本記事では、江津市職員採用資格試験の面接対策で必要な、江津市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

江津市役所の面接試験では、「なぜ江津市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市が何を目指しているのかを掴んでおけば、同じ経験を話しても伝わり方が変わります。

江津市の試験は、正式には「江津市職員採用資格試験」という名称です。令和8年度は第1回から第3回に加えて、経験者を対象とした通年の採用枠も設けられました。

第2部では、令和8年度第3回の実施要領で公表された内容をもとに、一般事務(A)を軸として整理していきます。

第1部|自治体研究編

江津市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは江津市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 島根県の西部にあり、日本海に面する。人口は20,816人(令和8年1月1日現在)、市域は268.24km²。
  • 高齢化率は41.0%で、島根県全体の35.2%を上回る。75歳以上の割合も24.3%(県全体は21.1%)と高い(いずれも令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口による)。
  • 広島県から流れ下る一級河川の江の川が、江津市で日本海に注ぐ。幹川流路延長194km、流域面積3,900km²。
  • 江の川は広島県山県郡北広島町に源を発し、広島県北部の三次市で複数の河川を合流したのち島根県に入る。市の外にある雨が、市の水位を左右する川である。
  • 平成30年7月と令和2年7月の洪水など度重なる被害を受け、令和3年3月に江の川水系流域治水プロジェクトが策定・公表された。
  • 浜田市・大田市・邑智郡邑南町・川本町と接する。
  • 職員採用の試験は「江津市職員採用資格試験」という名称で、合格は採用候補者名簿への登載を意味する。
  • 市は職員採用にあたって「求める人材」を3点にまとめて公表している。
  • 市の花はツツジ、市の木はクロマツ。

江津市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「江津市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

人口と年齢の構成に、市域の広さと隣接する自治体を添えました。

項目内容
総人口20,816人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口8,539人(41.0%。島根県全体は35.2%)
75歳以上人口5,056人(24.3%。島根県全体は21.1%)
総面積268.24km²
人口密度約78人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体浜田市・大田市・邑智郡邑南町・邑智郡川本町
市の花・木ツツジ(花)・クロマツ(木)

総人口・年齢別人口・高齢化率は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の値によります。島根県全体の数値も同じ調査の県の値です。面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに整理し、人口密度は上記の人口と面積から当研究会が算出しました。国勢調査を基礎に島根県が出している推計人口は基準が異なりますので、本表の数値と並べて増減を求めることは避けてください。

数字から考えられる市政課題

江津市の高齢化率41.0%は、島根県全体の35.2%を6ポイント近く上回ります。75歳以上の割合も24.3%で、市民のおよそ4人に1人が75歳以上という構成です(令和8年1月1日現在)。

人口2万人台という規模は、市の職員数にもそのまま跳ね返ります。

ここに重なるのが、江の川という条件です。流域面積3,900km²の川の河口を抱えるということは、上流の広島県側で降った雨の結果を、市が受け止める立場にあるということです。

防災も、まちづくりも、市の境界の内側だけでは完結しません。面接で市の現状を語るときは、この地理の条件に触れると輪郭がはっきりします。

たとえば次のような言い方です。

「江津市は市民の4割ほどが65歳以上で、江の川の河口にあるまちだと知りました。上流の広島県で降った雨が流れ込んでくる場所ですので、水害への備えを地域の方と一緒に整えていく仕事に関わりたいと考えています」

江津市の経済・産業

島根県経済のなかでの位置

  • 島根県の事業所数は32,637で全国比0.6%、従業者数は296,596人で全国比0.5%。いずれも令和3年6月1日現在の値。
  • 産業大分類別に見た場合、事業所数と従業者数のいずれも卸売業、小売業が最多(事業所8,218、従業者57,786人)。
  • 製造品出荷額等は全国第44位の1兆3,838億円。業種別に並べると電子部品・デバイス・電子回路、鉄鋼、情報通信機械器具の順(2024年調査)。

つまり、県全体では商業とサービスが雇用の柱で、製造業は一部の業種に集まっているという姿です。県西部の小さな市では、この全体像に加えて、圏域をまたいだ人の動きが暮らしを支えています。

