本記事では、那須烏山市職員採用試験の面接対策で必要な、那須烏山市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
那須烏山市役所の面接試験では、「なぜ那須烏山市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。那須烏山市の早期募集の試験案内は「人物重視」を冒頭で明言しており、筆記の比重が小さい分、話す場面の準備がそのまま結果に響きます。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と那須烏山市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
那須烏山市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは那須烏山市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口22,935人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積174.35km²・人口密度132人/km²の市である。
- さくら市、那須郡那珂川町、塩谷郡高根沢町、芳賀郡市貝町、茂木町のほか、茨城県常陸大宮市とも接する県境の市である。
- 市名の読みは「なすからすやま」。那須塩原市・那須郡那須町・那須郡那珂川町とはいずれも別の自治体で、那須塩原市は那須烏山市の隣接自治体ではない。書類でも面接でも取り違えないようにしたい。
- 市役所(烏山庁舎)は〒321-0692 那須烏山市中央一丁目1番1号に置かれ、団体コードは09215-1。市の花はこぶし、市の木はけやき。
- 令和9年4月1日採用の職員から、市外から市内へ転居する場合に「移転料」を新たに支給する制度が設けられた(市内の実家に転居する場合を除く)。
- 職員採用試験は「早期募集」と「通常募集」の2回制。早期募集は平成17年4月1日以前に生まれた人が対象で、それ以降に生まれた人は後に実施される通常募集を受験する。
- 早期募集の採用予定者数は区分A一般事務が5名程度、区分B(社会人経験者)・区分C(障がい者対象)・区分D土木・区分E保健師が各若干名である。
那須烏山市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「那須烏山市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。規模を測るときの物差しとして、栃木県全体の数値もあわせて載せています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 22,935人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 174.35km² |
| 人口密度 | 132人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | さくら市、那須郡那珂川町、塩谷郡高根沢町、芳賀郡市貝町、茂木町/茨城県常陸大宮市 |
| 市役所所在地 | 〒321-0692 栃木県那須烏山市中央一丁目1番1号(烏山庁舎・団体コード09215-1) |
| 市の花・市の木 | こぶし・けやき |
| (参考)栃木県の総人口 | 1,857,921人(令和8年6月1日現在・毎月人口推計) |
| (参考)栃木県の面積 | 6,408.09km²(全国第20位・関東地方で最大) |
| (参考)栃木県の市町数 | 14市11町(村はない) |
那須烏山市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。栃木県の総人口・面積・市町数は栃木県公式サイトの統計による数値です。市の統計の最新値は、那須烏山市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
那須烏山市の人口密度132人/km²という数字は、県全体と比べるとその意味がはっきりします。
栃木県の総人口1,857,921人を県面積6,408.09km²で割るとおよそ290人/km²ですから、市の密度はその半分に届きません(出典:栃木県毎月人口推計月報|令和8年6月/栃木県の人口・面積|令和6年)。県面積のおよそ2.7%にあたる市域を、県人口のおよそ1.2%で支えている市だといえます。
県全体の人口の流れも押さえておきましょう。栃木県の総人口は平成17(2005)年の201万6,631人をピークに減少へ転じ、令和42(2060)年には約128万人になると推計されています。
令和5(2023)年の出生数は9,958人とはじめて1万人を割り込み、同年の合計特殊出生率は1.19と、全国の1.20を下回る過去最低でした(出典:栃木県人口未来会議資料|令和7年4月)。那須烏山市が採用職員に移転料を支給する制度を設けた理由も、この人口の見込みと並べると腑に落ちます。
人を増やすことと住み続けられるようにすることは別だ、という整理まで進めると強くなります。答え方の例を示します。
那須烏山市の経済・産業
製造業と農業で成り立つ県の中で
人口2万人規模の市の産業は、県全体の姿と重ねると位置づけが見えてきます。栃木県の県内総生産に占める製造業の割合は39.6%(令和3年度)で全国第3位。製造品出荷額等は全国12位で、1人当たり県民所得は3,307千円(令和3年度)と全国5位です。
農業産出額は2,718億円(令和4年度)で全国9位、とちぎのいちごは昭和43年から半世紀以上にわたり生産量日本一を続けています(出典:栃木県の財政状況(IR資料)|令和6年)。
