本記事では、会津若松市職員採用試験の面接対策で必要な、会津若松市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

会津若松市役所の面接試験では、「なぜ会津若松市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。会津若松市は第一次から第三次までの三段階選抜で、人物を見る試験が第二次と第三次に分かれて置かれていますので、早い時期から話す準備に時間を配っておきたいところです。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と会津若松市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

会津若松市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは会津若松市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口は109,006人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積は382.97km²。福島県の県土13,783.90km²のおよそ2.8%にあたり、県人口のおよそ6.4%が暮らす。
  • 人口密度は285人/km²で、福島県全体の平均およそ123人/km²の2倍を超える。
  • 接するのは郡山市、喜多方市、耶麻郡猪苗代町・磐梯町、河沼郡会津坂下町・湯川村、岩瀬郡天栄村、南会津郡下郷町、大沼郡会津美里町の9自治体。福島県は中通り・会津・浜通りの3つの地域で構成され、隣接自治体の名称にも会津の名が並ぶ
  • 市役所は東栄町3番46号にあり、市の花はタチアオイ、市の木はアカマツと定められている。
  • 職員採用候補者試験は第一次・第二次・第三次の三段階で構成される。個別面接が課されるのは第三次試験だけで、第二次試験の人物試験は集団の形式で行われる
  • 大学卒程度の事務職(行政)は、第一次試験を「教養試験コース」と「SPI試験コース」から選べる。市はSPI試験について「一般に特別な公務員試験対策は不要とされています」と案内している。
  • 受験案内は「大学卒業(卒業見込)は受験資格ではありませんので、その他の要件さえ満たしていれば学歴にかかわらず受験できます」と明記している。
  • 第一次試験は会津若松会場(市役所本庁舎)のほかに東京会場を選べるが、第二次試験・第三次試験の会場はいずれも市役所本庁舎(予定)である。
  • 受験案内には「過去の論文・集団討論試験の課題は、市のウェブサイトに掲載してあります」と記載がある。

会津若松市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「会津若松市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、接している自治体など、会津若松市の位置づけを説明できる項目を整理しました。会津若松市単独の市民経済計算や財政指標は市が公表する予算・決算の資料で押さえられますので、この表には規模を比べる相手として福島県全体の数値を添えました。

項目内容
総人口109,006人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積382.97km²(福島県のおよそ2.8%)
人口密度285人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市役所所在地〒965-8601 福島県会津若松市東栄町3番46号
隣接自治体郡山市、喜多方市、耶麻郡猪苗代町・磐梯町、河沼郡会津坂下町・湯川村、岩瀬郡天栄村、南会津郡下郷町、大沼郡会津美里町(9自治体)
市の花・市の木タチアオイ/アカマツ
(参考)福島県の総人口1,699,510人(令和8年6月1日現在の推計)
(参考)福島県の総面積13,783.90km²(北海道、岩手県に次いで全国3番目)
(参考)福島県の高齢化率31.7%(2020年国勢調査ベース)
(参考)会津地方の観光客入込数17,568千人(令和6年。県内総数57,573千人の約3割)

会津若松市の面積・所在地・隣接自治体・市の花・市の木は、自治体の公表値による数値で、市公式の推計人口との照合は済んでいません。受験や提出書類で用いる際は市公式サイトの最新値をご確認ください。福島県の総人口は県の現住人口調査月報(令和8年6月1日現在)、総面積と全国順位は県公式「県のすがた」、高齢化率は福島県人口ビジョンの2020年国勢調査ベースの値、観光客入込数は県の令和6年観光客入込状況の3方部別集計です。会津地方の値は市単独の数値ではありません。県の平均人口密度と県土・県人口に占める比率は当研究会の算出です。市と県で時点が異なるため、おおよその水準感として捉えてください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

会津若松市の輪郭は、密度から見ると分かりやすくなります。285人/km²は県平均およそ123人/km²の2倍を超え、県内でも人がまとまって暮らしている側の市です。

一方、県人口に占める割合はおよそ6.4%にとどまり、10万人規模の市が県土の2.8%の広さで会津の生活圏を支えているという位置づけになります。

密度が高いという事実と、県全体から見れば大きくないという事実は、両立します。(出典:福島県現住人口調査月報|令和8年6月1日現在

もう一つの前提が、県全体の人口の動きです。福島県の人口は1998年の約214万人をピークに減り続け、2024年10月1日現在の推計人口は約174万人になりました。

