本記事では、矢板市職員採用試験の面接対策で必要な、矢板市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

矢板市役所の面接試験では、「なぜ矢板市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。矢板市の試験は筆記の教養試験を置かず、書類と面接で人物を見る組み立てになっているため、市の実情を自分の言葉で語れるかどうかが、そのまま得点差につながります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と矢板市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

矢板市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは矢板市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口29,661人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積170.46km²・人口密度174人/km²の市である。
  • 大田原市、那須塩原市、さくら市、塩谷郡塩谷町の3市1町と市域を接している。福島県や群馬県とは接していない、県内で完結する位置関係である。
  • 市役所は〒329-2192 矢板市本町5番4号に置かれ、団体コードは09211-8。市の花はレンゲツツジ、市の木はナツツバキ
  • 栃木県は14市11町からなり、村がない県。県全体の人口は1,857,921人(令和8年6月1日現在)で、矢板市はそのおよそ1.5%にあたる。
  • 職員採用試験は市の総務人事課戦略人事室が所管し、栃木県人事委員会の試験とは別の制度で実施される。県庁の試験構成や配点をそのまま当てはめることはできない。
  • 令和8年度の募集は一次募集と二次募集に分かれ、職種の記号も試験種目も回次によって異なる。一次募集の一般事務A(行政)は4人程度、一般事務B(建築土木)は1人程度の採用予定だった。
  • 申込は電子申請のみで、採用専用ページ「PUBLIC CONNECT」から手続きする。紙の願書を郵送する方式ではない。

矢板市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「矢板市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。規模を測るときの物差しとして、栃木県全体の数値もあわせて載せています。

項目内容
総人口29,661人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積170.46km²
人口密度174人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体大田原市、那須塩原市、さくら市、塩谷郡塩谷町
市役所所在地〒329-2192 栃木県矢板市本町5番4号(団体コード09211-8)
市の花・市の木レンゲツツジ・ナツツバキ
(参考)栃木県の総人口1,857,921人(令和8年6月1日現在・毎月人口推計)
(参考)栃木県の面積6,408.09km²(全国第20位・関東地方で最大)
(参考)栃木県の市町数14市11町(村はない)

矢板市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。栃木県の総人口・面積・市町数は栃木県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、矢板市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

矢板市の人口2万9千人規模という数字は、それだけでは良し悪しを判断できません。意味が出てくるのは、市域の広さと県全体の動きに重ねたときです。

面積170.46km²は栃木県全体6,408.09km²のおよそ2.7%にあたり、人口の比率(およそ1.5%)を上回ります(出典:栃木県の人口・面積|令和6年県内での存在感を人口で測ると小さく、面積で測ると大きくなる市だといえます。

県全体の人口の流れも押さえておきましょう。栃木県の総人口は令和8年6月1日現在で1,857,921人、前月より948人減っています(出典:栃木県毎月人口推計月報|令和8年6月

県の総人口は平成17(2005)年の201万6,631人をピークに減少へ転じており、令和42(2060)年には約128万人になると推計されています。令和5(2023)年の出生数は9,958人とはじめて1万人を割り込み、同年の合計特殊出生率は1.19と、全国の1.20を下回る過去最低となりました(出典:栃木県人口未来会議資料|令和7年4月

県の数字を市の課題に落とし込めるかが問われます。面接での組み立て方を一例として示します。

「矢板市は人口が3万人ほどのまちですが、市域は170平方キロメートルあって、県の面積の3%近くを占めています。県全体では出生数が1万人を割ったと聞きましたので、人が減っても暮らしの土台をどう保つかが、広い市域を持つ矢板市では特に重い課題になるのではと感じています」

矢板市の経済・産業

製造業が県内総生産の4割を占める県で

人口3万人規模の市の産業は、県全体の姿と重ねると位置づけが見えてきます。栃木県の県内総生産に占める製造業の割合は39.6%(令和3年度)で全国第3位。大手企業の生産拠点と技術力の高い中小企業が集積し、製造品出荷額等は全国12位です。

