本記事では、村上市職員採用試験の面接対策で必要な、村上市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

村上市役所の面接では、「なぜ村上市を志望したのか」、「市職員として何に取り組みたいのか」、「自分の強みを市政のどこで活かすのか」といった質問が想定されます。

村上市は新潟県の20市のなかで最も広い市域を持ち、高齢化率が4割を超える市です。この二つの条件を知っているかどうかで、回答の具体性は大きく変わります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と村上市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

村上市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは村上市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 新潟県の最北に位置し、県境をはさんで山形県と接する市。隣接するのは胎内市と関川村、海を隔てた粟島浦村、そして山形県の鶴岡市・西川町・小国町である。
  • 市域は1,174.13平方キロメートルで、県内20市のなかで最も広い。人口密度は44.5人/平方キロメートルにとどまる。
  • 住民基本台帳に基づく人口は52,228人(令和8年1月1日現在)。
  • 高齢化率は41.3%、75歳以上が人口の24.8%を占める。市民のおよそ4人に1人が75歳以上という年齢構成である。
  • 旧朝日町の区域が特別豪雪地帯に指定され、それ以外の区域も豪雪地帯に指定されている(令和8年4月1日現在)。
  • 令和4年8月の大雨では、市内の高根で累計414ミリメートルの降水量を観測し、荒川・神林地域を中心に多数の土砂災害が発生した。
  • 製造業の事業所数は154(令和5年6月1日現在)。大きな工場が一つあるのではなく、中小の事業所が数多く立地している。
  • 市の花はハマナス、市の木はブナ。海岸の砂地から山地のブナ林までが一つの市域に収まっている。
  • 職員採用の募集要項と申込は、市公式サイトではなく外部の採用サイトを通じて扱われている。

村上市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「村上市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

表の並びは、人口、年齢構成、市域、位置関係の順です。村上市の場合は面積の数字が他の項目の意味を変えてしまいますので、そこに注意しながら読んでください。

項目内容
総人口52,228人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口21,578人(高齢化率41.3%)
75歳以上人口12,930人(人口の24.8%)
総面積1,174.13km²(県内20市で最も広い)
人口密度44.5人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体胎内市、関川村、粟島浦村(海を隔てて隣接)、山形県鶴岡市・西川町・小国町
市役所の所在地村上市三之町
市の花・市の木ハマナス・ブナ

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。面積・隣接自治体・市の花と木は、当研究会が整備している自治体基礎データ(令和8年5月1日時点)によります。人口密度は、この住民基本台帳人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

まず年齢構成です。村上市の高齢化率41.3%、75歳以上24.8%という数字は、同じ住民基本台帳をもとに集計された新潟県全体の34.2%・19.8%を、いずれも大きく上回っています(いずれも令和8年1月1日現在)。

なかでも重いのは、75歳以上だけで人口の4分の1に達しているという点です。介護や医療、運転免許の返納後の移動手段といった課題が、遠い将来ではなく現在進行形で行政の仕事になっている、ということです。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

次に、その人口が置かれている空間です。1,174平方キロメートルという市域は、県内20市で最大でありながら、そこに暮らすのは5万人あまり。

1平方キロメートルあたり44.5人という密度は、集落が広い範囲に散らばっていることを意味します。同じ「除雪をする」「見守りをする」「窓口を開ける」でも、距離が長くなるほど1件あたりの手間と費用が増えます。

面接で人口減少を語るなら、この距離の問題まで踏み込めると説明に厚みが出ます。

「村上市は県内でいちばん広い市だと聞きました。人口は5万人ほどで、75歳以上の方が4人に1人という状況ですので、広い市域に暮らしが散らばっている分、移動や除雪をどう支え続けるかが大きな課題になるのではと感じています」

村上市の経済・産業

県全体の産業構造から見た位置

村上市単独の市内総生産は公表されていないため、まず県の産業構造から入ります。新潟県の製造品出荷額等は全製造業で4兆1,797億円(令和2年実績)、業種別では食料品等が8,325億円で構成比19.9%を占めて第1位です。