26年間でおよそ40万人が減り、ピーク時の約8割になった計算です。令和8年6月の1か月では、当月の人口増減は1,503人の減で、内訳は自然減が1,409人、社会減が94人でした。

高齢化率は2020年の国勢調査ベースで31.7%。1980年の10.5%、2010年の24.9%から一貫して上がってきました。

県の推計では、いまの趨勢が続けば総人口は2040年に145万人、2070年には85万人まで減るとされ、県はこれに対して2040年に150万人程度の維持を人口目標として掲げています。密度の高さを手がかりにすると、面接ではこう話せます。(出典:福島県人口ビジョン|令和6年12月更新

「会津若松市は10万人ほどが暮らすまちで、人口密度は県の平均の2倍を超えると知りました。ただ福島県全体では1998年をピークに、26年ほどで40万人くらい減っていると聞きました。まとまって暮らしている市だからこそ、周りの町や村から通ってくる方の用も引き受けているのではと感じています。その広がりまで含めて考えるのが市役所の仕事だと思っています」

会津若松市の経済・産業

福島県の経済規模と会津若松市の位置

会津若松市単独の市民経済計算は公表の範囲が限られますので、ここでは福島県全体の姿と、会津という括りで集計される統計を手がかりに地域経済を整理します。

  • 福島県の県内総生産は名目8兆3,950億円(令和5年度)。経済成長率は名目6.7%・実質5.4%。
  • 1人当たり県民所得は321万5千円(令和5年度)。
  • 令和5年度は、第1次産業が農業等の増加、第2次産業が製造業の増加、第3次産業が電気・ガス・水道・廃棄物処理業等の増加により、いずれの産業でも県内総生産が増えた

ここでつかんでおきたいのは金額そのものではなく縮尺です。8兆円規模の県経済のうち、県人口の6%あまりを占める市で働くことになると考えると、県の統計をそのまま市の話に流用しない構えができます。(出典:福島県民経済計算|令和5年度

会津という観光の単位

福島県は中通り・会津・浜通りの3つの地域で構成され、地域ごとに気候も異なり、7つの生活圏に分かれると県は説明しています。

観光の統計もこの3方部で集計されており、令和6年の県内観光客入込総数57,573千人のうち、会津地方は17,568千人と3割ほどを占め、中通り地方の27,717千人に次ぐ規模でした。3方部とも前年比で増加しています。(出典:福島県観光客入込状況|令和6年

注意したいのは、これが会津若松市単独の数値ではないことです。会津地方という広い括りの集計であり、市の入込客数は市の統計で確かめる必要があります。

面接で観光を語るなら、名所を挙げるのではなく、来訪者の消費をどう市内の事業者や雇用へ回すか、増えた人をどう受け入れるかという行政側の論点まで進めましょう。(参考:福島県概況|福島県

市が抱える職種から見える仕事の幅

市単位の産業統計を持たない場合でも、市が何に人を割こうとしているかは採用の枠から読めます。

大学卒程度の採用予定は、事務職(行政)が教養試験コース4名程度・SPI試験コース4名程度、事務職(行政)の障がい者特別枠が若干名、事務職(手話通訳)が若干名、土木職・建築職・電気職・化学職が各若干名、保健師が3名程度です。

手話通訳の事務職を独立した試験職種として置いている自治体は多くありません。

土木・建築・電気・化学という技術系の4職種を同じ年に募集していることとあわせて、10万人規模の市が自前で抱えている機能の広さが見て取れます。一般事務を志望する場合でも、こうした専門職と組んで仕事を進める前提は、志望動機の解像度を上げてくれます。

会津若松市の主な行政課題

ここまでの数字と職種の姿を踏まえると、会津若松市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と高齢化が同時に進む局面

福島県の人口は1998年の約214万人から2024年には約174万人まで落ち、高齢化率は2020年時点で31.7%です。

県人口ビジョンは、この動きが引き起こす問題として、地域経済では人手不足や消費市場の縮小による経済活力の低下、地域社会では地域コミュニティや社会保障など様々な分野で従来の水準を保つことが難しくなることを挙げます。

支えを必要とする人は増え、支える側の人手と財源は細っていく。この二つの線が交差していく時期に、市の仕事は置かれています。

周辺自治体を含む生活圏を支えるという役割

会津若松市が接する9自治体には、町と村が7つ含まれます

県は過疎地域の高齢化率が39.2%(2020年)と県全体の31.7%を7.5ポイント上回り、過疎地域が県人口の13.9%にあたる一方で県土の54.9%を占めることを示しています。

