本記事では、竹原市職員採用試験の面接対策で必要な、竹原市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

竹原市役所の面接試験では、「なぜ竹原市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

令和8年度の試験は、第1次が筆記、第2次が面接という2段階です。筆記を抜けた先に残っているのは面接だけですから、そこに準備の重心を置くことになります。

本記事で扱う試験の内容は、竹原市が公表した令和8年度竹原市職員採用試験案内にもとづき、一般事務職を対象に整理したものです。受験資格には他の市と異なる条件も含まれていますので、申込の前に案内本文をご自身で確かめてください。

第1部|自治体研究編

竹原市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは竹原市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 広島県の中南部、瀬戸内海に面する市。県内では三原市・東広島市・大崎上島町と隣り合い、海を隔てて愛媛県今治市とも境を接する。
  • 市域の面積は118.23km²で、広島県全体(8,478.16km²)の約1.4%にあたる。
  • 人口は2万2,075人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
  • 高齢化率は43.4%で、広島県全体の30.2%を13.2ポイント上回る。75歳以上の割合は27.8%で、市民の4人に1人以上が75歳以上にあたる。
  • 令和8年度の職員採用試験は一般事務職の若干名で、実施主体は竹原市。試験案内は市役所総務部総務課が発行している。
  • 受験資格に「採用後、原則として竹原市に居住する者であること」が明記されている。
  • 市域の消防は東広島市が受け持つ広域の体制で運営されており、竹原市が単独で消防吏員を採用してはいない。

竹原市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「竹原市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

広島県は「市町民経済計算」として市町内総生産などを公表していますが、これは県民経済計算を統計指標で市町別に按分した推計であり、市が自前で集計した金額ではありません。

規模の目安として扱うにとどめ、面接で額に踏み込む必要はないでしょう。ここでは年齢構成と市域、隣接する自治体までを一覧にまとめました。

項目内容
総人口22,075人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口(高齢化率)9,587人(43.4%/広島県全体は30.2%)
75歳以上人口(75歳以上率)6,143人(27.8%/広島県全体は18.2%)
総面積118.23km²(広島県の約1.4%)
人口密度約187人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体三原市・東広島市・大崎上島町、海を隔てて愛媛県今治市
市の花・市の木梅・竹
市役所の所在地竹原市中央五丁目6番28号

総人口と年齢別の内訳、それぞれの割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。並記した広島県全体の割合も同じ調査の県の値ですので、そのまま比べられます。人口密度は、この人口と面積から当研究会が計算しました。広島県が公表する国勢調査や毎月の推計人口は調査の基準が異なりますので、本表の人口と組み合わせて増減を求めることはなさらないでください。

数字から考えられる市政課題

竹原市の高齢化率43.4%は、広島県全体の30.2%を13.2ポイント上回ります。75歳以上の割合は27.8%で、県全体の18.2%より9.6ポイント高い水準です(いずれも令和8年1月1日現在)。

市民のおよそ10人に4人が65歳以上、4人に1人以上が75歳以上という年齢構成です。介護も交通も買い物も、支える側の人数が限られる前提で組み立て直す必要が出てきます。

県全体も長い減少局面にあります。令和7年国勢調査の速報値では、広島県の人口は2,683,399人でした。

令和2年の前回調査からの減少幅は116,303人、率にして4.2%です。

対前年同月差での減少は、県の人口月報が示すとおり令和8年5月1日現在で254か月に達しました。

県が今後向き合うことを、竹原市はすでに日常の業務として引き受けているという位置づけになります。(出典:令和7年国勢調査 広島県の人口速報|令和7年)

この位置づけは、面接では次のように言葉にできます。

「竹原市は、市民の4割以上が65歳以上だと知りました。75歳以上の方も4人に1人を超えるそうです。人手が限られる中で今のサービスをどう続けるかという工夫が、これから他の市にも必要になるのではと感じています」

竹原市の経済・産業

瀬戸内海に面した小さな市域

竹原市の市域118.23km²は、広島県全体の約1.4%にあたります。陸で接するのは三原市・東広島市・大崎上島町で、南は瀬戸内海を挟んで愛媛県今治市と境を接しています。

