須賀川地方広域消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

須賀川地方広域消防本部の面接では、「なぜ須賀川地方広域消防本部を志望するのか」「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう生かしたいか」といった質問が想定されます。8つの市町村を1つの組合が管轄するという、この本部ならではの広がりを理解しているかどうかで、回答の厚みは大きく変わってきます。

この記事の内容を土台に、自分の強みや関心と須賀川地方広域消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|組織研究編

須賀川地方広域消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは須賀川地方広域消防本部の全体像を押さえておきましょう。

  • 須賀川地方広域消防本部は、須賀川市・鏡石町・天栄村・石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町の8市町村が一部事務組合(須賀川地方広域消防組合)をつくって運営している消防本部。福島県中通り地方の南部に位置する8つの自治体の消防事務を、一つの組合が共同で担っている。
  • 消防本部は須賀川市丸田町に置かれ、須賀川消防署のほか、長沼分署・鏡石分署・湯本分遣所・石川消防署・玉川分署・平田分署・浅川分署・古殿分署の8つの署所・分遣所で8市町村をカバーする。
  • 採用試験は須賀川地方広域消防組合が組合として直接実施する。市町村ごとに個別の試験を行う仕組みではない。
  • 消防吏員数は209人(うち女性4人)で、火災46件・救急6,085件・救助31件の出動がある(令和7年4月1日現在の吏員数・令和6年中の出動件数、総務省消防庁の公表データによる)。
  • 令和6年度受験案内によると、試験職種は「高校卒程度 消防職」の1区分で、学歴は問われない。第1次試験は教養試験・作文・適性検査、第2次試験は口述試験・体力試験・健康診断等で構成される。
  • 同じ令和6年度受験案内では、受験申込用紙が須賀川市以外の構成7町村の役場でも交付されるとされており、組合が管内の隅々まで受験の窓口を広げていることがうかがえる。

須賀川地方広域消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「須賀川地方広域消防本部の大体のスケール感」をつかんでおくことは重要です。

ここでは、構成市町村の顔ぶれ、管内人口、職員体制、出動件数、試験の骨格など、本部の規模と特色を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
設置形態一部事務組合(須賀川地方広域消防組合)
構成市町村(=管轄)須賀川市・鏡石町・天栄村・石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町(8市町村)
管内人口約124,228人(構成8市町村の合算・令和8年1月1日現在の住民基本台帳)
消防吏員数(うち女性)209人(うち女性4人)
出動件数(火災/救急/救助)46件/6,085件/31件
試験の内容教養試験・作文・適性検査(第1次)、口述試験・体力試験・健康診断等(第2次)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在による構成8市町村の合算です。消防吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中の値です(出典:女性職員の活躍推進|本部別データ検索)。試験の内容は組合が公表した令和6年度受験案内にもとづく情報です。

209人という体制と8つの署所

209人という職員数を、須賀川消防署をはじめとする9つの署所・分遣所で分けると、単純計算では1か所あたり20人台という規模になります。年間6,085件という救急出動件数は、火災の46件の130倍以上にのぼり、須賀川地方の消防活動の中心が救急にあることがはっきり見て取れます

見落としやすいのが、構成8市町村の間にある人口の開きです。管内人口の合算は約124,228人ですが、最も人口の多い須賀川市(約72,205人)が管内人口の半数以上を占め、最も少ない古殿町(約4,394人)とは16倍以上の開きがあります。

市と7つの町村が一つの組合として消防を運営しているという構図を理解しておくと、面接での説明に厚みが出ます。

試験職種が「高校卒程度 消防職」の1区分にまとまっているのも、8市町村という規模の組合ならではの体制だといえます

「須賀川地方広域消防本部は、須賀川市のほかに7つの町村が加わった組合だと知りました。人口の多い市と、数千人規模の村とが同じ管内にあるうえ、救急の出動件数も相当に多いので、広い範囲をどう受け持つかが問われる本部なのだと感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 須賀川地方広域消防本部の管轄は、須賀川市・鏡石町・天栄村・石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町の8市町村。いずれも福島県中通り地方の南部に位置する、盆地と丘陵が入り組んだ地域である。
  • 8市町村の人口(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)を合わせると約124,228人。須賀川市・鏡石町の平地部と、天栄村・石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町の山あいの町村とでは、地形も人口密度も異なる。
  • 高齢化率は古殿町43.7%・石川町40.7%と4割を超える町がある一方、須賀川市30.9%・鏡石町29.1%は相対的に落ち着いた水準にあり、8市町村の間で差が大きい(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
  • 中通り地方は東北新幹線が縦断する交通の要衝でもあり、平地の市街地と山間の町村が同居する管轄だといえる。