県人口ビジョンは、過疎化によって買い物・生活交通・医療・子育て・教育といった日常生活に欠かせないサービスの維持が難しくなること、町内会や自治会、消防団などの共助の機能や小中学校の維持が困難になることを課題として認識しています。

密度285人/km²の市に暮らす人だけを見ていると、この論点は視野から外れます。市の外から通ってくる人の用まで含めて考えられるかどうかが、志望動機の厚みを分けます。

会津盆地東縁断層帯という地震リスク

福島県は令和元年度から4年度にかけて地震・津波被害想定調査を実施し、想定する地震のひとつに会津盆地東縁断層帯を震源とする地震(M7.7、Mw7.0)を挙げています。

県の算出では、この地震で県内の死者1,624人、全壊・焼失35,970棟、最大震度7と想定されており、県内で想定された地震のなかでも建物被害の規模が大きい部類にあたります。(出典:福島県地震・津波被害想定調査結果の概要

これは福島県全体の想定値であり、会津若松市単独の被害想定ではありません。ただし、海に面していない地域でも内陸の断層帯による震度7が想定に入っている点は、防災を語るうえで外せない前提です。

県の想定であることを断ったうえで、382.97km²の市域で避難所を開け被害を把握して回る側から何ができるかへ話を進めましょう。

財政と、行政の担い手そのものの確保

会津若松市の財政の細かな数字は市の公表資料にあたるとして、まず市政が置かれた土台を県の指標から押さえておきましょう。

福島県の経常収支比率は95.8%(令和6年度決算、普通会計ベース)、財政力指数は0.51927です。実質公債費比率6.0%、将来負担比率115.3%はいずれも国の早期健全化基準を下回っているものの、自由に使える財源が潤沢な状態ではありません

県人口ビジョンはさらに、高齢化に伴う社会保障関連支出の増加や老朽化した社会インフラの維持・更新費用の増加によって財政の硬直化が進むおそれ、人口減少による職員のなり手の減少で行政サービスの水準を保つことが難しくなるおそれを挙げています。

新しい事業を提案する形で志望を語るなら、その財源と人手をどこから持ってくるのかという問いが返ってくることを想定しておきましょう。

県全体を貫く復興という文脈

福島県の令和8年度一般会計当初予算は総額1兆2,606億円で、このうち1,970億円が復興・創生分として計上されています。東日本大震災と原子力災害で失われた浜通り地域等15市町村の産業を回復するため、福島イノベーション・コースト構想という国家プロジェクトも進められています。(出典:福島県一般会計当初予算|令和8年度

会津若松市は浜通りから離れた位置にありますが、県の予算と施策の全体像は市政の背景として押さえておく価値があります。

県が広い範囲の方向づけと財源の配分を担い、市はそれを一人ひとりの暮らしの場面まで届けます。県と市の違いは権限の上下ではなく市民との距離だと理解しておくと、比較の質問に落ち着いて答えられます。

会津若松市の重点政策|受験案内が掲げる職員像

会津若松市の総合計画や重点施策の名称は、市公式サイトの市政情報のページで最新のものを確かめられます。本記事では、市が受験案内の冒頭で公表している職員像と、試験の設計から市政を理解する土台をつくります。

受験案内の冒頭に置かれた市の宣言

令和8年度の受験案内は、募集の冒頭で「会津若松市では、明日の会津若松市を担う【志高く快活で、地域とともに、未来を切り拓く 職員】を目指す、以下の資質を備えた人材を求めます」と述べ、続けて3つの資質を掲げています。

大学卒程度と高校・短大卒程度の両方の受験案内に、同じ文言で掲載されています。(出典:会津若松市職員(大学卒程度及び保健師)採用候補者試験受験案内|令和8年度

市が求める資質受験案内の記載
(1) 責任感と倫理感地域を支える市の職員としての強い責任感と高い倫理感
(2) 協働する意識他者と積極的に関わり、協働して物事に取り組む意識
(3) 向上心と行動力地域や組織、自分自身の課題の発見に努める向上心と、その課題の解決のために主体的に取り組める行動力

この3点は、抽象的なスローガンではなく面接の評価軸に直結します。

とくに(3)は「課題の発見」と「解決のための主体的な行動」が一続きで書かれており、気づいただけの話でも、言われて動いた話でも足りないという構造になっています。自分の経験を棚卸しするときは、この一続きを満たす場面から選びましょう。

