本記事では、雲南市職員採用試験の面接対策で必要な、雲南市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

雲南市役所の面接試験では、「なぜ雲南市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の成り立ちと暮らしの形を掴んでおけば、同じ経験を話しても届き方が変わります。

雲南市の職員採用試験は年2回に分かれ、令和8年度は前期が一般事務(大学卒業程度)、後期が一般事務(高校卒業程度)という区分立てでした。後期の一般事務は大学卒業者(卒業見込みを含む)が受験できない扱いです。

第2部では、どちらの回の話かを明示しながら整理していきます。

第1部|自治体研究編

雲南市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは雲南市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 島根県の東部にあり、人口は33,803人(令和8年1月1日現在)。市域は553.18km²と、人口規模のわりに広い。
  • 高齢化率は41.2%で、島根県全体の35.2%を上回る。75歳以上の割合も24.8%(県全体は21.1%)と高い(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口による)。
  • 市内には30の地域自主組織があり、対応する交流センター30施設が大東町・加茂町・木次町・三刀屋町・吉田町・掛合町の6町に配置されている。
  • 地域自主組織による課題解決型の住民自治は、平成27年度の過疎地域自立活性化優良事例表彰で総務大臣表彰を受けた。
  • 日本遺産「出雲國たたら風土記 〜鉄づくり千年が生んだ物語〜」を安来市・奥出雲町とともに構成し、平成28年4月25日に認定、令和4年7月29日に重点支援地域へ選定された。
  • 出雲市・松江市・安来市・飯石郡飯南町・仁多郡奥出雲町と接し、県境を越えて広島県庄原市とも隣り合う。
  • 市は職員採用の受験案内の表紙に、「〜えすこな雲南市〜 みんなが幸せに暮らせるまちを目指します」というキャッチフレーズを掲げている。
  • 職員採用試験は年2回(前期・後期)実施されている。
  • 市の花はさくら、市の木はいちょう。

雲南市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「雲南市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

人口と年齢の構成、市域の広さ、県境をまたぐ隣接関係を並べます。

項目内容
総人口33,803人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口13,923人(41.2%。島根県全体は35.2%)
75歳以上人口8,397人(24.8%。島根県全体は21.1%)
総面積553.18km²
人口密度約61人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体出雲市・松江市・安来市・飯石郡飯南町・仁多郡奥出雲町・広島県庄原市
市の花・木さくら(花)・いちょう(木)

総人口・年齢別人口・高齢化率は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の値によります。島根県全体の数値も同じ調査の県の値です。面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理し、人口密度は上記の人口と面積から当研究会が算出しました。島根県の推計人口は国勢調査を基礎とした別系列ですので、本表の数値とつないで増減を計算しないようご注意ください。

数字から考えられる市政課題

雲南市の高齢化率41.2%は、島根県全体の35.2%を6ポイント上回ります。75歳以上の割合24.8%と合わせて読むと、市民のおよそ4人に1人が75歳以上という年齢構成です(令和8年1月1日現在)。

ここに、553.18km²という市域の広さと1km²あたり約61人という人口密度が重なります。

人が少なく、住んでいる範囲は広い。この二つが同時に成り立つ土地では、買い物や通院、除雪や見守りといった生活の機能を、行政の窓口だけで支えるのは現実的ではありません。

雲南市が住民自治の仕組みを政策の柱に据えている理由も、この数字の中にあります。面接で市の現状を語るときは、次のように暮らしの場面へ引き寄せると伝わります。

「雲南市は市民の4割ほどが65歳以上で、住んでいる範囲が広いまちだと知りました。市の職員が一軒ずつ回れる規模ではないと思いますので、地域の方と一緒に支え方を考えていく仕事に関わりたいと考えています」

雲南市の経済・産業

島根県経済のなかでの位置

  • 事業所数32,637(全国比0.6%)、従業者数296,596人(全国比0.5%)が島根県の規模。いずれも令和3年6月1日現在の値。
  • 産業を大分類でとらえると、事業所数・従業者数のどちらでも卸売業、小売業が最多(事業所8,218、従業者57,786人)。
  • 製造品出荷額等の1兆3,838億円は全国で44番目。上位の業種は電子部品・デバイス・電子回路、次いで鉄鋼、情報通信機械器具の順です(2024年調査)。

つまり、県全体では商業とサービスが雇用を支え、製造業では鉄鋼が上位に入るという構成です。中山間地域に位置する雲南市では、これに農林業と、後で触れる歴史資源が加わります。

