本記事では、宮津市職員採用試験の面接対策で必要な、宮津市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

令和8年度実施の前期試験では、第2次試験が自宅等から受けるWeb面接、第3次試験が個別面接という構成です。

画面越しでも対面でも、「なぜ宮津市なのか」「市職員として何をしたいのか」「自分の経験は市政のどこで役に立つのか」という問いに答えることになります。身振りや場の空気に頼れない一次面接があるぶん、言葉そのものの密度が試されます。

気になった数字や取組を2つか3つ選び、そこから宮津市で働く自分の姿を描いてみてください。

第1部|自治体研究編

宮津市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは宮津市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 京都府北部の丹後地域にあり、日本三景の天橋立を擁する市。市域は172.69平方キロメートル。
  • 人口は15,629人(令和8年1月1日現在)で、京都府全体のおよそ0.6%にあたる。
  • 高齢化率は44.7%、75歳以上の割合は27.8%(令和8年1月1日現在)。
  • 天橋立は約3.6キロメートルにわたって松並木と白砂が続く。松は6,700本に及ぶ。
  • 日本遺産「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」の関係自治体のひとつ。
  • 京丹後市・舞鶴市・福知山市・与謝野町・伊根町の5市町と隣接する。市の花はみつばつつじ、市の木はくろまつ。

宮津市の基礎データ

統計をそのまま覚え込む必要はありません。ただし宮津市がどれくらいの規模で、どんな年齢構成のまちなのかだけは、面接前に頭に入れておきましょう。

ここでは、人口と年齢構成、市域の広さ、隣接する自治体という、話の出発点になる数字を並べます。

項目内容
総人口15,629人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口6,993人(高齢化率44.7%)
75歳以上人口4,352人(総人口の27.8%)
総面積172.69km²
人口密度約91人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体京丹後市・舞鶴市・福知山市・与謝野町・伊根町(いずれも京都府)
市の花・木みつばつつじ(花)・くろまつ(木)

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。国勢調査をもとにした京都府の統計とは調査の基準が異なりますので、両者の数字を並べて増減を計算しないようご注意ください。面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。

4割を超える高齢化率をどう読むか

同じ住民基本台帳ベースで比べると、京都府全体の高齢化率は29.7%、75歳以上の割合は18.4%です(令和8年1月1日現在)。宮津市はそれぞれ44.7%・27.8%ですから、府全体のおよそ1.5倍の水準にあることになります。

市民の4人に1人以上が75歳以上という構成は、窓口業務の進め方から公共施設のあり方まで、市政のあらゆる場面に関わってきます。

もう一つの前提が人口規模です。172.69平方キロメートルに1万5千人余りが暮らし、人口密度は1平方キロメートルあたり約91人。

職員数も予算規模も限られるなかで、行政サービスの種類だけは他の市と変わらないという条件が、宮津市役所の仕事の背景にあります。

「宮津市は人口が1万5千人ほどで、4人に1人以上が75歳以上だとうかがいました。数字だけ聞くと重たく感じますけれども、その分ひとつの取り組みが市民の方に届きやすいまちなのではとも思っています」

宮津市の経済・産業

天橋立を核とした観光

宮津市の産業を語るとき、中心に置きたいのが天橋立です。日本三景の一つに数えられ、約3.6キロメートルにわたり6,700本に及ぶ松並木と白砂が続きます。

全国に名の通った景観が、人口1万5千人余りの市域にあるという条件は、市政を考えるうえでの大きな前提です。(出典:天橋立|宮津市公式)

観光の環境も見ておきましょう。令和6年の京都府の観光入込客数は8,425万人(対前年比112%)でしたが、京都市を除く府域に限ると2,819万人で、令和元年比135%と大きく伸びています。

観光消費額も京都市を除く府域で1,507億円(令和元年比166%)に達しました。京都市の外側で観光が伸びているという流れは、府北部の観光地にとって追い風になります。(出典:京都府観光入込客調査|令和6年)