試験の設計に表れている市の姿勢

職員像とあわせて読みたいのが、試験の入口の作り方です。

受験案内は「大学卒業(卒業見込)は受験資格ではありませんので、その他の要件さえ満たしていれば学歴にかかわらず受験できます」と明記し、大学卒程度の事務職(行政)には教養試験コースとSPI試験コースを用意しています

SPI試験については「一般に特別な公務員試験対策は不要とされています」とまで書かれています。

第一次試験には会津若松会場だけでなく東京会場(席に限りがあり先着順)も置かれています。一方で第二次試験・第三次試験の会場はいずれも市役所本庁舎(予定)ですから、人物試験は会津若松市内で受けることになります。

入口は広く取り、人物を見る段になったら市に来てもらう。この設計は、市が何を重く見ているかの手がかりになります。

POINT|3つの資質を、そのまま暗唱しない

公表された職員像は、覚えて口にするためのものではありません。①3つの資質を読み、②自分の経験のどれがどの資質にあたるかを割り振り、③その経験を「何が課題だったか → 自分は何をしたか → 何が変わったか」の順で言える形にする、という使い方をしましょう。

悪い例「私は責任感が強く、協働する意識を持っています」

改善例「サークルの会計を2年間担当していて、途中で帳簿の付け方があいまいだと気づきました。誰も困っていると言わなかったのですが、月ごとに残高を出す形に変えて、部員にも共有するようにしました。結果として、年度末の集計にかかる時間がかなり短くなりました」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 会津若松市職員採用候補者試験の受験案内(大学卒程度と高校・短大卒程度で別々に公表されます。ファイル名が似ているため取り違えに注意)
  • 市のウェブサイトに掲載されている過去の論文・集団討論試験の課題(大学卒程度)、過去の作文試験の課題(高校・短大卒程度)
  • 会津若松市公式サイトの市政情報・広報紙・統計のページ(人口や観光の市単位の数値はここで確かめます)
  • 福島県の人口ビジョン・当初予算の資料(市政が置かれた県全体の背景をつかむために)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、会津若松市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。会津若松市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

会津若松市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

会津若松市役所の面接の概要

ここからは、会津若松市役所の試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理します。

会津若松市役所の試験の流れ(大学卒程度)

会津若松市の試験でまず理解しておきたいのは、人物試験が二段構えになっていることです。

第二次試験の人物試験は集団の形式で行われ、一人ずつ向き合う個別面接試験は第三次試験だけに置かれています。しかも第二次で実施する論文試験は、その場では評価されず第三次試験で評価される仕組みです。

項目内容(令和8年度・大学卒程度及び保健師)
試験の段階第一次試験・第二次試験・第三次試験の三段階
第一次試験(事務職・行政)教養試験コースとSPI試験コースの選択制。教養試験は時事、社会、人文、自然に関する一般知識および文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈(大学卒程度・マークシート方式)。SPI試験コースはSPI試験のみ
第二次試験(事務職系)事務職(行政)、事務職(行政)【障がい者特別枠】、事務職(手話通訳)は、集団面接試験・集団討論試験・論文試験・適性検査の4種目。集団面接と集団討論は「専門的知識等も含め、人物を総合的に評価する試験」と説明されています
第二次試験(技術系・保健師)土木職・建築職・電気職・化学職・保健師は、集団面接試験・専門性確認面接・論文試験・適性検査。集団討論試験は課されません。専門性確認面接は「面接により、専門性や資質等を評価する試験」
第三次試験全職種共通で個別面接試験のみ。「公務員としての資質等、職員として求める人物を評価する試験」と説明されています
論文試験第二次試験で実施し、評価は第三次試験で行われます。過去の論文・集団討論試験の課題は市のウェブサイトに掲載されています
適性検査第一次試験合格者にWEBテスティングの受験案内が送付され、受験者自身のパソコンから受験します
合否の決め方「各試験の合格者は、総合得点の高い順に決定されますが、合格基準に達しない試験種目が一つでもある場合には、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります」。加えて、各試験の順位にかかわらず一定程度の成績に達しない場合は不合格となる場合があるとされています
採用予定人数事務職(行政)は教養試験コース4名程度・SPI試験コース4名程度、障がい者特別枠と手話通訳は各若干名、土木・建築・電気・化学は各若干名、保健師3名程度。複数職種の併願はできません
試験会場第一次は会津若松会場(市役所本庁舎)と東京会場(席に限りがあり先着順)から選択。第二次・第三次はいずれも市役所本庁舎(予定)
申込方法インターネット(LoGoフォーム)による申込み。申込後3日以内(土日祝日を除く)に受験番号の通知メールが送信されます
配点試験種目ごとの配点・満点および人物試験の比重は、受験案内に記載がありません