県境が海の上にある市という条件は、交流でも防災でも前提になります。人口密度は約187人/km²で、海沿いの市街地と背後の山あいに集落が分かれる姿がうかがえます。

県全体の面積は8,478.16km²あり、47都道府県のなかでは11番目の広さにあたります。

令和7年国勢調査の速報値では広島市が1,172,423人、福山市が439,994人。竹原市は、この2つの大きな都市圏から少し離れた場所に位置しています。

県内での自分の志望先の位置を説明できると、県と市の役割の違いを問われたときに答えが具体的になります。

広島県の産業のなかでの位置

広島県は造船・鉄鋼・自動車といった重工業から電気機械・電子部品などの先端産業まで層の厚い産業群を持ち、製造品出荷額等は中国・四国・九州地方で11年連続して1位を保っています。卸売業・小売業の中国5県におけるシェアも高い水準です。(出典:広島県の産業・企業情報|県公式)

県全体で見れば工業県ですが、人口2万人規模の市がその中で同じ役割を担うわけではありません。

竹原市の産業を語るときは、県の骨格を押さえたうえで、規模の小さい市が何を持ち、何を近隣に頼っているのかという視点を持つと、話が現実に近づきます。消防を東広島市の広域体制に委ねていることも、その一例です。

竹原市の主な行政課題

人口2万2,075人、高齢化率43.4%、そして消防を近隣市に委ねる体制。竹原市の課題は、規模の小ささをどう補うかという一点でつながっています。面接で課題を問われたときの引き出しとして、4つに整理しました。

支える人数が限られるなかでの高齢化

高齢化率43.4%、75歳以上率27.8%という水準は、支援を必要とする人の割合が高く、支える側の人数が少ないことを同時に意味します。

県全体で見ると、令和6年実績の合計特殊出生率は1.29です。国立社会保障・人口問題研究所の推計も県独自推計も、これほど速い低下は見込んでいませんでした。

人の出入りに目を移せば、20歳から24歳までの若年層が「就職」を契機に転出超過になる形が定着しています。若い世代の流出と高齢化が同じ方向に働いている状況です。

単独では持たない機能を、どう確保するか

竹原市域の消防は、東広島市が東広島市・竹原市・大崎上島町の各消防署・分署等を受け持つ広域の体制で運営されています。市の安全を守る機能の一部を、隣の市に担ってもらっているという構図です。(出典:令和8年度東広島市職員募集(第1回)受験案内|令和8年度)

土木職の採用でも、広島県が実施する市町合同の枠組みに参加しています。

単独で抱えきれない仕事を、県や近隣市町と分け合いながら回す。この前提を理解しているかどうかは、市の役割を語るときにはっきり表れます。

災害への備え

令和6年11月28日現在、県内で指定されている土砂災害警戒区域・特別警戒区域は合計47,842箇所です。平成30年7月豪雨では県内で死者153名(うち災害関連死44名を含む)を数え、住家被害は全壊1,176棟・半壊3,632棟などの規模となりました。

広島県地震被害想定調査報告書(令和7年10月)は、マグニチュード9.0の南海トラフ巨大地震で県内最大震度6強、想定死者数約1万4千人(うち津波による死者約1万3千人)、全壊棟数約9万棟(液状化約4万5千棟・津波約3万8千棟)と見込んでいます。

津波の高さは最大4メートル、避難者は70万人を超え、災害関連死は約1,900人から3,700人と初めて示されました。(出典:広島県地震被害想定調査報告書|令和7年10月)

海に面し、要配慮者の割合が高い市では、避難の呼びかけ方も避難後の支援も、全国一律の想定どおりには進みません。

職員をどう確保し、地域につなぎとめるか

令和8年度の職員採用試験は、一般事務職の若干名。募集の規模そのものが小さく、一人が抜けたときの影響も大きくなります。

受験資格には「採用後、原則として竹原市に居住する者であること」という条件が置かれ、日本国籍を有しない人は受験できないことも明記されています。採用の入口の段階から、この地域で暮らしながら働くことが前提に組み込まれているという点は、この市の採用を理解するうえで外せません。

竹原市の重点政策|広島県のビジョンが示す方向と竹原市

県の課題認識を先に押さえておくと、市の施策の位置づけが見えやすくなります。広島県が改定作業を進めている「ひろしまビジョン」の改定案は、想定を超える速さで進む人口減少を最大の課題として掲げています。

県が将来の話として書いていることが、竹原市では今の話になっている。この読み替えができると、志望動機の言葉が具体的になります。(出典:ひろしまビジョン改定案|令和7年)