出荷額が全国1位の工業製品には、医療用X線装置、歯科用機械器具、硬質プラスチック発泡製品、シャッター、砕石、ふとんが並びます(出典:栃木県の財政状況(IR資料)|令和6年

この構造は所得にも表れており、栃木県の1人当たり県民所得は3,307千円(令和3年度)で全国5位です。つまり、栃木県は「ものづくりで所得を稼ぐ県」であり、その土台の上に市町村の暮らしが成り立っているという理解が出発点になります。

矢板市を志望する立場でも、県の産業構造を一言で説明できると、市の話に厚みが出ます。

農と自然が資源になるまち

栃木県の農業産出額は2,718億円(令和4年度)で全国9位。とちぎのいちごは昭和43年から半世紀以上にわたって生産量日本一を続けており、「とちおとめ」「とちあいか」といった品種を生み出してきました。

県内には日光国立公園や尾瀬国立公園などの山岳部と、鬼怒川・那珂川などの沿岸平野部があり、豊富な水源を抱えています。矢板市の市の花がレンゲツツジ、市の木がナツツバキであることも、山あいの自然環境と結び付いた選定です。

面接で農業や自然環境に触れるなら、「自然が豊かです」で止めないことが大切です。県が全国上位の農業県であるという事実と、市域170.46km²のうち人が暮らす場所が限られているという事実を重ねて、土地をどう使い、誰が担い手になるのかという問いまで持っていけると、話の質が変わります。

観光の流れの中での位置

令和6(2024)年の栃木県の観光客入込数は8,997.3万人(前年比107.3%)、宿泊数は延べ830.4万人(同105.8%)、外国人宿泊数は延べ27.9万人で過去最高を更新しました。市町別では宇都宮市1,573.6万人、日光市1,019.2万人、那須塩原市771.2万人の順で、県北の観光地に人が集まる構図です(出典:栃木県観光客入込数・宿泊数調査|令和6年

矢板市は、この上位に並ぶ那須塩原市と市域を接しています。大きな観光地の隣にあるという位置は、通過されるか立ち寄られるかの分かれ目になるという意味で、市政の論点になり得ます。

県内には東北新幹線で東京まで約50分という交通条件もあり、県外からの人の流れ自体は細くありません。観光を語るなら、来訪者数そのものではなく、その流れをどう市内に引き込むかという視点で準備しておきましょう。

矢板市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、矢板市を含む栃木県内の市町が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口減少と若い世代の流出

栃木県では平成17(2005)年以降、転出が転入を上回る状態が続いています。とくに20歳代前半の女性の転出超過が目立ち、行き先は東京都・埼玉県・神奈川県といった首都圏です。

県は、地方創生の10年をもってしても東京圏への一極集中の流れを変えるには至らなかったと公式資料で認めています。人が減ること自体より、若い世代が抜けていくことのほうが市町村には重いという点を押さえておきましょう。

人口2万9千人規模の矢板市では、数十人単位の転出入が地域の担い手の数を直接動かします

広い市域での生活基盤の維持

面積170.46km²に約2万9千人が暮らすということは、住まいが広い範囲に分かれて点在しているということでもあります。道路や上下水道、公共施設といった生活基盤は、人口が減ったからといって短くなったり数が減ったりするわけではありません。

同じ量の施設を、より少ない人数と税収で支えることになります。県の公式資料も、人口減少に伴って生活関連サービスの縮小や公共交通機関の縮小が起きると指摘しています。

市職員には、どこに何を残し、どこを見直すかを住民に説明する仕事が回ってきます。

財政の見通しと、県との位置関係

栃木県全体の財政指標は良好な部類に入ります。実質公債費比率は9.4%(令和5年度決算・全国14位・全国平均10.1%)、将来負担比率は102.8%(同・全国6位・全国平均148.7%)で、いずれも全国平均を下回りました。