次いで化学5,451億円(13.0%)、金属製品4,560億円(10.9%)と続きます。米菓は出荷額が日本一、水産練り製品も生産量・出荷額とも平成24年から全国1位です。

つまり新潟県の製造業は「食」を最大の柱にしている構造で、農林水産業と工業が地続きになっています。(出典:新潟県 食品産業のすがた)

村上市の製造業の姿

県の工業統計をみると、村上市の製造業の事業所数は154(令和5年6月1日現在)です。県内では新潟市1,069、長岡市859、燕市804、三条市595の4市で全体の57.4%を占めており、村上市はその次の層にある上越市377、柏崎市226、新発田市160に続きます。

一方、製造品出荷額等の市町村別上位10には、新潟市1兆2,194億円から阿賀野市1,492億円までが並び、村上市の名前はここに入っていません。事業所の数はそれなりにあるのに出荷額の上位には現れないという組み合わせから、小規模な事業所が数多く立地する産業構造だと読み取れます。

事業所ごとの規模が小さいということは、雇用の受け皿が分散し、後継者や人手の確保が個々の事業所の課題として現れやすいということでもあります。(出典:新潟県の工業統計(市町村別の製造業)|事業所数は令和5年6月1日現在・出荷額は令和4年実績)

働く世代をどう引き留めるか

新潟県の社会動態は2024年に4,548人の転出超過で、近年は4千人から6千人程度の転出超過が続いています。転出超過が最も多いのは20歳から24歳、次いで15歳から19歳、25歳から29歳です。

進学と就職の時期に県外へ出ていく流れが、県全体の人口減少を加速させているという整理です。村上市のように市域が広く事業所が小規模な市では、この流れは「働く場が近くにあるか」という形で直接効いてきます。

産業振興や移住定住の話題を語るときは、企業誘致だけでなく、いま市内にある事業所が人を雇い続けられるかという視点も持っておきましょう。(出典:新潟県人口ビジョン)

村上市の主な行政課題

ここまでの数字を重ねると、村上市が向き合っている課題の輪郭が見えてきます。面接で市の課題を問われたときの引き出しとして、4つの切り口に整理しました。

高齢化の進行と担い手の減少

新潟県の人口は1998年1月の約249.4万人をピークに減少に転じ、2024年には約209.9万人となりました。合計特殊出生率は2024年に1.14まで低下し、出生数は9,941人です。

1950年には7万2千人を超えていたことを思えば、減り方の規模が分かります。村上市の高齢化率41.3%は、この県全体の変化がより早く現れている状態だと言えます。

支える側の人数が減りながら、支えられる側の人数が増えるという条件のもとで、どのサービスをどう続けるかが市政の中心的な論点になります。

広い市域と雪への対応

新潟県は全域が豪雪地帯に指定され、県内30市町村すべてが該当します。そのうち特別豪雪地帯は18市町村で、村上市は旧朝日町の区域がこれにあたります。

全国では豪雪地帯532市町村・特別豪雪地帯201市町村ですから、村上市は全国的にみても雪の多い側の自治体です。1,174平方キロメートルの市域に44.5人/平方キロメートルの人口が広がる条件と重ねると、除雪する道路の総延長に対して、その費用を負担する住民が少ないという構図が浮かびます。

冬期の道路確保、通院や買い物の足、集落の孤立防止は、この市では毎年繰り返される実務です。(出典:豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定状況|令和8年4月1日現在)

土砂災害と水害への備え

令和4年8月3日からの大雨では、線状降水帯が繰り返し発生し、県内で村上市高根414ミリメートル、隣接する関川村下関で569ミリメートルの累計降水量を記録しました。関川村下関の1時間降水量149ミリメートルは県内の観測史上最大です。

村上市はこの大雨について、観測史上1位を記録する雨により荒川・神林地域を中心に多数の土砂災害が発生し、避難者は千人を超えたとしています。市内の小岩内では8月4日未明に土砂流出が起き、流出した土砂と流木が下流約500メートルまで押し寄せ、家屋6戸が全半壊しました。(出典:令和4年8月3日からの大雨(新潟県災害アーカイブ))

