南那須地区広域行政事務組合消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の特性と災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。
南那須地区広域行政事務組合消防本部の採用試験は、Web面接と対面での個別面接という2回の面接を経て合否が決まります。「なぜ消防官なのか」「なぜ南那須地区広域行政事務組合消防本部なのか」「消防吏員としての経験を今後どう積み重ねたいか」といった、人柄そのものを見極める質問が想定されます。
那須烏山市・那珂川町という2市町を管轄する規模の小ささと、経験者採用枠まで用意された選考の仕組みを知っておくことで、この本部ならではの受け答えがしやすくなります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と南那須地区広域行政事務組合消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|組織研究編
南那須地区広域行政事務組合消防本部の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは南那須地区広域行政事務組合消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 南那須地区広域行政事務組合消防本部は、那須烏山市・那珂川町の2市町でつくる一部事務組合が設置する消防本部である。那須烏山市と那珂川町は消防に関する事務をこの組合に委ねる形をとっており、消防本部と消防署の運営は組合が一括して行っている。
- 職員の中核は消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)で、98人が在籍する(うち女性2人・令和7年4月1日現在)。
- 令和6年中の出動件数は火災30件・救急2,038件・救助45件で、救急が出動の大部分を占める。
- 選考は第1次(テストセンター方式の職務基礎力試験)、第2次(Web面接)、第3次(体力検査・対面での個別面接)の3段階となる。
- 受験資格には高校卒業(見込み)を対象とする通常枠に加え、消防吏員としての職務経験が3年以上ある人を対象にした経験者枠が用意されている。
- 職種・採用予定人数は消防職1名程度で、令和9年4月1日採用に向けた試験である。
- 試験結果は各次試験の合計得点及び総合順位を、消防本部総務課の窓口で開示請求できる。
- 第3次試験では体力検査と対面の個別面接が同じ段階に置かれ、体力面と人物面が最終段階でまとめて確かめられる。
- 採用の日から6か月間は地方公務員法第22条にもとづく条件付採用期間となる。
南那須地区広域行政事務組合消防本部の基礎データ
面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「南那須地区広域行政事務組合消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
2市町を管轄する比較的小規模な本部だからこそ、構成団体それぞれの人口と高齢化率を押さえたうえで、職員体制と出動件数を見ていきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置形態 | 一部事務組合(那須烏山市・那珂川町の2市町で構成) |
| 管内人口 | 36,758人(那須烏山市22,935人・那珂川町13,823人の合算、住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 高齢化率 | 那須烏山市40.6%・那珂川町44.3%(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在。合算・平均せず団体ごとの値) |
| 消防吏員数 | 98人(うち女性2人)※令和7年4月1日現在 |
| 出動件数(令和6年中) | 火災30件・救急2,038件・救助45件 |
管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁の全国消防本部データ検索(南那須地区広域行政事務組合消防本部)によります。
数字から考えられる南那須地区消防の課題
令和6年中の出動は救急2,038件が大半を占め、火災30件との差は68倍あまりに開いています。管内人口36,758人という規模のなかで、この件数を98人の消防吏員で受け止めていることになります。
救急2,038件を単純に98人で割ると1人あたり年20件を超え、交替制勤務で実際に日々出動へ当たる人数はさらに限られます。
もう一つ押さえておきたいのが、那須烏山市40.6%・那珂川町44.3%という高齢化率の高さです。県全体では65歳以上の割合がおよそ29.2%(2020年実績)とされており(出典:新とちぎ未来創造プラン)、南那須地区の2市町はいずれもこれを10ポイント以上上回っています。
管轄地域の特性と災害リスク
那須烏山市・那珂川町の地理的特性
- 南那須地区広域行政事務組合消防本部が管轄する2市町は、栃木県の北東部に位置しています。
- 那須烏山市は人口22,935人、那珂川町は13,823人で、2市町を合わせた管内人口は36,758人にとどまります。2市町のあいだにもおよそ1.7倍の人口差があります。
- 消防本部が置かれているのは那須烏山市神長で、採用試験の案内の発出も問合せの受付も、この消防本部の総務課が担っています。
- 75歳以上の割合は那須烏山市22.9%・那珂川町24.2%(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、管内では住民のおよそ4人に1人が75歳以上という構成です。