面接で観光に触れるなら、来訪者数の話で終わらせず、その人たちの消費が地元の宿や店、そして市民の暮らしにどう戻ってくるかまで踏み込みましょう。

丹後ちりめんが結ぶ文化圏

宮津市は、日本遺産「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」の関係自治体のひとつです。この日本遺産は平成29年(2017年)に認定され、京丹後市・宮津市・与謝野町・伊根町にまたがっています。

一つの市では完結しない広がりを持つ文化圏のなかに宮津市がある、という構図です。(参考:丹後ちりめん回廊|日本遺産ポータル)

近隣の自治体と組まなければ動かせない仕事がある、という点は、小さな市の行政を語るときの重要な視点です。連携という言葉を抽象的に使うのではなく、この日本遺産のように具体例を一つ持っておくと、話に説得力が出ます。

京都府の産業構成のなかで

京都府内の民営事業所数は11万564事業所(全国12位)、従業者数は114万8,970人(同13位)です(令和3年経済センサス活動調査)。事業所数を産業別にみると、卸売業・小売業が2万6,212事業所(全産業の23.7%)で最も多く、次いで宿泊業・飲食サービス業が12.5%、製造業が10.8%です。

府全体で見ても、観光に連なる業種が事業所数の1割以上を占めています。(出典:京都府 経済センサス活動調査結果|令和3年)

宮津市の主な行政課題

ここまでの数字を、宮津市が抱える課題として言い直しておきます。「宮津市の課題は何だと思いますか」への備えとして、次の4点を押さえておきましょう。

人口規模と高齢化がもたらす制約

宮津市の高齢化率は44.7%、75歳以上は27.8%です(令和8年1月1日現在)。内閣府の推計では、京都府全体の高齢化率が令和32(2050)年に38.5%まで上昇すると見込まれていますが(令和6年時点の府の高齢化率は29.8%)、宮津市はその推計値をすでに大きく越えたところにいます。

府がこれから向き合う課題を、先に引き受けている地域だという見方ができます。(出典:内閣府 高齢社会白書|令和7年版)

京都府全体でも、令和7年国勢調査の速報集計で人口は5年間に2.9%減少し、一方で総世帯数は2.5%増えました。

世帯が小さくなるほど、家族の中だけで支えられる範囲は狭まります。宮津市の場合、この変化が府平均より速く進んでいる前提で考える必要があります。(出典:京都府 令和7年国勢調査速報集計|令和8年)

観光の効果を暮らしへ還元する

天橋立という資源は強みですが、訪れる人が増えることと市民の暮らしが良くなることは、自動的にはつながりません。宿泊や飲食での消費、地元の雇用、景観の維持にかかる負担。

観光をどう受け止め、どう返すかという設計が行政の仕事になります。観光を志望分野にするなら、集客の話だけでなくこの往復まで考えておきましょう。

小さな組織で行政サービスを保つ

人口1万5千人余りの市であっても、住民票の交付も、福祉の相談も、道路の維持も、防災も必要です。仕事の種類は減らないのに、担い手の数は限られるという構造が、宮津市役所の日常にあります。

近隣自治体との連携や、事務の効率化をどう進めるかは、避けて通れない論点です。

大規模地震への備え

京都府が府内で最大の被害を想定しているのは花折断層帯地震です。気象庁マグニチュード7.5の右横ずれ断層による地震で、京都市北区・上京区・左京区などの一部で最大震度7、市街地から山城地域にかけて震度6強が想定されています(令和6年4月公表)。

被害想定は冬18時の発災を条件として、全壊約11万棟・半壊約15万棟・焼失約2.4万棟、死者約4.6千人、発災直後の避難者約24万人とされました。(出典:京都府 地震被害想定調査報告書|令和6年公表)

この想定で強い揺れが見込まれるのは府南部ですが、府全体の防災体制はこの規模を前提に組まれています。宮津市の場合は、高齢の住民が多い地域で誰がどう避難を支えるかという論点が重なります。

なお宮津市の消防は宮津与謝消防組合消防本部が所管しており、隣接する町とともに広域で担われている点も、防災を語る際の前提として押さえておきましょう。

重点政策|宮津市のまちづくりの方向性

宮津市は、日本三景の天橋立を抱えながら、人口1万5千人余りで高齢化率が4割を超えるという条件のもとにあります。市が職員採用のページで掲げる「市民が主役のまちづくり」という言葉は、行政だけで支えきるのが難しい規模だからこそ実感を伴います。

