本記事では、須賀川市職員採用試験の面接対策で必要な、須賀川市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
須賀川市役所の面接試験では、「なぜ須賀川市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度の大学卒程度の試験では、第2次試験が口述試験の1種目だけで構成されており、人物についての受け答えがそのまま結果に反映される試験になっています。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と須賀川市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
須賀川市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは須賀川市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 福島県の内陸部に位置する、人口72,205人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積279.43km²の市である。
- 市域を接しているのは、郡山市と、岩瀬郡の天栄村・鏡石町、石川郡の玉川村・平田村の1市1町3村。うち郡山市は人口約31万人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、須賀川市の4倍を超える人口規模をもつ。
- 面積279.43km²は福島県全体のおよそ2%にあたる。人口密度は258人/km²で、人口規模のわりに市域が広い。
- 市役所は須賀川市八幡町135に置かれている。市の花はぼたん、市の木はあかまつ。
- 須賀川市が属する福島県は、中通り・会津・浜通りの3つの地域と7つの生活圏に分かれ、地域ごとに気候も異なる。県の面積13,783.90km²は全国で3番目の広さである。
- 令和8年度の大学卒程度の職員採用は、一般行政7人程度のほか、土木・建築・電気の技術職が各1人程度という枠で行われている。
- 採用試験は第1次が教養試験と適性検査、第2次が口述試験のみという2段階構成である(令和8年度・大学卒程度)。
須賀川市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「須賀川市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、市の位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。あわせて、市のスケールを測る物差しとして福島県全体の数値も並べています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 72,205人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 279.43km²(福島県のおよそ2%) |
| 人口密度 | 258人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 郡山市、天栄村、鏡石町、玉川村、平田村 |
| 市役所所在地 | 福島県須賀川市八幡町135 |
| 市の花・市の木 | ぼたん・あかまつ |
| (参考)福島県の総人口 | 1,699,510人(令和8年6月1日現在の推計人口) |
| (参考)福島県の総面積 | 13,783.90km²(全国第3位) |
| (参考)福島県の高齢化率 | 31.7%(2020年国勢調査ベース) |
須賀川市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです。福島県の総人口は福島県現住人口調査月報、面積・高齢化率は福島県公式サイトおよび福島県人口ビジョンによる数値です。市の統計の最新値は、須賀川市公式サイトであわせてご確認ください。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
須賀川市の人口7万2千人規模という数字は、それだけでは良し悪しを判断できません。意味が出てくるのは、福島県全体の人口の動きと重ねたときです。
福島県の人口は1998年の約214万人をピークに減少が続き、2024年10月1日現在の推計人口は約174万人となりました。26年間でおよそ40万人、ピーク時の8割ほどまで減った計算になります(出典:福島県人口ビジョン|令和6年12月更新)。
直近でも減少は続いており、令和8年6月の1か月間で県全体の人口は1,503人減りました。内訳は自然減が1,409人、社会減が94人で、減少の大半は出生と死亡の差から生じているという構造です(出典:福島県現住人口調査月報|令和8年6月)。
転入を増やす取り組みだけでは追いつかない規模の減り方であることが、数字から読み取れます。たとえば面接では、須賀川市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。
須賀川市の経済・産業
福島県経済の中での位置づけ
7万2千人規模の市の経済は、県全体の動きのなかに置いて見ると輪郭が出ます。まずは市が属する福島県全体の姿から押さえます。
令和5年度の福島県の県内総生産は名目で8兆3,950億円、経済成長率は名目6.7%・実質5.4%、1人当たり県民所得は321万5千円でした。第1次産業は農業等、第2次産業は製造業、第3次産業は電気・ガス・水道・廃棄物処理業等が伸び、3つの産業すべてで生産が増える局面にあるのがこの年度の特徴です(出典:福島県の県民経済計算|令和5年度)。
人口が減り続けている県でも、経済そのものは動き続けています。面接で地域経済を語るときは、「人が減っているから衰退している」という単純な図式ではなく、産業ごとに事情が違うという前提に立って話すほうが、聞き手には誠実に響きます。
観光と交流人口
令和6年の福島県内の観光客入込総数は57,573千人で、前年より6.8%(3,650千人)増えました。3つの方部別にみると、中通り地方が27,717千人で最も多く、会津地方17,568千人、浜通り地方12,288千人と続き、3方部とも前年を上回っています(出典:福島県観光客入込状況|令和6年)。