つまり、栃木県は「ものづくりと農業の両方で稼ぐ県」であり、その土台の上に市町の暮らしが成り立っているということです。
那須烏山市を志望する立場でも、県の産業構造を一言で説明できると、市の話に厚みが出ます。県内には鬼怒川・那珂川といった河川があり、豊富な水源が農業と自然環境を支えています。
県境をまたぐ位置と周囲の自治体
那須烏山市は、茨城県常陸大宮市と市域を接しています。通勤・通学や買い物といった日常の行動が、県境を越えて成り立っている場面があるということです。
県内では、さくら市・那珂川町・高根沢町・市貝町・茂木町という1市4町に囲まれており、周囲はいずれも規模の近い自治体です。大きな都市の郊外としてではなく、同じ規模の自治体と横並びの関係の中で自分の役割を決めていく市だと理解しておきましょう。
観光の流れをどう引き寄せるか
栃木県全体では、令和6(2024)年の観光客入込数が8,997.3万人(前年比107.3%)、宿泊数が延べ830.4万人(同105.8%)で、外国人宿泊数は延べ27.9万人と過去最高を更新しました。県内の観光は宇都宮市・日光市・那須塩原市といった地域に集中する構図です。
那須烏山市のように来訪の中心ではない市にとっては、県内の人の流れをどう引き寄せるかという課題設定になります。面接で地域振興に触れるなら、この立ち位置を踏まえた言い方を選びましょう。
那須烏山市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、那須烏山市を含む栃木県内の市町が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
人口減少と若い世代の流出
栃木県では平成17(2005)年以降、転出が転入を上回る状態が続いています。とくに20歳代前半の女性の転出超過が目立ち、行き先は東京都・埼玉県・神奈川県といった首都圏です。
県は、地方創生の10年をもってしても東京圏への一極集中の流れを変えるには至らなかったと公式資料で認めています。人口2万人規模の那須烏山市では、数十人単位の転出入が、そのまま地域の担い手の数を動かします。
面接で人口減少に触れるなら、総数の話で終わらせず、どの層が抜けているかまで言えるようにしておきましょう。
職員の確保という、市自身の課題
那須烏山市が令和9年4月1日採用の職員から移転料を新設したことは、市が人材確保を課題として認識していることの表れです。市外に住む人が採用を機に市内へ移り住む場合を対象としており、市内の実家へ転居する場合は除かれます。
住んでもらうことまで含めて職員を確保しようとしているという設計です。受験する側から見れば、これは働き始めるときの負担が一つ減るという実利でもあります。
志望動機で移住や定住に触れるなら、市がすでにこうした手を打っていることを知ったうえで話しましょう。
広い市域での生活基盤の維持
面積174.35km²に約2万2千人が暮らすということは、住まいが広い範囲に分かれて点在しているということでもあります。道路や上下水道、公共施設といった生活基盤は、人口が減ったからといって短くなったり数が減ったりするわけではありません。
県の公式資料も、人口減少に伴って生活関連サービスの縮小、地域コミュニティの弱体化、公共交通機関の縮小が起きると指摘しています。限られた職員と財源をどこに重点配分するかという判断が、市職員の日常の仕事になります。
大規模地震への備え
栃木県は、地震や風水害などの大規模な自然災害が比較的少ない県とされています。それでも県地域防災計画は、栃木県庁直下地震(マグニチュード7.3)を想定地震に置いています。
冬深夜のケースで死者数3,926人、負傷者数32,081人(うち重傷者6,746人)、1週間後の避難者数339,833人、建物全壊70,812棟という規模です(出典:栃木県地震被害想定調査の概要版|栃木県地域防災計画)。「災害が少ない県」という説明と「備えなくてよい」は別の話です。
自分の関わる地区の想定は、市のハザードマップで確認しておきましょう。
那須烏山市の重点政策|新とちぎ未来創造プランと那須烏山市
那須烏山市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。
ここでは、県が示す将来の見取り図と、市の採用情報がどこにあるのかを見ていきます。人口2万人台の市が打つ手の意味は、県全体の事情を知って初めてつかめます。
県の最上位計画が見ている先
栃木県の最上位計画は、計画期間を2026年度から2030年度とする「新とちぎ未来創造プラン」です。県はこの計画で、人口減少・少子高齢化の進行による労働力や地域の担い手の不足、気候変動によるリスクの高まりを課題に挙げ、オール栃木体制で人口減少・少子化対策に取り組む必要があるとしています(出典:新とちぎ未来創造プラン|2026〜2030年度)。
これは県の計画であって、那須烏山市の計画ではありません。ただ、県が示す方向と市の施策は無関係ではいられません。
市の総合計画を読むときは、県が挙げたこれらの環境変化に、那須烏山市がどの順番で答えようとしているかという目線で見ると、理解が早くなります。
那須烏山市の採用情報をどこで見るか
那須烏山市の職員採用に関する情報は、市公式サイトで公表され、申込は市ホームページの「採用試験エントリーフォーム」からの電子申請のみで受け付けられます。早期募集と通常募集で対象となる生年月日が分かれるため、自分がどちらの募集の対象なのかを最初に確かめることが出発点です。
募集が出たら受験案内をその場で保存し、試験種目・申込の手順・予約が必要な工程を手元に残しておきましょう。
POINT|申込の手続きそのものが第一関門
