本記事では、綾部市職員採用試験の面接対策で必要な、綾部市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
綾部市役所の採用試験は、令和8年度の第2回試験でいえば面接を2回重ねる構成で、「なぜ綾部市なのか」「市職員として何をしたいのか」「これまでの経験を市政でどう生かすのか」といった問いが、角度を変えて繰り返されます。同じ質問に二度答えても筋が通るかどうかが、準備量の差として表に出ます。
読み進めながら、綾部市の何に自分の関心が動くのかを書き留めておくと、志望動機を組み立てるときの材料になります。
第1部|自治体研究編
綾部市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは綾部市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 京都府北部の中丹地域にあり、由良川の上流域に347.10平方キロメートルの市域が広がる。
- 人口は30,715人(令和8年1月1日現在)で、京都府全体のおよそ1.2%にあたる。
- 京都府内の4市町と、福井県の2町の計6市町と隣接し、府県境をまたぐ位置にある。
- グンゼ発祥のまち。市内延町出身の波多野鶴吉が明治29年(1896年)に郡是製糸株式会社を設立した。
- 市域の一部は京都丹波高原国定公園に含まれる。同公園は京都市・南丹市・京丹波町にもまたがる。
- 市の花は梅、市の木は松。
綾部市の基礎データ
統計をそのまま暗記する必要はありません。ただし綾部市がどんな人口構成のまちなのかだけは、面接に臨む前にはっきりさせておきたいところです。
ここでは、人口と年齢構成、市域の広さ、隣接する自治体という、話の出発点になる数字を並べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 30,715人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 11,604人(高齢化率37.8%) |
| 75歳以上人口 | 7,371人(総人口の24.0%) |
| 総面積 | 347.10km² |
| 人口密度 | 約88人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 舞鶴市・福知山市・南丹市・京丹波町(京都府)、おおい町・高浜町(福井県) |
| 市の花・木 | 梅(花)・松(木) |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。国勢調査をもとにした京都府の統計とは調査の基準が異なりますので、両者の数字を並べて増減を計算しないようご注意ください。面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。
人口構成が示す綾部市の現在地
同じ住民基本台帳ベースで比べると、京都府全体の高齢化率は29.7%、75歳以上の割合は18.4%です(令和8年1月1日現在)。
綾部市はそれぞれ37.8%・24.0%で、府全体を8ポイント以上、75歳以上では5ポイント以上うわまわる水準にあります。市民のおよそ4人に1人が75歳以上という構成は、行政サービスの設計そのものに影響します。
もう一つの前提が市域の広さです。347.10平方キロメートルに3万人余りが暮らしているため、人口密度は1平方キロメートルあたり約88人。
山あいに小さな集落が点在する形で、移動・買い物・通院・除雪といった日常の場面が、そのまま行政の課題になります。
綾部市の経済・産業
製糸から続くものづくりの系譜
綾部市を語るうえで外せないのが、グンゼの創業です。市内延町出身の波多野鶴吉(安政5年生まれ)は、明治29年(1896年)に郡是製糸株式会社を設立しました。
鶴吉は「教育」を重んじる経営理念を掲げ、その工場は「表から見れば工場、裏から見れば学校」と評されたと市は紹介しています。人を育てることを経営の軸に据えた企業がこの土地から生まれたという事実は、まちの気風を語る材料になります。(出典:波多野鶴吉|綾部市公式)
面接で産業に触れるなら、企業名を挙げて終わりにせず、その企業が地域にどんな価値観を残したかまで言葉にできると、話に奥行きが出ます。
京都府の産業構成のなかで
京都府内の民営事業所数は11万564事業所(全国12位)、従業者数は114万8,970人(同13位)です(令和3年経済センサス活動調査)。
従業者数を産業別にみると、卸売業・小売業が23万9,889人(20.9%)で最も多く、次いで製造業が18万810人(15.7%)、医療・福祉が17万6,055人(15.3%)と続きます。京都府の雇用の6人に1人近くが製造業に関わっている計算です。(出典:京都府 経済センサス活動調査結果|令和3年)