アクセス面では、東北新幹線が県内の中通りを縦断しており、東京駅からの最短所要時間は隣接する郡山市の郡山駅まで79分です。県内には福島空港もあり、大阪(伊丹)と新千歳を結ぶ便が就航しています。
定住人口が減っていく局面では、訪れる人や地域に関わる人をどう増やすかが、市町村共通のテーマになります。須賀川市を志望するなら、観光地の名前を挙げるだけでなく、来た人にもう一度来てもらうために市が何をできるかという視点まで持っておきたいところです。
復興を軸にした県全体の産業づくり
福島県の産業政策を語るうえで外せないのが、東日本大震災と原子力災害で失われた浜通り地域等15市町村の産業を回復させるための国家プロジェクト、福島イノベーション・コースト構想です。その中核拠点として、令和5年4月には福島国際研究教育機構(F-REI)が浪江町に設立されました。
研究分野はロボット、農林水産業、エネルギー、放射線科学・創薬医療、原子力災害に関するデータや知見の集積・発信の5分野です(参考:福島イノベーション・コースト構想の概要)。
須賀川市は浜通りの構想区域そのものではありませんが、県内で働く以上、この動きは「福島県で公務員になるとはどういうことか」を説明する土台になります。面接で福島県の今後について聞かれたときの引き出しとして押さえておきましょう。
須賀川市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、須賀川市を含む福島県内の市町村が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
人口減少と高齢化の同時進行
福島県人口ビジョンによれば、県の高齢化率は1980年の10.5%、2010年の24.9%から一貫して上がり続け、2020年国勢調査ベースで31.7%になりました。社人研の推計では、現状の趨勢が続いた場合、県の総人口は2040年に145万人、2070年には85万人まで減ると見込まれています。
これに対して県は、地方創生の取組により2040年に150万人程度を維持することを人口目標に掲げています。人口ビジョンは、人口減少と少子高齢化により、地域経済では人手不足や消費市場の縮小による経済活力の低下が、地域社会では地域コミュニティや社会保障など様々な分野で従来の水準を保つことが難しくなる、と課題を整理しています。
過疎地域を抱える県土での生活サービスの維持
福島県の過疎地域の高齢化率は39.2%(2020年)で、県全体の31.7%を7.5ポイント上回ります。過疎地域は県人口の13.9%にすぎない一方、面積では県土の54.9%を占めます。
人口ビジョンは、過疎化の進行によって買い物・生活交通・医療・子育て・教育といった日常生活に欠かせないサービスの維持が難しくなること、町内会や自治会、消防団などの共助の機能や小中学校の維持が難しくなることを課題に挙げています。人口密度258人/km²の須賀川市にとっても、市域の広さと人の少なさをどう両立させるかは他人事ではありません。
財政の硬直化と担い手の確保
福島県の令和8年度一般会計当初予算は総額1兆2,606億円(前年度比212億円減)で、このうち復興・創生分として1,970億円が計上されています(出典:福島県一般会計当初予算|令和8年度)。人口ビジョンは、高齢化に伴う社会保障関連支出の増加と、老朽化が進む社会インフラの維持・更新費用の増加によって歳入と歳出のバランスをとることが難しくなり、財政の硬直化が進むおそれを指摘しています。
あわせて、人口減少による職員のなり手の減少で行政サービスの水準維持が困難になるおそれにも触れています。一般行政7人程度という須賀川市の採用枠は、まさにこの担い手確保の一場面だと考えると、志望動機の重みが変わってきます。
大規模地震への備え
福島県は令和元年度から令和4年度にかけて地震・津波被害想定調査を実施し、福島盆地西縁断層帯の地震(M7.8)、会津盆地東縁断層帯の地震(M7.7)、想定東北地方太平洋沖地震(M9.0)に加えて、各市町村直下の地震(M7.3)も想定に含めています。想定東北地方太平洋沖地震では県全体で死者1,651人、全壊・焼失31,971棟、1週間後の避難者155,053人と算出されました。
会津盆地東縁断層帯の地震では死者1,624人・全壊焼失35,970棟(最大震度7)、福島盆地西縁断層帯の地震では死者1,471人・全壊焼失33,618棟という想定です(出典:福島県地震・津波被害想定調査結果の概要)。内陸に位置する須賀川市では津波の直接的な被害想定は限定的と考えられ、揺れによる建物被害と避難所の運営が備えの中心になります。
須賀川市の重点政策|福島県の計画と須賀川市の位置づけ
須賀川市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。ここでは、市政の背景になる福島県全体の計画と、須賀川市が公表している採用情報から読み取れる方向性を整理します。
福島県人口ビジョンが示す到達点
県の計画のうち、市町村の仕事に最も直結するのが人口の見通しです。福島県は、地方創生の取組を進めることで2040年に県総人口150万人程度の維持を人口目標に掲げています。
何もしなければ145万人という推計に対し、5万人分を積み増すという目標設定であり、その積み増しは県庁だけで達成できるものではありません。子育て、住まい、仕事、交通といった暮らしの現場を持つ市町村の施策が、そのまま目標の実現度に響きます。
市職員の仕事が県全体の目標とどうつながるかを一言で説明できると、視野の広さが伝わります。
令和8年度の県予算にみる重点
令和8年度の福島県一般会計当初予算1兆2,606億円のうち、復興・創生分は1,970億円です。震災から年数が経ってもなお、復興が予算の柱の一つであり続けているのが福島県の特徴だといえます。
市の仕事を志望する立場でも、県の予算の構造を知っておくと、「福島県で行政に携わる意味」を語るときの説得力が変わります。
須賀川市の採用情報から読み取れること