産業や雇用の話題では、県の枠組みを押さえたうえで、市の地形と暮らしに引き付けて話すと筋が通ります。(出典:経済センサス‐活動調査の島根県結果|令和3年/経済構造実態調査(製造業事業所調査)の島根県結果|2024年)

たたら製鉄が残したもの

雲南市は、安来市・奥出雲町とともに日本遺産「出雲國たたら風土記 〜鉄づくり千年が生んだ物語〜」を構成しています。平成28年4月25日に文化庁の認定を受け、令和4年7月29日には重点支援地域に選ばれました。

島根県東部では約1400年前から砂鉄と木炭を用いるたたら製鉄が盛んで、江戸時代後半から明治にかけての最盛期には、全国のおよそ8割の鉄が中国山地の麓でつくられたとされています。県の製造業で鉄鋼が上位に入るという現在の姿と、この歴史は地続きです。

観光や文化を志望動機に使うなら、認定の事実だけでなく、その物語を今どう地域の仕事につなげるかまで考えておきましょう。(参考:日本遺産「出雲國たたら風土記」|文化庁)

交通と圏域

島根県内の高速自動車国道等は、令和7年4月1日現在で路線延長289km、うち開通しているのが244kmで、開通比率84%という状況です。うち山陰道は路線延長197kmに対して開通延長152km、開通比率77%です。

県は暫定2車線区間の4車線化や未事業化区間の事業着手を国に要望しています。雲南市は松江市・出雲市という県内の人口集積地と、県境を越えた広島県庄原市の双方に接する位置にあります。

通勤や通院、物流の圏域が市の境界で閉じていないことは、施策を考えるうえでの前提になります。(出典:高速道路の整備状況と要望|島根県)

雲南市の主な行政課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、雲南市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口減少と高齢化

島根県の推計人口は令和7年10月1日現在で633,105人。前年比では8,291人の減少で、率にすると1.29%減にあたります。

合計特殊出生率は令和5年に1.46、社会移動は同年で2,041人の転出超過(仮の値)となっています。県は第2期島根創生計画(令和7〜11年度)のなかで、合計特殊出生率2.07を2045年までに、社会移動の均衡を2040年までにという長期目標を置いています。

県全体で高齢化が進む中でも、高齢化率41.2%の雲南市は、県平均より一歩先の局面に立っているといえます。県は、高齢化が進み人口が減った集落では社会的共同生活の維持が難しくなっていると指摘しており、いわゆる小規模・高齢化集落が中山間地域や離島に散在しています。(参考:第2期島根創生計画|島根県)

暮らしの機能をどう保つか

雲南市の30の地域自主組織は、交流センターを拠点に、福祉・防犯・防災、買い物支援、交通弱者対策、観光や特産品の開発といった取り組みを担っています。行政サービスの隙間を地域が埋めているとも言えますが、その担い手自身も高齢化していきます。

仕組みがあることと、動かす人がいることは別です。市の職員には、組織の看板を守ることではなく、活動を続けられる形に組み替えていく仕事が求められます。

地震と水害への備え

平成30年4月9日1時32分、島根県西部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生し、雲南市では震度5弱を観測、軽傷1名の人的被害が生じました。県の地震・津波被害想定調査(平成30年3月)では、陸域で被害が最大となるのは宍道断層の地震(マグニチュード7.1)による全壊が約3,260棟、死者は計102人という想定です。

水害では、令和3年7月6日からの大雨で雲南市に災害救助法が適用されました。集落が広く散らばる市では、被害の把握そのものに時間がかかります。

日ごろから地域とつながっていることが、災害時の初動を左右します。(出典:島根県地震・津波被害想定調査(概要版)|平成30年3月)

原子力災害への備え

島根地域の原子力災害対策重点区域(おおむね半径30kmの範囲)の人口は457,496人(令和2年12月末現在)です。おおむね5〜30km圏にあたるUPZには、島根県の松江市・出雲市・安来市・雲南市と鳥取県の米子市・境港市を合わせて448,009人が暮らしており、雲南市もその関係6市の一つです。

避難計画を含んだ「島根地域の緊急時対応」は令和3年7月30日の協議会で確認され、同年9月7日には原子力防災会議への報告と了承を経ています。住民への情報提供や避難の受け入れは、市の平時の業務に組み込まれています。

