本記事では、加茂市職員採用試験の面接対策で必要な、加茂市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

加茂市役所の面接試験では、「なぜ加茂市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

加茂市は人口2万3千人台の市であり、市の規模や地域の条件を理解しているかどうかが、答えの説得力を大きく左右します。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と加茂市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

加茂市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは加茂市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 市域の全域が国の特別豪雪地帯に指定されている市。新潟県内で市域全体が指定を受けている市は、加茂市を含めて7市にとどまる。
  • 人口は23,595人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市域は133.72平方キロメートル、人口密度は1平方キロメートルあたり170人台。
  • 高齢化率は40.3%で、新潟県全体の34.2%を6ポイント以上上回る(いずれも同じ住民基本台帳による値)。
  • 隣接する自治体は新潟市・五泉市・三条市と南蒲原郡田上町の4つ。いずれも別の団体であり、職員採用試験もそれぞれの市が独自に実施している。
  • 市役所は加茂市幸町に置かれている。市の花は雪の下でも枯れないユキツバキ、市の木はスギ。
  • 職員採用では、例年の採用試験に加えて社会人経験者枠が設けられている(2026年度・2027年4月採用の案内による)。
  • 加茂市の職員採用試験の申込は、採用専用フォームを通じて受け付けられている。
  • 同名の地名が各地にあるため、統計や受験案内を調べるときは「新潟県加茂市」で限定して確認する必要がある。

加茂市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「加茂市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

加茂市の場合、覚えるべき数字は多くありません。人口2万3千人台、市域133平方キロメートル台、高齢化率4割。この3つだけで、市役所が置かれている状況はかなりの部分まで説明できます。

項目内容
総人口23,595人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口9,503人(高齢化率40.3%)
うち75歳以上人口5,511人(総人口の23.4%)
(参考)新潟県全体2,083,103人/高齢化率34.2%/75歳以上19.8%(同じ調査による値)
総面積133.72km²
人口密度176人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体新潟市・五泉市・三条市・南蒲原郡田上町
市の花・木ユキツバキ/スギ

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口と新潟県全体の値は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。市と県を同じ調査でそろえて並べています。市域の面積、隣接自治体、市の花と木は、2026年5月1日時点の公表値によるもので、整理は当研究会が行いました。人口密度は、この住民基本台帳人口を総面積で割って算出しました。なお、県が公表する推計人口による高齢化率は国勢調査を基準とした別系統の数値であり、上記の値とは調査の基準が異なります。

数字から考えられる市政課題

加茂市でまず押さえたいのは、75歳以上が市民の23.4%、つまり4人に1人近くを占めるという構成です。

新潟県全体の19.8%と同じ調査で比べても3.6ポイント高く、介護・医療・見守りの需要は今この瞬間の量として発生しています。

高齢化率40.3%という数字を「これから進む」話として語ると、実態からずれた印象になります。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

もう1つの軸が、人口の少なさと市域の広さの関係です。133.72平方キロメートルに23,595人ですから、1平方キロメートルあたりの人口密度は170人台。

しかも市域の全体が特別豪雪地帯に指定されています。

冬に道路を開け、離れた集落の高齢者世帯を気にかけ、それを2万3千人分の税収を土台に回していく。この条件が、加茂市役所の仕事の性格を決めています。

面接で市の現状を問われたら、次のような話し方ができます。

「加茂市は人口が2万3千人ほどで、75歳以上の方が4人に1人近くいらっしゃると知りました。市の全域が特別豪雪地帯ですので、冬の除雪と高齢の方の暮らしを支える仕事が、どちらも欠かせないのではと感じています」

加茂市の経済・産業

新潟県の産業構造のなかでの位置

新潟県全体の製造品出荷額等は合計41,797億円で、業種別では食料品等が8,325億円(構成比19.9%)で第1位、次いで化学5,451億円、金属製品4,560億円と続きます(令和2年実績)。

県内で製造業の事業所数が多いのは新潟市(1,069)・長岡市(859)・燕市(804)・三条市(595)の4市で、この4市だけで県全体の57.4%を占めます(令和5年6月1日現在)。

