本記事では、郡山市職員採用試験の面接対策で必要な、郡山市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

郡山市役所の面接試験では、「なぜ郡山市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「これまでの経験を市政でどう活かすのか」といった、市の輪郭を自分でつかんでいないと答えの薄くなる質問が想定されます。しかも郡山市の前期試験は、面接の場面が3つ用意された構成です。

どの場面に何を準備するかを、はじめに決めておく必要があります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と郡山市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

郡山市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは郡山市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 福島県で最も人口の多い市であり、県庁所在地の福島市(261,534人)を上回る309,563人が暮らす(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。行政の中心と人口の最大が別の市になっている県である。
  • 人口は福島県全体のおよそ170万人に対して19%ほど。県民のおよそ5人に1人が郡山市民という規模になる。
  • 面積は757.20km²で、福島県の県土13,783.90km²の約5.5%。人口密度は409人/km²で、県全体を平均した123人/km²のおよそ3.4倍。
  • 接している自治体は11。須賀川市・会津若松市・二本松市・田村市・本宮市・耶麻郡猪苗代町・安達郡大玉村・岩瀬郡天栄村・石川郡平田村・田村郡三春町・小野町で、中通りだけでなく会津の会津若松市とも境を接する
  • 東北新幹線が中通りを縦断しており、東京駅から郡山駅までの最短所要時間は79分
  • 市の花はハナカツミ、市の木はヤマザクラ。市役所は郡山市朝日一丁目23番7号に置かれている。
  • 令和8(2026)年4月に「郡山市第7次総合計画」がスタートし、将来都市像として「東北の鼓動 未来を奏でる 選ばれるまち 郡山」を掲げている
  • 令和8年度の職員採用は、前期試験のほかテストセンター方式、UIJターン採用枠や行政実務経験者採用枠など複数の枠に分かれている。本記事で扱うのは前期試験の一般行政(専門)である。

郡山市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「郡山市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、県内での位置づけなど、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口309,563人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
県内での位置県内で最も人口が多い市。県庁所在地の福島市は261,534人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積757.20km²(福島県の県土13,783.90km²の約5.5%)
人口密度409人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
高齢化率28.9%(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。同じ調査の福島県全体は33.8%で、郡山市は県内13市でもっとも低い
隣接自治体11自治体(須賀川市・会津若松市・二本松市・田村市・本宮市・耶麻郡猪苗代町・安達郡大玉村・岩瀬郡天栄村・石川郡平田村・田村郡三春町・小野町)
市の花・市の木市の花はハナカツミ、市の木はヤマザクラ
市役所の所在地郡山市朝日一丁目23番7号
総合計画郡山市第7次総合計画(令和8年4月スタート)。将来都市像は「東北の鼓動 未来を奏でる 選ばれるまち 郡山」
(参考)福島県の総人口1,699,510人(令和8年6月1日現在の推計人口。世帯数754,392世帯)
(参考)福島県の高齢化率31.7%(2020年国勢調査ベース)

総面積・隣接自治体・市の花と木は公表値をもとに整理したものです。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。本文で触れた福島市の人口も、同じ住民基本台帳(令和8年1月1日現在)による値です。郡山市の高齢化率は総務省の住民基本台帳に基づく人口(令和8年1月1日現在)による値です。福島県の総人口は福島県現住人口調査月報(令和8年6月1日現在)、(参考)欄の福島県の高齢化率31.7%は福島県人口ビジョン(2020年国勢調査ベース)の値で、市の28.9%とは調査の基準が異なるため単純には比較できません。同じ基準でそろえた県との比較は本文で示しています。市の統計は更新されますので、受験前に市公式サイトの最新値もあわせて確認してください。(出典:福島県現住人口調査月報|令和8年6月

数字から考えられる市政課題

郡山市の輪郭は、県内で最も人口が多いという一点から広がります。県民のおよそ5人に1人が住み、人口密度は県平均の3倍を超える。県庁所在地ではないのに県内最大という位置は、行政の中心地ではなく、経済と生活の集積で人を集めてきた市だということを示しています。

規模が大きいということは、行政の仕事の幅も広いということです。受験案内は一般行政(専門)の職務の概要を、戸籍・税・福祉・観光等、行政全般の幅広い分野・業務と説明しています。31万人分の暮らしを、部署を越えて回していく職場だと考えておきましょう