ただし、この災害には続きがあります。小岩内区では区長と防災士、消防団が防災無線で公会堂への避難を呼びかけ、さらに戸別に訪問して避難を促した結果、死者・行方不明者が一人も出ませんでした。

この取組により、小岩内区は令和5年の防災功労者内閣総理大臣表彰を受けています。住民組織の呼びかけが犠牲者ゼロにつながった事例が、この市には実際にあるという点は、防災を語るときの具体的な足場になります。(出典:令和5年防災功労者内閣総理大臣表彰(新潟県))

大規模地震という県全体の想定

新潟県の地震被害想定調査は、内陸6地震・海域3地震の計9地震を想定し、最大の被害をもたらすのは長岡平野西縁断層帯の地震(マグニチュード7.50)としています。この想定での人的被害は死者7,920人(冬・深夜、強風時のケース)、建物被害は全壊171,244棟、避難者数は471,386人です。

前回調査と比べると人的被害で約6.40倍、建物被害で約4.80倍という数字になっています。県内のどの市町村も、この想定を前提に地域防災計画を組み立てています。

面接で防災を語るときは、雪や大雨といった毎年の災害と、頻度は低いが規模の大きい地震とを分けて考えられると、理解の深さが伝わります。(出典:新潟県地震被害想定調査の結果)

村上市の重点政策|県の人口ビジョンと市の採用

村上市がこれから何に力を割いていくのかを考えるには、県が示す長期の見通しと、市が自ら公表した募集の中身という2つの材料が手がかりになります。順に見ていきましょう。

新潟県人口ビジョンは、長年の少子化と、進学・就職を契機とする若者の県外流出により、今後も人口減少局面が続くことは避けられないという前提に立っています。そのうえで、2050年に合計特殊出生率2.07と社会動態の均衡を実現できた場合、2100年ごろに人口が100万人程度で安定するという長期推計を示しています(出典は前節と同じ新潟県人口ビジョンです)。

採用の規模から見える市役所の姿

村上市が公表した令和9年4月採用の募集は、次の構成でした。職種ごとの人数を眺めると、この市役所がどういう体制で仕事を回しているかが見えてきます。

職種採用予定人員ここから読めること
事務職(上級職)4人程度最も枠の大きい区分。配属先は特定の分野に限らないと考えるのが自然
土木技師(上級職)1人程度道路・河川・除雪など、広い市域の維持管理を担う分野
建築技師(上級職)1人程度公共施設の整備と維持。施設の老朽化対応が仕事の中心になりやすい
保育士1人程度子育て分野の現場職。採用規模から、一人あたりの守備範囲は広い
文化財専門職(大学卒)1人程度専門職を単独で置く分野。城下町と山村の文化財を抱える市の事情が表れている
土木技師(初級職)募集ありこの区分のみ第1次試験の会場が村上市役所(他はテストセンター方式)

注目したいのは、事務職以外はどの職種も1人程度という規模だという点です。技術職も専門職も、一つの分野を一人か二人で担っている可能性が高い。

裏を返せば、入庁後は担当分野の外側まで自分で調べて動く場面が多くなります。この構造は、後半の「求める人物像」の読み解きに直結します。(出典:村上市職員募集一覧|令和8年度実施)

POINT|やりたい仕事は「規模」とセットで語る

関心のある分野を一つ選び、①その分野で村上市に何が起きているか ②市はどんな体制で対応しているか ③自分の経験のどこが使えるか、の順に整理してみてください。採用人数の少なさは、裏返せば一人の裁量が大きいということでもあります。

悪い例「村上市の子育て支援に関わりたいです」

改善例「保育士の採用が1人程度という規模ですので、子育ての相談を受ける職員も限られていると思います。まずは窓口で保護者の話を丁寧に聞きながら、市内のどの地域に住んでいても同じ支援が届く形をつくる仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 村上市の職員募集一覧と、外部の採用サイトに掲載される最新の募集要項
  • 市報むらかみ(採用の告知が掲載される号)
  • 村上市の地域防災計画・ハザードマップ(土砂災害と水害の区域)
  • 新潟県人口ビジョン、新潟県地震被害想定調査の結果