市の計画名が手元になくても、公表されている採用情報からは市の姿勢が読み取れます。令和8年度の大学卒程度の受験案内では、受験資格が全職種で学歴を問わないとされ、申込は職員採用専用サイトからの受付のみ、受験票もマイページ上で交付されます。
合格者は職種ごとの採用候補者名簿に高得点順で登載され、名簿への登載順に採用されるという運用が明記されています(出典:須賀川市職員採用試験受験案内(大学卒程度)|令和8年度)。学歴で門を狭めず、手続はデジタルで完結させ、結果は得点順で明確に扱う。
この3点は、そのまま「市がどんな人を採ろうとしているか」のヒントになります。
POINT|計画名を言えることがゴールではない
自治体研究の目的は、計画の名称を覚えることではありません。①須賀川市の人口規模と市域の広さを知る → ②福島県全体の人口・財政の見通しの中に市を置く → ③その中で自分が携わりたい仕事を選ぶ → ④その仕事に自分の経験がどう使えるかを言葉にする、という順で準備しましょう。
悪い例「須賀川市の地域活性化に貢献したいです」
改善例「まずは窓口や事務の仕事から、市民の方の困りごとを直接うかがう経験を積みたいです。その上で、須賀川市は人口が7万2千人ほどで市域が広いので、地区ごとに事情の違う生活の足や集まりの場について、現場の声を聞いて回るような仕事に関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 須賀川市職員採用試験の受験案内(最新年度・受験する区分のもの)
- 須賀川市公式サイトの職員採用の試験情報ページ(参考:須賀川市職員採用試験情報)
- 須賀川市の総合計画・最新の広報紙(市が今どこに力を入れているかを知る材料)
- 福島県人口ビジョン、福島県の当初予算資料(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、須賀川市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。須賀川市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
須賀川市役所の面接の概要
ここからは、須賀川市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
須賀川市役所の面接の流れ
令和8年度の大学卒程度の採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階です。特徴は科目の少なさにあります。
第1次試験に専門試験と論文試験がなく、第2次試験は口述試験の1種目だけという構成で、受験案内には第2次試験の内容が「主として、人物について面接による試験を行います」と記されています。筆記の負担が軽い分、人物についての受け答えに向き合う時間を確保しやすい試験だともいえます。
| 項目 | 内容(令和8年度・大学卒程度) |
|---|---|
| 試験の段階 | 2段階。第1次試験(教養試験・適性検査)→ 第2次試験(口述試験) |
| 筆記試験 | 教養試験(90分)。出題分野は「時事、社会・人文及び自然に関する一般知識」と「文章理解、判断・数的推理及び資料解釈に関する能力」。あわせて職務遂行に必要な適性についての検査を実施 |
| 専門試験・論文試験 | 令和8年度の受験案内には、試験科目としての記載がありません |
| 面接の種類 | 第2次試験の口述試験。申込時にマイページへ入力した「基本情報」「職歴・学歴」が個人面接でも使用されます |
| 面接の回数・集団形式 | 回数と集団討論等の併用の有無は受験案内に明記がありません。最新の受験案内でご確認ください |
| 配点 | 種目別の配点は公表されていません。試験結果は「総合順位及び得点」の開示を受けられるため、各試験が得点化されていることは確認できます |
| 提出書類 | 職員採用専用サイトのマイページで「基本情報」の応募時必須項目と「資格」欄を入力し、プロフィール写真をアップロード。「自己PR」「語学力」の入力は任意。別途提出する面接カード等の様式は受験案内に記載がありません |
| 試験会場 | 第1次試験・第2次試験とも須賀川市役所 |
| 採用の流れ | 職種ごとの採用候補者名簿に高得点順で登載され、登載順に採用。採用は原則として令和9年4月1日 |
上記の試験構成は、須賀川市の令和8年度受験案内(大学卒程度)にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。高校卒程度の区分は別の受験案内・別日程で実施されます。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
須賀川市役所が求める人物像
「求める人物像」にあたる公表文言は、令和8年度の受験案内(大学卒程度)のなかでは確認できていません。そこで、受験案内から読み取れる試験設計そのものを手がかりに、評価されやすい資質を考えます。
手がかりは3つあります。全職種で学歴を問わないこと、第2次試験が口述試験1種目であること、そして採用候補者名簿への登載順に採用されることです。
学歴という肩書きよりも本人の受け答えを重く見て、その結果を得点として明確に扱う設計だと読めます。面接対策の言葉に翻訳すれば、「住民に近い距離で働く姿勢」「幅広い業務に向き合う柔軟さ」「自分の言葉で説明する力」の3点が軸になると考えられます。
自己PRでは「まじめです」「粘り強いです」と述べるだけでなく、その姿勢を発揮したときに相手や周囲がどう変わったのかまで話せるようにしておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。須賀川市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 会場の場所はすぐに分かりましたか | 身構えていない場面での表情と声の出し方。受け答えの間合い |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員という働き方を選んだのですか | 安定という言葉で止まっていないか。選んだ理由が自分の経験と地続きか |
| ③ 自己理解 | 周囲からはどんな人だと言われますか | 他人からの評価を受け止める素直さと、自己像とのずれの説明 |