そこへ県全体の人口の動きが重なります。福島県の人口は1998年の約214万人をピークに減り続け、2024年10月1日現在の推計人口で約174万人。

26年間でおよそ40万人、ピークの約8割の水準まで下がりました。社人研の推計をもとにした試算では、このままの傾向が続けば2040年に145万人、2070年に85万人まで減るとされています。(出典:福島県人口ビジョン|令和6年12月更新

面接では、こうした数字をそのまま並べるのではなく、市の姿として言い直せると強くなります。たとえば次のような話し方です。

「郡山市は県内で一番人口が多い市で、県民のおよそ5人に1人が住んでいると知りました。ただ、県全体では人口のピークだった頃から2割ほど減ってきたと聞いています。規模が大きいからこそ、減り方の違いが市の中で出てくるのではと感じていて、地域ごとの状況を見ながら働きたいと考えています」

郡山市の経済・産業

福島県の経済規模と、そのなかの郡山市

県民の5人に1人が暮らす市の経済は、県全体の数字と重ねて見ると位置づけがつかめます。まずは福島県全体の姿から入ります。

  • 福島県の県内総生産は名目で8兆3,950億円(令和5年度)。経済成長率は名目6.7%・実質5.4%。
  • 1人当たり県民所得は321万5千円(令和5年度)。
  • 令和5年度は、第1次産業が農業等の増加、第2次産業が製造業の増加、第3次産業が電気・ガス・水道・廃棄物処理業等の増加により、いずれの産業も県内総生産が増えた。

県全体として、農業から製造業、生活に不可欠なサービスまでがそろって伸びた局面にあるという整理になります。これは県の数字であって郡山市の数字ではありませんが、市の経済は県経済の一部として動いています。県全体がどちらへ向かっているかくらいは、自分の言葉で語れるようにしておきたいところです。(出典:福島県県民経済計算|令和5年度

結節点であることが、そのまま市の資源になる

郡山市が接している自治体は11。県内でも指折りの多さで、中通りの市町だけでなく、会津地方の会津若松市とも境を接しています。加えて東北新幹線が通り、東京駅から郡山駅までは最短79分で結ばれています。(参考:福島県へのアクセス|福島県

この位置は、採用のやり方にも表れています。前期試験の第1次試験会場は、郡山会場(郡山市役所)と東京会場(エッサム神田ホール1号館)の2か所です。

首都圏にいる人が受けやすい形をわざわざ用意しているということで、市外や県外から人を迎え入れる姿勢が、試験の設計そのものに出ていると読めます。志望動機を語るとき、この点に触れられる受験者はそう多くありません。

観光と交流人口

令和6年(2024年)の福島県内の観光客入込総数は57,573千人で、前年より6.8%(3,650千人)増えました。3つの方部別にみると、郡山市が属する中通り地方が27,717千人で最も多く、会津地方17,568千人、浜通り地方12,288千人と続きます。3方部とも前年を上回りました。(出典:福島県観光客入込状況|令和6年

一般行政(専門)の職務の概要には観光も含まれています。中通りが県内で最も多くの観光客を集めているという事実は、郡山市にとっては追い風であると同時に、通過されやすい立地でもあるという意味を持ちます。立ち寄る理由をどうつくるかという角度で考えておくと、観光を志望分野にしたときの話が具体的になります。

郡山市の主な行政課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、郡山市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

「選ばれるまち」という言葉が背負っているもの

第7次総合計画の将来都市像には「選ばれるまち」という言葉が入っています。選ばれるという表現は、裏返せば選ばれない可能性があるという前提に立った言葉です。

県全体では人口減少が続き、県の人口ビジョンは2040年に145万人、2070年に85万人という推計を示しています。県内最大の市であっても、この流れの外にいるわけではありません

規模の大きさは、減り始めたときの影響の大きさでもあります。計画の言葉を引用するときは、その言葉が引き受けている緊張感まで読み取ってください。

人口減少の中身が自然減に寄っていること

福島県の高齢化率は31.7%(2020年国勢調査ベース)で、1980年の10.5%、2010年の24.9%から一貫して上がってきました。直近の動きはさらに具体的です。