市の計画は公式サイトで公表されていますので、志望動機を組み立てる前に一度読み、自分の関心がどの章で扱われているのかを見つけておきましょう。

関心の的を一つに定める

並んでいる取組を網羅しても、宮津市について語ったことにはなりません。市が「市民が主役のまちづくり」を掲げているのは、行政だけで支えきれる規模ではないからです。

自分の関心がどこにあるのかを先に決めておき、そこで市民の側が担っている部分はどこかを探してみると、自分の入り口が見えてきます。

POINT|計画の名前より、自分との接点を語れるか

見られているのは知識の量ではなく、市の状況と自分の関心をつなぐ線が引けているかどうかです。

悪い例「天橋立をはじめとする宮津市の魅力を発信していきたいです」

改善例「まずは窓口の仕事で、市民の方が何に困っておられるのかを直接うかがうところから始めたいです。その上で、宮津市は4人に1人以上が75歳以上だとうかがいましたので、高齢の方にも情報が届く案内のしかたを工夫する仕事に関わりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

読む順番をあらかじめ決めておくと、限られた時間でも要点が拾えます。志望動機に直結するものから当たっていきましょう。

  • 宮津市職員採用試験の募集要項(自分が受ける試験・職種のもの)
  • 宮津市の総合計画(公表されている最新版)
  • 直近の当初予算に関する市の発表資料
  • 京都府総合計画(府と市の役割分担をつかむ材料として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、宮津市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。宮津市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

宮津市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

宮津市役所の面接の概要

ここからは、宮津市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

宮津市役所の面接の流れ

ここでは令和8年度実施の前期試験(令和9年4月1日採用)を例に見ていきます。前期試験は第1次から第3次までの三段階です。

第1次試験は基礎試験(一般教養試験またはSPI試験の選択)と作文課題、第2次試験はZoomを使ったWeb面接、第3次試験は個別面接(最終面接)という構成になっています。(出典:宮津市職員採用|市公式)

特徴的なのが作文課題の扱いです。与えられたテーマに沿って考えを書く試験時間30分の課題ですが、市は作文課題は第2次試験以降の面接資料とするものであり、採点はしないと説明しています。

点数はつかない一方、面接官が手元で読む文章になるということです。また第2次試験のWeb面接に際しては、別途面接カードの提出が求められ、様式や提出方法は第1次試験の合格者に案内されます。

項目内容(令和8年度実施・前期試験)
試験の段階三段階選抜。第1次試験→第2次試験→第3次試験と進みます
第1次試験基礎試験(一般教養試験またはSPI試験のいずれかを選択)と作文課題
一般教養試験マークシート方式・出題数40題・試験時間2時間。時事、社会・人文に関する一般知識13題と、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う27題で構成されます
SPI試験マークシート方式・試験時間1時間50分。言語能力および数的情報、論理的思考力を必要とする非言語能力の測定等を行います
作文課題与えられたテーマに沿って考えを記載。試験時間30分。第2次試験以降の面接資料とするもので、採点はしないと市は説明しています
第2次試験Web面接(Zoom使用)。自宅等から受験する形式で、別途面接カードの提出が求められます
第3次試験個別面接(最終面接)
募集職種と採用予定一般事務職(行政)若干名、一般事務職(行政)※障害者対象 若干名、土木技術職 若干名、電気技術職1名程度、保健師1名程度、社会福祉士1名程度。各専門職において専門試験は実施せず、成績証明書等で履修課程を確認します
配点募集要項に配点表の公表はありません。配点に関する明示は、作文課題を採点しないという説明のみです

上記は宮津市の令和8年度実施・前期試験の募集要項等にもとづく内容です。令和8年度は前期試験のほかに、公務員経験者を対象とした選考試験も実施されています。年度や試験の回次、職種が変われば構成も変わりますので、受験の際は必ずご自身が受ける試験の最新の要項をご確認ください。なお前期試験の募集職種に消防職は含まれておらず、宮津市の消防は宮津与謝消防組合消防本部が所管しています。