綾部市はこの製造業の系譜に連なる地域です。産業振興や企業誘致に関心があるなら、府全体の産業構成という広い文脈のうえに、綾部市の歴史を重ねて語れるように準備しておきましょう。
山と川がつくる地域資源
綾部市の市域の一部は、平成28年に指定された京都丹波高原国定公園に含まれます。同公園は京都市・綾部市・南丹市・京丹波町にまたがり、由良川源流の芦生の森など原生的な自然と、かやぶき屋根の民家が残る集落を含む区域です。(参考:京都丹波高原国定公園|京都府公式)
観光の面では、京都府全体の追い風も見ておきましょう。令和6年の京都府の観光入込客数は8,425万人(対前年比112%)でしたが、京都市を除く府域に限ると2,819万人で、令和元年比135%と大きく伸びています。観光消費額も京都市を除く府域で1,507億円(令和元年比166%)に達しました。観光の伸びは京都市の外側で起きているという数字は、府北部の市にとって見逃せない材料です。(出典:京都府観光入込客調査|令和6年)
綾部市の主な行政課題
ここまでの数字を、綾部市が向き合っている課題に置き換えます。「市の課題を挙げてください」と問われたときの引き出しとして、次の4つを持っておきましょう。
4割に迫る高齢化への対応
綾部市の高齢化率は37.8%、75歳以上は24.0%です(令和8年1月1日現在)。内閣府の推計では、京都府全体の高齢化率が令和32(2050)年に38.5%まで上昇すると見込まれています(令和6年時点の府の高齢化率は29.8%)。調査の系列が違うため小数点まで並べて比べることはできませんが、府全体が四半世紀かけて向かう水準に、綾部市はすでに手が届いているという位置取りです。(出典:内閣府 高齢社会白書|令和7年版)
高齢化は福祉部門だけの話ではありません。
窓口の説明の仕方、道路や公共施設の直し方、防災訓練の組み立て方まで、あらゆる分野に「75歳以上の方にとってどうか」という観点が入ります。志望分野が福祉でなくても、この視点は外せません。
担い手の確保と産業の継承
人口減少が進むと、まず表に出るのが働き手の不足です。
京都府の令和7年国勢調査速報集計では、府の人口が5年間で2.9%減った一方、総世帯数は2.5%増えました。人口が減りながら世帯が増えるのは、一世帯あたりの人数が小さくなっているためです。(出典:京都府 令和7年国勢調査速報集計|令和8年)
綾部市でも、製造業をはじめとする事業所の担い手、農林業の担い手、地域の行事や消防団といった共助の担い手が、それぞれ薄くなっていくことが見込まれます。
市は令和8年度、第1回・第2回の採用試験に加えて、事務職員(デジタル人材)や土木技師などの通年募集も行っています。人を採る窓口を一年中開けておく形は、専門職の確保が容易ではないという事情と無関係ではないでしょう。
広い市域と集落の暮らし
347.10平方キロメートルの市域に人口密度約88人という条件では、道路・上下水道・公共交通・学校といった生活基盤の一つひとつが、少ない利用者に対して維持されることになります。効率だけでは切り分けられない判断が日常的に求められる場面であり、住民との対話をどう設計するかが問われます。
大規模地震への備え
京都府が府内最大の被害を想定しているのは花折断層帯地震です。気象庁マグニチュード7.5の右横ずれ断層による地震で、京都市北区・上京区・左京区などの一部で最大震度7、市街地から山城地域にかけて震度6強が想定されています(令和6年4月公表)。
被害想定は冬18時の発災を条件に、全壊約11万棟・半壊約15万棟・焼失約2.4万棟、死者約4.6千人、発災直後の避難者約24万人とされました。(出典:京都府 地震被害想定調査報告書|令和6年公表)
この想定で強い揺れが見込まれるのは府南部ですが、府全体の防災体制はこの規模を前提に組まれています。加えて綾部市の場合は、山あいの集落が孤立する可能性や、高齢の住民が多い地域での避難支援という論点が重なります。
防災を語るなら、この二層をあわせて考えておきましょう。
重点政策|綾部市のまちづくりの方向性
綾部市は、由良川の上流域に広がる山あいの市域と、製糸業から続くものづくりの歴史をあわせ持つまちです。
3万人余りの人口と347平方キロメートルの市域という条件のもとで、暮らしの基盤をどこまで維持するかが政策の中心にあります。市が目指す姿は総合計画などの形で公表されていますので、志望動機を書きはじめる前に一度読み、自分の関心と交わる章に付箋を貼っておきましょう。
志望分野の絞り込み方
事業名を片端から覚える作業に時間を使う必要はありません。関心のある分野を1つか2つに決め、「①この分野で綾部市に何が起きているか → ②市はどこへ向かおうとしているか → ③いまどんな取組があるか → ④府ではなく市が担う理由は何か → ⑤自分のどの経験が接続するか」と順に掘っていけば、志望動機は形になります。
POINT|計画そのものを暗記する必要はない