つまり須賀川地方広域消防本部は、平地の市街地から山間の町村まで、性格の異なる8つの自治体をまたいで支える消防本部だと整理できます。須賀川市・鏡石町だけを見て語るのではなく、石川町や古殿町のような高齢化の進む山間部も含めた理解が、面接では求められます。

大規模災害への備えという視点

福島県が実施した地震被害想定調査では、中通り地方に関わる地震として福島盆地西縁断層帯を震源とする地震(M7.8、Mw7.1)が想定されています(出典:福島県地震・津波被害想定調査。平地の市街地から山あいの町村までを一度に抱える管轄では、こうした県の想定をどう自分の管内に引き寄せて考えるかが問われます。

あわせて、全国の消防本部の約99%にあたる718本部が緊急消防援助隊に登録しており(令和6年4月1日現在)、大規模災害が起きた際には、被災地への応援出動、あるいは応援の受け入れという形で、広域応援体制の一翼を担うことになります(出典:緊急消防援助隊|消防白書8市町村をまたぐ管轄では、管内での相互応援だけでなく、こうした管外との連携も視野に入れておく必要があります

須賀川地方の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、須賀川地方広域消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

高齢化率の高い町村での救急需要

全国の救急出動件数は年々増加しており、令和6年中は771万8,380件と過去最多を記録しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況。全国では65歳以上の高齢者搬送が全体の63.3%(令和6年中)を占めます。

須賀川地方では古殿町の高齢化率が43.7%に達しており、須賀川市・鏡石町といった平地部とは異なる水準の救急需要が見込まれます。年間6,085件という救急件数を9つの署所・分遣所でどう分担するかが、今後の課題になります。

8市町村・9拠点体制の維持

須賀川地方広域消防本部は、須賀川消防署を中心に長沼分署・鏡石分署・湯本分遣所・石川消防署・玉川分署・平田分署・浅川分署・古殿分署という多くの拠点を持ちます。構成市町村の数が多い分、拠点も多く、それぞれの拠点でどの水準の対応力を維持するかという判断が、組合全体の運営に直結します。

209人という職員数で9つの拠点を維持しながら、須賀川市のような平地の市街地と古殿町のような山あいの町まで、同じ水準の対応力を保つことが、この本部にとって組織運営上の中心的な課題だといえます。須賀川市の消防署に入るとは限らない以上、山あいの分署・分遣所での勤務まで想定して応援の組み立て方を知っておくことが、採用後の働き方を支えます。

予防・住宅防火への取組

住宅火災の死者(放火自殺者等を除く)に占める65歳以上の割合は74.5%にのぼります(令和5年中762人・出典:消防白書)。高齢化率の高い古殿町・石川町を含む8市町村を管轄する以上、住宅用火災警報器の普及活動や高齢者世帯への防火指導に、日頃からどれだけ力を入れられるかが問われます

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員209人のうち、女性は4人です。全国の消防吏員に占める女性の割合は約3.8%(168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁

須賀川地方広域消防本部の女性比率はこの全国の水準に届いておらず、性別を問わず働き続けられる職場をどうつくるかは、これから加わる側にとっても他人事ではありません

重点方針|全国の消防行政の方向性を判断材料にする

須賀川地方広域消防本部は、8市町村が共同で設ける組合として運営されています

8つの市町村をまとめる組合という性格上、独自の総合戦略を毎年度公表しているとは限りません。組合独自の文書が見当たらないときは、消防庁が全国に向けて示している消防行政の方向性のほうを、志望動機を組み立てる土台に据えるとよいでしょう。

