本記事では、五泉市職員採用試験の面接対策で必要な、五泉市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

五泉市役所の面接試験では、「なぜ五泉市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。五泉市の第2次試験は受験案内に「集団面接」と明記されており、他の受験者と同じ場で答える前提で準備を組み立てる必要があります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と五泉市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

五泉市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは五泉市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 総合計画の将来像に「ずっと五泉。~次の一歩を、ともに未来へ~」を掲げている市。第2次五泉市総合計画の基本構想は平成29年度から令和8年度までの10年間を対象としている。
  • 人口は44,706人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市域は351.91平方キロメートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり120人台。
  • 高齢化率は38.1%、75歳以上は市民の22.4%。新潟県全体の34.2%・19.8%(同じ調査による値)をいずれも上回る。
  • 隣接する自治体は新潟市・阿賀野市・三条市・加茂市と東蒲原郡阿賀町・南蒲原郡田上町の6団体に及ぶ。
  • まちづくりのテーマとして「五つの泉~五つの泉わき出す 愛せるまち~」を掲げ、5つの基本政策で施策を体系化している。
  • 市の花はボタン、市の木はサクラ。市役所は五泉市太田に置かれている。
  • 市が単独で消防本部を置いている。平成28年の糸魚川市駅北大火の際には、新潟県内17本部による広域応援の一つとして五泉市消防本部も出動した。
  • 旧村松町の区域が国の特別豪雪地帯に指定され、それ以外の区域も豪雪地帯に指定されている。

五泉市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「五泉市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

五泉市を語るときは、人口4万4千人台という規模に、市域350平方キロメートル超と高齢化率4割近くという2つの条件を重ねてみてください。市役所の仕事の重心がどこにあるのかが見えてきます。

項目内容
総人口44,706人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口17,011人(高齢化率38.1%)
うち75歳以上人口10,002人(総人口の22.4%)
(参考)新潟県全体2,083,103人/高齢化率34.2%/75歳以上19.8%(同じ調査による値)
総面積351.91km²
人口密度127人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体新潟市・阿賀野市・三条市・加茂市・東蒲原郡阿賀町・南蒲原郡田上町
市の花・木ボタン/サクラ

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口と新潟県全体の値は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値で、市と県を同じ調査でそろえています。面積・隣接する自治体・市の花と木は、2026年5月1日時点で公表されていた内容を当研究会が整理したものです。人口密度は、この住民基本台帳人口を総面積で割って算出しました。本文で触れる県の推計人口による高齢化率は国勢調査を基準とした別系統の数値で、上記の値とは調査の基準が異なります。

数字から考えられる市政課題

五泉市の高齢化率38.1%は、新潟県全体の34.2%を4ポイント近く上回ります(いずれも住民基本台帳による令和8年1月1日現在の値)。

さらに重いのが75歳以上の比率で、市民のおよそ4.5人に1人が75歳以上という構成です。

この年齢層では、通院や買い物といった日常の移動そのものが課題になりやすく、市の仕事の多くが「どうやって届けるか」という問いに変わっていきます。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

そこに市域の広さが重なります。351.91平方キロメートルに44,706人ですから、1平方キロメートルあたりの人口密度は120人台。

市街地から離れた地域ほど、行政サービスを届けるための移動時間と人手がかかります。

しかも旧村松町の区域は特別豪雪地帯です。冬になれば、その距離がさらに遠くなる。

面接で市の現状を問われたときは、次のような組み立てが使えます。

「五泉市は人口が4万5千人ほどですが、市の面積は350平方キロメートルを超えていて、4人から5人に1人が75歳以上と聞きました。市役所に来ていただくのを待つだけではなく、こちらから出向いて支える仕組みが必要なのではと感じています」

五泉市の経済・産業

新潟県の産業地図のなかで

新潟県の製造業をみると、製造品出荷額等の合計41,797億円のうち食料品等が8,325億円(構成比19.9%)で第1位、次いで化学5,451億円、金属製品4,560億円と続きます(令和2年実績)。