令和8年6月の県人口は1か月で1,503人減り、その内訳は自然減が1,409人、社会減が94人でした。転出による減少より、亡くなる方が生まれる子どもより多いという構造のほうが、はるかに大きくなっています。転入を増やす取組だけで押し戻せる局面ではないという前提を、市政の議論も共有しています。

一方、市の内訳は県の平均とは違います。基準をそろえて、住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で高齢化率を比べてみます。

福島県全体が33.8%であるのに対し、郡山市は28.9%で、県内13市のなかでもっとも低い水準です。いわき市33.0%、福島市32.0%、会津若松市33.4%と並べると差がはっきりします。75歳以上の割合も郡山市は15.4%で、県全体の18.6%を3ポイント以上下回ります。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在

この差は、郡山市に時間の余裕があることを意味しません。県内で先に高齢化が進んだ市町村がいま直面していることは、時間差で郡山市にも回ってきます。

県内では比較的若く、それでも高齢化は着実に進むという二重の前提に立てるかどうかが、福祉や子育てを語るときの説得力を分けます。県の平均値をそのまま市の課題として述べると、市の実態とはずれた話になります。

市域のどこでも起こりうる地震への備え

福島県は、地震・津波被害想定調査(令和元年度から令和4年度に実施)で、福島盆地西縁断層帯の地震(マグニチュード7.8)、会津盆地東縁断層帯の地震(マグニチュード7.7)、想定東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)に加えて、各市町村の直下で起こる地震(マグニチュード7.3)を想定しています。特定の断層帯から離れていても、直下型の想定は県内のどの市町村にも置かれているということです。

県全体では、想定東北地方太平洋沖地震で死者1,651人、全壊・焼失31,971棟、1週間後の避難者155,053人と算出されています。(出典:福島県地震・津波被害想定調査結果の概要|福島県

同じ調査は、東日本大震災の実績として県内最大震度6強、住家の全壊15,435棟、直接死1,605人という県全体の値も比較で示しています。31万人が暮らす市で災害が起きたとき、避難所をいくつ開け、誰にどう情報を届けるのか

人口の多さは、災害時にはそのまま対応の量になります。防災を語るなら、想定の大きさより、市職員が担う実務の側から話を組み立ててください。

財政の前提と、担い手そのものの減少

市の財政がどんな条件のもとにあるかは、県全体の指標が手がかりになります。福島県の財政力指数は0.51927、経常収支比率は95.8%(いずれも令和6年度決算・普通会計ベース)。使いみちの決まった支出の割合が高く、新しい事業に回せる余地は限られます(出典:福島県の主要な財政指標|令和6年度決算

県の人口ビジョンは、高齢化に伴う社会保障関係費の増加や、老朽化するインフラの維持・更新費の増加によって財政の硬直化が進むおそれを挙げ、あわせて人口減少により職員のなり手そのものが減るおそれを課題として明記しています。郡山市が受験案内で研修制度や自己啓発の支援を丁寧に説明しているのも、採用した人に長く力を伸ばしてもらう必要があるからだと考えると、記載の意味が見えてきます。

郡山市の重点政策|郡山市第7次総合計画

将来都市像と3つの柱

令和8(2026)年4月、郡山市は「郡山市第7次総合計画」をスタートさせました。将来都市像は「東北の鼓動 未来を奏でる 選ばれるまち 郡山」。計画の柱は、「選ばれるまち」「暮らしの充実・笑顔になれるまち」「経済の活性化」の3つです。(出典:令和8年度郡山市職員採用候補者試験 前期試験 受験案内|郡山市

3つの柱の並び方には意味があります。人に選ばれること、暮らしが充実していること、経済が動いていること。

この3つは互いに支え合う関係にあり、どれか一つだけを進めても回りません。面接で志望分野を語るとき、自分がやりたいことがどの柱に接続するのかを言えると、市の設計図を読んだうえで話しているという印象になります。

もう一つ押さえたいのは、計画が始まったばかりだという点です。令和8年度に採用された職員は、この計画とほぼ同じ時間を歩くことになります。計画を実行する側の一人として何をしたいのかという言い方ができると、志望動機が将来の話につながります。

福島県の計画から見た、市政の方向

県の計画は、郡山市がどちらへ向かって仕事をしているかの背景を教えてくれます。福島県人口ビジョンは、地方創生の取組によって2040年に150万人程度を維持するという人口目標を掲げています。