産業や雇用を語るときは、市の中だけを見るのではなく、近隣の市や町との行き来を前提に組み立てましょう。(出典:経済センサス‐活動調査の島根県結果|令和3年/経済構造実態調査(製造業事業所調査)の島根県結果|2024年)

江の川がつくる圏域

江の川は広島県山県郡北広島町に源を発し、三次市で複数の河川を合わせて島根県に入り、江津市で日本海へ注ぎます。幹川流路延長194km、流域面積3,900km²という規模です。

川がつくったこの縦の軸は、古くから人と物の通り道でもありました。現在も、江津市の暮らしは市域の内側で閉じてはいません。

日常の買い物や通院、通勤の圏域が近隣の市町へ広がっているという前提は、施策を考えるときの出発点になります。(出典:江の川水系流域治水プロジェクト|島根県)

県西部の観光の流れ

令和5年の島根県の観光入込客延べ数は30,194千人、全県の観光消費額は約1,143億円でした。主要観光地別では出雲大社の7,114,000人が最も多く、隣接する大田市の石見銀山が246,100人です。

県東部に人の流れが集中する中で、県西部にどう足を延ばしてもらうかは、市を越えた共通の課題です。観光を志望動機に使うなら、市内の名所を挙げるだけでなく、近隣の市町と一緒に人を呼ぶ視点まで用意しておくと厚みが出ます。(出典:島根県観光動態調査|令和5年)

江津市の主な行政課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、江津市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口減少と高齢化

令和7年10月1日現在の島根県の推計人口は633,105人で、前年から8,291人(対前年比1.29%減)の減少です。令和5年の合計特殊出生率は1.46、同じ年の社会移動は2,041人の転出超過(仮の値)でした。

第2期島根創生計画(令和7〜11年度)で県が置いた長期目標は、2045年までに合計特殊出生率2.07、2040年までに社会移動の均衡というものです。圏域別では出雲圏域に比べて石見圏域・隠岐圏域の減少率が高く、県西部に位置する江津市は、その減少が速い側に置かれているのが現状です。

県は、高齢化が進んで人口が減った集落では社会的共同生活の維持が難しくなっていると指摘しています。(参考:第2期島根創生計画|島根県)

水害への備えと流域治水

江の川では、平成30年7月と令和2年7月の洪水をはじめ、たびたび浸水の被害が生じてきました。これを受けて令和3年3月に策定・公表されたのが江の川水系流域治水プロジェクトです。

堤防を高くするだけでなく、流域全体で水を受け止める考え方へ移りつつあるということです。上流は広島県ですから、県境を越えた調整が前提になります。

防災を志望動機にするなら、避難の呼びかけだけでなく、こうした広域の枠組みまで視野に入れておきましょう。

地震への備え

島根県が平成30年3月に公表した地震・津波被害想定調査では、陸域5・海域5の計10地震が想定されています。主な活断層地震には、江津市に近い浜田市沿岸断層(マグニチュード7.3)や大田市西南方断層(マグニチュード7.3)が挙げられています。

陸域で被害が最大となるのは宍道断層でマグニチュード7.1の地震が起きた場合の全壊約3,260棟、死者計102人という想定です。海域では鳥取県沖合(F55)断層のケースで死者計約397人(うち津波による死者176人)が見込まれています。

日本海に面する市ですので、揺れと津波の双方を前提に備えを考える必要があります。(出典:島根県地震・津波被害想定調査(概要版)|平成30年3月)

限られた人手で市の機能を保つ

人口2万人台の市が、268.24km²の市域と、県境をまたぐ河川の河口を抱えています。職員の数は当然に限られますから、一人あたりが受け持つ範囲は広くなります。

江津市が令和8年度に第1回から第3回までの試験に加えて経験者向けの通年採用枠を設けているのも、人材の確保が容易ではない現実の反映と読めます。採用そのものが市の課題の一つだということは、志望動機を考えるうえでも押さえておきたい点です。

江津市の重点政策|「選ばれる地域」を掲げる市の考え方

江津市は職員採用の案内の中で、市の方向性を次のように説明しています。ここに暮らす人々が「新たなことに挑戦する気質」や「生きる力」を養うことができる環境づくりを進め、かつ「挑戦する人を応援する風土」を培い、地域自らを磨いて、市内外の人に「選ばれる地域」になることを目指して諸施策を推進している、というものです。(出典:江津市が求める人材|市公式)