申込みの段階で用意するものも確認しておきましょう。募集要項では、申込時に自己PR欄の入力が必須とされ、未入力の場合は受付されません。

さらに自己アピールシートを求人情報ページから印刷し、すべて記入したうえで第1次試験の際に提出する必要があります。あわせて、最終学校の卒業(見込)証明書と最終学年までの成績証明書のアップロードも求められます。

受験資格は昭和56年4月2日以降に生まれた方で、要項はどの職種も45歳まで受験可能であると説明しています。

初任給(令和8年4月1日現在)は大学卒232,000円、短大卒216,500円、高校卒200,300円です。

宮津市役所が求める人物像

宮津市は求める人物像を公表しています。「市民が主役のまちづくりを進めていくために『熱い想いと行動力』を持つ人材を求めます」という一文です。

短い表現ですが、押さえるべき語は二つ、想いと行動に絞られています。

気をつけたいのは、この二つが別々に評価されるわけではないという点です。想いだけを語れば裏づけを欠き、行動だけを並べれば動機が見えません。

何に心を動かされて、その結果として何をしたのかという順で話すと、二つが自然につながります。

1万5千人のまちの市役所という職場

令和8年度実施の前期試験では、一般事務職(行政)が若干名、電気技術職・保健師・社会福祉士が各1名程度という規模で募集されています。専門職まで含めて、一人か二人ずつを迎え入れるのが、人口1万5千人余りの市役所の採用の姿です。

以下は、この採用規模から一般に導ける職場像として読み進めてください。

採用の人数が小さいということは、一人が担う守備範囲が広いということでもあります。異動すればまったく別の制度を扱うことになり、前任者が一人しかいない仕事も出てきます。

ここで効いてくるのは、知らないことを知らないまま止めない粘り強さのほうだと見ています。

宮津市が掲げる「市民が主役のまちづくり」という言葉も、この規模の職場では標語では終わりません。市民の側から見れば、担当者の顔と名前が見える距離に行政がある、ということでもあります。

誰が窓口に出たかで話が変わったと受け取られやすい環境ですから、応対の一貫性がそのまま組織の信用になります。

宮津市に住んだ経験のない方が不利になるわけではありませんが、なぜこのまちなのかは自分で組み立てるしかありません。天橋立、丹後ちりめんの文化圏、4割を超える高齢化率。

このうちのどれかに手が伸びたのなら、その理由を自分の過去のどこかまでたどっておいてください。二度の面接で、同じ場所から話し始められるようになります。

そして宮津市の第2次試験は、自宅等からのWeb面接です。画面越しでは、その場の空気や身振りに助けてもらえません。

伝わるかどうかを分けるのは、申込時の自己PR欄、自己アピールシート、そして採点されない作文課題に書いた言葉が、自分の中でどれだけ整理されているかです。提出した文章は必ず手元に控え、そこに込めた意味を一つずつ確かめておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。宮津市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク音声は問題なく聞こえていますか?画面越しの第2次試験で、通信環境の準備も含めて落ち着いて臨めているか
② 動機・志望宮津市を志望した理由を教えてください市が掲げる「熱い想いと行動力」と、志望理由の熱量が噛み合っているか
③ 自己理解自己アピールシートに書いたご自身の強みを、口頭でも説明してください提出した書面と、その場で話す内容が食い違っていないか
④ 経験・行動自分から言い出して、周りを動かした経験はありますか「行動力」を言葉ではなく、起きた事実として示せるか
⑤ 学業・経歴学んできたことを、宮津市の仕事にどうつなげますか専門試験のない試験だからこそ、学びの中身を自分で説明できるか
⑥ 適性・将来人口1万5千人規模のまちで働くことを、どう考えていますか小さな組織で幅広い仕事を引き受けることに、現実的な見通しを持っているか
⑦ 公共性・社会性観光地を抱えるまちの課題は何だと思いますか地域の特性を他人事にせず、自分の問題として引き受けているか