財政力指数も全国平均の0.49を上回る水準で推移しています。ただしこれは県の数字であって、矢板市の財政状況を示すものではありません

市の財政について語るときは、市が公表している決算や予算の資料を必ず自分で確認してください。県の数字を市の数字として話してしまうのは、面接で最も避けたい誤りの一つです

大規模地震への備え

栃木県は、地震や風水害などの大規模な自然災害が比較的少ない県とされています。それでも県地域防災計画は、栃木県庁直下地震(マグニチュード7.3)を想定地震に置いています。

冬深夜のケースで死者数3,926人、負傷者数32,081人(うち重傷者6,746人)、1週間後の避難者数339,833人、建物全壊70,812棟という規模です(出典:栃木県地震被害想定調査の概要版|栃木県地域防災計画。県北部の関谷断層については、今後100年間の地震発生確率がほぼ0%と評価されていますが、過去には今市地震(1949年)や東日本大震災(2011年)が県内に被害を及ぼしました。

「災害が少ない県」という説明と「備えなくてよい」は別の話です

矢板市の重点政策|新とちぎ未来創造プランと矢板市

矢板市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。

ここでは、県が立てた計画の骨格と、採用情報にたどり着く経路を確認します。人口3万人規模の市の判断は、県が示す先行きの中に置くと理解しやすくなります。

県の最上位計画が見ている先

栃木県の最上位計画は、計画期間を2026年度から2030年度とする「新とちぎ未来創造プラン」です。県はこの計画で、人口減少・少子高齢化の進行による労働力や地域の担い手の不足、気候変動によるリスクの高まりを課題に挙げ、オール栃木体制で人口減少・少子化対策に取り組む必要があるとしています(出典:新とちぎ未来創造プラン|2026〜2030年度

県の年齢構成は2020年実績で15歳から64歳が約58.8%、65歳以上が約29.2%、0歳から14歳が約12.0%です。

これは県の計画であって、矢板市の計画ではありません。ただ、県が示す方向と市の施策は無関係ではいられません。市の総合計画を読むときは、県が挙げたこれらの環境変化に、矢板市がどの順番で答えようとしているかという目線で見ると、理解が早くなります。

矢板市の採用情報をどこで見るか

矢板市の職員採用に関する情報は、市公式サイトの総務人事課のページで公表され、申込は採用専用ページ「PUBLIC CONNECT」を通じた電子申請で行います(参考:矢板市職員採用試験の実施案内|令和8年度一次募集

一次募集と二次募集で試験種目が異なるため、自分が受ける回次の案内を取り違えないことが重要です。募集が出たら受験案内をその場で保存し、試験種目・配点・提出物を手元に残しておきましょう。

POINT|矢板市は「書いたこと」と「話すこと」が一本につながる試験

矢板市の令和8年度二次募集では、第一次試験がエントリーシートの審査で、志望動機などがここで問われます。第二次試験の個人面接は、そのエントリーシートを土台に進むと考えるのが自然です。①矢板市の人口と市域の広さを知る → ②栃木県全体の人口・産業・防災の見通しの中に市を置く → ③その中で自分が携わりたい仕事を選ぶ → ④それをエントリーシートに書き、同じ内容を声に出して説明できるようにする、という順で準備してください。

悪い例「矢板市の地域づくりに貢献したいです」

改善例「まずは窓口で市民の方の困りごとを直接うかがう仕事から始めたいです。その上で、矢板市は人口3万人ほどに対して市域が広いので、地区によって違う暮らしの不便さを聞き取って、どこに何を残すかを一緒に考えていく仕事に関わりたいと思っています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 矢板市職員採用試験の受験案内(受験する回次・職種のもの)
  • 矢板市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
  • 市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
  • 新とちぎ未来創造プラン、栃木県の統計資料(市政の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、矢板市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。矢板市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