県の課題認識と、竹原市での見え方

県が挙げる課題認識竹原市での見え方
想定を上回るペースで進む人口減少市の人口は2万2,075人。高齢化率43.4%は県全体を13.2ポイント上回る
出生率の低下による自然減と、20〜24歳の就職を契機とした転出超過採用試験の受験資格に市内居住が原則として置かれるなど、人にとどまってもらう工夫が制度にも表れている
避難生活の長期化による要配慮者の災害関連死という課題の顕在化75歳以上が27.8%を占め、避難後の生活支援が直接の課題になる。消防は東広島市の広域体制が受け持つ

県が並べる3つの課題は、竹原市では抽象論として扱えません。数字の背後にある暮らしを想像したうえで話せるかどうかが、面接での説得力を左右します。

関心分野の掘り下げ方

POINT|調べる順番を決める

計画の名前を覚えることに時間を使っても、面接では効きません。竹原市で気になった分野を一つ決め、その分野の現状、市が掲げている到達点、いま動いている取組の三つを順に押さえてください。最後に、自分がこれまでやってきたことのどこを差し出せるかを、一言で言えるようにしておきます。

悪い例「竹原市の地域づくりに貢献したいです」

改善例「市民の4人に1人以上が75歳以上だと知りました。まずは目の前の仕事を覚えるところからですけれども、その上で、病院やお店までどう行かれているのかを実際に伺って、少ない人数でも続けられる形を考える仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

準備の最初に手に取ってほしい資料を挙げます。竹原市は募集の規模が小さく、案内も要点が絞られていますので、まずは試験案内を通しで読むところから始めてください。

  • 最新年度の竹原市職員採用試験案内
    受験資格・試験の種目・申込方法が数ページにまとまっています
  • 竹原市の職員採用試験情報のページ
    採用専用サイトへの入口があり、募集の有無を確認できます
  • 竹原市の総合計画
    市がどの分野に力を入れているかを、自分の関心と照らし合わせられます
  • ひろしまビジョンと県の地震被害想定
    県の方針と災害リスクを、竹原市の置かれた条件に引き付けて読めます

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、竹原市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。竹原市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

竹原市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

竹原市役所の面接の概要

ここからは、令和8年度の一般事務職を対象に、面接の形式と流れ、質問の全体像、差がつく質問への備え方を、市の公表資料と当研究会の分析から整理していきます。

筆記を抜けたら、あとは面接だけ

竹原市の令和8年度の試験は、第1次が筆記試験、第2次が面接試験という2段階です。

第1次で課されるのはSCOAで、種目は基礎能力検査が約60分間、パーソナリティ検査が約35分間の2つ。第2次は面接試験のみで、ここを抜ければ最終合格に届く構成になっています。

面接の形式については、試験案内に「面接試験」とだけ記されています。個別なのか集団なのかは示されていませんので、どちらでも通用する準備をしておくのが安全です。

なお、案内の全体を通して、集団討論やグループワークにあたる種目の記載はありません。

項目内容(令和8年度・一般事務職)
試験の段階第1次試験(筆記試験) → 第2次試験(面接試験)の2段階
第1次試験筆記試験(SCOA)。種目は「基礎能力検査 約60分間」と「パーソナリティ検査 約35分間」の2つ
第1次試験の受験方法申込の際に、竹原市が指定する会場(竹原市役所1階会議室)での受験か、受験者が選ぶ全国のテストセンター(全国47都道府県に約350か所)での受験かを選択します。受付完了後の変更はできません
第2次試験面接試験。会場は竹原市役所で、詳細は第1次試験の合格通知で知らされます
募集職種と人数一般事務職・若干名。令和9年4月1日採用予定で、新卒者以外の合格者は本人の承諾を得たうえで令和8年10月1日から令和9年4月1日までの間に採用される場合があります
受験資格(国籍)受験できない人として「日本国籍を有しない人」が明記されています
受験資格(居住)「採用後、原則として竹原市に居住する者であること」が明記されています
申込方法インターネットによる申込みのみ。市ホームページの「竹原市職員採用試験情報」から採用専用サイトへ進みます。顔写真のデータと、受験票を印刷するためのプリンタが必要です
配点各試験の配点は公表されていません
結果の開示不合格となった人は、合格発表の日から1か月間、本人の順位と総合得点の開示を請求できます。本人が身分証明書を持参して市役所の担当係へ直接出向く必要があり、電話による請求は受け付けられません。第2次試験で不合格となった場合、第1次試験に係る結果は開示されません