この構成から準備の順序が決まります。

第二次では集団のなかで発言する力が、第三次では一人で掘り下げに耐える力が問われます。

同じ「面接対策」でも、集団討論の準備と個別面接の準備は別物だと考えて、両方に時間を割いてください。加えて論文が第三次で評価される以上、第二次を通過した後も、自分が何を書いたかを覚えておく必要があります。

上記は、会津若松市の令和8年度職員(大学卒程度及び保健師)採用候補者試験の受験案内にもとづく内容です。高校・短大卒程度は第二次試験が集団面接試験・作文試験・適性検査、第三次試験が個別面接試験で、集団討論試験は課されません。令和8年度からは大学卒程度と同日程に前倒しされ、高校3年生は本試験の対象外とされたうえで、新設の「高校生チャレンジ枠」の受験案内が別途公開される予定と告知されています(本記事の執筆時点では、その試験種目・面接構成は未公表です)。社会人経験者採用枠についても本記事では内容を確認できていません。試験の構成・区分・日程等は年度や職種によって変わりますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。(参考:会津若松市職員(高校・短大卒程度)採用候補者試験受験案内|令和8年度

会津若松市役所が求める人物像

会津若松市は、求める人材を受験案内の冒頭で明示しています。

目指す職員像は「志高く快活で、地域とともに、未来を切り拓く 職員」で、そのために備えてほしい資質として、①地域を支える市の職員としての強い責任感と高い倫理感、②他者と積極的に関わり協働して物事に取り組む意識、③地域や組織、自分自身の課題の発見に努める向上心とその課題の解決のために主体的に取り組める行動力、の3点が挙げられています。

面接対策の言葉に翻訳すると、「公金と個人情報を扱う立場としての誠実さ」「初対面の相手とも組んで進める力」「自分で課題を見つけて動いた経験」の3つが評価の軸になります。

第二次で集団討論が課される事務職では、とくに②が形になって表れます。自己PRでは資質を名乗るだけで終わらせず、その力を使って何を行い、周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。会津若松市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はよく眠れましたか身構えていない問いへの返し方。集団面接では、他の受験者の発言に対する表情も見られます
② 動機・志望近隣の市町村ではなく会津若松市を選んだ理由を教えてください比べたうえでの選択か。動機が自分のこれまでと地続きか
③ 自己理解自分の短所を一つ挙げて、どう付き合っているか教えてください弱さを言い切れるか。認めたうえで手を打っているところまで話せるか
④ 経験・行動自分から課題を見つけて動いた経験を教えてください市が掲げる3つ目の資質そのもの。気づいて終わりか、手を動かしたところまで進んだか
⑤ 学業・経歴学んだことを市役所の仕事でどう使えると考えますか学びを仕事へ翻訳する力。学歴を要件としない試験だからこそ、中身が問われます
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたら、どう働きますか市の仕事の広がりをどこまで見込んでいるか。与えられた場所での構え方
⑦ 公共性・社会性最近気になった地域の出来事を一つ挙げてください身の回りの動きに目を向けているか。受け止めを短い言葉にできるか

ただし、この7カテゴリーは会津若松市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「会津若松市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「会津若松市役所ならでは」の質問

「なぜ福島県庁ではなく、会津若松市役所なのですか」
「会津若松市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも、会津若松市の現状を知らないままその場で組み立てるのは難しい質問です。