矢板市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

矢板市役所の面接の概要

ここからは、矢板市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

矢板市役所の面接の流れ

矢板市の令和8年度二次募集(高等学校卒業程度の試験と明記)は、第一次試験がエントリーシートの審査、第二次試験が適性検査・グループワーク・個人面接という二段階の構成です。

注目したいのは配点で、公表されている配点のうち個人面接が200点と、単独で最も大きいという設計になっています。グループワークの100点と合わせると、人が人を見て採点する科目だけで300点です。

項目内容(令和8年度二次募集・令和9年4月1日採用)
試験の段階二段階選抜。第一次試験(エントリーシート)から第二次試験(適性検査・グループワーク・個人面接)へ進みます
筆記試験教養試験にあたる科目はなく、第二次試験の適性検査(SPI3)が学力と適性をみる科目にあたります
面接の種類個人面接。「市の職員として必要な素質などをみるために個別面接法による試験を行います」と説明されています
集団形式グループワークあり。「複数名で協力して解決策をまとめる集団形式の試験」と説明されています
配点エントリーシート100点、適性検査(SPI3)100点、グループワーク100点、個人面接200点
提出書類エントリーシートと顔写真(最近3か月以内に撮影した上半身・正面向き・無帽)のデータ。申込は電子申請のみで、採用専用ページ「PUBLIC CONNECT」から手続きします
試験の場所適性検査はテストセンター方式か矢板市役所での実地試験を申込時に選択でき、グループワークと個人面接は矢板市役所で実施されます

上記は矢板市の令和8年度二次募集の受験案内にもとづくものです。同年度の一次募集は第一次試験にWeb面接が置かれるなど試験種目が異なり、一次募集の配点は公表されていません。試験の構成・配点等は年度や募集回次によって異なります。受験の際は、必ずご自身の回次の最新の受験案内をご確認ください。

この配点構造から読み取れることは明快です。エントリーシートで書いた内容が第一次試験の全得点であり、その内容をもとに個人面接で200点分が問われます。書いた内容と話す内容が食い違えば、二重に失点するという設計です。

第1次試験の不合格者と第2次試験の受験者は、合格発表の日から1か月のあいだ、合計得点と総合順位の開示を総務人事課に請求できます。自分の立ち位置を確かめる制度が用意されている点も、覚えておいて損はありません。

矢板市役所が求める人物像

矢板市の受験案内では、「求める人物像」という見出しの公表文言を確認できません(当研究会調べ)。

ただし、代わりになる公式の記述があります。個人面接試験の説明文です。

そこには、みる対象として「市民に寄り添う力、仮説を検証する力、対話で解決する力」という3つが明記されています(出典:矢板市職員採用試験受験案内|令和8年度二次募集。これは「こういう人が欲しい」という理念ではなく、200点の面接で実際にみると宣言された観点です。

自己PRで「まじめに取り組めます」と述べるだけでは、200点の面接には届きません。何に取り組み、確かめたうえで何を変えたのかまで示す必要があります。

とくに2つ目の「仮説を検証する力」は、思いつきで動いた話ではなく、確かめてから動いた話を求めていると読めます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。矢板市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやって市役所まで来ましたか身構えていない場面での話し方と表情。会話のテンポ
② 動機・志望エントリーシートに書いた志望動機を、あらためて話してください書いた内容と話す内容がつながっているか
③ 自己理解周囲からどんな性格だと言われますか自分の見え方を客観的につかんでいるか
④ 経験・行動やり方を変えたほうがよいと感じて、実際に変えた経験はありますか気づきで終わらせず、確かめて動いたかどうか
⑤ 学業・経歴これまでで一番力を入れて学んだことは何ですか取り組みの中身と、そこから残ったもの
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたらどうしますか職員数の限られた市役所で幅広く働く覚悟
⑦ 公共性・社会性住民の要望に応えられないとき、どう伝えますか断る場面で相手に向き合えるか