県が目標を数字で置き、市が暮らしの単位でそれを運ぶ。県と市の違いを権限の上下ではなく市民との距離だと捉えると、志望理由の輪郭がはっきりします。

郡山市は県庁所在地ではありません。だからこそ、県の機関との近さではなく、市民との距離の近さで役割を語れます。県庁ではなく市役所を選ぶ理由を問われたときは、この違いを自分の経験に重ねて説明してください。

POINT|計画名を言えなくても、自治体研究はできる

名称を覚えることが自治体研究の目的ではありません。①郡山市の人口309,563人と面積757.20km²、県内で最も人口が多いという位置を知る → ②第7次総合計画の将来都市像と3つの柱を押さえる → ③その条件のもとで自分が携わりたい仕事を考える → ④市公式サイトや広報で、実際に動いている取組を確かめる、という順で準備しましょう。

悪い例「選ばれるまち郡山の実現に貢献したいです」

改善例「郡山市は県内で一番人口が多い市ですけれども、新しい総合計画では選ばれるまちという言葉を掲げていると知りました。まずは窓口で市民の方の用件を正確に受け止められるようになりたいです。そのうえで、外から人を呼ぶ話だけでなく、いま住んでいる方が住み続けたいと思える理由をつくる仕事にも関わりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 自分が受ける枠の受験案内
    前期試験、テストセンター方式、UIJターン採用枠などで試験構成が異なります。枠を取り違えると対策の前提ごとずれます
  • 郡山市第7次総合計画
    将来都市像と3つの柱を押さえたうえで、志望分野に関係する部分だけ読み込みます
  • 市の地域防災計画・ハザードマップ
    県の被害想定ではなく、市域で何が想定されているかを自分の目で確かめます
  • 福島県の統計・計画
    人口ビジョンや県民経済計算は、市の課題を県全体の流れのなかに位置づけるときの物差しになります

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、郡山市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。郡山市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

郡山市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

郡山市役所の面接の概要

ここからは、郡山市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

郡山市役所の試験の流れ

令和8年度の前期試験・一般行政(専門)は、第1次試験から第3次試験までの三段階です。そして郡山市の場合、この構成以上に重要なのが得点の扱い方です。

受験案内は、第3次試験の合格者を第2次試験と第3次試験の合計(総合得点)により決定すると明記しています。つまり最終合格を決める総合得点400点は、個別面接150点、集団討論50点、個別面接200点という、すべて人物試験で構成されています

第1次試験の教養試験と専門試験の得点は、最終合格の総合得点には加算されません

項目内容(令和8年度・前期試験・一般行政(専門))
試験の正式名称令和8(2026)年度郡山市職員採用候補者試験 前期試験(令和9年4月1日採用予定)
実施郡山市総務部人事課
採用人員・職務一般行政(専門)は7名程度。職務の概要は戸籍・税・福祉・観光等、行政全般の幅広い分野・業務
試験の段階第1次(教養試験・専門試験)/第2次(個別面接・集団討論/オンライン)/第3次(個別面接/対面)の三段階
第1次試験の科目教養試験は択一式40題全問解答・120分(時事、社会・人文、自然に関する一般知識/文章理解、判断・数的推理、資料解釈)。専門試験は択一式40題全問解答・120分(憲法、行政法、民法、経済学、財政学、社会政策、政治学、行政学、国際関係)
第1次試験の会場郡山会場(郡山市役所)と東京会場(エッサム神田ホール1号館)の2会場
第1次試験の配点教養試験100点・専門試験100点・資格加算15点の合計215点
第2次試験個別面接150点・集団討論50点の合計200点。いずれもオンラインで実施され、事前に性格検査を受検
第3次試験個別面接200点。郡山市役所で対面により実施
合否の決め方第2次試験の合格者は第2次試験の結果により決定。第3次試験の合格者は第2次試験と第3次試験の合計(総合得点400点)により決定
試験結果の開示不合格者は郡山市総務部人事課で閲覧または郵送により開示請求できる。第3次試験の不合格者には、第2次試験と第3次試験の総合得点及び順位も示される。請求期間は合格発表の日から起算して30日以内で、電話やメール等による請求はできない
試験の内容の定義個別面接は「公務員としての資質等、職員として求める人物を評価する試験」、集団討論は「論理性や発想力、積極性や協調性、コミュニケーション能力など、人物を総合的に評価する試験」
語学の加算英検準1級以上、TOEIC(公開テストに限る)730点以上、TOEFL(iBT)80点以上、IELTS 6.5以上が対象で加算は15点が上限。申込時に資格を証する書類の写しを提出しないと対象になりません
提出書類・申込マイナビ2027とMy Career Boxへの登録が必要。エントリー後に履歴書の提出リクエストが届き、提出して申込完了。第1次試験当日は履歴書を両面印刷し、右上の余白に受験番号を記載して持参
(参考)初任給給料月額242,500円(令和8年4月1日現在)。上位の学歴や職務経験等がある場合は増額調整