県は米菓の出荷額が日本一で、水産練り製品も平成24年から生産量・製造品出荷額ともに全国1位です。

食にまつわる産業が県経済の第一の柱になっているという構図は、県内どの市を志望する場合でも押さえておきたい前提です。

五泉市自身の産業の数値は、市が公表する統計や商工関係のページで確認するのが確実ですので、志望動機に使うなら市公式サイトを直接見ておきましょう。(出典:新潟県 食品産業のすがた)

観光と、人が動く理由

令和5年の新潟県の観光入込客数は62,401千人で、前年より12.8%増えました。ただしコロナ前の令和元年と比べると約9割の水準です。

分類別にみると都市型観光が34.6%で最多、次いでスポーツ・レクリエーション18.3%、歴史・文化13.0%、温泉・健康10.7%、自然5.9%と続きます。五泉市は市の花にボタンを掲げており、季節に人が訪れる理由を持つ市です。

観光を語るなら、来訪者の数を挙げるだけでなく、その人たちの消費や滞在をどう地域に残すかという視点まで踏み込みましょう。(出典:新潟県の観光入込客数の状況|令和5年)

市域の広さが決める暮らしの形

五泉市の面積351.91平方キロメートルは、隣接する加茂市(133.72平方キロメートル)のおよそ2.6倍にあたります。

人口は加茂市の2倍弱ですから、同じだけの住民がより広い土地に散らばって暮らしている市だといえます。

この条件は経済の話にも直結します。買い物や通院の場が近くにあるかどうかで暮らしの負担が変わり、地域の商店やサービスが残るかどうかが生活の質を左右する。

市の産業政策が、雇用の話であると同時に生活基盤の話でもあるという点は、志望動機を組み立てるときの土台になります。

五泉市の主な行政課題

ここまでの条件をつなぐと、五泉市役所が現に抱えている論点が見えてきます。面接で市の課題を問われたときのために、次の5つを手元に置いておきましょう。

75歳以上が2割を超える人口構成

五泉市の75歳以上人口は10,002人で、市民の22.4%にあたります(令和8年1月1日現在)。

新潟県全体の19.8%と同じ調査でそろえて比べても2.6ポイント上回る水準です。

介護・医療・見守りの需要は、これから増えるものではなく、すでに発生している量として捉える必要があります。

福祉分野を志望するなら、制度名を並べるより、限られた人手のなかで誰に先に手を届けるかという判断の話ができると強いでしょう。

雪に強いまちづくり

新潟県内の30市町村は、すべてが豪雪地帯の指定を受けています。

五泉市は旧村松町の区域が特別豪雪地帯、それ以外の区域が豪雪地帯という構成です。第2次五泉市総合計画でも、基本政策「安心の泉」のなかに「雪に強いまちづくりの推進」が施策として位置づけられており、雪への対応が市の計画に明記された継続課題であることがわかります。

市域が広く、高齢の世帯が多いという条件と重ねると、除排雪は土木の仕事にとどまらないことが見えてきます。(出典:豪雪地帯及び特別豪雪地帯指定地域一覧|令和8年4月1日現在)

消防・救急を市単独で担う体制

五泉市は消防本部を市が単独で設置しています。

平成28年12月の糸魚川市駅北大火では、新潟県内17の消防本部が広域応援に出動し、五泉市消防本部もその一つとして現場に入りました。総合計画の「安心の泉」にも「消防・救急・救助体制の強化」が施策として掲げられています。

人口4万4千人台の市が自前で消防を持つということは、その体制を維持する費用と人員を市が抱え続けるということでもあります。(参考:糸魚川市駅北大火記録(概要版)|平成29年1月20日現在)

地震と豪雨への備え

新潟県は、内陸6地震と海域3地震について被害想定を行っています。

最大の被害をもたらすとされるのは長岡平野西縁断層帯の地震(マグニチュード7.50)で、冬・深夜・強風時のシーンで死者7,920人、全壊171,244棟、避難者471,386人という想定です。前回調査(1995年から1997年に実施)と比べ人的被害は約6.40倍にのぼります。

県内では平成16年7月の新潟・福島豪雨で6河川11箇所が破堤し、死者15人という被害も出ました。総合計画が「防災意識の高揚と防災施設整備の推進」を掲げているのは、こうした前提があるからです。(出典:新潟県地震被害想定調査の結果)

