本記事では、亀岡市職員採用試験の面接対策で必要な、亀岡市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

亀岡市役所の面接試験では、「なぜ亀岡市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

亀岡市は令和8年度、年度内に複数回の採用試験を実施しています。以下で試験の構成を扱うのは令和8年9月実施試験の要項にもとづく内容で、この回の事務は初級(高卒程度)、あわせてまちづくり技師「総合土木」が募集されました。

大学卒業程度の事務は同じ年度の5月実施回で募集されていますので、そちらを目指す方は該当する回の要項と読み比べながら使ってください。

第1部|自治体研究編

亀岡市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは亀岡市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 京都市の西隣にあり、丹波側と京都盆地をつなぐ位置にある市。面積は224.80平方キロメートル。
  • 接しているのは京都市と南丹市のほか、大阪府の茨木市・高槻市・能勢町・豊能町で、二つの府にまたがって境を接する。
  • 人口は8万5,597人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。市の花はツツジ、市の木はサクラ。
  • 65歳以上が31.9%で京都府全体の29.7%を上回る一方、75歳以上は18.4%と府と同じ水準(同)。
  • 保津川下りの起点。市の説明によれば、慶長11年(1606年)に豪商の角倉了以が保津川を開削し、丹波の木材や米、炭などを京都へ運ぶ産業水路としたことに始まるとされる。
  • 消防は市単独ではなく、南丹市・京丹波町とともに構成する京都中部広域消防組合消防本部が担う。
  • 採用試験に「かめおか・未来・チャレンジ方式」を掲げ、公務員試験対策を必要としない受験の道を用意している。
  • 市役所は亀岡市安町野々神に置かれている。

亀岡市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「亀岡市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

亀岡市を数字で見るときは、65歳以上と75歳以上の二つの割合を必ず並べてください。この二つのあいだの開きに、亀岡市がこれから迎える局面が表れています。

項目内容
総人口85,597人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口2万7,318人(31.9%)
うち75歳以上人口1万5,761人(18.4%)
総面積224.80平方キロメートル
人口密度約381人/平方キロメートル(上記の総人口と総面積から算出)
接している自治体京都府内は京都市、南丹市。大阪府は茨木市、高槻市、能勢町、豊能町
市の花・木ツツジ(花)・サクラ(木)
市役所の所在地京都府亀岡市安町野々神8番地

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。本文で比べている京都府全体の割合も同じ統計から取っています。人口密度は、この総人口を総面積で割って算出しました。総面積・接している自治体・市の花と木・市役所の所在地は、当研究会が整理した基礎データによります。内閣府の白書や京都府が別に公表している推計人口は調査の基準が異なりますので、この表の値と並べて増減を計算することはできません。

数字から考えられる市政課題

亀岡市の65歳以上は31.9%で、京都府全体の29.7%を2.2ポイント上回ります。ところが75歳以上に絞ると、亀岡市も府も18.4%で並びます。

後期高齢期の手前にいる層が、府平均より厚く積み上がっている市だということです。この層がこれから10年、15年と年齢を重ねていくとき、医療や介護の需要は今より急な角度で伸びる可能性があります。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

府全体の見通しも重ねておきましょう。内閣府は、京都府の高齢化率が令和32(2050)年に38.5%まで上昇すると見込んでいます。

こちらは住民基本台帳とは別の統計にもとづく数値ですので、上の割合と同じ列で比べることはできませんが、府全体が向かう方向は明らかです。備えを先送りできる状況ではないという前提で、市政の話を組み立ててください。(出典:高齢社会白書|令和7年版・内閣府)

「亀岡市は8万人台の市ですけれども、65歳以上の方が3割を超えていると知りました。そのわりに75歳以上の割合は府全体と同じくらいなので、これから需要が一気に増える時期が来るのではと感じています。その前にできる準備に関わりたいです」

亀岡市の経済・産業

卸売・小売とサービスが厚い府の産業構造

京都府内の民営事業所数は11万564事業所(全国12位)、従業者数は114万8,970人(同13位)、売上金額の試算値は25兆5,663億円(同14位)です(令和3年経済センサス活動調査)。

産業別に見ると、事業所数では卸売業・小売業が23.7%で最も多く、宿泊業・飲食サービス業12.5%、製造業10.8%と続きます。従業者数でも卸売業・小売業が20.9%で首位、製造業15.7%、医療・福祉15.3%の順です。

京都府は、製造の集積よりも商業とサービスに人が集まる産業構造だといえます。亀岡市の産業を語るときも、この府全体の傾向を土台に置くと話が通りやすくなります。(出典:経済センサス活動調査結果の概要|令和3年・京都府)