雲南市の重点政策|地域自主組織による住民自治

雲南市の政策を一つだけ挙げるとすれば、地域自主組織による住民自治です。市内30か所の交流センターを拠点に、住民自身が地域の課題を見つけて解決にあたる仕組みで、市はこれを課題解決型の住民自治(小規模多機能自治)と呼んでいます。

取り組む分野は福祉・防犯・防災から、買い物支援、交通弱者対策、観光・特産品開発まで広がります。平成27年度の過疎地域自立活性化優良事例表彰では総務大臣表彰を受けました。(出典:課題解決型の住民自治(小規模多機能自治)|島根県)

30の組織をどう束ねているか

30の地域自主組織は、大東町・加茂町・木次町・三刀屋町・吉田町・掛合町の6町に配置されています。連絡協議会には各町から2名ずつ、地域自主組織の会長が代表として出て、おおむね月1回集まる形です。

30の組織と6町という単位が、市政と暮らしをつなぐ回路になっていると考えると、市職員の仕事の形も想像しやすくなります。市の計画をつくる場面でも、事業を動かす場面でも、この回路を通らずに進むことは考えにくいからです。(参考:地域自主組織と交流センター|雲南市)

受験案内が語る市の姿勢

雲南市は職員採用の受験案内の表紙に、「〜えすこな雲南市〜 みんなが幸せに暮らせるまちを目指します」というキャッチフレーズと、「『住みたい田舎』ベストランキング4年連続全国1位など(若者世代・単身者部門)」という紹介を掲げています。受験生に向けて最初に見せているのが、行政の実績ではなく暮らしの評価だという点は、この市の性格をよく表しています。

市の計画や施策の資料は市公式サイトで公表されていますので、関心のある分野を決めてから開くと理解が進みます。

POINT|組織名を覚えるより、活動の中身を一つ調べる

地域自主組織という言葉を知っているだけでは、面接では足りません。関心のある分野を一つか二つ選び、「①その地域で何が困っているのか → ②地域自主組織や市がどう動いているか → ③行政でなければできない部分はどこか → ④自分の経験のどこが重なるか」の順に整理していきましょう。

悪い例「地域の方と協力してまちづくりに取り組みたいです」

改善例「雲南市では買い物の支援や見守りを地域の組織が担っていると知りました。ただ、その担い手の方も年齢を重ねていきますので、続けられる形をどう整えるかを、地域の方と一緒に考える仕事に関わりたいと思っています」

あわせて確認したい公式資料

志望動機を組み立てるときは、次の資料が土台になります。雲南市は前期と後期で受験案内が別に出ますので、自分が受ける回のものを手元に置いてください。

  • 雲南市職員採用試験の受験案内(前期・後期で試験区分と受験資格が異なります)
  • 雲南市の地域自主組織と交流センターに関する市公式サイトの説明
  • 雲南市の総合計画や分野別の計画、最新年度の当初予算に関する市の公表資料
  • 島根県が公表する推計人口・地震津波被害想定などの統計や調査

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、雲南市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。雲南市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

雲南市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

雲南市役所の面接の概要

ここからは、令和8年度の雲南市職員採用試験で公表された内容をもとに整理していきます。この年度は前期と後期で募集する一般事務の区分が異なり、前期が一般事務(大学卒業程度)、後期が一般事務(高校卒業程度)でした。

前期と後期で何が違うか

試験科目は前期・後期とも全区分共通で、違いは受験資格の側にあります。とくに注意したいのは後期です。

後期の一般事務(高校卒業程度)は、大学卒業者(卒業見込みを含む)が受験できません。大学生・大学卒業者が雲南市の一般事務を目指す場合、対象になるのは前期の一般事務(大学卒業程度)です。