もっとも、この分類は宮津市に固有のものではありません。公務員試験を受ける人であれば誰もが準備してくる領域なので、ここで大きな差はつきません。

評価が割れるのは、宮津市の置かれた状況を前提にした質問のほうです。

差がつくのは「宮津市役所ならでは」の質問

「なぜ京都府庁ではなく、宮津市役所を志望するのですか」
「宮津市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも事前に調べた量が、そのまま答えの具体性として表に出る質問です。宮津市について押さえておきたい事実を、答え方とセットで並べました。

質問テーマ知っておきたい宮津市の事実答え方のヒント
人口構成の現在地人口15,629人(令和8年1月1日現在)、高齢化率44.7%、75歳以上は27.8%で、京都府全体(29.7%・18.4%)のおよそ1.5倍数字で驚かせて終わらせず、4人に1人以上が75歳以上の地域で行政に何ができるかまで話す
なぜ府庁ではなく市役所か京都府庁は市町村をまたぐ広域の調整や府全体の計画を担い、市役所は届出・福祉・道路・学校といった暮らしの現場を担う制度の対比で終えず、「市民が主役のまちづくり」という市の言葉に自分の経験を重ねる
天橋立という資源日本三景の一つで、約3.6キロメートルにわたり6,700本に及ぶ松並木と白砂が続く名所の紹介で止めず、観光の効果を市民の暮らしへどう戻すかという往復まで話を進める
丹後ちりめんの文化圏日本遺産「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」の関係自治体に、宮津市も含まれる一つの市で完結しない広がりを踏まえ、近隣自治体との連携という角度から答える
採用の枠組み令和8年度実施の前期試験は一般事務職(行政)ほか6区分の募集で、いずれも45歳まで受験できる自分が受ける職種と試験の回次を明示し、その職種に期待される役割を踏まえて話す

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

宮津市が公表する求める人物像は「熱い想いと行動力」の二語に集約されています。面接は、この二語に照らしてこれまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。

いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
熱い想い志望動機の背景を、Web面接と最終面接の二度にわたって確かめられる宮津市でなければならない理由を一つに絞り、どちらの面接でも同じ言葉で言えるようにする
行動力自分から動いた場面を、着手から結果まで順を追って聞かれる動こうと決めた理由と、途中で修正した点をセットで思い出しておく
書面と口頭の一致申込時の自己PR欄、自己アピールシート、作文課題が面接の材料として使われる提出した文章を手元に控え、そこに書いた表現を自分で言い直せるようにしておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。宮津市の前期試験は面接が二度あり、しかも一度目は画面越しです。

表情や間で補えないぶん、話の中身そのものが問われます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、本番までの手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける試験・職種の募集要項を入手し、採用予定と第1次試験の選択科目、提出書類の一覧を確認する
  2. 申込時の自己PR欄と自己アピールシートに書く内容を、提出前に紙の上で固める(面接の土台になるため、勢いで書き上げない)
  3. 学業・課外活動・アルバイト・職務経験から、話せる経験を3つ以上選び、それぞれ「なぜそうしたのか」を掘り下げる
  4. 7つのカテゴリーの代表質問に、一言メモで答えを作る
  5. この記事の第1部を読み返し、宮津市の事実のうち志望分野に近いものを2〜3個選んで、「事実 → 問題意識 → やりたいこと」の話に編む
  6. Web面接に備え、画面越しで話す練習を録画して確認する。通信環境と背景、目線の高さも本番前に整えておく

優先順位に注意

先に手をつけるのはステップ2とステップ3です。自己PR欄と自己アピールシートは提出したあと書き直せず、そこに書いた内容が二度の面接を貫く材料になります。ステップ5の自治体研究は、その後に回して構いません。自分の経験を話せない状態で市のデータだけ増やしても、面接の評価は上がりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、宮津市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

宮津市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

宮津市役所の想定問答集を見る

さいごに

宮津市の前期試験は、筆記と作文を経て、画面越しのWeb面接、そして最終の個別面接へと進みます。二度の面接をつなぐのは、申込みの段階で自分が書いた文章です。

日本三景の天橋立を抱えながら、市民の4人に1人以上が75歳以上というまちで、自分は何に心を動かされ、何をしたいのか。書いた言葉と話す言葉が同じ場所から出てくるまで、手を入れ続けてください。