この配点構造が意味するところは明快です。筆記試験は通過するための関門であって、逆転の材料にはならないということ。

第1次を通った時点で全員が横一線に戻り、そこから先は人物試験だけで順位が決まります。筆記に自信がある人ほど、面接の準備を後回しにしない設計になっていると考えてください。

上記の試験構成・配点は、郡山市の令和8年度前期試験(一般行政(専門))の受験案内にもとづくものです。郡山市には前期試験のほか、テストセンター方式(一般行政(SPI)・デジタル・福祉・保健師)、UIJターン採用枠、行政実務経験者採用枠などがあり、配点や試験構成は枠ごとに異なる可能性があります。当研究会が配点まで確認できたのは前期試験の一般行政(専門)のみです。なお、テストセンター方式の面接の構成(個別面接2回と集団討論1回、第2次はオンライン・第3次は対面)は前期試験と同じと案内されています。個別面接の面接官の人数や所要時間は受験案内に記載がありません。試験の構成・区分・日程等は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の枠の最新の受験案内でご確認ください。(出典:郡山市職員採用情報(テストセンター方式)|郡山市

郡山市が掲げる「目指す職員像」

郡山市の受験案内は「郡山市が目指す職員像とは?」という項目を設け、3つを挙げています。①開拓の精神(フロンティアスピリット)のもと、前例にとらわれずチャレンジできる職員。

②市民目線で未来を見据えた選択と行動ができる職員。③ミッション実現のため、自らに必要な知識やスキルを的確に把握し、主体的に習得できる職員。表紙にも「職員総活躍のもと柔軟な思考と行動力によりチャレンジできる人材を求めています」と記されています。

この3項目は、そのまま面接の評価軸だと考えてよいでしょう。前例にとらわれない行動、市民の側から未来を見る視点、そして学び続ける姿勢

どれも「そういう人になりたい」と述べるだけでは伝わりません。前例のないやり方を試した場面、相手の立場から先の影響を考えて動いた場面、必要だと判断して自分から学びに行った場面。

3つそれぞれに、自分の経験を1つずつ結び付けておきましょう。市が研修制度や資格取得費用の助成、大学等への修学支援を受験案内で丁寧に説明しているのも、③の姿勢を前提にしているからだと読めます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。郡山市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日の体調はいかがですか身構えのない問いへの応じ方。短い受け答えでも声と表情は伝わります
② 動機・志望数ある自治体のなかで、郡山市を選んだ理由を教えてくださいほかと比べたうえでの選択になっているか。動機が自分のこれまでと地続きか
③ 自己理解周囲からどんな人だと言われますか自分の見え方を把握しているか。他者の評価を受け止める素直さ
④ 経験・行動人と意見が食い違ったとき、どう折り合いをつけましたか対立の大きさではなく、その場面で自分がどう振る舞ったか
⑤ 学業・経歴これまでの学業や仕事で、力を入れて取り組んだことは何ですか取り組みの中身と、そこから何を持ち帰ったか
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたら、どうしますか市役所の仕事の幅をどこまで見込んでいるか。前提の変化への構え方
⑦ 公共性・社会性最近気になった出来事を一つ挙げてください社会の動きに目を向けているか。自分の受け止めを短い言葉にできるか

ただし、この7カテゴリーは郡山市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「郡山市ならでは」の質問です。