問われているのは計画の知識ではなく、市の状況と自分の関心をつなぐ線が引けているかどうかです。
悪い例「綾部市の豊かな自然環境を守る仕事に携わりたいです」
改善例「はじめは窓口で、市民の方が何に困っておられるのかを直接うかがう仕事から始めたいです。その上で、綾部市は4人に1人近くが75歳以上だと知りましたので、高齢の方が住み慣れた場所で暮らし続けられる仕組みづくりに関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
限られた時間で全部を読み込むのは現実的ではありません。志望動機に効くものから順に、次の資料へ当たっていきましょう。
- 綾部市職員採用試験の受験要項(自分が受ける回・自分が受ける枠のもの)
- 綾部市の総合計画(公表されている最新版)
- 直近の当初予算に関する市の発表資料
- 京都府総合計画(府と市の役割分担をつかむ材料として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、綾部市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。綾部市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
綾部市役所の面接の概要
ここからは、綾部市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
綾部市役所の面接の流れ
綾部市の職員採用試験は、第1次から第3次までの三段階で、面接を2回受ける構成です。ここでは令和8年度の第2回試験を例に見ていきます。
第1次試験は、一般枠が一般教養試験またはSPI3試験の選択、綾部チャレンジ枠(社会人)がSPI3試験で、あわせて全員が自己PRシートを記入します。第2次試験は作文試験と面接試験(消防職員はさらに体力測定)、第3次試験が面接試験です。(出典:綾部市職員採用試験|市公式)
注目したいのは自己PRシートの位置づけです。志望動機や経験、職務への意欲などを試験時間30分で第1次試験の会場で記入する様式で、要項には第2次試験以降の面接資料としても使用すると明記されています。筆記の日に書いた文章が、そのあと二度の面接を貫く土台になるということです。
| 項目 | 内容(令和8年度・第2回試験) |
|---|---|
| 試験の段階 | 三段階選抜。第1次試験→第2次試験→第3次試験と進みます |
| 第1次試験(一般) | 一般教養試験またはSPI3試験の選択。一般教養試験は択一式・試験時間120分で、社会・人文の一般知識と、文章理解・判断推理・数的推理・資料解釈の一般知能から出題され、問題は学歴別です。SPI3基礎能力検査は択一式・試験時間70分で、これも学歴別です |
| 第1次試験(綾部チャレンジ枠) | SPI3試験。一般教養試験との選択制ではありません |
| 自己PRシート | 第1次試験で全区分共通。志望動機や経験、職務への意欲等を試験時間30分で記入し、第2次試験以降の面接資料としても使用されます |
| 第2次試験 | 全区分共通で作文試験と面接試験。消防職員はこれに体力測定が加わります |
| 作文試験 | 原稿用紙800字以内・試験時間45分。文章表現力、課題に対する理解力、文章構成力等をみる試験です |
| 第3次試験 | 全区分共通で面接試験 |
| 試験区分と採用予定 | 事務職員(一般/綾部チャレンジ枠)5名程度、事務職員(天文)(一般)若干名、消防職員(一般/綾部チャレンジ枠)若干名。事務職員(天文)は天文館の運営業務にあたる職種で、受験資格に天文に関する専門的知識を求めています |
| 面接の形式・配点 | 要項では面接試験の内容が「人物評価」と記されるにとどまり、個別面接か集団面接かの別、集団討論の有無、各試験の配点はいずれも公表されていません |
上記は綾部市の令和8年度第2回職員採用試験の受験要項にもとづく内容です。令和8年度は第1回・第2回の試験に加え、事務職員(デジタル人材)や土木技師などの通年募集も実施されています。回次や年度、区分が変われば試験の構成も変わりますので、受験の際は必ずご自身が受ける回・枠の最新の要項をご確認ください。
参考までに、初任給(基本給と地域手当の合計、令和8年4月1日現在)は大学の新卒者248,240円、短期大学の新卒者231,655円、高等学校の新卒者214,321円で、職務経験10年の大卒32歳の例として322,712円が示されています。試験結果は各次の不合格者が順位と総合得点の開示を口頭で請求でき、期間は各合格発表の日から1か月間です。
綾部市役所が求める人材はどう示されているか
確認した綾部市の令和8年度第2回試験の受験要項と職員採用のページには、市全体としての求める職員像を定型の文言でまとめた記述はありませんでした。