上記は、竹原市が公表した令和8年度竹原市職員採用試験案内に基づく内容で、一般事務職についてのものです。面接試験の形式が個別か集団かは同案内に記載されていません。配点についても同案内に記載はありません。募集職種・試験の種目・受験資格は年度によって変わりますので、受験の際は竹原市が公表する最新の試験案内でご確認ください。(出典:令和8年度竹原市職員採用試験案内|令和8年度)

受験資格について、もう一度触れておきます。竹原市の一般事務職は日本国籍を有することが必要で、この点は広島県内でも市によって扱いが分かれます。

県内の他市の条件をそのまま当てはめて考えないでください。応募できる年齢は平成8年4月2日から平成21年4月1日までに生まれた人とされています。

土木職には県との合同試験という別ルートがある

土木職を志望する人は、もう一つの枠組みを知っておく必要があります。竹原市は、広島県が実施する広島県市町合同職員採用試験(土木職)の参加市町の一つです。

令和7年度に参加したのは呉市・竹原市・三原市・福山市・府中市・庄原市・東広島市・廿日市市・熊野町・大崎上島町の10市町です。

市町が合同で面接試験を実施し、受験者は3市町まで受験できます。(出典:広島県市町合同職員採用試験(土木職)|令和7年度)

この合同試験は土木職を対象とする枠組みで、竹原市が単独で実施する一般事務職の採用試験とは別のものです。事務職は対象に含まれません。また、申込に用いる採用専用サイトは民間の求人サービスを複数の自治体が利用しているもので、近隣市との共同実施を意味するものではありません。参加市町や実施内容は年度によって変わりますので、最新の情報は広島県および竹原市の公表資料でご確認ください。

受験資格の条件から見えるもの

竹原市は「求める人物像」としてまとめた項目を公表していません。手がかりは、試験案内に書かれている条件のほうにあります。

採用後は原則として市内に住むこと。試験の実施も問合せも市役所の総務課が直接担っていること。募集は一般事務職の若干名であること。

市の側が長く一緒に働く相手を探しているという姿勢は、この条件の並びから読み取れます。

ここから先は、若干名という採用規模を踏まえた当研究会の見方になります。毎年ごく少人数しか採らない役所では、制度の組み立てから住民への説明、関係する機関とのやり取りまでを、配属先の同じ担当者が続けて背負う場面が出てきます。

そうした職場では、知らない仕事に当たったときに自分で調べ、周囲に確かめながら形にしていける人が働きやすいと考えられます。

加えて、職員と市民が仕事の場以外でも顔を合わせる環境です。丁寧な受け答えや約束を守る姿勢が、そのまま市役所全体の評判につながります。

市外から受験する人は、竹原の何を見て応募したのか、どの課題を自分の関心に引き寄せているのか、暮らす人としてどう関わるつもりなのかを具体的に語れるかどうかが問われます。生まれ育った土地かどうかは、その先の話です。

そして、選考の実際はいたって短い。基礎能力検査60分とパーソナリティ検査35分を終えたら、残るのは面接試験だけです。

試験案内に挙がっている種目はこの3つで、論文や作文は含まれていません。話す時間の中身が、そのまま結果になる試験だと考えて、自分の経験を語る形を先に固めておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。竹原市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?市役所という会場に足を運んだうえで、落ち着いて話し始められるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?若干名の募集に応じた理由まで、話がつながっているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?パーソナリティ検査を受けた後で、自己認識に一貫性があるか
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください成果の大きさではなく、手が止まったところから動き直せたか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて学んだことを説明してください試験案内に論文も作文もない以上、口頭だけで中身を伝えきれるか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?一人が幅広い分野を担う職場であることを、どう受け止めているか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?市の外の動きにも目を向けているか

この7項目には、竹原市ならではの要素はありません。ここで抜きん出るのは難しいところです。準備の差が表に出るのは、次に挙げる市の中身に踏み込む質問のほうになります。

合否を分けるのは「竹原市役所ならでは」の質問

「なぜ広島県庁ではなく、竹原市役所なのですか?」
「竹原市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