差がつくのは「郡山市役所ならでは」の質問

「なぜ福島県庁ではなく、郡山市役所なのですか」
「郡山市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも郡山市の現状を知らなければ、その場で組み立てるのは難しい質問です。裏を返せば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「郡山市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい郡山市の事実答え方のヒント
市の規模と輪郭人口309,563人・面積757.20km²・人口密度409人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。県庁所在地の福島市(261,534人・住民基本台帳・令和8年1月1日現在)を上回り、県内で最も人口が多い。高齢化率は28.9%(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で県内13市の最低県内最大という事実を、職員一人が向き合う市民の数に言い換えると話が具体化します。規模の大きさを自慢ではなく責任の話として語ってください。県内では比較的若い人口構成だという点まで添えると、他の受験者と材料が変わります
総合計画とめざす姿令和8年4月に第7次総合計画がスタート。将来都市像は「東北の鼓動 未来を奏でる 選ばれるまち 郡山」で、柱は「選ばれるまち」「暮らしの充実・笑顔になれるまち」「経済の活性化」の3つ自分の志望分野がどの柱に乗るのかを先に決めてから話し始めます。計画が始まったばかりだという時間軸に触れると、入庁後の話につながります
なぜ県庁ではなく市役所か一般行政(専門)の採用人員は7名程度。職務の概要は戸籍・税・福祉・観光等、行政全般の幅広い分野幅広い分野を担う前提に触れ、市民と直接向き合う距離の近さを自分の経験と結んで語ります。県との役割の違いは借り物でない言葉で言い切ってください
郡山市の位置と近隣11自治体と接し、中通りだけでなく会津の会津若松市とも境を接する。東京駅から郡山駅まで最短79分で、第1次試験には東京会場も置かれている結節点であることを、人が集まる条件としても通過されやすい条件としても説明できるようにします。東京会場の話は市の姿勢に触れる糸口になります
試験の性格最終合格の総合得点400点は第2次試験200点と第3次試験200点の合計で、すべて人物試験。第1次の教養100点・専門100点は総合得点に加算されないこの構造を知っていると答えの説得力が変わります。筆記の後に力を抜かず面接の準備に時間を配分してきた、という事実を具体的に語ってください

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、受験案内が掲げる「目指す職員像」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
前例にとらわれずチャレンジできるか決まったやり方を変えた場面。変えると決めた理由と、周囲をどう巻き込んだか受験案内は開拓の精神という言葉を職員像の一つ目に置いています。うまくいった話だけでなく、途中でやり方を変えた判断まで用意しておくと、第3次の200点の個別面接で深く聞かれても持ちこたえられます
市民目線で未来を見据えて動けるか目の前の相手の先にいる人まで考えて判断した経験。短期の解決と長期の影響をどう天秤にかけたか職員像の二つ目に直結する観点です。第7次総合計画の3つの柱のうち、自分の経験がどれに近いかを決めておくと、志望分野の話と一本につながります
主体的に学び続けられるか必要だと自分で判断して身につけた知識や技能。誰かに言われて始めたのか、自分で決めたのか職員像の三つ目です。郡山市は研修や資格取得費用の助成、大学等への修学支援を受験案内で説明しています。入庁後にどう伸ばしたいかまで言えると、制度を調べたうえで志望しているとわかります

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。郡山市は第2次のオンライン面接と第3次の対面面接があり、同じ経験を別の場面で問われる前提で備える必要があります。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける枠(前期試験・テストセンター方式・UIJターン採用枠など)を確定し、その受験案内で試験の段階と配点、申込の手順を確かめる
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業、部活動、アルバイト、職務、地域での活動から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、人口と面積、県内での位置づけといった郡山市の基本と、第7次総合計画の将来都市像を自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. オンラインの個別面接と集団討論、対面の個別面接をそれぞれ想定して練習する。画面越しでは間の取り方と目線が変わるため、機材を用意して一度は本番に近い形で試しておく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、郡山市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

郡山市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

郡山市役所の想定問答集を見る

さいごに

郡山市の前期試験・一般行政(専門)は、採用人員7名程度に対して面接の場面が3つ用意され、最終合格を決める400点はすべて人物試験で構成されています。教養と専門の筆記を越えた先で、オンラインの個別面接と集団討論、そして市役所での対面の個別面接が待っています。

県内で最も多い31万人の暮らしを、戸籍から観光まで幅広く担う仕事です。始まったばかりの第7次総合計画のなかで、自分がどの柱を担いたいのか。3つの面接のどこで聞かれても同じ芯で答えられるところまで、経験を整えていきましょう。