裏を返せば、準備した材料の量が、そのまま答えの厚みに出る質問でもあります。こうした質問に答えるための「会津若松市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい会津若松市の事実答え方のヒント
市の規模と位置づけ人口109,006人・面積382.97km²・人口密度285人/km²。密度は県平均およそ123人/km²の2倍超だが、県人口に占める割合はおよそ6.4%。接する9自治体のうち7つが町村密度の高さと県内シェアの小ささを両方出すと、平均値をなぞっただけの説明から抜けられます。周辺の町村から通ってくる人の用まで市が引き受けているという視点が、志望動機の芯になります
市が掲げる職員像受験案内は「明日の会津若松市を担う【志高く快活で、地域とともに、未来を切り拓く 職員】」を掲げ、責任感と倫理感、協働する意識、課題発見の向上心と主体的な行動力の3つを求める資質としている3点を暗唱するのではなく、自分の経験をどれかに割り当てて話します。とくに3つ目は「見つけた」と「動いた」が両方そろわないと答えになりません
なぜ県庁ではなく市役所か大学卒程度の事務職(行政)の採用予定は教養試験コース4名程度・SPI試験コース4名程度。市は事務職(手話通訳)や土木・建築・電気・化学、保健師も同じ年に募集しているコース別に4名程度ずつという枠の小ささから、一人が担う守備範囲の広さを語ると実務に接地します。市が手話通訳の職員まで自前で置いている点に触れると、住民に最も近い窓口を担うのは市だという説明に具体性が出ます
会津という地域福島県は中通り・会津・浜通りの3地域で構成され、令和6年の観光客入込は会津地方17,568千人(県内総数57,573千人の約3割、前年比増)これは市単独ではなく会津地方の数値だと断ってから使います。そのうえで、来訪者の消費を市内の事業者や雇用へどう回すかという行政側の論点まで進めましょう
防災県の被害想定調査は会津盆地東縁断層帯を震源とする地震(M7.7)を想定し、県内の死者1,624人、全壊・焼失35,970棟、最大震度7と算出している県全体の想定値であることを明示したうえで、内陸の断層帯で震度7が想定されている事実を押さえます。海に面していない市でも地震の備えが要るという話は、他の受験者と重なりにくい切り口です
試験の性格三段階構成で、個別面接は第三次のみ。第二次は集団面接と集団討論(事務職系)で、論文は第二次で実施し第三次で評価される。合格基準に達しない種目が一つでもあれば不合格集団での振る舞いと個別での掘り下げ、両方に準備を配る前提で計画を立てます。論文で書いた内容を第三次まで覚えておく必要がある点も、他市との違いとして押さえておきましょう

使い方のコツは、6つ全部を覚えることではありません。志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、市が公表している3つの資質に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
強い責任感と高い倫理感任された役割を、誰も見ていない場面でどう扱ったか市が資質の筆頭に挙げる項目です。会計や個人情報のように、間違えると他人に迷惑がかかる役割を担った経験を一つ選び、自分が課したルールまで話せるようにしておく
協働して物事に取り組む意識集団討論で、意見の違う相手にどう向き合うか事務職の第二次には集団討論があります。結論を押し通した経験ではなく、他の人の案を組み込んで形にした場面を用意し、そのとき自分が何を言ったかまで再現できるようにしておく
課題発見の向上心と主体的な行動力誰にも指示されていない状態から、どこへ手をつけたか受験案内は「課題の発見」と「解決のために主体的に取り組める行動力」を一続きで書いています。気づいた場面と動いた場面が同じ話のなかにある経験を選ぶこと

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

会津若松市では第三次の個別面接がその場になります。集団の場で短く話した内容を、一人で長く掘り下げられる前提で備えましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておくことが要点です。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける区分・年度の受験案内を読み、大学卒程度なら教養試験コースとSPI試験コースのどちらで受けるかを決める
  2. 受験案内が掲げる3つの資質に、自分の経験を割り当てる。学業、部活動、アルバイト、地域での活動から1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、人口109,006人・面積382.97km²・人口密度285人/km²という会津若松市の輪郭を、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 市のウェブサイトに掲載されている過去の論文・集団討論の課題に目を通し、集団で発言する練習と、一人で掘り下げられる練習を分けて行う

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ2に戻り、3つの資質それぞれに割り当てた経験を、集団の場で短く話す形と個別面接で長く掘り下げる形の両方に整えてください。市が掲げる資質に自分の経験を結び付けられない状態では、知識をいくら足しても評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、会津若松市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

会津若松市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

会津若松市役所の想定問答集を見る

さいごに

会津若松市の試験は、集団のなかで話す第二次と、一人で掘り下げられる第三次に人物試験が分かれています。しかも合格基準に達しない試験種目が一つでもあれば、他の成績にかかわらずそこで終わります。

市は求める人材を受験案内の冒頭ではっきり示していて、3つ目には課題を見つける向上心と、解決のために主体的に取り組める行動力が挙げられています。

10万人規模の市が会津の生活圏を支えるなかで、自分はどの課題に手をつけたいのか。その一点を自分の経験に結び付けるところから、準備を始めてみてください。