人口2万人台という規模だけを述べても、竹原市の話にはなりません。

逆に、暮らしの実感に届く事実を一つ持っているだけで、答えの重みが変わる質問でもあります。市の規模と条件が伝わる事実を5つ挙げ、答え方をあわせて示します。

質問テーマ知っておきたい竹原市の事実答え方のヒント
高齢化の現在地人口2万2,075人、高齢化率43.4%(広島県全体は30.2%)、75歳以上率27.8%(同18.2%)。数値はいずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳によります割合を挙げたあと、支える側の人数も限られるという両面に触れると、現状認識の精度が伝わります
消防の広域体制市域の消防は東広島市が東広島市・竹原市・大崎上島町の各消防署等を受け持つ体制で運営されている単独で持たない機能を近隣と分け合う前提を理解していることを示すと、規模への理解が伝わります
市内居住が原則という条件受験資格に「採用後、原則として竹原市に居住する者であること」が明記されている条件を承知していると述べるだけでなく、この地域で暮らすことをどう考えているかまで自分の言葉で語ります
採用の規模令和8年度の職員採用試験は一般事務職の若干名。試験の実施も問合せも市役所の総務課が担っている少人数の職場で一人が担う範囲の広さに触れ、幅広く関わることへの構えを示します
なぜ県庁ではなく市役所か県が将来の課題として挙げる人口減少と高齢化が、この市ではすでに日々の業務の前提になっている制度の比較ではなく、課題の現場に近い場所で働きたい理由を、自分の経験に結び付けます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

竹原市は求める人物像を公表していませんので、ここでは選考の設計に照らして評価の軸を読み取ります。

SCOAの基礎能力検査とパーソナリティ検査、そして面接試験。ここでも働くのはコンピテンシー評価の考え方です。答えのまとまりではなく、経験の中身と行動の再現性が見られます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
口頭だけで伝えきる力文章で考えを示す種目が案内にないぶん、話だけで経験の中身を届けられるか主要な経験を、前提の説明から結論まで3分で話せる形に整え、声に出して時間を計っておく
幅広い仕事への構え少人数の職場で担当が広がることを、前向きに受け止められているか役割が決まっていない場面で自分から動いた経験を1件用意し、そのときの判断まで説明できるようにする
この地域で働き続ける意思市内居住が原則という条件を踏まえ、暮らしと仕事の両面から志望を語れるか高齢化率や消防の広域体制など市の条件を1つ選び、自分がそこで何を続けたいかにつなぐ

なお、公務員の面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。竹原市の第2次試験は面接だけで合否が決まりますから、掘り下げに耐える話を持っているかどうかがそのまま結果に響きます。

最後に頼りになるのは、細部まで自分の言葉で語れる実体験に根ざした答えです。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の試験案内を通しで読み、受験資格を一つずつ自分に当てはめる。国籍と市内居住の条件は必ず確認する
  2. 第1次試験の受験方法を決める。市役所の会場かテストセンターかを申込時に選び、受付が完了すると変更できない
  3. 経験の棚卸しをする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  4. 主要な経験を3分で話せる形に整える。案内に論文も作文もない試験なので、口頭で伝えきる練習に時間を割く
  5. 自治体研究のインプットをする。高齢化率や消防の広域体制など、志望分野に近い事実を2〜3個は数字ごと言えるようにする。そのうえで固有質問の対応表を使い、事実からやりたいことまでつながる話にまとめる
  6. 声に出して練習する。面接の形式が個別か集団かは公表されていないので、どちらでも同じ内容を届けられるところまで持っていく

優先順位に注意

ステップ5に置いた自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しとステップ4の話す練習を先に終わらせてください。竹原市の第2次試験は面接だけで、そこに書面の助けはありません。語れる材料を先に用意しておかないと、市の知識を差し込む場所そのものがなくなります。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、竹原市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

竹原市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

竹原市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度の試験案内を読むかぎり、竹原市の一般事務職は、第1次がSCOAの筆記、第2次が面接試験という2段階でした。募集は若干名で、受験資格には日本国籍と、採用後に原則として市内へ居住することが挙げられています。

人口2万2,075人、高齢化率43.4%。消防は東広島市の広域体制が受け持ち、土木職には県との合同試験という別の枠組みもあります。

県が将来の課題として書いていることを日々の業務として引き受けているこの市で、自分は何を続けられるのか。ここに自分なりの答えを持っておくと、面接で問われる角度が変わっても、答えの土台は動きません。

募集職種も試験の種目も年度によって変わりますので、準備を始める前に必ず最新の試験案内をご確認ください。