| ④ 経験・行動 | 人と意見が食い違ったとき、どう折り合いをつけましたか | 対立を避けたかではなく、その場で何を考え、どう動いたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできたことのうち、仕事で役立ちそうなものは何ですか | 専門を相手に伝わる言葉へ置き換える力と、仕事への接続の視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたらどうしますか | 市役所の仕事の広さへの理解と、配属を引き受ける構え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 行政のニュースで気になったものを教えてください | 社会の動きへの関心と、自分の考えを一言で述べる力 |
ただし、この7カテゴリーは須賀川市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「須賀川市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「須賀川市役所ならでは」の質問
どちらも須賀川市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「須賀川市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい須賀川市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口72,205人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積279.43km²、人口密度258人/km²。人口約31万人の郡山市と市域を接する | 郡山市の近さを便利さの説明で終わらせず、7万2千人規模の須賀川市に何を残したいのかまで下ろして話します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 令和8年度の大学卒程度の採用枠は一般行政7人程度。第2次試験は口述試験のみで、申込時に入力した学歴・職歴を土台に個人面接が行われる | 県と市の役割を並べるのではなく、7人程度の枠に入って自分が担いたい業務を名指しできる状態にしておきます |
| 市の課題 | 福島県の人口は1998年の約214万人をピークに2024年は約174万人。社人研推計では2040年に145万人、県は150万人程度の維持を目標に掲げる | 県の数字を引いた上で、人口密度258人/km²という須賀川市の広さと人の少なさに話を絞り込みます |
| 防災・危機管理 | 福島県の被害想定調査は各市町村直下の地震(M7.3)も想定。想定東北地方太平洋沖地震(M9.0)では県全体で1週間後の避難者155,053人 | 内陸の須賀川市では揺れによる建物被害と避難所運営が中心になる点を押さえ、自分が担える役割まで語ります |
| 市の魅力 | 令和6年の福島県内の観光客入込総数は57,573千人で前年比6.8%増。3方部では中通り地方が27,717千人と最多。市の花はぼたん | 名所を並べるのではなく、訪れた人にもう一度来てもらうために市ができることへ話を進めます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「評価されやすい資質」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 住民に近い距離で働く姿勢 | 相手の事情を確かめてから動いた経験があるか | 人口7万2千人規模の市の窓口で、名前と顔が一致する相手に応対する場面を想像し、自分の経験のどれが使えるかを書き出しておく |
| 幅広い業務に向き合う柔軟さ | 担当が決まっていない仕事に、どう関わってきたか | 一般行政のほか土木・建築・電気の職員と同じ庁舎で働くことを前提に、専門の違う相手と協力した経験を1つ用意する |
| 自分の言葉で説明する力 | 入力した学歴・職歴について、口頭で補足を求められたときの説明 | 第2次試験が口述試験1種目であることを踏まえ、マイページに入力する内容を紙に書き写し、口で言い直す練習をしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。須賀川市のように第2次試験が口述試験だけで構成される場合、限られた時間の中で掘り下げが集中します。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の受験案内を読み、受験する区分の試験科目と、職員採用専用サイトのマイページで入力する項目(基本情報・職歴・学歴・資格)を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、須賀川市の人口・市域と福島県全体の見通しから、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。マイページに入力した内容を口で説明し直すところまでを、練習の型に組み込む
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、須賀川市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
須賀川市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
須賀川市の大学卒程度の試験は、第1次が教養試験と適性検査、第2次が口述試験という2段階です。専門試験も論文試験もない代わりに、第2次では申込時に自分で入力した学歴や職歴をもとに、人物そのものが問われます。
そして合格者は職種ごとの採用候補者名簿に高得点順で登載され、その順に採用されていきます。つまり、面接で話す内容の密度が、そのまま採用の順番に返ってくる試験です。
人口7万2千人のまちで自分は何を担いたいのか、市域の広さと人の少なさに何ができるのか。須賀川市役所で行われる試験当日に、いつもどおりの声で話せるところまで、今日から少しずつ言葉を貯めていきましょう。