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、村上市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。村上市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

村上市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

村上市役所の面接の概要

ここからは、村上市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

村上市役所の面接の流れ

村上市の採用試験には、他の市とはっきり違う点が一つあります。試験の細かい条件が、市公式サイトではなく外部の採用サイト側に置かれていることです。

市公式サイトには募集職種と試験方式の概要が載りますが、試験科目や面接の構成といった細部は要項側にあり、しかも申込受付の期間を過ぎると要項そのものが参照できなくなります。したがって、対策の第一歩は「募集が始まったらすぐ要項を保存する」ことになります。

項目内容(令和8年度実施・令和9年4月採用)
試験の段階市公式サイトに事務職(上級職)・保育士・文化財専門職の第2次試験の結果を知らせるページがあり、少なくとも第2次試験まで実施されます。それ以降の段階の有無は最新の募集要項でご確認ください
第1次試験総合適性検査(SCOA)。最寄りのテストセンターを受験者自身が選び、指定された期間内に受験するテストセンター方式です
会場の例外土木技師(初級職)のみ、第1次試験を村上市役所で実施します
面接の種類・回数市公式サイトの本文には記載がありません。個別面接か集団面接か、集団討論の有無を含め、最新の募集要項でご確認ください
配点・提出書類同じく市公式サイトの本文には記載がなく、募集要項での確認が必要です
申込方法外部の採用サイト「パブリックコネクト」の村上市役所ページから申し込みます

ここから読み取れることを2つ挙げます。1つは、第1次試験が総合適性検査だという点です。

長期間の科目学習を前提とする教養試験・専門試験型とは対策の重心が違い、筆記で大きな差をつけにくい分だけ、人物試験の比重が相対的に重くなると考えるのが自然です。もう1つは、テストセンター方式は日程と会場を自分で選べる代わりに、受験期間の管理が受験者自身の責任になるという点です。

申込から受験までの段取りを外さないことが、最初の関門になります。

上記の試験構成は、村上市が公表している令和8年度実施(令和9年4月採用)の職員募集一覧にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

村上市役所が求める人物像

村上市の職員募集一覧と市公式サイトの採用情報のページには、「求める職員像」として定型化された文言は置かれていません。手がかりになるのは、これまで見てきた市の条件と、どの職種を何人採ろうとしているかという募集の中身です。

市が公表しているのは、ここまでに見てきた条件までです。事務職以外は各1人程度という採用規模、1,174平方キロメートルという市域、41.3%という高齢化率、そして毎年の雪と土砂災害への対応。

事実として動かないのは、この範囲になります。

ここから先は、当研究会が実務の感覚で補う話です。県内でいちばん広い市域を、5万人あまりの暮らしと限られた職員数で受け持つ。

この条件のもとでは、職員が動く距離も、一人が抱える相談の幅も自然と大きくなります。除雪の相談が高齢者の移動の話に変わり、そのまま集落の防災の話につながっていく。

だからこそ、担当の枠に収まらない相談を持ち帰って自分で調べ、必要な相手に確認をとり、次の一手まで決めきれる人が力を発揮しやすい職場だと考えられます。

人口5万人台のまちですから、庁舎で受けた相談の続きを、休日の買い物先で尋ねられることもあります。受け答えの誠実さや、仕事と私生活の線の引き方は、勤務時間の内外を通じて伝わっていくものだと考えておいてください。