京都市以外の府域で伸びている観光

令和6年の京都府の観光入込客数は8,425万人(前年比112%、令和元年比113%)でした。このうち京都市を除く府域は2,819万人で、前年比113%、令和元年比では135%に達しています。

観光消費額も府全体で2兆581億円(前年比124%、令和元年比155%)、京都市を除く府域では1,507億円(前年比124%、令和元年比166%)でした。

京都市の外側の府域は、感染症拡大前の水準を大きく超えて伸びているという数字です。保津川下りを抱える亀岡市も、この流れの中にあります。(出典:京都府観光入込客調査報告書|令和6年)

川がつくった産業の道

保津川は、市の説明によれば慶長11年(1606年)に豪商の角倉了以が開削し、丹波の木材や米、炭などを京都へ運ぶ産業水路として使われるようになったとされます。いまは観光の川下りとして知られる保津川ですが、もとは物を運ぶための水路でした。

丹波でとれたものを都へ送り出す通り道という役割が、この土地の産業の出発点にあるという理解は、観光振興を語るときにも効いてきます。

景色を見せる観光と、地域の産物を届ける経済。その二つがもともと一つだったという背景から話を始められると、他の受験者とは違う切り口になります。(参考:保津川下りの歴史|亀岡市)

亀岡市の主な行政課題

ここまでの数字を、市役所の仕事の側から並べ直してみます。面接で「亀岡市の課題」を問われたときのために、次の4つを手元に置いておきましょう。

これから急に重くなる高齢化

65歳以上31.9%、75歳以上18.4%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。前者は京都府全体を上回り、後者は並びます。

つまり亀岡市では、これから後期高齢期に入っていく層が府平均より多く控えています。いま見えている需要より、これから来る需要のほうが大きいという前提で施設や人員を設計できるかどうかが問われます。

福祉分野を志望するなら、現状への対応だけでなく、時間軸を持った話ができるよう準備しておきましょう。

一つの市だけでは担いきれない仕事

京都府総合計画(計画期間は令和5年4月から令和9年3月)は、少子高齢化や人口減少、地域社会の衰退といった構造的な課題が深刻化し、それぞれの地域だけでは地域の魅力と活力の創造に取り組むことが困難になっているという認識を示しています。

亀岡市が消防を単独ではなく南丹市・京丹波町との組合で担っていることも、この文脈の中にあります。市の仕事を語るときは、市だけで完結する仕事と、近隣と組んで初めて成り立つ仕事を分けて捉えておくと、説明に厚みが出ます。(出典:京都府総合計画(概要版)|令和5年策定)

大規模地震への備え

京都府が府内で最大の被害を想定しているのは花折断層帯地震です。気象庁マグニチュード7.5の右横ずれ断層による地震で、京都市北区・上京区・左京区等の一部で最大震度7、市街地から山城地域にかけて震度6強が想定されています(令和6年4月公表)。

冬の18時に発災するケースでは、府全体で建物全壊約11万棟・半壊約15万棟・焼失約2.4万棟、死者約4.6千人、発災直後の避難者約24万人という見込みです。

想定の中心は京都市域から山城地域にかけてですが、隣接する亀岡市にとっても、この規模の災害が府内で起こりうるという前提は共有すべき事柄です。(出典:京都府地震被害想定調査報告書|令和6年4月公表)

観光の伸びを暮らしにどう返すか

京都市を除く府域の観光入込客数は令和元年比135%、観光消費額は同166%と伸びています。人が来るようになったこと自体は歓迎すべきことですが、来訪が増えれば交通や騒音、ごみといった負担も同時に増えます。

訪れる人の数を増やす議論と、暮らしている人の負担を抑える議論は、同じ担当課の中で同時に進むのが行政の実際です。観光を志望動機に置く方は、賑わいの創出だけでなく、その裏側で誰が何を引き受けるのかまで考えておいてください。

重点政策|丹波の玄関口という位置から

亀岡市の政策の方向は、この市が置かれた位置から読み解けます。京都市の西隣で、大阪府の4市町とも境を接し、丹波側から都へ物を送り出す通り道として発展してきた土地。

その位置が、観光にも産業にも通勤にも同時に影響します。市の総合計画は公式サイトで確認できます。

この位置の話と自分の関心がどこで交わるのかを、章立てをたどりながら探してみてください。

志望分野を絞り込む視点

事業の名称をいくつ覚えたかは、面接では問われません。亀岡市を調べるなら、京都市と大阪府の双方に接するという位置が、自分の関わりたい分野にどう作用しているのかを一つだけ突き止めてください。