全国的に進む主な取組

取組内容
女性職員の活躍推進全国の消防吏員168,230人(令和7年4月1日現在)のうち女性は6,386人・約3.8%にとどまり、国は令和8年度当初までに5%への引き上げを目標に掲げている
広域応援体制の強化令和6年4月1日現在、全国の消防本部の約99%にあたる718本部から6,661隊が緊急消防援助隊に登録済み。8市町村という広い管轄を持つ本部にとっても、管外との連携の発想が欠かせない
消防のデジタル化・省力化限られた人員を補う手段として、ドローンの活用など省力化に向けた取組が全国の消防本部で広がっている

方針文書の名称を丸暗記しても、面接ではあまり役に立ちません。それよりも、なぜその取組が今の全国的な課題になっているのかを理解し、須賀川地方の実情に置き換えて説明できることのほうが評価につながります。

8市町村という広い管轄を持つ須賀川地方では、とりわけ高齢化と救急需要への対応が重みを増しています。209人という体制の中で、自分ならどんな形で女性職員の活躍推進やデジタル化に貢献できるかを、あらかじめ考えておきましょう

POINT|独自方針の有無で慌てない

独自の戦略文書が見当たらない本部を志望する場合は、まず全国の消防が向き合う課題を押さえ、次にそれが自分の志望地域にどう関係するのかを考え、最後に自分がその課題にどう関わりたいのかを言葉にする、という順番で整理すると準備がしやすくなります。

悪い例「人の命に関わる仕事に憧れているので、消防官になりたいです」

改善例「消防官の仕事そのものへの憧れだけでなく、須賀川地方広域消防本部が8つの市町村を1つの組合で支えているという事実を知り、限られた人数で広い管内をカバーする難しさに触れたことが、志望を固める後押しになりました。作文と口述試験の両方で、この考えを具体的な言葉にできるよう準備していきたいです」

あわせて確認したい公式資料

下にあげる資料は、大きく分けて手続き確認用と志望動機の材料用の2つに分かれます。須賀川地方広域消防本部は口述試験(個別面接)が選考の一部にあるため、志望動機の材料になる資料は特に繰り返し読み込み、自分の言葉で説明できる状態に仕上げておくことをおすすめします。

  • 須賀川地方広域消防組合の公式サイト(職員採用ページ)
  • 構成市町村(須賀川市・鏡石町・天栄村・石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町)の公式サイト
  • 総務省消防庁が公開する「女性職員の活躍推進」の本部別データ検索ページ
  • 総務省消防庁が毎年公表する「消防白書」(全国の消防行政の動向がわかる)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、須賀川地方広域消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。須賀川地方広域消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

須賀川地方広域消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

須賀川地方広域消防本部の面接の概要

ここからは、須賀川地方広域消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

確認事項|令和6年度受験案内にもとづく情報です

須賀川地方広域消防組合が公式サイトで公表している受験案内は、2026年8月時点で令和6年度受験案内が最新の掲載内容でした。以下の試験構成は、この令和6年度受験案内にもとづく情報です。募集期間や試験の詳細は年度によって変わる可能性が高いため、受験の際は必ず須賀川地方広域消防組合の公式サイトで、志望年度の最新の受験案内をご確認ください。

須賀川地方広域消防本部の面接の流れ

令和6年度受験案内では、試験職種は「高校卒程度 消防職」の1区分で、学歴は問われません。第1次試験の教養試験・作文・適性検査に合格すると、第2次試験の口述試験・体力試験・健康診断等に進みます。

作文は第1次試験の当日に実施されますが、評価そのものは第2次試験で行われるという運用がとられています。合格者は高得点順に採用候補者名簿へ登載され、登載順に採用されます。

項目内容(令和6年度受験案内)
試験の構成教養試験・作文・適性検査(第1次)、口述試験・体力試験・健康診断・その他(第2次)
体力試験の種目握力、跳躍、起き上がり(2分間)、腕立て伏せ、懸垂、持久走(5分間)の6種目
面接の種類口述試験(受験案内の定義は「主として、人物について個別面接による試験を行います」)
身体の基準身長おおむね155cm以上。視力は矯正視力を含め両眼0.7以上・一眼それぞれ0.3以上、色覚は赤・青・黄の識別、聴力は左右正常であること
勤務形態毎日勤務又は24時間交替制勤務(当番日は8時30分から翌日8時30分まで)

上記の試験構成は、須賀川地方広域消防組合が公表した令和6年度受験案内にもとづくものです。試験の内容・日程は年度ごとに見直される可能性があります。受験の際は、必ず志望年度の最新の受験案内でご確認ください。