加茂市はその三条市と隣り合っており、県の製造業が厚く集まる圏に接している市だといえます。

加茂市自身の産業の数値は市が公表する統計資料に当たるのが確実ですので、志望動機に使うなら市公式サイトの統計・産業関係のページを直接確認しておきましょう。(出典:新潟県の製造業の状況(市町村別)|令和4年実績)

雪を前提にした暮らしと仕事

新潟県では30市町村のすべてが豪雪地帯の指定を受けています(全県指定)。うち特別豪雪地帯は18市町村ですが、市域の全体が特別豪雪地帯という市は、県内では加茂市を含む7市だけです。

市の一部だけが指定されている市とは、行政の負担のかかり方が違います。

除排雪の予算、生活道路と通学路の確保、高齢者世帯の雪下ろし支援、集落の孤立への備え。これらが毎年必ず発生する定常業務として市の運営に組み込まれているという点は、加茂市を語るうえで外せません。

市の木がスギ、市の花が雪の下で春を待つユキツバキであることも、この土地の性格を映しています。(出典:豪雪地帯及び特別豪雪地帯指定地域一覧|令和8年4月1日現在)

働き手が減っていくという前提

新潟県の人口ビジョンは、県の合計特殊出生率が2024年に1.14まで下がり、その年の出生数が9,941人にとどまったことを示しています。社会動態も4,548人の転出超過で、流出が目立つのは20歳から24歳、次いで15歳から19歳、25歳から29歳です。進学と就職の時期に若い世代が県外へ出るという構図は、人口2万3千人台の市ほど重く効いてきます。地域の事業所にとっても、市役所にとっても、人を採り、育て、残ってもらうことが共通の課題になるという理解を持っておきましょう。(出典:新潟県人口ビジョン)

加茂市の主な行政課題

ここまでの条件を並べると、加茂市役所が抱えている論点がはっきりしてきます。面接で市の課題を問われたときのために、次の5つを整理しておきましょう。

除排雪という毎年の主要業務

市域の全体が特別豪雪地帯という指定は、単なる肩書きではありません。雪への対応が、毎年の予算と人員を確実に必要とする定常業務になるということです。

降り方によって作業量が変わるため、当初の見込みを超える年もあります。

しかも高齢化率が40.3%という状況では、自宅の周りの雪を自分で片づけられない世帯が増えていきます。

除雪は土木部門だけの仕事ではなく、福祉部門・地域振興部門にもまたがる横断的な課題です。志望分野を問わず、この現実には触れられるようにしておきたいところです。

4人に1人が75歳以上という人口構成

加茂市の75歳以上人口は5,511人で、市民の23.4%にあたります(令和8年1月1日現在)。新潟県全体の19.8%と同じ調査でそろえて比べても、3.6ポイント上回る水準です。

この年齢層が増えるということは、介護保険や医療の給付が伸びる一方で、支え手となる現役世代が減っていくということでもあります。

福祉分野の志望なら、制度の名前を挙げるより、限られた人手のなかで誰に先に手を届けるかという優先順位の話ができると強いでしょう。

技術職をどう確保するか

加茂市は2026年度の職員採用にあたり、例年の試験に加えて社会人経験者枠を設けました。転職を検討している人に向けたもので、2027年4月を待たずに年度途中で採用する場合もあるとされ、対象は現在のところ土木技術職と建築技術職に限られています。職種を限定した中途採用の枠を用意しているという事実は、道路や施設を維持する技術職の確保が市の実務課題になっていることを示しています。技術系での受験を考えている人にとっては、市が明確に人を求めている分野だと読み取れます。(出典:加茂市 社会人経験者枠の職員採用について|2026年度)

地震と豪雨への備え

新潟県が行った地震被害想定調査は、内陸と海域あわせて9つの地震を取り上げています。

最大の被害をもたらすとされるのは長岡平野西縁断層帯の地震(マグニチュード7.50)で、冬・深夜・強風時のシーンで死者7,920人、全壊171,244棟、避難者471,386人という想定が示されました。