位置の話と分野の話がつながった時点で、志望動機の骨格はできあがっています。

POINT|京都市の近さを、便利さの話で終わらせない

京都市に隣接するという事実は、志望動機で真っ先に触れたくなる材料です。ただ、通勤や買い物に便利だという話は受験者の暮らしの話であって、市政の話ではありません。近さが市の仕事にどう作用するのかまで踏み込みましょう。

悪い例「京都市に近くて自然も豊かな亀岡市で、住みやすいまちづくりに貢献したいです」

改善例「京都市を除く府域の観光が、感染症の前より3割以上伸びていると知りました。人が増えれば道や駐車場のことで困る住民の方も出てくると思います。来てもらうことと、住んでいる方の暮らしを守ることを両立させる仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

亀岡市は年度内に複数回の試験を実施しますから、まず自分が受ける回の要項を手元に置くことが出発点になります。そのうえで政策の資料へ広げてください。

  • 亀岡市職員採用試験の要項(受ける回の最新版。試験区分、採用予定人数、試験科目、面接の回数が一つにまとまっています)
  • 亀岡市公式サイトの職員採用のページ(求める人材と「かめおか・未来・チャレンジ方式」の説明)
  • 亀岡市の総合計画(市公式サイトの最新版を、志望分野に関わる章に絞って読む)
  • 京都府総合計画・京都府観光入込客調査報告書(亀岡市の課題と観光を、府全体の枠組みから理解できます)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、亀岡市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。亀岡市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

亀岡市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

亀岡市役所の面接の概要

亀岡市の採用試験には、他の市とは違う看板が掲げられています。まずその中身を正確に押さえ、そのうえで質問の全体像と評価の観点へ進みます。

「かめおか・未来・チャレンジ方式」とは何か

亀岡市は採用試験の特徴として「かめおか・未来・チャレンジ方式」を掲げ、「面接試験などを実施する方式で、公務員試験対策を必要としない代わりに、これまでに培ってきた多彩な経験を市政に活かすことができる個性ある職員を採用することを目的としています。」と説明しています。

要項でも「従来の試験方法にとらわれず、多くの方に受験していただきやすい人物重視の方法(一部資格専門職を除く。)で試験を実施」すると述べ、特定の職種では保有資格によって筆記試験が免除され、面接のみで自分をアピールできる方式も設けています。(出典:職員採用試験の特徴|亀岡市)

ここで読み違えないでほしいのは、「公務員試験対策が不要」は「準備が不要」という意味ではないという点です。むしろ専門科目という共通のふるいが外れる分、何を経験してきたかと、それをどう言葉にできるかで差がつく設計だといえます。

項目内容(令和8年9月実施試験)
試験の段階第1次試験と第2次試験で完結します。第3次試験は設けられていません
第1次試験の筆記作文試験が必須で、これに加えて教養試験とSPI3試験のいずれか1つを選択する計2科目です
作文試験作文課題に対する理解力、文章の表現力や構成力などを評価します。課題字数は800字、試験時間は50分です
教養試験(選択)多肢択一式で、出題数40題、試験時間1時間30分。出題分野は時事、社会・人文および自然に関する一般知識と、文章理解、判断・数的推理および資料解釈です
SPI3試験(選択)言語および非言語に関する能力検査で、出題数70題、試験時間1時間10分です
面接の形式と回数第1次試験と第2次試験のいずれも個別面接で、合計2回です。要項に集団面接・集団討論の記載はありません
試験区分と採用予定人数事務(初級)が若干名、まちづくり技師「総合土木(土木・農業土木・造園)」の上級・初級があわせて10名です。いずれか1つの試験区分のみ受験でき、いずれの区分でも障がい者の受験が可能です
筆記の免除総合土木(上級)で土木施工管理技士(1級または2級)を有し、受験資格③に該当する方は筆記試験が免除されます
申込みの方法原則としてインターネット申込です。申込時にプロフィール写真、学歴、職歴の入力が必須となります。申込みに民間のサービスを使うというだけで、近隣自治体と共同で実施する統一試験ではありません
成績の開示合格しなかった方は、本人の成績(総合順位のみ)について口頭での開示を請求できます。合格発表の日から2週間以内に人事課へ直接来庁する方式で、電話などによる請求では開示されません

上記は、令和8年度亀岡市職員採用試験のうち令和8年9月実施試験の要項にもとづく内容です。この回の事務は初級(高卒程度)で、大学卒業程度の事務は同じ年度の5月実施回で募集されました。試験の構成・科目・採用予定人数等は、実施回や試験区分によって異なります。受験の際は、必ずご自身が受ける回と区分の最新の要項をご確認ください。(参考:令和8年度亀岡市職員採用試験要項)