「選ばれる地域」という言葉の重さ

人口が減っていく地域で「選ばれる」という言葉を使う背景には、住む場所としても働く場所としても比べられる立場にあるという前提が置かれているのでしょう。県西部は人口の減少率が高い側にあり、江津市の高齢化率も41.0%と県平均を上回ります。

その中で市が掲げているのは、支援を待つ姿勢ではなく、挑戦する人を応援して地域を磨くという能動的な方向でした。市の計画や施策の資料は市公式サイトで公表されていますので、関心のある分野を決めてから開くと、この方向がどう事業になっているのかが見えてきます。

POINT|「挑戦」を言葉で借りず、自分の行動で示す

市が挑戦という言葉を使っているからといって、面接でその言葉を繰り返しても評価にはつながりません。自分の経験の中から、誰にも頼まれずに始めたことを一つ選び、「①なぜ始めたか → ②何につまずいたか → ③どう手を打ったか → ④江津市のどんな仕事で同じ動き方ができるか」の順に整理しましょう。

悪い例「挑戦する風土のある江津市で働きたいです」

改善例「江津市は市内外の人に選ばれる地域を目指していると知りました。私は大学のサークルで新入生が集まらない状況を変えたくて、説明の場を自分たちで開いた経験がありますので、市の魅力を伝える仕事でも同じように動きたいと思っています」

あわせて確認したい公式資料

受験に向けて開いておきたいのは、次の資料です。江津市は年度内に複数回の試験があり、回ごとに実施要領が出ますので、自分が受ける回のものを手元に置いてください。

  • 江津市職員採用資格試験の実施要領(回ごとに試験区分と採用予定人数が示されます)
  • 江津市職員採用資格試験の受験申込書(記入欄がそのまま面接の材料になります)
  • 江津市の総合計画や分野別の計画、最新年度の当初予算に関する市の公表資料
  • 島根県が公表する江の川水系流域治水プロジェクト・地震津波被害想定などの資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、江津市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。江津市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

江津市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

江津市役所の面接の概要

ここからは、令和8年度第3回の江津市職員採用資格試験の実施要領で公表された内容をもとに、一般事務(A)を軸に整理していきます。同じ年度でも回によって募集区分は変わりますので、自分が受ける回の要領で確認してください。

「資格試験」という建て付け

まず押さえておきたいのが試験の性格です。江津市の試験は職員採用資格試験という名称で、合格すると採用候補者名簿に登載され、そこから順次採用が決まる仕組みになっています。

名簿の登載期間は第二次試験の合格発表の日から1年間です。合格がそのまま即座の採用を意味するわけではない、という前提を理解しておきましょう。

項目内容(令和8年度第3回・一般事務(A)を中心に)
試験の名称と仕組み江津市職員採用資格試験。合格者は採用候補者名簿に登載され、順次採用が決定されます。名簿の登載期間は第二次試験の合格発表の日から1年間です
令和8年度の実施第1回から第3回のほか、経験者通年採用枠と土木・建築経験者通年採用試験が実施されています
第3回の試験区分と採用予定人数一般事務(A)5人程度、文化財専門員(B)2人程度、保健師(C)2人程度、土木技師(D)5人程度、建築技師(E)2人程度、建築技師(F)2人程度
一般事務(A)の受験資格平成3年4月2日から平成21年4月1日までに生まれた人。学歴や職務経験の要件は設けられていません
一般事務(A)の職務内容一般行政事務に従事します
国籍要件日本の国籍を有しない人は受験できないと実施要領に明記されています
第一次試験(一般事務(A))教養試験、職場適応性検査、事務適正検査。技術・専門の区分では事務適正検査に代えて専門試験が課されます
第二次試験(一般事務(A))面接試験と作文試験
作文試験の扱い第一次試験日に実施しますが、採点は第二次試験で行われます。第一次試験不合格者の作文は採点されず、第一次試験日に作文試験を受験しなかった場合は途中棄権とみなされます
面接の形式職務遂行能力等をみる目的で個別面接が行われます。試験の方法表に集団討論・集団面接の記載はありません
各種目の内容教養試験は公務員として必要な一般知識等についての択一式、職場適応性検査は職業生活への適応性についての検査、事務適正検査は公務員として必要な事務適性についての択一式の検査と定義されています
試験会場と合格発表第一次試験・第二次試験とも江津市役所。合格発表は市役所前の告示板と市ホームページに受験番号を掲示し、受験者全員に文書でも通知されます
申込方法インターネットによる電子申請と、受験申込書を郵送または持参する方法の2通り。郵送・持参の場合は受験申込書(自筆・黒インク又は黒のボールペンで楷書)と、顔写真を貼付した受験票を提出します
試験結果の開示受験者本人に限り、本人確認書類を持参して人事課で受験者数・合格者数・本人の総合順位が開示されます。開示期間は各合格発表から1か月間で、電話やはがき等による問い合わせは受け付けられません
初任給令和8年4月1日現在で、高校卒18歳が月額200,300円、短大卒20歳が月額213,100円、大学卒22歳が月額225,600円。民間企業等での勤務経験がある人向けに、初任給の簡易計算ツールが市ホームページに掲載されています