担い手をどう確保するか

新潟県の人口ビジョンによれば、県の合計特殊出生率は2024年に1.14まで低下し、出生数は9,941人。社会動態では4,548人の転出超過となっており、抜けていく世代は20歳から24歳が最も多くなっています。

五泉市もこの流れの外にはおらず、市役所自身にとっても人材の確保が課題になります。

令和8年度の採用試験から、従来の教養試験(120分)を特別な対策が不要な職務能力試験(60分)に切り替え、マイナポータルからの応募も可能にしたのは、受験の入口を広げようとする具体的な動きと読めます。(出典:新潟県人口ビジョン)

五泉市の重点政策|第2次五泉市総合計画

五泉市のまちづくりの最上位に置かれているのが第2次五泉市総合計画です。

掲げられている将来像は「ずっと五泉。~次の一歩を、ともに未来へ~」で、市民の誰もが安全・安心な環境で潤いや安らぎを感じながら「ずっと」幸せに暮らし続けられるまちをめざすとともに、市民と一体となってさらに歩みを進める姿勢を表したものだと説明されています。(出典:第2次五泉市総合計画 後期基本計画(概要版))

計画を貫く考え方

この計画の骨格は、まちづくりのテーマ「五つの泉~五つの泉わき出す 愛せるまち~」に表れています。

「いきいき」「安心」「ふれあい」「活気」「快適」という5つの視点をそれぞれ基本政策として継承し、分野を超えて横断的に施策を進める構成です。

「いきいきの泉」は笑顔あふれるいきいきのまち、「安心の泉」は信頼あふれる安心のまちをめざす姿として示されています。

項目内容
計画の名称第2次五泉市総合計画
将来像ずっと五泉。~次の一歩を、ともに未来へ~
まちづくりのテーマ五つの泉~五つの泉わき出す 愛せるまち~
基本政策いきいきの泉/安心の泉/ふれあいの泉/活気の泉/快適の泉。これらを「協働と信頼による自立したまち」が支える構成
施策の体系基本政策(5+1)・政策17・施策50
基本構想の期間平成29(2017)年度から令和8(2026)年度までの10年間
後期基本計画の期間令和4(2022)年度から令和8(2026)年度までの5年間(実施計画は3年間・ローリング方式で毎年度見直し)

面接では、自分の取り組みたい仕事が5つの泉のどれに位置づくのかを一言添えられるだけで、市の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

あわせて意識しておきたいのが計画の期間です。基本構想も後期基本計画も令和8年度までを対象としており、市はまちづくりの節目にあたる時期を迎えています。

「安心の泉」が具体化しているもの

5つの基本政策のうち、公表されている施策の中身が最も具体的に見えるのが「安心の泉」です。政策「非常時に充分な対応ができるまちづくり」には、施策として「防災意識の高揚と防災施設整備の推進」と「消防・救急・救助体制の強化」が置かれています。

もう一つの政策「安全な生活環境を守るまちづくり」には、「雪に強いまちづくりの推進」「交通安全と防犯の推進」「安全・安心な水の供給」が並びます。防災・消防・雪・水という並びは、市域が広く冬に雪が積もる五泉市の条件をそのまま映したものです。

POINT|5つの泉を全部覚える必要はない

基本政策の名前をすべて言えても、面接の評価はあまり動きません。関心のある泉を1つ選び、「①五泉市の何が課題か → ②計画はどんな状態をめざしているか → ③市だから担える部分はどこか → ④自分の経験のどこが使えるか」の順に、一続きの話にしておきましょう。

悪い例「安心の泉に関わる仕事がしたいです」

改善例「五泉市は市域が広くて、冬は雪も積もると聞きました。総合計画にも雪に強いまちづくりが入っていますので、除雪の情報が高齢の方にもきちんと届くような、伝え方の工夫に関わってみたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 五泉市職員採用試験の受験案内(最新のもの。前期・後期で募集職種が異なります)
  • 第2次五泉市総合計画(後期基本計画の概要版から読むのが効率的です)
  • 五泉市公式サイトの予算・地域防災計画・除雪に関するページ
  • 新潟県人口ビジョン(県全体の人口と若者の流出の状況)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、五泉市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。五泉市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