ただし、この7カテゴリーは矢板市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「矢板市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「矢板市役所ならでは」の質問

「なぜ栃木県庁ではなく、矢板市役所なのですか」
「矢板市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも矢板市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「矢板市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい矢板市の事実答え方のヒント
市の規模と市域人口29,661人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積170.46km²、人口密度174人/km²。県面積のおよそ2.7%を、県人口のおよそ1.5%で受け持っている「小さい市です」で終わらせず、人口の比率より面積の比率が大きいという矢板市の形を数字で示し、そこから生まれる仕事の性質へ話を進めます
なぜ県庁ではなく市役所か矢板市の採用試験は市の総務人事課戦略人事室が所管し、栃木県人事委員会の制度は適用されない。受ける試験そのものが県とは別建てになっている制度の違いを述べるだけでは足りません。矢板市の窓口で自分が向き合いたい相手を具体的に挙げ、そこに県庁では届かない距離があることを説明します
市の課題栃木県は平成17年以降、転出超過が続き、とくに20歳代前半の女性の転出超過が顕著。県の出生数は令和5年に9,958人と初めて1万人を割った「人口減少が課題です」ではなく、若い世代の流出という中身に踏み込み、人口2万9千人規模の市でそれが何人分の重みを持つかという感覚で語ります
近隣との位置関係大田原市、那須塩原市、さくら市、塩谷町と接する。隣接する那須塩原市は令和6年の観光客入込数771.2万人で県内第3位隣の市の観光の数字を借りて語るのではなく、その人の流れが矢板市を通るときに何が起きるか、自分なりの見立てを一つ用意しておきます
防災・危機管理県地域防災計画の想定地震は栃木県庁直下地震(マグニチュード7.3)。冬深夜のケースで死者数3,926人、1週間後の避難者数339,833人と想定想定の数字を暗唱するのではなく、住宅の耐震化や避難所の運営など、広い市域を持つ矢板市で自分が手伝える場面を一つ選んで語ります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、公表された3つの力に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民に寄り添う力誰かの事情に合わせて自分のやり方を変えた場面があるか矢板市の個人面接は200点と配点が最も大きい科目です。エントリーシートに書いた志望動機の相手を、具体的な誰かに置き換えて説明できるようにしておきます
仮説を検証する力思い込みのまま進めず、確かめてから判断した経験があるか「たぶんこうだと思った」で終わった話は使えません。何を調べ、予想と違った点は何だったかまで一組で用意しておきます
対話で解決する力意見が割れた場面で、話し合いによって着地させた経験があるかグループワークは100点の科目です。矢板市の試験では議論する姿そのものが採点対象になるため、結論を急ぐ役より、噛み合わせる役の経験を思い出しておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する回次の受験案内を読み、試験種目と配点、顔写真データの規格まで確認する(一次募集と二次募集で内容が異なります)
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、矢板市の人口と市域、栃木県全体の見通しから、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. エントリーシートを書く。書き終えたら、そこに書いた一文ずつに「なぜそう思ったか」を口頭で足せるか試す
  6. グループワークを想定して、人の意見に乗せて話を進める練習をする。声に出して答え、掘られたら何と返すかを書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、矢板市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

矢板市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

矢板市役所の想定問答集を見る

さいごに

矢板市の二次募集は、エントリーシート100点の審査を通ったうえで、適性検査100点、グループワーク100点、個人面接200点が課されます。筆記の教養試験がない分、書いた一文と、面接で話す一言の重みが大きい試験です

だからこそ、人口2万9千人・面積170.46km²というこの市の形を自分でつかみ、そこで誰のためにどんな仕事をしたいのかを、エントリーシートと口頭の両方で同じ強さで言えるようにしておいてください。

市民に寄り添う力、仮説を検証する力、対話で解決する力という3つは、面接の場で急に作れるものではありません。今日から思い出せる経験を一つずつ書き出していきましょう。