800字の作文と、2回の個別面接

この試験の準備で見落とされやすいのが作文です。課題字数800字を50分で書き切る必要があり、評価されるのは課題に対する理解力と、文章の表現力や構成力とされています。

選択科目の教養試験やSPI3に気を取られていると、ここで足元をすくわれます。

そして面接は第1次と第2次で合計2回、いずれも個別面接です。同じ経験を、別の面接官に、少し違う角度から2度話すことになると考えておきましょう。

1回目でうまく言えた言い回しをそのまま繰り返すのではなく、掘られる場所が変わっても答えられる状態を作っておく必要があります。

POINT|作文と面接は同じ材料でつくる

800字の作文と、2回の個別面接。別々の対策をする必要はありません。自分の経験を3つか4つ選び、それぞれについて「何が起きたか」「自分は何をしたか」「何が変わったか」を書き出しておけば、作文の具体例にも面接の答えにも同じ材料が使えます。

悪い例「作文は文章力の試験なので、いろいろなテーマの模範解答を覚えて臨みました」

改善例「自分が実際に取り組んだことを3つ書き出して、それぞれ800字にまとめる練習をしました。どんな課題が出ても、そのどれかに引き寄せて書けるようにしています」

亀岡市が求める人材

亀岡市は、求める人材として次の3つを掲げています。

  • 市民と協働してまちづくりを進めることができる人
  • 勇気、元気、やる気をもって自らチャレンジすることができる人
  • これまで培った多彩な経験を市政に活かすことができる人

この3つを面接で確かめられる力に置き換えると、「人と組んで進める力」「自分から踏み出す姿勢」「経験を持ち込める強み」の3点になります。3つ目が試験方式の説明とそのまま重なっている点に注目してください。

市が「公務員試験対策を必要としない代わりに」と述べているのは、筆記で測れる力ではなく、これまでの経験の中身を見たいという宣言にほかなりません。

ここから2段落は、亀岡市の人口規模と府境という立地から、この採用で何が見られるのかを読み解いていきます。人口8万5,597人に面積224.80平方キロメートル。

この規模だと、一つの課が受け持つ範囲は広く、担当者は数年ごとに分野をまたいで入れ替わっていきます。そして9月実施回の事務は初級の採用ですから、「これまで培った多彩な経験」と言われても職歴のない方が大半のはずです。

ただ、市が量を数えたいわけではないでしょう。部活でも学校行事でもアルバイトでも、自分で段取りを決めて人に動いてもらった場面があるかどうか。

そこを見ている面接官は多いだろうというのが、当研究会の見当です。

立地も、働き方に関わってきます。京都市の西隣にあり、大阪府の4市町とも境を接する市です。

人も車も府境を越えて日常的に行き来しますから、防災でも観光でも交通でも、相手が府外の自治体になる場面が出てきます。庁内の合意だけでは進まない仕事があるということです。

話がまとまらないときに引き下がるのか、別の筋道を探すのか。その差は、この市の職員にとって小さくない分かれ目になります。

では、準備をどう組むか。この試験は、800字の作文と2回の個別面接が同じ材料の上に乗っています。

作文で書けない話は、面接でも話せません。裏を返せば、書いてみて800字に届かなかった経験は、その時点で持ち駒から外してよいということです。

手元の出来事をいくつか書き出し、実際に800字まで伸びるかどうかで選り分ける。そこから始めてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。亀岡市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク亀岡までは、どのような経路でお越しになりましたか?本題前の一往復。答えの中身より、面接の入口で相手と呼吸を合わせられるか
② 動機・志望公務員という働き方を選んだ理由を聞かせてください安定という言葉に寄りかからず、8万人台の市で働く選択として言葉にできているか
③ 自己理解ご自身の性格で、仕事のうえで気をつけている点はありますか?自分の傾向を把握し、実際に手当てをしているかどうか
④ 経験・行動これまでの経験のうち、市の仕事に持ち込めるものは何ですか?市が掲げる「多彩な経験を市政に活かす」に直結する問い。経験と業務の接点を自分で示せるか
⑤ 学業・経歴これまでで、いちばん手をかけて取り組んだことは何ですか?取り組みの高度さではなく、亀岡市の業務のどこへつながるかを自分で見つけているか
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたら、どうしますか?専任部門を多く置けない規模の市で働く前提を、現実的に受け止められているか
⑦ 公共性・社会性気になっている社会の動きを一つ挙げて、考えを聞かせてください800字の作文と同じで、限られた分量に自分の考えを収めて示せるか