つまり南那須地区広域行政事務組合消防本部は、2つの市町を合わせても4万人に満たない管内を、98人という限られた人員で支える本部だと整理できます。少人数の組織だからこそ、一人ひとりが幅広い役割を担う場面が多いと考えられます。
県内で想定される直下型地震
栃木県地域防災計画が想定する「栃木県庁直下地震(マグニチュード7.3)」では、建物全壊が70,812棟、冬の深夜という条件のもとでは死者数3,926人にのぼると想定されています(出典:栃木県地震被害想定調査|概要版)。
那須烏山市・那珂川町に固有の想定ではありませんが、小規模な本部だからこそ、県内の他本部との連携を前提とした備えが欠かせません。
南那須地区の主な消防課題
ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、南那須地区広域行政事務組合消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
救急需要への対応
救急出動は全国的にも増え続けており、令和6年中は771万8,380件(前年比1.0%増)で、昭和38年の集計開始以降の最多を更新しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況)。南那須地区広域行政事務組合消防本部の令和6年中の救急出動2,038件も、この流れの中にあります。
全国で搬送人員に占める65歳以上の割合は63.3%(令和6年中)に達しており、那須烏山市40.6%・那珂川町44.3%という高齢化率を踏まえると、限られた人員でこの需要にどう応えるかが大きな課題になります。
大規模災害への備え
前章の栃木県庁直下地震の想定は南那須地区に固有のものではありませんが、全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が加わる緊急消防援助隊の仕組みは、98人という小規模な本部にとって特に重要な前提です(出典:令和6年版 消防白書)。
単独で対応しきれない規模の災害では、他本部からの応援を前提とした行動が求められます。
人材確保と経験者採用枠の活用
南那須地区広域行政事務組合消防本部の消防吏員98人のうち、女性は2人で、割合はおよそ2.0%と、全国平均の約3.8%(168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)を下回っています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)。
消防職1名程度という採用予定人員のなかで、通常の高校卒業程度の枠に加え、消防吏員としての経験が3年以上ある人を対象にした経験者採用枠まで設けている点は、限られた採用機会の中で幅広く人材を確保しようとする姿勢の表れだと考えられます。
予防業務と住宅防火
南那須地区広域行政事務組合消防本部が公表している業務内容には、消火・救急・救助と並んで火災予防業務が挙げられています(出典:南那須地区広域行政事務組合消防職員採用試験案内)。全国に目を向けると、住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)のうち74.5%を65歳以上の高齢者が占めています(令和5年中/出典:令和6年版 消防白書)。
高齢化率が4割を超える2市町では、住宅用火災警報器の設置確認や高齢者世帯への声かけが、火災30件という件数を保つ土台になっています。
2市町を見渡す視点
那須烏山市40.6%と那珂川町44.3%、いずれも高い水準にある高齢化率と、22,935人・13,823人という人口規模の違いを踏まえると、2つの市町どちらの現場にも対応できる視点が、この本部で働くうえでは欠かせません。面接で管内を語るときに那須烏山市の話だけで終わってしまうと、那珂川町を含めた管内全体を見ているかどうかは伝わりません。
2市町それぞれの数字を並べて話せる状態にしておくと、答えの精度が上がります。
重点方針|職務適応性検査にみる求める資質
南那須地区広域行政事務組合の運営方針や基本理念にあたる文書は、公式サイト・試験案内のいずれにも見当たりませんでした。ただし、この組合は第1次試験の中身を具体的に公表しています。
そこで本章は、選考の内容そのものから、組合が人材に何を求めているかを読み解く形で進めます。
職務適応性検査が示す5つの観点
第1次試験の「職務基礎力試験」には、職務能力試験に加えて積極性、共感性、柔軟性、自我強度、規範性をみるための職務適応性検査が組み込まれています(出典:南那須地区広域行政事務組合消防職員採用試験案内)。少人数の本部で長く同僚と働くことを考えると、周囲と協調しながらも自分の芯を保てるかという、この5つの観点は選考の早い段階から意識されていると考えられます。
検査で測られる項目である以上、面接でも同じ言葉が判断の枠組みとして使われる可能性があります。自分の経験がどの観点に当てはまるのかを、あらかじめ言葉にしておくと迷いにくくなります。
職務能力試験が確かめようとしている力
同じ「職務基礎力試験」のもう一方の柱である職務能力試験について、試験案内は地方行政への関心と理解、文章を正確に理解して事務を円滑に遂行する能力、統計等の資料を分析して課題を発見する能力、国内外の社会情勢への理解などを確かめると説明しています。
暗記した知識量よりも、資料を読み解いて筋道を立てる力に重心が置かれた構成です。ここで問われる力は、面接で管内の数字を自分の言葉で説明する場面にもそのまま重なります。
経験者採用枠という選択肢
受験資格には、高校卒業程度の通常枠に加えて、消防吏員としての職務経験が3年以上ある人を対象にした枠が設けられています。通常枠は平成14年4月2日から平成21年4月1日までに生まれた人、経験者枠は平成9年4月2日から平成14年4月1日までに生まれた人が対象で、年齢の区切りが重ならないよう設計されています。
