遂げた経験を教えてください | 成果の大きさではなく、その中で自分がどんな役割を引き受け、どう動いたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学校生活で一番時間をかけたことは何ですか? | 取り組みの中身を、知らない相手にも分かる言葉で説明できるか |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたらどうしますか? | 市の仕事の幅への理解と、置かれた場所で力を出す構え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近の出来事で関心を持ったことはありますか? | 社会への関心の持ち方と、自分の考えを短く述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは南魚沼市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。では、どこで差がつくのか。それが次の「南魚沼市ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「南魚沼市役所ならでは」の質問
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。グループ討議でも、市の実情を一つ知っているかどうかで議論への入り方が変わります。こうした質問に答えるための「南魚沼市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい南魚沼市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口と高齢化の位置 | 人口51,603人で県内20市の9番目。高齢化率35.7%は13番目、75歳以上の割合19.6%は16番目(令和8年1月1日現在) | 「高齢化が課題です」と一般論で言わず、県内では真ん中あたりという位置を示したうえで、余力のあるうちに何をするかへ話を進めます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 職種ごとの採用予定人員は1名から2名程度。消防も市が自前で持ち、南魚沼市と湯沢町を管内としている | 制度の説明に寄せず、住民の相談と、それに応える仕組みづくりの両方に同じ職場で関われる点を挙げると、南魚沼市を選ぶ理由として通ります |
| 雪という条件 | 市の全域が特別豪雪地帯。新潟県内の特別豪雪地帯18市町村のうち、市域の全部が指定されているのは11市町村 | 雪を苦労として語るのではなく、毎年必ず来ると分かっている以上、備えを積み重ねられるという前向きな面から入ります |
| 市の採用の考え方 | 民間企業等経験者枠・公務員経験者枠に加え、内定辞退者も対象とするカムバック採用枠を設けている | 市が入口を広げていることに触れ、自分が持ち込める外の経験や視点を具体的に一つ挙げます |
| 近隣との関係 | 隣接するのは魚沼市、十日町市、湯沢町、群馬県みなかみ町。消防の管内は南魚沼市と湯沢町 | 県境をまたぐ位置にあること、消防を近隣と共有していることに触れ、単独で完結しない仕事があるという理解を示します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。関心の近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。南魚沼市の場合は職種によってグループ討議が加わりますので、自分の話をする力に加えて、議論を先へ動かす力も見られることになります。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 議論を前に進める力 | グループ討議で、他の人の意見を受けてどう整理し、どこで発言するかを見られます | 結論を出す役よりも、話がかみ合っていない箇所を言い直す役を意識して練習しておく |
| 書いたことと話すことの一貫性 | 申込時に登録したプロフィールの記載から、そのまま掘り下げられます | 自己PR欄に書く一文を、面接で3分話せるだけの中身があるものに絞っておく |
| 幅のある仕事を引き受ける構え | 希望と違う配属や、経験のない業務への向き合い方を問われます | 採用予定人員が各1名から2名という規模を踏まえ、未経験のことを自分で調べて進めた経験を用意する |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 受験する回次の南魚沼市職員採用試験案内を入手し、職種ごとの第2次試験の中身(グループ討議の有無)を確認する
- これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、関心の近い事実を2つか3つ、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 申込サイトのプロフィールを、面接で掘られる前提で書き上げてから登録し、声に出して説明する練習をする
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、南魚沼市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
南魚沼市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
南魚沼市の選考は、筆記がSPI3のみで、重心は第2次試験に置かれています。職種によってはグループ討議と個別面接が2日間にわたって行われ、申込時に自分で書いたプロフィールがその場の資料になります。
つまり、準備の中心は、書いたことを自分の口で語り直せる状態をつくることです。
県内20市のなかではまだ高齢化が急ではないこの市で、余力の残る今のうちに何を積んでおきたいのか。
そこを自分の言葉で言い切れるようになるまで、書いては話すことをくり返してみてください。