前回調査は1995年から1997年にかけて行われており、それと比べると人的被害の想定は約6.40倍に膨らんでいます。

県内では平成16年7月の新潟・福島豪雨で6河川11箇所が破堤し、死者15人・半壊5,657棟という被害も出ています。

雪だけでなく、地震と豪雨にも構えるのが新潟県の自治体の前提条件です。(出典:新潟県地震被害想定調査の結果)

小さな組織で行政の守備範囲を保つこと

人口2万3千人台の市でも、戸籍も税も福祉も都市計画も教育も、法律が求める仕事は同じように発生します。

人口規模が半分になっても、担うべき制度の数が半分になるわけではありません。

ここに、小規模な市役所の構造的な難しさがあります。

加茂市が近隣自治体とどの機能を分担しているかは、市の公式サイトの組織図や広域行政のページで確認できます。志望動機を組み立てる前に一度目を通しておくと、仕事のイメージがはっきりします。

加茂市の重点政策|採用の動きと新潟県の人口見通し

加茂市が公表している情報のうち、市の姿勢が最も具体的に出ているのが職員採用の動きです。2026年度は例年の採用試験に加えて社会人経験者枠を実施しており、2027年4月を待たずに年度途中で採用する場合もあるとされています。

対象は現在のところ土木技術職と建築技術職に限定されています。

必要な人材を、必要なタイミングで確保しにいくという判断がうかがえます。(出典:加茂市 職員採用のページ)

公表されている採用の情報をどう読むか

加茂市は、募集の案内だけでなく採用試験の結果も公式サイトで公表しています。受験を考えるときに前年度の実施状況を確認できるのは、受験者にとって実務的にありがたい情報です。加茂市の採用情報については、次の3点を押さえておきましょう。

公表されている内容受験者としての読み取り方
例年の採用試験に加えた社会人経験者枠(土木技術職・建築技術職)技術職の確保が市の実務課題。年度途中の採用にも含みを持たせており、必要な時期に人を採る運用がとられています
職員採用試験結果の公表前年度の実施状況を市の公式情報として確認できます。受験前に必ず見ておきたいページです
採用専用フォームによる申込申込はオンラインで完結します。フォームの入力項目が選考資料になる可能性を想定して記入しましょう

一方で、試験の段階構成や科目、面接の形式、配点といった中身は、加茂市の採用情報のページの本文には掲載されていません。募集の回ごとに案内が差し替えられる運用がとられているため、受験する回の最新の受験案内を必ず自分で確認することが、加茂市を受けるうえでの第一歩になります。

新潟県全体の人口と財政という背景

市の施策を考える土台として、県全体の見通しも押さえておきましょう。新潟県の総人口は2,071,066人(令和7年10月1日現在の推計人口)で、前年同月比では27,738人の減少。

県の人口ビジョンは、1998年1月の約249.4万人をピークに減少へ転じ、2024年には約209.9万人になったと整理したうえで、出生率2.07と社会動態の均衡が2050年に実現した場合の到達点として、2100年ごろの100万人程度という水準を長期推計で示しています。

県の財政も楽ではありません。令和5年度決算の実質公債費比率は18.4%で、18%以上に当たるため県債の発行には国の許可が必要です。

県の予算をあてにした事業の組み立てが通りにくくなるぶん、規模の小さい市ほど自前の工夫が問われます。

POINT|規模の小ささを、弱点としてだけ語らない

人口2万3千人台という条件は、住民との距離が近いという意味でもあります。「小さいから大変だ」で止めず、「小さいからこそできることを、自分はこうしたい」まで言えるように準備しておきましょう。

悪い例「加茂市は人口減少が進んでいるので、活性化に取り組みたいです」

改善例「加茂市は市民の4人に1人近くが75歳以上と聞きました。冬の雪の対応でも福祉の相談でも、顔の見える距離で動けるのが市の強みだと思いますので、まずは窓口で市民の方の話を聞くところから覚えていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 加茂市公式サイトの職員採用のページ(受験する回の最新の案内と、過年度の試験結果)
  • 加茂市公式サイトの総合計画・予算・地域防災計画のページ
  • 加茂市の除雪に関する案内(冬の市民サービスの具体像がつかめます)
  • 新潟県人口ビジョン(県全体の人口と若者の流出の状況)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、加茂市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。加茂市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