栃木県内の消防本部で経験がある人は、申込時点でその本部を退職していることが条件です。異なる本部での経験を、南那須地区の管内でどう活かせるかを言語化できると、この枠での志望動機に厚みが出ます。
POINT|5つの観点は暗記するものではない
積極性・共感性・柔軟性・自我強度・規範性という5つの言葉を暗記するのではなく、①自分の経験を1つ選ぶ → ②その経験の中でどの観点が特に表れているかを考える → ③Web面接と対面の個別面接、どちらでも同じ内容を語れるようにする、という順で準備すると効果的です。
悪い例「人と接するのが好きなので、消防官になりたいです」
改善例「第2次のWeb面接でも第3次の対面の面接でも同じ話ができるように、地元の自主防災組織の訓練に加わった経験を軸に整理しています。南那須地区は98人の消防吏員で年間2,038件の救急を受け止めていますので、一人が幅広い役割を担う職場でも、周りと歩調を合わせて動ける職員になりたいです」
あわせて確認したい公式資料
申込は組合ホームページの採用試験エントリーフォームからの電子申請のみで、申込期間が終わると第1次試験の受験案内がメールで届き、受験者自身がテストセンターの受験日時と場所を登録します。そこからWeb面接の第2次、体力検査と対面面接の第3次へと進む流れです。下の3点は、この流れに沿って手元に置いておきたい資料です。
- 南那須地区広域行政事務組合消防職員採用試験案内(次回募集は例年7〜8月頃に組合ホームページで案内)
- 総務省消防庁「消防本部の情報」南那須地区広域行政事務組合消防本部のページ
- 栃木県地震被害想定調査
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、南那須地区広域行政事務組合消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。南那須地区広域行政事務組合消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
南那須地区広域行政事務組合消防本部の面接の概要
ここからは、南那須地区広域行政事務組合消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
南那須地区広域行政事務組合消防職員採用試験の流れ
この採用試験を実施しているのは、組合の消防本部総務課です。案内の発出元も問合せ先も同じ窓口に置かれています。面接は第2次のWeb面接、第3次の対面での個別面接という2回設けられていますが、いずれも集団形式ではなく個別面接として実施されます。
| 項目 | 内容(令和9年4月1日採用試験) |
|---|---|
| 職種・採用予定人数 | 消防職1名程度 |
| 第1次試験 | テストセンター方式の職務基礎力試験(職務能力試験、職務適応性検査) |
| 第2次試験 | 面接試験(Web面接。主として人柄、性格等をみる個別面接試験) |
| 第3次試験 | 体力検査(握力・かがみ跳躍・腕立て伏せ・上体起こし等)、面接試験(対面形式の個別面接試験) |
| 面接カード | 第1次試験合格者が提出 |
| 初任給 | 高校卒200,300円、短大卒(2年)213,100円、大学卒225,600円(令和8年4月現在) |
上記は南那須地区広域行政事務組合が公表する令和9年4月1日採用試験案内にもとづくものです。配点・満点・人物試験の比重は案内に記載がなく非公表で、開示されるのは各次試験の合計得点及び総合順位のみです。試験の構成・内容は年度によって異なる可能性があるため、受験の際は必ず最新の試験案内をご確認ください。
南那須地区広域行政事務組合消防本部が求める人材
南那須地区広域行政事務組合消防本部が「求める人物像」という言葉で示した資料は、公式サイト・試験案内のいずれにも確認できませんでした。判断の材料になるのは、98人という限られた人数で2市町を支えるという本部の規模です。
試験案内は業務内容を「消防本部や消防署において、消火活動、救急活動、救助活動、火災予防業務に従事します」と説明しており、担当を細かく分ける書き方はとられていません。少人数の組織では一人ひとりがこれらのいずれにも幅広く対応する必要があり、周囲との関係を大切にしながらも自分の考えを保てる人物が選考でも見られやすいと考えられます。
ただし、これは組合が公式に示した基準ではなく、同じ規模感の組合本部を踏まえた当研究会独自の見立てにすぎません。経験者採用枠を利用する場合は、前職での経験をこの規模の本部でどう活かすかを具体的に語れるようにしておきましょう。
面接カードは第1次試験の合格後に提出する
試験案内には「第1次試験合格者には、面接カードを提出していただきます」と明記されています。Web面接も対面の個別面接も、このカードに書いた内容を土台に進むと考えておくのが安全です。
書いた志望動機と、2回の面接で口にする志望動機がずれてしまうと、それだけで印象が薄くなります。カードを書く段階から、深掘りされたときにどこまで話を広げられるかを想定しておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。南那須地区広域行政事務組合消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | Web面接の通信環境は問題ありませんか? | Web面接ならではの落ち着きと、事前準備の丁寧さが表れます |
| ② 動機・志望 | なぜ南那須地区広域行政事務組合消防本部を志望するのですか? | 人口4万人に満たない管内を選んだ理由が、自分の経験と結びついているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自己理解の深さと、柔軟性という観点への通じ方 |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 過去の行動の事実。積極性が現場の仕事に通じるか |