ですから、村上市向けの人物像をこしらえる必要はありません。これまでに幅広く手を動かした場面や、知らない分野へ自分から近づいた場面を思い出し、この市の働き方に置き換えて話せば足ります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。村上市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は会場まで、どのくらい時間がかかりましたか身構えのいらない問いへの返し方。市域の広さを実感しているかも、会話のなかで自然に伝わります
② 動機・志望新潟県内には20の市がありますが、そのなかで村上市を選んだ理由を教えてください他の市と比べたうえでの選択か。地縁だけに寄りかかっていないか
③ 自己理解ご自身の短所を、どう付き合ってきたかとあわせて教えてください自分を客観視できているか。弱点を隠さずに扱えるか
④ 経験・行動やり方が決まっていない仕事を任されたとき、どう進めましたか少人数で担う職場との相性。調べ方と、人に聞く力の有無
⑤ 学業・経歴専攻や仕事の内容を、その分野を知らない人にも分かるように説明してください相手に合わせて言い換える力。窓口業務に直結します
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたら、どう働きますか職員数の限られる市で、配属の幅を受け止められるか
⑦ 公共性・社会性最近の出来事で気になったことを一つ挙げてください社会の動きへの目配りと、自分なりの受け止め方

ただし、この7カテゴリーは村上市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「村上市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「村上市役所ならでは」の質問

「なぜ新潟県庁ではなく、村上市役所なのですか」
「村上市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。第1部で扱った事実のうち、村上市の面接で持ち出しやすいものを5つ選び、答え方とセットで並べました。

質問テーマ知っておきたい村上市の事実答え方のヒント
市の規模と広さ市域1,174.13平方キロメートルは県内20市で最大。人口密度は44.5人/平方キロメートル広さを自慢するのではなく、行政サービスを届ける距離が長いという条件として使うと、志望動機が実務の話に近づきます
高齢化の現在地高齢化率41.3%、75歳以上が人口の24.8%(令和8年1月1日現在)数字を挙げたうえで、移動手段や見守りなど、自分が関心を持つ分野に一つ結び付けて話を進めます
なぜ県庁ではなく市役所か村上市の採用は事務職4人程度、他の職種は各1人程度という規模県と市の役割の違いを制度論で語るより、少人数で住民に直接向き合う働き方を選んだ理由として話すほうが噛み合います
災害への備え令和4年8月の大雨で高根414ミリメートルを観測し、荒川・神林地域で土砂災害。小岩内区の避難の呼びかけは令和5年の防災功労者内閣総理大臣表彰を受けた被害の大きさだけでなく、住民組織が動いて犠牲者を出さなかった点まで触れると、地域と行政の関係を理解していることが伝わります
雪との付き合い方旧朝日町の区域が特別豪雪地帯、それ以外の区域も豪雪地帯(令和8年4月1日現在)除雪を「大変な仕事」で終わらせず、広い市域で限られた予算をどう配分するかという判断の問題として語ります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の関心にいちばん近いものを一つ決めて、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の読み解きに照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自分で調べて進める力前例のない仕事、担当が一人しかいない仕事をどう進めたか村上市は事務職以外の採用が各1人程度です。手順書のない場面で、何を調べ、誰に確認したかを順序立てて話せるようにしておきます
地域の人と関わる姿勢地域の行事や住民同士のつながりに、自分がどう関わってきたか小岩内区の避難の呼びかけのように、住民が動く力が防災を支える市です。自分が地域の輪に入っていった経験を一つ用意します
継続して働く意思なぜ村上市なのか、この先どう暮らしていくつもりか市域が広く冬の負担も大きい土地です。ここで暮らしていくうえで自分が何を大事にしたいのか、そこまで考えたうえで志望していると示せると強くなります

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 募集が公表されたら、外部の採用サイトに掲載される村上市の募集要項を保存し、試験の段階と提出書類を書き出す(受付期間が終わると参照できなくなります)
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトや職務から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 第1部を読み返し、市域の広さ・高齢化率・災害の経験のうち、自分の関心に近い事実を2つか3つ選んで説明できるようにする
  5. 固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、村上市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

村上市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

村上市役所の想定問答集を見る

さいごに

村上市の採用試験は、試験の細部が外部の募集要項側にあるという点で、情報を取りにいく姿勢そのものが最初に試される試験だと言えます。

そして本番で問われるのは、県内でいちばん広い市域に5万人あまりが暮らし、その4分の1が75歳以上という土地で、あなたが何をしたいのかという一点です。

募集が始まったら要項を手元に置き、この記事で扱った事実のなかから自分の関心に近いものを選んで、話す練習を積み重ねてください。応援しています。