項目内容(令和8年度)
実施回数年2回(前期・後期)
前期の一般事務一般事務(大学卒業程度)を若干名。平成4年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人が対象です
後期の一般事務一般事務(高校卒業程度)を若干名。平成7年4月2日から平成21年4月1日までに生まれた人が対象で、大学卒業者(卒業見込みを含む)は受験できません
国籍要件各試験区分とも、日本国籍を有する人に限ると受験案内に明記されています
第1次試験(前期・後期共通)教養試験(90分・択一式)、事務適性検査(10分)、職場適応性検査(20分)、作文試験(80分)。技術系の区分にはこれに専門試験(90分から120分)が加わります
教養試験の出題範囲時事、社会、人文、自然に関する一般知識と、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する一般知能等。試験区分ごとに試験の目安に応じた問題集により実施されます
検査の目的事務適性検査は事務職員としての適応性を正確さ・迅速さ等の作業能力の面からみる検査、職場適応性検査は職務への対応や対人関係面での性格特性をみる検査と定義されています
第2次試験(前期・後期共通)個別面接のみ。職務遂行能力等をみる目的で行われ、事前に自己紹介書を提出します
集団形式受験案内の試験科目表に集団討論・集団面接の記載はなく、人物試験は第2次試験の個別面接だけです
居住についての記載住所要件は設けないとしたうえで、地域活動への参加や災害等の非常時への迅速な対応のため、できれば採用後は市内へ居住してほしいと案内に記されています
後期の注意事項一定水準の得点を超えない場合は採用しないことがある旨と、同年度の前期で同一の試験区分を受験した人は同一区分では受験できない旨が明記されています
申込方法持参または郵送(申込用紙は人事課・各総合センターで交付され、市ホームページにも掲載。申込書に110円切手2枚を添え、郵送は簡易書留)と、インターネットによる電子申請の2通りです
試験結果の開示受験者本人が顔写真付きの身分証明書を持参して人事課で口頭により請求します。第1次試験不合格者は第1次の総合得点と総合順位、第2次試験不合格者はこれに第2次の総合順位を加えた内容を、各合格発表の日から1か月間開示します
初任給令和8年4月1日現在で、大学卒22歳が月額232,000円、高校卒18歳が月額200,300円

上記は、雲南市の令和8年度職員採用試験の前期・後期それぞれの受験案内にもとづく内容です。各試験科目の配点は案内に示されていませんので、比重の判断は科目の構成から行ってください。試験区分・受験資格・実施の回は年度によって変わります。受験の際は、必ずご自身が受ける回の最新の受験案内でご確認ください。

雲南市が求める人物像

雲南市が令和8年度に公表した前期・後期の受験案内を確認しましたが、「求める人物像」をまとめた項目は設けられていません。手がかりになるのは、表紙のキャッチフレーズ「〜えすこな雲南市〜 みんなが幸せに暮らせるまちを目指します」と、住所要件の説明の中にある一文です。

市は住所要件を設けないと明記したうえで、地域活動への参加や災害等の非常時への迅速な対応のため、できれば採用後は市内へ居住してほしいと書き添えています。地域の活動に加わることと、非常時に動けることが、この市では職員の働き方の一部として想定されていると読み取れます。

30の地域と向き合う職場

ここから3段落は、受験案内に書かれていない領域に踏み込みます。30という組織の数と6町という配置を手がかりに、当研究会が雲南市役所という職場のかたちを描いてみます。

人口3万人台の市が、553km²余りの市域と30の地域自主組織を相手にしています。この規模では、一つの分野を担当し続けるより、複数の仕事を並行して受け持つ場面のほうが多くなるはずです。

前例を探しても市の中に見当たらない場面も出てくるでしょう。

そこで効いてくるのは、知らない分野でも自分で調べて手順を立てられること、そして地域の人や庁内の先輩に早めに相談できることだと考えられます。加えて、地域自主組織の会合や交流センターの行事は、市の仕事と地域の暮らしが重なる場です。

そうした場に自分から出ていけるかどうかも、選考では見られていると考えておきましょう。

第2次試験の前に提出する自己紹介書は、この市の面接の起点になる書類です。そこに書けるのは、これまでに自分が実際に関わってきたことだけです。

雲南市の外から受ける人であれば、市の言葉を借りて自分を語るより、これまで人と一緒に続けてきた活動を挙げ、それが30の地域自主組織が動くこの市でどう生きるのかを説明するほうが、個別面接1回という短い場では届きやすいはずです。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。雲南市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらからいらっしゃいましたか市内居住への希望が案内に書かれた市です。土地との関わりが自然に出るか
② 動機・志望なぜ雲南市で働きたいと思ったのですか近隣に松江市も出雲市もある中で、この市を選んだ理由の具体性
③ 自己理解ご自身の長所と短所を教えてください職場適応性検査で対人関係面も見られます。自己評価に裏づけがあるか
④ 経験・行動地域や団体の活動に関わった経験を教えてください住民自治が政策の柱の市です。人の輪の中で動いた経験があるか
⑤ 学業・経歴これまで最も力を注いできたことを教えてください自己紹介書に書いた内容と、口頭の説明が食い違わないか
⑥ 適性・将来配属先について希望はありますか30の地域を6町で受け持つ市です。担当が変わっても働ける柔軟さ
⑦ 公共性・社会性最近気になった出来事を一つ挙げてください第1次試験には作文もあります。考えを筋道立てて短く述べられるか