五泉市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

五泉市役所の面接の概要

ここからは、五泉市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

五泉市役所の面接の流れ

令和8年度の五泉市職員採用試験(令和9年4月採用)は、第1次試験と第2次試験の2段階です。

ここで押さえておきたいのは、面接の機会が第2次試験の1回だけで、その内容が受験案内に「集団面接」と明記されている点です。

段階が少ないぶん、一度の面接で伝えきる設計になっています。

項目内容(令和8年度・令和9年4月採用)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験の2段階
第1次試験職務能力試験(択一式60分)、職務適応性検査(択一式20分)、作文試験(課題は当日指定・600字以内)
職務能力試験の内容論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等を確認するための基礎的な問題
職務適応性検査の内容公的部門の職員としての職務への適応性を確認する検査
第2次試験面接試験(受験案内には内容として「集団面接」と記載)
募集の回次令和8年度は前期試験と後期試験の2回。前期試験の受験者は後期試験を受験できません
提出書類受験申込書・受験票(写真貼付)と履歴書(写真貼付)
申込方法持参・郵送・電子申請(マイナポータル)の3通り
配点公表されていません

この構成から読み取れることが2つあります。

1つは、令和8年度から第1次試験の中身が変わったことです。従来の教養試験(120分)が、特別な対策が不要とされる職務能力試験(60分)に切り替わりました。

過年度の情報をもとに教養科目を詰め込む対策は、前提から見直す必要があります。

もう1つは、第1次試験に作文が含まれること。課題は当日指定で600字以内ですから、書きためた原稿を再生する試験ではありません。

日ごろから、市の課題について自分の考えを短くまとめる練習が効いてきます。(出典:五泉市職員採用試験受験案内|令和8年度)

上記の試験構成は、五泉市の令和8年度職員採用試験(令和9年4月採用)の受験案内にもとづくものです。第2次試験の面接は受験案内に「集団面接」と記載されており、個別面接や集団討論、グループワークについての記載はありません。前期試験と後期試験では募集職種と採用予定人数が異なります。試験の構成・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、必ずご自身が受ける回の最新の試験情報をご確認ください。

五泉市役所が求める人物像

五泉市の受験案内を通して読んでも、「求める人物像」を一枚にまとめた項目は出てきません。

そのかわり、市がめざす姿は総合計画にはっきり書かれています。

将来像「ずっと五泉。~次の一歩を、ともに未来へ~」と、まちづくりのテーマ「五つの泉~五つの泉わき出す 愛せるまち~」。

ここで注目したいのは、どちらの言葉にも市民と一体となって進めるという含みがあることです。市の説明でも、市民と一体となってさらなる歩みを進める姿勢が将来像に込められていると述べられています。

志望動機は、市民と一緒に何かを進めた経験に接続させると座りがよくなります。ここからは資料の引用を離れ、当研究会が職員数の少ない市役所の働き方から導いた見立てになります。

五泉市の前期試験の採用予定は一般事務職5名程度・保健師2名・保育教諭2名という規模で、市域は351.91平方キロメートル、市民の22.4%が75歳以上です。この条件を重ねると、市役所の仕事の多くが窓口で待つ形ではなく、地域へ出向いて人と話す形になりやすいと考えられます。

制度の説明を役所の言葉のまま伝えても伝わらない場面が多くなるはずで、相手の生活の事情に合わせて言い方を変えられることが実務上の強みになりやすいでしょう。加えて、第2次試験が集団面接であることも準備に影響します。

他の受験者と同じ場で答えるということは、話す時間が限られ、人の話を聞いている時間のほうが長くなるということです。自分の番以外の姿勢まで見られていると考えておきましょう。

自己PRは、五泉市に合わせて別の自分を用意する場ではありません。これまでの経験のうち、この市の現場で生きる部分を短く差し出せば、持ち時間の限られる集団面接でも芯は伝わります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。五泉市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までの道はすぐにわかりましたか?会場に着くまでの緊張がどうほぐれているか。最初の一言の返し方
② 動機・志望なぜ公務員という仕事を選んだのですか?公務でなければならない理由まで届いているか。動機の出どころが自分の体験にあるか
③ 自己理解周りからはどんな人だと言われますか?自己認識と他者評価のずれを引き受けられているか
④ 経験・行動集団で何かをやり遂げた経験を教えてください役割の大小ではなく、その中で自分が何を引き受けたか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて取り組んだことは何ですか?内容の派手さより、取り組み方と仕事への接続の仕方
⑥ 適性・将来採用後はどの分野の仕事に関わりたいですか?やりたい仕事を挙げるだけで終わっていないか。どの部署でも続けられる構えがあるか
⑦ 公共性・社会性最近、関心を持った出来事を1つ挙げてください身の回りの出来事に関心を向けているか。要点だけを短く言えるか