上記は、江津市の令和8年度第3回の職員採用資格試験実施要領にもとづく内容です。各試験種目の配点は要領に示されていませんので、比重の判断は種目の構成から行ってください。なお、この回の実施要領の表紙には初級という表記がありますが、一般事務(A)の受験資格に学歴の要件はなく、初任給の例も高校卒・短大卒・大学卒の3区分が示されています。試験区分・受験資格・採用予定人数は回や年度によって変わりますので、受験の際は必ずご自身が受ける回の最新の実施要領でご確認ください。

江津市が求める人材

江津市は「求める人材」を3点にまとめて公表しています。経営感覚を持ち、市民の期待に応える職員/使命感を持ち、チームワークを発揮する職員/プロ意識を持ち、挑戦する職員の3つです。

1点目に経営感覚が置かれている点は見逃せません。人口2万人台の市で、限られた財源と人手をどこに向けるかという判断が、日々の仕事に含まれているということです。

自己PRでは、何かを頑張った話にとどめず、限られた時間やお金の中で優先順位をつけた場面を一つ用意しておきましょう。

2万人台の市役所という職場

ここから2段落は、実施要領を離れた当研究会の推論です。人口2万人台で、268km²余りの市域と江の川の河口を抱える市では、一つの分野に張り付いて仕事を覚えるより、いくつもの分野を行き来しながら覚えていく形になりやすいはずです。

県境を越えた流域の枠組みが動く市ですから、外部の関係者と向き合う仕事も早い段階で回ってくるでしょう。

そこで求められるのは、経験のない仕事でも自分で調べて段取りを組めること、そして分からない点を早めに周りへ持ち込めることだと思われます。流域治水のように県境をまたぐ枠組みでは、市の職員が広島県側や国の機関と同じ資料を見ながら話を進める場面も出てきます。

相手の事情を聞き取る姿勢は、そのまま仕事の速さに効いてくるでしょう。

この市の面接の起点は、受験申込書そのものです。志望理由、クラブ活動やスポーツ・文化活動・ボランティア活動、これまでの体験で印象深いこと、最近関心や興味をもったことがら、自己PRという5つの欄が並びます。

書けるのは自分が実際に通ってきた道だけですから、準備の順序も決まってきます。まず5つの欄を自分の出来事で埋め、そのうえで、どの欄がこの市の仕事に一番近いかを見定める。

人物を見る場が個別面接1回である以上、面接官が最初に開く書類の側から組み立てるのが確実です。(参考:江津市職員採用資格試験受験申込書|令和8年度)

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。江津市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらからいらっしゃいましたか江津市役所での対面の面接です。土地との関わりが受け答えに出るか
② 動機・志望なぜ江津市の職員を志望するのですか受験申込書の志望理由欄に書いた内容と、口頭の説明が重なっているか
③ 自己理解ご自身の長所と短所を教えてください職場適応性検査も課される試験です。自己評価に裏づけがあるか
④ 経験・行動これまでの体験で、印象に残っていることを教えてください申込書に同じ欄があります。書いた出来事を掘られても語れるか
⑤ 学業・経歴クラブ活動や地域の活動で担った役割を教えてください申込書に活動歴の欄があります。人の中でどう動いてきたか
⑥ 適性・将来10年後、どのような職員になっていたいですか合格が名簿登載を意味し、そこから採用が決まる市です。長く働く見通しを持てているか
⑦ 公共性・社会性最近関心をもったことがらを一つ挙げてください申込書の記入欄と第二次試験の作文につながります。考えを組み立てられるか