ただし要項には、面接試験の内容が「人物評価」と明記されています。第2次・第3次と面接を重ねる設計とあわせて読めば、評価の重心が人物面に置かれていることは十分に伝わってきます。
なお要項には、綾部チャレンジ枠(社会人)に限った求める人材の説明が置かれています。民間企業等で培った経験やスキルを行政の場で生かし、地域の課題解決や新しいまちづくりに挑戦する人を想定した記述です。ただしこれはチャレンジ枠についての説明であり、一般枠の求める人物像として読み替えることはできません。一般枠で受験する方は、この文章をそのまま志望動機の下敷きにしないよう注意してください。
3万人規模の市役所という職場
令和8年度第2回試験の区分をもう一度並べてみます。事務職員が一般枠と綾部チャレンジ枠を合わせて5名程度、これに天文館の運営業務にあたる事務職員(天文)と消防職員が若干名ずつ。
要項がまとまった形で人材像を語るのはチャレンジ枠のところだけですから、一般枠を含めた職場の姿は、この区分と人数から考えるほかありません。天文館の運営に専任の区分を立てるほど担当の領域は枝分かれし、それでいて採用はこの人数です。
市の仕事のほぼ全域を、この規模の人数で分担しているということでもあります。
人数が限られる職場では、一人が扱う制度の数がおのずと増えます。異動のたびに知らない分野を担当することになり、初めて聞く相談にもその日のうちに何らかの返答をしなければならない場面が出てきます。
そこで効いてくるのは知識の量よりも、分からないことを放置しない習慣のほうです。
市民のおよそ4人に1人が75歳以上という構成のもとでは、説明が一度で伝わるかどうかが、そのまま仕事の質になります。
窓口で伝わらなければ、その方はもう一度足を運ぶことになるからです。3万人台のまちで職員一人の対応が市役所の印象を決めるというのは、そういう具体的な意味です。
綾部市とのつながりが薄い方ほど、志望理由が借りものになりやすいところがあります。グンゼを生んだ産業の歴史、4割に迫る高齢化、由良川の上流に点在する集落。
どれを入り口にしても構いませんが、それを選んだ理由を自分の生活や経験のどこかに接続しておかないと、二度目の面接で行き止まりになります。
そして綾部市の場合、その根拠は第1次試験の会場で、30分の自己PRシートという形で先に書くことになります。手元に原稿を持ち込めない以上、準備の勘所は文章を暗記することではありません。
自分の経験のどれが綾部市の仕事と結びつくのかを、書きはじめる前に自分で腑に落としておくことです。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。綾部市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどうやって来られましたか? | 面接が2回ある試験で、初対面の場に落ち着いて入れるかどうか |
| ② 動機・志望 | 数ある自治体のなかで、綾部市を選んだ理由を教えてください | 3万人規模のまちを選ぶ理由が、自分の経験や価値観と結びついているか |
| ③ 自己理解 | ご自身の性格を一言で表すと何ですか。その理由も教えてください | 自己PRシートに書いた内容と、口頭での説明が食い違っていないか |
| ④ 経験・行動 | 途中で投げ出したくなったのに、続けた経験はありますか | 苦しい局面での粘り方と、その理由を自分の言葉で説明できるか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学校生活で身につけた力のうち、仕事で使えそうなものは何ですか | 学びを職務へ移し替える発想があるか。作文試験にも通じる整理の力 |
| ⑥ 適性・将来 | 5年後、綾部市役所でどんな仕事をしていたいですか | 少人数で幅広い職務を担う職場で、働き続ける姿を描けているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 人口が減っていく地域に必要なことは何だと思いますか | 社会の課題を他人事にせず、自分の考えとして述べられるか |
ただし、この分類は綾部市の面接に固有のものではありません。公務員試験を受ける人であれば誰もが対策してくる領域なので、ここで大きな差はつきません。
勝負どころは、綾部市の実情を知らなければ答えようのない質問のほうにあります。
準備量がそのまま出る「綾部市役所ならでは」の質問
どちらもその場で取り繕えず、調べた量と考えた時間がそのまま差になる質問です。答えの材料になる事実を、綾部市に関するものだけ選んで並べました。
| 質問テーマ | 知っておきたい綾部市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口構成の現在地 | 人口30,715人(令和8年1月1日現在)、高齢化率37.8%、75歳以上は24.0%で、京都府全体(29.7%・18.4%)を大きくうわまわる | 数字を並べるだけで終わらせず、4人に1人が75歳以上に近づく地域で何が要るのかまで踏み込む |