| ⑤ 学業・経歴 | これまでの経験で、特に力を入れたことを教えてください | 取り組みの動機と、続けるなかで工夫したことを言葉にできるか |
| ⑥ 適性・将来 | 体力検査に向けて、どんな準備をしていますか? | 体力検査の種目に向けた取り組みが、日常の習慣になっているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか? | 仕事の公共性への理解と、規範性への意識 |
この型は面接の骨格として使えますが、南那須地区広域行政事務組合消防本部を選んだ理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問にかかっています。
合否を分けるのは南那須地区ならではの質問
面接が2回とも個別形式であることを踏まえて答えられる人は、この2問で自然と差がつきます。Web面接では画面越しでも伝わる話し方を、対面では現場での立ち居振る舞いを意識して準備しておきましょう。
| 質問テーマ | 知っておきたい南那須地区の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 消防吏員としての適性 | 選考は第1次のテストセンター、第2次のWeb面接、第3次の体力検査・対面面接という3段階(詳細は第2部の面接の流れ) | 段階ごとに求められる準備の違いを整理して語れるようにする |
| 管轄地域の理解 | 管内人口36,758人、那須烏山市40.6%・那珂川町44.3%という高い高齢化率(詳細は第1部2章・4章) | 小規模な管内だからこそ求められる視点を、自分の言葉で語れるようにする |
| 救急需要への理解 | 令和6年中の救急出動2,038件、火災はわずか30件(詳細は第1部2章・4章) | 98人という限られた人数で救急需要に応える体制を、具体的な言葉で説明できるようにする |
| 経験者採用枠の存在 | 高校卒業程度の通常枠に加え、消防吏員経験3年以上を対象とした枠がある(詳細は第1部5章) | 自分がどちらの枠に該当するかを踏まえた志望動機を用意する |
| 予防業務への理解 | 公表されている業務内容には消火・救急・救助と並んで火災予防業務が挙げられている(詳細は第1部4章) | 現場活動だけでなく、火災を未然に防ぐ仕事への関心もあわせて語れるようにする |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
南那須地区広域行政事務組合消防本部は、第1次試験の職務適応性検査で積極性、共感性、柔軟性、自我強度、規範性という5つの観点を確かめることを公表しています。第2次・第3次の面接も「主として人柄、性格等をみる」ものと説明されており、ここでは5つの観点を面接での確かめ方という視点から3つに整理しました。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 積極性・自我強度 | 困難な場面でも自ら動き、最後までやり抜いた経験があるか | 結果だけでなく、迷いながらも前に進んだ過程を語れるようにする |
| 共感性・柔軟性 | 異なる立場の人と関わりながら、状況に応じて対応を変えた経験 | 相手の立場を踏まえた行動を、具体的なエピソードで説明できるようにする |
| 規範性 | ルールや手順を守りながら、確実に物事を進めてきたか | 体力検査や試験手続きへの臨み方そのものが、この観点の実演になる |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。Web面接と対面の面接、どちらでも自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 公式ホームページの案内を読み、受験資格(通常枠・経験者枠)と選考の3段階の流れ、面接カードの提出時期を確認する
- これまでの経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・仕事の経験から、積極性や柔軟性が表れた具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。Web面接に備えて、通信環境や画面越しの話し方も事前に確認しておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で南那須地区広域行政事務組合消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、南那須地区広域行政事務組合消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
南那須地区広域行政事務組合消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。Web面接と対面の面接、2つの場面で同じ内容を一貫して語れるように、早めに準備を進めておきましょう。
さいごに
南那須地区広域行政事務組合消防本部は、那須烏山市・那珂川町という2つの市町を、98人の消防吏員で支える組合本部です。選考はテストセンター方式の第1次、Web面接の第2次、体力検査と対面面接の第3次という3段階で進み、高校卒業程度の通常枠に加えて経験者採用枠も用意されています。
那須烏山市・那珂川町ともに高齢化率が4割を超える中で、限られた人数で救急需要にどう応えていくのかを、自分の言葉で語れるように準備していきましょう。
画面越しでも対面でも変わらない受け答えができるかどうかは、2回の個別面接を置いたこの本部の選考では最後まで効いてきます。