那須烏山市の早期募集では、エントリーフォームに入力したあと、テストセンター(CBT-S)の受験日時と場所を自分で予約します。第2次試験のWeb面接についても、任意参加の接続テストが用意されています。①自分が対象の募集を特定する → ②エントリーと会場予約を早めに済ませる → ③Web面接の環境を先に整える → ④そのうえで話す中身を作る、という順で動けば、当日の不安をだいぶ減らせます。
悪い例「那須烏山市の活性化に貢献したいです」
改善例「人口が2万人ほどのまちで、職員の方が担当する範囲は広いと聞きました。まずは窓口で市民の方の話を直接うかがう仕事から始めて、地区ごとに違う困りごとを知るところから関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 那須烏山市職員採用試験の受験案内(早期募集か通常募集か、自分が対象のもの)
- 那須烏山市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 市のハザードマップ(自分の関わる地区の想定を知る材料として)
- 新とちぎ未来創造プラン、栃木県の統計資料(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、那須烏山市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。那須烏山市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
那須烏山市役所の面接の概要
ここからは、那須烏山市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
那須烏山市役所の面接の流れ
那須烏山市の令和8年度早期募集は、三段階の構成です。第1次試験は総合適性検査だけで、いわゆる筆記の科目はここに集約されています。
第2次と第3次はすべて人と向き合う試験で、しかも第2次はWeb形式、第3次は対面形式と、同じ面接でも場のつくりが変わるという点が那須烏山市の特徴です。
| 項目 | 内容(令和8年度早期募集・令和9年4月1日採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 三段階選抜。第1次試験、第2次試験、第3次試験と、段階ごとに合格者を絞り込みます |
| 第1次試験 | 総合適性検査(テストセンター方式)。①基礎能力検査(一般知識と一般知能をみる択一式・高等学校卒業程度)と②適性検査で構成されます |
| 第2次試験 | 面接試験(Web形式)。土木・保健師にはこれに加えて専門面接試験(Web形式)があります |
| 第3次試験 | 面接試験(対面形式の個別面接)と集団討論(対面形式)。集団討論は区分A一般事務と区分B一般事務(社会人経験者)のみに課されます |
| 提出書類 | 申込は電子申請のみ。エントリーフォームに入力後、テストセンターの受験日時・場所を自分で予約します。面接カード等の別途提出書類の記載はありません |
| 合格後の扱い | 最終合格者は採用候補者名簿に登録され、有効期間は登録の日から1年間。名簿の登録者が全員採用されるとは限りません |
上記は那須烏山市の令和8年度早期募集の受験案内にもとづくものです。各試験の配点は公表されていません。早期募集は平成17年4月1日以前に生まれた人が対象で、それ以降に生まれた人は後に実施される通常募集の対象となり、試験の構成が異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が対象の募集の最新の受験案内をご確認ください。
この構成から読み取れることは明快です。筆記にあたる科目は第1次の総合適性検査だけで、そこから先はすべて人物をみる試験です。
試験案内も冒頭で「『人物重視』の採用試験を行いますので、奮ってご応募ください。」と明言しています(出典:那須烏山市職員採用試験受験案内|令和8年度早期募集)。なお、第2次のWeb面接には任意参加の接続テストが1日3回の時間帯で用意されています。
機材や通信の不安は事前に消しておきましょう。
那須烏山市役所が求める人物像
那須烏山市の受験案内では、「求める人物像」という見出しの公表文言を確認できません(当研究会調べ)。ただし、各面接試験の説明文に、みる対象が具体的に列挙されています。
第2次のWeb面接は「主に志望動機や人柄、性格、社会性、自己PR等をみるための面接試験」、第3次の個別面接は「人柄、性格、社会性、情緒安定性、積極性、適応性等を総合的にみるための個別面接試験」、集団討論は「職務遂行に必要なコミュニケーション力、表現力、積極性、社会性、協調性等をみるための集団討論」と説明されています。理念として掲げられた人物像ではありませんが、実際に採点される観点がここまで書き出されているのは、対策する側にとってありがたい情報です。
書き出された観点に応えるには、「協調性があります」で自己PRを止めない工夫が要ります。周囲とどう関わり、その結果として何が前に進んだのかを具体的に話しましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。那須烏山市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 画面越しですが、声は届いていますか | 予期しないやり取りへの反応。表情と間の取り方 |
| ② 動機・志望 | この市で働きたいと思ったきっかけは何ですか | きっかけが具体的な経験に根ざしているか |
| ③ 自己理解 | 自分を一言で表すと、どんな人だと思いますか | 短く言い切ったうえで根拠を添えられるか |
| ④ 経験・行動 | まわりの人に助けられた経験を教えてください | 自分を客観的に見る力と、周囲との関わり方 |