ただし、この7つの枠組みは受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「亀岡市ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「亀岡市役所ならでは」の質問

「なぜ京都府庁ではなく、亀岡市役所を志望するのですか?」
「亀岡市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも亀岡市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。面接で使いやすい亀岡市の事実を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい亀岡市の事実答え方のヒント
高齢化の段階65歳以上31.9%は京都府全体の29.7%を上回るが、75歳以上は18.4%で府と同水準(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)いまの数字ではなく、これから需要が増える時期が来るという時間軸の話に展開すると、市の実務に近い議論になります
なぜ府庁ではなく市役所か亀岡市は消防を南丹市・京丹波町との組合で担う一方、窓口や福祉は市が直接担う。広域で組む仕事と単独の仕事が分かれている役割の線引きを具体例で示したうえで、住民に直接向き合う側で働きたいという理由へつなげます
京都市以外の府域の観光令和6年の京都市を除く府域の観光入込客数は2,819万人で令和元年比135%、観光消費額は同166%と伸びている賑わいの話で止めず、来訪が増えたときに誰の負担が増えるのかまで触れると、行政の視点として伝わります
保津川と産業の歴史市の説明では、慶長11年に角倉了以が保津川を開削し、丹波の木材や米、炭を京都へ運ぶ産業水路としたことに始まるとされる観光資源としてではなく、物と人が動く道という起点から語ると、地域の成り立ちを理解していると伝わります
大阪府と接する立地亀岡市は京都市・南丹市のほか、大阪府の茨木市・高槻市・能勢町・豊能町とも境を接する二つの府にまたがる位置が、通勤や観光、防災の連携にどう関わるかを一つ選んで具体的に話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、市が掲げる3つの求める人材に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民と協働して進める力立場の違う相手を巻き込み、同じ目標に向かって動いた経験があるか自分が引っ張った話だけでなく、相手の言い分を受けて進め方を変えた場面まで用意しておきます
自らチャレンジする姿勢言われていないことに手を挙げた場面があるか結果の大きさではなく、なぜそこで手を挙げたのかという判断の理由を説明できるようにします
経験を市政に活かす力これまでの経験と、市の業務との接点を自分で説明できるか亀岡市の課題を一つ選び、自分の経験のどの部分がその場面で使えるのかを一対一で対応させておきます
書いて伝える力作文試験が第1次試験の必須科目として置かれています800字を50分で書き切る練習を、面接で話す予定の経験を題材にして重ねておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。亀岡市は個別面接が2回ありますから、同じ経験を別の面接官から改めて問われる場面も想定されます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける回と試験区分の要項を最新版で読み、試験科目・面接の回数・採用予定人数・受験資格を書き出す。亀岡市は年度内に複数回実施しているので、回を取り違えない
  2. 選択科目を決める。教養試験は40題を1時間30分、SPI3試験は70題を1時間10分。両方に一度触れて、自分に向くほうを早めに選ぶ
  3. これまでの経験を棚卸しし、市の仕事に持ち込めそうな話を3つか4つ選ぶ。それぞれ「何が起きたか」「自分は何をしたか」「何が変わったか」を書き出す
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. この記事の前半を読み返し、高齢化の段階・府域の観光の伸び・保津川の歴史・大阪府と接する立地のうち、志望分野に近い事実を2つか3つ選んで自分の言葉で説明できるようにする
  6. ステップ3で書き出した経験を題材に、800字50分の作文を実際に書いてみる。書けたら声に出して読み、そのまま面接の答えとして使えるところまで整える

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験生を引き離すための工程です。ただし亀岡市の場合、作文と2回の個別面接が同じ材料で成り立ちますから、ステップ3の経験の棚卸しを最優先で終えてください。ここが空のままだと、ステップ6の作文も面接も組み立てられません。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、亀岡市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

亀岡市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

亀岡市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年9月実施試験は、作文と選択科目の計2科目、そして第1次と第2次で計2回の個別面接という構成でした。市が「公務員試験対策を必要としない代わりに」と書いているとおり、専門科目という共通のふるいがない分、これまでに何をしてきたかがそのまま前に出る試験です。

京都市の西隣で、大阪府の4市町とも接し、丹波の産物を都へ運ぶ川の道から発展してきた市。65歳以上が3割を超え、これから需要の増える時期を控えています。

その市役所に入って、自分は何から手をつけたいのか。市が挙げる「これまで培った多彩な経験を市政に活かすことができる人」という一文に、自分のどの経験が当てはまるのかを、800字にも面接の答えにもできる形まで書き直してみてください。

5月実施回や他の試験区分を受ける方は条件が異なりますので、該当する要項を確かめてから準備に入りましょう。