ただし、この見取り図が届く範囲は、他の受験者もひととおり用意してきます。差がつくのは、雲南市を調べていなければ答えの中身が薄くなる質問のほうです。

合否を分けるのは「雲南市役所ならでは」の質問

「なぜ島根県庁ではなく、雲南市役所を志望するのですか?」
「雲南市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

個別面接は1回だけです。だからこそ、この2問で市への理解の深さが一度に測られると考えておいてください。

こうした質問に答えるための「雲南市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい雲南市の事実答え方のヒント
人口と年齢構成人口33,803人。65歳以上41.2%・75歳以上24.8%で、いずれも島根県全体の35.2%・21.1%を上回る(令和8年1月1日現在)高齢化の数字に、市域553km²という広さを重ねて、暮らしを支える難しさとして述べる
なぜ県庁ではなく市役所か雲南市は30の地域自主組織と6町の交流センターを軸に、住民自身が課題解決に取り組む仕組みを政策の柱としている住民に近いという一般論で終えず、地域と一緒に動く仕事のどこに関わりたいのかを挙げる
雲南市の魅力住民自治の取り組みは平成27年度の過疎地域自立活性化優良事例表彰で総務大臣表彰を受けた。市は受験案内で「住みたい田舎」ベストランキングの評価も紹介している受賞や評価の紹介で止めず、その暮らしを続けるために何が要るかという視点で語る
歴史・文化安来市・奥出雲町とともに日本遺産「出雲國たたら風土記」を構成。平成28年4月25日認定、令和4年7月29日に重点支援地域へ選定認定の事実に加え、複数の市町が一つの物語を共有していることの意味まで触れる
防災平成30年4月9日の島根県西部の地震で市内は震度5弱、軽傷1名。令和3年7月の大雨では災害救助法が適用された実際に被害が出た地域であることを踏まえ、地域とのつながりが初動に効くという視点で述べる

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

雲南市は求める人物像を文章の形では掲げていませんので、ここでは選考の設計と、受験案内に書かれた市の姿勢に照らして観点を整理します。面接で確かめられているのは、これまでに自分が実際どう動いてきたかです。

いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
地域の中で動ける力自己紹介書に書いた活動歴と、そこからの深掘り人の集まりの中で役割を担った経験を、周りの反応まで含めて説明できるようにする
初めての仕事に向き合う姿勢職員数の限られる市で、未経験の業務にどう取り組むかを問う質問知らないことを調べて形にした経験を、調べ方と相談の仕方まで具体的に話せるようにする
腰を据えて関わる意思市内居住への希望が案内に記された市です。この土地との関わり方を問う質問出身地であるかどうかに関わらず、雲南市の何に関心を持ったのかを自分の言葉で述べられるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。雲南市の人物試験は個別面接1回ですので、その1回の中で掘り下げが続くと考えておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておいてください。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する回(前期か後期か)を決め、その回の受験案内で試験区分と受験資格、申込方法を確認する
  2. 自己紹介書に書く内容を先に固める。これまでの活動と、そこで自分が担った役割を書き出しておく
  3. 高校や大学での生活、職務の経験をたどり直し、学業・課外活動・アルバイトから話せる具体例を1つずつそろえる
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  6. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編み、声に出して練習する

優先順位に注意

ステップ5〜6に置いた自治体研究が、他の受験生との差になる部分です。時間が足りないときは、ステップ2の自己紹介書と、ステップ3の経験の棚卸しを先に片づけてください。個別面接はその書類を手元に置いて進みますので、書いた内容が固まっていれば受け答えの軸になります。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、雲南市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

雲南市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

雲南市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度の雲南市は、前期に一般事務(大学卒業程度)、後期に一般事務(高校卒業程度)を募集し、後期は大学卒業者が受験できない扱いでした。どちらの回でも第1次試験の科目は共通で、人物を見るのは第2次試験の個別面接1回だけです。

その1回に向けて提出するのが自己紹介書ですから、準備はそこから始まります。市民の4割ほどが65歳以上で、30の地域自主組織が暮らしを支えているまちで、自分は誰とどんな仕事をしたいのか。

書類に書ける形まで言葉にしておきましょう。受ける回によって試験区分も資格も変わりますので、案内が出たら自分の目で確かめてください。