| ⑤ 学業・経歴 | いちばん時間をかけて取り組んだことは何ですか | 継続の理由と、そこで身についたもの |
| ⑥ 適性・将来 | 少ない人数の職場で働くことをどう考えていますか | 幅広い業務を担う覚悟と、それを支える体力 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 地域の行事に行政はどこまで関わるべきだと思いますか | 公と地域の距離感についての自分なりの考え |
ただし、この7カテゴリーは那須烏山市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「那須烏山市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「那須烏山市役所ならでは」の質問
どちらも那須烏山市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「那須烏山市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい那須烏山市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と市域 | 人口22,935人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積174.35km²、人口密度132人/km²。県面積のおよそ2.7%を県人口のおよそ1.2%で支えている | 規模の小ささを弱点として語らず、市域あたりの人数が少ないという条件のもとで行政が担う役割の広さへ話をつなげます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 人口2万人規模の市役所では職員一人あたりの担当範囲が広く、住民との距離も近い。市外からの転居者に移転料を支給する制度も市が独自に設けたもの | 制度の説明で終わらせず、那須烏山市の窓口で自分が向き合いたい相手を具体的に挙げ、そこに県庁では届かない距離があることを示します |
| 市が打っている手 | 令和9年4月1日採用の職員から、市外から市内へ転居する場合に「移転料」を支給する制度が新設された(市内の実家への転居は除く) | 制度を知っているという事実だけでは弱いので、市が職員に住んでもらうことまで考えている点を踏まえ、自分が市とどう関わり続けたいかを述べます |
| 周囲との位置関係 | さくら市・那珂川町・高根沢町・市貝町・茂木町に囲まれ、茨城県常陸大宮市とも接する。那須塩原市は隣接自治体ではない | 近隣自治体の名前を正確に挙げられること自体が下調べの証明になります。そのうえで県境をまたぐ暮らしの実際に触れます |
| 試験の性格 | 試験案内は冒頭で「『人物重視』の採用試験を行います」と明言。第2次はWeb形式の面接、第3次は対面の個別面接と集団討論 | 人物重視という言葉を借りるだけでなく、画面越しと対面で伝わり方が変わることを意識して練習してきた、と具体的に語れると印象に残ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、受験案内に書き出された観点に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 社会性・情緒安定性 | 思いどおりにいかない場面で、どう気持ちを保ったか | 那須烏山市は第3次の個別面接でこの観点を明示しています。うまくいかなかった出来事を一つ選び、その最中に自分が何を考えていたかまで話せるようにしておきます |
| コミュニケーション力・表現力 | 集団討論で、他の人の発言を受けて話を進められるか | 集団討論が課されるのは区分Aと区分Bです。自分の主張を通す練習より、他人の意見を要約して次につなぐ練習に時間を使います |
| 積極性・適応性 | 新しい環境や慣れない方法に、自分から合わせにいけるか | 第2次はWeb形式の面接です。慣れない場に自分から準備して臨んだ経験を用意し、接続テストにも参加しておくこと自体が姿勢の証明になります |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 早期募集と通常募集のどちらが自分の対象かを確かめ、その受験案内で試験種目と申込の手順を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、市の人口と市域、栃木県全体の見通しから、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- Web面接の環境を整える。接続テストに参加し、画面越しでの声の大きさと目線の置き方を確かめておく
- 対面の個別面接と集団討論を想定して、一つの経験を掘り下げる練習と、他人の意見に乗せて話す練習を分けて行う
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、那須烏山市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
那須烏山市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
那須烏山市の早期募集は、第1次の総合適性検査を通れば、あとはすべて人と向き合う試験です。Web面接、対面の個別面接、そして区分によっては集団討論。
試験案内が冒頭に置いた「人物重視」という言葉が、そのまま構成に表れています。人口2万人規模で市域は174.35km²、職員一人が受け持つ範囲は自然と広くなります。
そこで自分は何をしたいのか。市が移転料まで用意して職員に来てもらおうとしているこの市に、自分がどう応えるのかを言葉にしておいてください。