ただし、この7カテゴリーは五泉市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「五泉市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「五泉市役所ならでは」の質問

「なぜ新潟県庁ではなく、五泉市役所なのですか?」
「五泉市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

集団面接では、同じ質問が受験者に順番に振られることがあります。

前の人と同じ答えでは印象に残りませんし、市の実情を知らなければその場では作れません。

逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

五泉市の事実のうち、集団面接の短い持ち時間でも出せるものを選んで並べます。

質問テーマ知っておきたい五泉市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か人口44,706人の市が、消防本部を単独で設置し、保健師や保育教諭も自前で採用している市が自分で抱えている機能の広さを挙げ、住民の暮らしに直接届く距離で働きたいという理由に接続します。制度論の暗記に寄せないことが要点です
市の総合計画第2次五泉市総合計画。将来像は「ずっと五泉。~次の一歩を、ともに未来へ~」、テーマは「五つの泉」。基本構想の期間は令和8年度までやりたい仕事を5つの泉のどれかに位置づけて話します。計画が節目の時期にあることに触れられると、調べ方の丁寧さが伝わります
高齢化と移動高齢化率38.1%、75歳以上は22.4%。市域は351.91平方キロメートル、人口密度は127人/km²比率だけを述べず、市域の広さと組み合わせて「届け方」の課題として語ります。集団面接では一文目に結論を置くと伝わります
雪と防災旧村松町の区域が特別豪雪地帯。総合計画の「安心の泉」に「雪に強いまちづくりの推進」「消防・救急・救助体制の強化」が位置づけられている計画に書かれた施策名を手がかりに、自分が関わりたい場面を1つ具体化します。除雪を土木だけの話にしないのがポイントです
試験制度の変化令和8年度から教養試験(120分)が職務能力試験(60分)に変わり、マイナポータルからの応募も可能になった受験生としての当事者感覚を示せる材料です。市が受験の入口を広げようとしている点に触れ、応募した理由と結びつけます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、総合計画が描く市の姿に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民と一緒に進める姿勢立場の違う相手と、どう合意をつくったか総合計画の将来像に込められた「市民と一体となって」に対応する観点です。話し合いがまとまらなかった場面から、どう歩み寄ったかを話せるようにします
相手に合わせて伝える力難しい内容を、わかりやすく言い換えた経験があるか市民の22.4%が75歳以上という市です。年齢や事情の異なる相手に説明した経験を、相手の反応まで含めて用意しておきましょう
限られた時間で伝える力短い持ち時間で、要点から話し始められるか第2次試験は集団面接です。作文試験も課題当日指定の600字以内。結論を先に置く型を、話す場合と書く場合の両方で練習しておきます

なお、公務員の面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と重ねて問われることが多いです。

五泉市の第2次試験は集団面接ですから、深掘りに使える時間は限られます。長い説明ではなく、短い言葉で中身の濃さを示せるかどうか。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、前期・後期どちらの回に出願するかを決め、募集職種と申込方法(持参・郵送・電子申請)を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 作文試験に備え、市の課題について600字以内で自分の考えをまとめる練習を数本重ねる
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 集団面接を想定し、要点を先に述べる短い答え方で声に出して練習する。答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、五泉市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

五泉市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

五泉市役所の想定問答集を見る

さいごに

五泉市の試験は2段階で、面接の機会は集団面接の1回。

第1次試験には当日課題の作文もあり、限られた時間で要点を伝える力が繰り返し試される設計になっています。

総合計画の将来像は「ずっと五泉。~次の一歩を、ともに未来へ~」でした。その「ずっと」を支える側に回りたい理由を、自分の経験の言葉で短く言い切れるか。

長く話すことではなく、短く濃く話すことを目標に、練習を重ねていきましょう。