加茂市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

加茂市役所の面接の概要

ここからは、加茂市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

加茂市役所の採用試験の実施状況

加茂市の採用試験について、まず前提を共有しておきます。試験の段階構成・科目・面接の形式・配点は、加茂市の採用情報のページの本文には掲載されていません。

募集の回ごとに案内が差し替えられているため、受験する回の案内を自分で取りに行くことが必須になります。

逆に言えば、公表されている範囲の情報は確実に押さえておけば、それだけで準備の質は上がります。

項目公表されている内容
募集の機会2026年度(2027年4月採用)は、例年の採用試験に加えて社会人経験者枠も実施
社会人経験者枠転職を検討している人に向けた枠。2027年4月を待たず年度途中での採用も可能とされ、対象は現在のところ土木技術職と建築技術職に限定
申込方法採用専用フォームから申込
試験会場令和9年4月採用の土木技術職・建築技術職(高校卒業程度)の第1次試験は加茂市役所
試験の段階・科目・面接形式・配点採用情報のページの本文には記載がありません。受験する回の最新の受験案内でご確認ください
過去の試験結果「2025年度職員採用試験結果」を公式サイトで公表

ここから読み取れることが1つあります。年度内に複数の募集機会があり、職種を限定した中途採用の枠まで用意されているということは、採用の設計が固定的ではないということです。受験する回によって職種も試験の中身も変わりうるので、「加茂市の試験はこういうものだ」と思い込まず、毎回まっさらな気持ちで案内を読む姿勢が求められます。(出典:加茂市 令和9年4月採用の職員募集案内)

上記は加茂市が公式サイトで公表している採用関係の情報を、当研究会が2026年8月時点で整理したものです。試験の構成・科目・配点・面接形式は市の採用記事の本文では公表されておらず、本記事でも推測による記載はしていません。加茂市は募集の回ごとに案内記事を差し替える運用がみられます。受験の際は、必ずご自身が受ける回の最新の受験案内をご確認ください。

加茂市役所が求める人物像

加茂市の採用情報のページを開いても、「求める人物像」や「求める職員像」を掲げた項目には行き当たりません。そのぶん、受験者の側が市の条件から読み解く必要があります。

読み解きの出発点になるのは、人口規模と制度の数の関係です。当研究会が加茂市の条件に当てて考えたところを書きます。

人口2万3千人台の市役所でも、戸籍・税・福祉・都市計画・教育といった制度は国が定めたとおりに動かさなければなりません。

人口が少ないぶんだけ制度が減るわけではないので、1人の職員が受け持つ制度の数は、規模の大きな市より多くなりやすいと考えられます。

加茂市が技術職に限って中途採用の枠を設けているのも、少ない人数で守備範囲を保つための工夫の1つと読めます。こうした職場では、1つの分野を掘り下げる力より、任された持ち場ごとに必要な知識を組み立て直せる身軽さのほうが、日々の仕事では効いてくるでしょう。

加茂市の場合、これにもう1つの条件が重なります。市域の全体が特別豪雪地帯で、冬には市民生活が雪に直結する。

除雪の要望も苦情も、担当者の顔が見える距離で届きます。

そういう環境では、その場をしのぐ受け答えより、約束したことを確実に返す誠実さのほうが長く効いてきます。

自己PRで語る中身そのものを、加茂市向けに作り直す必要はありません。これまでの経験のどこが、この市の仕事で実際に役立つのかを一言添えれば十分です。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。加茂市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまで、どのくらい時間がかかりましたか?身構えていない一言に出る素のトーンと、会話の運び方
② 動機・志望公務員を志望する理由を教えてください志望の理由が漠然とした公共心で終わっていないか。選ぶまでの経緯を自分で追えるか
③ 自己理解ご自身の短所は何だと考えていますか?自分を客観視できているか。短所との付き合い方まで言えるか
④ 経験・行動粘り強く続けた経験を教えてください続いた事実ではなく、続けるために何を工夫したかという中身
⑤ 学業・経歴学校で学んだことを、どう仕事に生かせると思いますか?学んだ内容の難しさより、仕事へ橋渡しする言葉の選び方
⑥ 適性・将来配属先が希望と違ったとき、どう受け止めますか?市役所の仕事をどこまで具体的に思い描けているか。配属の希望が外れても働けるか
⑦ 公共性・社会性最近、気になった出来事を教えてください社会の動きへのアンテナと、自分の意見を一言で述べる力