ここまでの7つは、受験者の多くが手を打ってくる領域です。差がつくのは、江津市を調べていなければ答えが続かない質問のほうです。

合否を分けるのは「江津市役所ならでは」の質問

「なぜ島根県庁ではなく、江津市役所を志望するのですか?」
「江津市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

人物を見る場は個別面接の1回です。この2問への答え方で、市を調べてきた時間の長さが一度に表れます。

こうした質問に答えるための「江津市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい江津市の事実答え方のヒント
人口と年齢構成人口20,816人。65歳以上41.0%・75歳以上24.3%で、いずれも島根県全体の35.2%・21.1%を上回る(令和8年1月1日現在)数字を挙げるだけで終わらせず、限られた人手で市の機能をどう保つかという話につなげる
なぜ県庁ではなく市役所か江津市は職員採用の案内で、挑戦する人を応援する風土を培い、市内外の人に選ばれる地域を目指すと説明している住民に近いという一般論で終えず、市が掲げる方向のどこに自分が加わりたいのかを述べる
江津市の地理江の川は広島県北広島町に源を発し、三次市を経て江津市で日本海に注ぐ。幹川流路延長194km、流域面積3,900km²川の大きさを紹介するにとどめず、上流の雨が市に届くという関係まで説明する
防災平成30年7月と令和2年7月の洪水など度重なる被害を受け、令和3年3月に江の川水系流域治水プロジェクトが策定・公表された堤防を築く話に閉じず、流域全体で水を受け止める考え方に触れて意見を述べる
県内での位置県の圏域別では、出雲圏域に比べて石見圏域・隠岐圏域の人口減少率が高い県東部との差を嘆く形にせず、県西部の市として何を打ち出せるかという視点で語る

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

江津市が公表している「求める人材」の3点と、試験の種目立てを重ねると、確かめられる方向が見えてきます。面接では、これまでの行動の中身がそのまま材料になります。

いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
限りある資源を配る感覚市が1点目に掲げる経営感覚に沿った質問。何にどれだけ手を掛けたかの説明時間や費用が足りない中で優先順位をつけた経験を、判断の理由まで話せるようにする
チームで役割を果たす姿勢申込書の活動歴の欄と、そこからの深掘り集団の中で自分が引き受けた役割を、周囲の動きと合わせて説明できるようにする
自分から動く力市が3点目に掲げる挑戦に沿った質問。第二次試験の作文でも考えの立て方が見られます頼まれずに始めたことを一つ選び、始めた理由と続けた工夫を書き出しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。江津市の場合は受験申込書の記入欄が質問の入口になりますので、書いた項目ごとに「なぜ」と「どうやって」を足しておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておいてください。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する回の江津市職員採用資格試験の実施要領を読み、試験区分と受験資格、試験の方法を確認する
  2. 受験申込書の5つの記入欄を下書きする。志望理由、活動歴、印象深い体験、最近関心をもったことがら、自己PRの順に埋める
  3. 高校・大学生活や職務経験を振り返り、学業・課外活動・アルバイトから話せる具体例を1つずつ書き出す
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  6. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編み、申込書に書いた内容と食い違わないか読み合わせる

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究こそ、他の受験生に差をつける工程にあたります。時間が足りないときは、ステップ2の申込書の下書きと、ステップ3の経験の棚卸しを先に終わらせてください。申込書に書いた5項目がそのまま質問の入口になりますので、この2つが固まれば面接の骨格ができます。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、江津市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

江津市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

江津市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度第3回の江津市職員採用資格試験では、一般事務(A)を含む6区分が募集され、第一次試験で筆記と検査、第二次試験で面接と作文という組み立てが採られました。合格は採用候補者名簿への登載を意味し、名簿の登載期間は第二次試験の合格発表から1年間です。

市民の4割ほどが65歳以上で、上流の広島県から流れてくる江の川の河口を預かるまちで、自分は何を引き受けたいのか。まずは受験申込書の5つの欄を埋めるところから始めてください。

回や年度によって募集区分も試験の方法も変わりますので、案内が出たら必ず自分の目で確かめましょう。