| なぜ府庁ではなく市役所か | 京都府庁は府全体の計画づくりや市町村間の調整を受け持ち、市役所は住民票や介護、道路の補修といった日々の暮らしに直結する事務を担う | 組織の規模を比べるのではなく、住民の顔が見える距離で働きたい理由を自分の経験から語る |
| グンゼ発祥のまち | 市内延町出身の波多野鶴吉が明治29年に郡是製糸株式会社を設立し、教育を重んじる経営で知られた | 企業の紹介にとどめず、人を育てる姿勢がまちに残した気風として受け止め直す |
| 自然と国定公園 | 市域の一部が京都丹波高原国定公園に含まれ、同公園は京都市・南丹市・京丹波町にもまたがる | 「自然が豊か」で止めず、その自然を誰がどう守り、暮らしとどうつなぐかまで考えを進める |
| 採用の枠組み | 令和8年度は第1回・第2回の試験に加え、デジタル人材や土木技師などの通年募集も行われている | 自分が受ける枠を明確にしたうえで、その枠で期待されている役割を踏まえて話す |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
綾部市は一般枠の求める職員像を定型の文言では示していないため、評価の観点は選考の設計から読み取ることになります。面接試験が「人物評価」として第2次・第3次の2回置かれ、その間に自己PRシートと800字の作文が挟まる構成です。答えの見栄えではなく、経験の中身と行動の再現性が確かめられていると考えて差し支えありません。いわゆるコンピテンシー評価の考え方です。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 未経験の領域に踏み出す姿勢 | 初めての課題にどう取りかかったかを、第2次・第3次の面接で角度を変えて確かめられる | 経験の少ない分野を任された場面を選び、途中で何を調べ直したかまで話せるようにする |
| 考えを文章にまとめる力 | 800字45分の作文試験と、第1次会場で書く自己PRシートが、そのまま面接の材料になる | 制限時間内に主張と理由を配置する練習を、面接の答えづくりと同時に進める |
| 働き続ける見通し | 将来の働き方や地域との関わりについて尋ねられる場面が想定される | 綾部市で暮らしながら働くという前提で、5年後10年後の自分を具体的に思い描いておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
綾部市は面接が2回あるため、一度目で話した内容が二度目にさらに掘られる可能性があります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、本番までの手順に落とし込みます。
- 自分が受ける回と枠(一般か綾部チャレンジ枠か)を確定し、その要項で試験区分・採用予定・第1次試験の科目を確認する
- 第1次試験の会場で30分の自己PRシートを書く前提で、志望動機と職務への意欲を紙に書き出しておく
- 学業・課外活動・アルバイト・職務経験から、話せる経験を3つ以上選び、それぞれ「なぜそうしたのか」を掘り下げる
- 800字45分の作文試験に備え、身近な社会課題について時間を計って書く練習を数回入れる
- この記事の第1部を読み返し、綾部市の事実のうち志望分野に近いものを2〜3個選んで、「事実 → 問題意識 → やりたいこと」の話に編む
- 声に出して練習し、答えるたびに「二度目の面接で同じ話題を掘られたら何を足すか」を書き足していく
優先順位に注意
時間が足りないときに後回しにしてよいのは、ステップ5の自治体研究です。先に片づけるべきはステップ2とステップ3。自己PRシートは第1次試験の会場でその場で書くことになりますので、志望動機と経験の整理が済んでいなければ、最初の関門で手が止まります。綾部市に詳しくなっても、自分の話ができなければ評価は動きません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、綾部市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
綾部市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
綾部市の職員採用試験は、第2回試験でいえば筆記と自己PRシートから始まり、作文と面接、そしてもう一度の面接へと続きます。長い道のりに見えますが、問われていることは最初から最後まで変わりません。
人を育てる経営でまちの名を広めた歴史と、府全体より一足早く進む高齢化。その両方を抱える3万人のまちで、自分は何を引き受けたいのか。
一度書いた答えを二度目の面接でも同じ熱量で話せるところまで、手を動かして詰めていってください。