ただし、この7カテゴリーは加茂市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。では、どこで差がつくのか。それが次の「加茂市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「加茂市役所ならでは」の質問

「なぜ新潟県庁ではなく、加茂市役所なのですか?」
「加茂市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

加茂市では、「隣接する三条市や五泉市ではなく加茂市なのか」という形で、志望先の選択そのものを確かめられることも想定されます。採用予定の人数が限られる市ほど、志望度そのものが確認されやすいからです。いずれも市の実情を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。そこで、加茂市について押さえておきたい事実を、面接で使える単位に切り出しました。

質問テーマ知っておきたい加茂市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か人口23,595人の市でも、戸籍・税・福祉・都市計画・教育といった制度は同じように担う必要がある規模が小さいほど一人の受け持ちが広くなるという構造に触れ、住民の反応が直接返ってくる距離で働きたいという理由に接続します
なぜ近隣の市ではなく加茂市か隣接するのは新潟市・五泉市・三条市・南蒲原郡田上町。いずれも別団体で採用試験も別々に実施されている近隣と比べて優劣を語るのではなく、加茂市の条件(市域全体が特別豪雪地帯、高齢化率40.3%)に自分の関心を結びつけて選択の理由を言い切ります
雪と暮らし市域の全体が特別豪雪地帯。県内で市域全体が指定されている市は加茂市を含めて7市除雪を土木の仕事としてだけ語らず、高齢者世帯の支援や集落の孤立対策にまたがる横断的な課題として説明します
高齢化の現在地高齢化率40.3%、75歳以上は市民の23.4%。新潟県全体(同じ調査で34.2%・19.8%)を上回る「これから高齢化が進む」ではなく、すでに発生している需要として語ります。同じ調査でそろえた県との比較を添えると正確さが伝わります
技術職の確保2026年度は例年の試験に加え、土木技術職・建築技術職に限定した社会人経験者枠を実施市が人手を必要としている分野を把握していることを示し、事務職志望なら技術職と連携する場面を想定して話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、ここまで読み解いてきた市の条件に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
担当が変わっても立て直せる力初めての役割を引き受けたとき、何から手をつけたか加茂市の規模では一人が複数の制度を受け持つことが想定されます。慣れない役割を任された経験を、最初の一週間の動きまで具体化しておきます
約束を返す誠実さ相手に「後で確認します」と言った後、実際にどうしたか雪の要望も福祉の相談も、担当者の顔が見える距離で届く市です。小さな約束を守り切った経験のほうが、大きな武勇伝より効きます
地域で働き続ける意思なぜこの地域なのかを、生活者としての視点で語れるか出身地でなくても構いません。加茂市の冬の条件や高齢化の現状を知ったうえで、それでも働きたい理由を自分の言葉で用意しておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。試験の形式が事前にわからないぶん、どんな聞かれ方をしても戻ってこられる軸が要ります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 加茂市公式サイトの職員採用のページを確認し、受験する回の案内と過年度の試験結果に目を通す(募集の回ごとに内容が変わります)
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 試験の形式が公表されていない前提で、個別面接でも集団形式でも通用する短い答え方を用意しておく
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、加茂市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

加茂市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

加茂市役所の想定問答集を見る

さいごに

加茂市の採用試験は、試験の中身が事前に細かく公表されているタイプではありません。

だからこそ、対策の重心は形式の予測ではなく、自分の経験を市の条件に結びつけて話せるようにしておくことに置くのが現実的です。

市民の4人に1人近くが75歳以上で、市域の全体が特別豪雪地帯。その加茂市で、自分は何を担いたいのか。

募集の回ごとに案内を取りに行く手間を惜しまず、目の前の一回に丁寧に向き合う準備を重ねていきましょう。