第2次試験当日に提出する書類は、指定項目について医療機関で受診した健康診断書と、最終学校の卒業証明書または卒業見込証明書(救急救命士の有資格者は免許証の写し)です。配属先は総務課・警防課・予防課のほか、須賀川消防署・長沼分署・鏡石分署・湯本分遣所・石川消防署・玉川分署・平田分署・浅川分署・古殿分署と幅広く、どの拠点に配属されても対応できる心構えが求められます

須賀川地方広域消防本部が求める人材

須賀川地方広域消防組合の受験案内・公式サイトを見ても、選考にあたって「求める人物像」を独自の言葉でまとめた記載は置かれていません(2026年8月時点)。手がかりになるのは、試験の構成そのものです。

作文を第1次試験当日に書かせながら評価は第2次試験にまわし、口述試験と合わせて総合的に人物を見極める設計になっていることから、その場の筆記力だけでなく、時間をおいて読み返されても揺らがない考え方が問われる設計だと読み取れます。9つの署所・分遣所のどこに配属されても対応できる柔軟さも、選考の場では見られていると考えておきたいところです

試験の段階が多い分、自己PRも一言の宣言で終わらせず、その強みを発揮した場面と、そこで周囲がどう動いたかまで語れるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。須賀川地方広域消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどのくらい時間がかかりましたか?緊張をほぐす何気ない会話に、素の受け答えと落ち着きが表れます
② 動機・志望なぜ消防官を、それも須賀川地方広域消防本部を志望するのですか?消防官という仕事とこの地域を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの弱点はどんなところだと思いますか?自分自身をどれだけ客観的に見られているか、弱点との向き合い方に性格が表れます
④ 経験・行動これまでに直面した困難と、それにどう対処したかを聞かせてください実際に取った行動の中身。壁を乗り越える力が現場の仕事につながるか
⑤ 学業・経歴学校生活やアルバイトで、力を入れて取り組んだことは何ですか?経験の中身と、そこでの役割・行動を具体的に語れるか
⑥ 適性・将来体力試験の6種目に向けて、どんな準備をしていますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

ここまでの7つはどの消防本部でも問われる共通部分で、受験者の多くが同じように備えてきます。須賀川地方を選んだ理由に踏み込めるかどうかは、次の固有質問で見えてきます。

合否を分けるのは須賀川地方に固有の質問

「警察官や自衛官ではなく、なぜ消防官を選んだのですか?」
「なぜ須賀川地方広域消防本部を志望するのですか?」

1つ目は消防という職業そのものの理解を、2つ目は8市町村にまたがる管轄をどこまで理解しているかを確かめる質問です。作文と口述試験の両方で人物面を確かめる試験構成である分、書く力と話す力の両方への備えが必要になります。面接で使いやすい「須賀川地方の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい須賀川地方の事実答え方のヒント
8市町村がつくる組合という仕組み須賀川市・鏡石町・天栄村・石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町の8市町村が共同で消防を運営(第1部1章)平地の市街地から山間の町村まで、広い視野で管内を理解していることを志望理由につなげて話せると差がつきます
試験の骨格(作文+口述の2段構え)令和6年度受験案内では、第1次試験当日に作文を書き、評価は第2次試験の口述試験とあわせて行うとされている(第1部1章・第2部1章)書いた内容と口述で話す内容が食い違わないよう、一貫した考え方を整理しておく
高齢化率の高さ古殿町43.7%・石川町40.7%など、山間の町村で高齢化率が高い(第1部3・4章)山間の町村と平地の市街地、それぞれの実情に応じた対応を意識していることが伝わると印象に残ります
救急需要年間6,085件の救急出動があり、9つの署所・分遣所でこれを分担している(第1部2・4章)件数の多さだけでなく、9つの署所でどう分担するかという視点まで語れると説得力が増します
人材確保・女性吏員消防吏員209人のうち女性は4人にとどまる。全国でも消防吏員に占める女性の割合は約3.8%(令和7年4月1日現在)で、国は5%を目標に掲げている比率を知っているだけでなく、誰もが働き続けられる職場について自分の考えを添えられると印象に残ります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

須賀川地方広域消防組合は、試験の種目までは公表していますが、配点や合格基準は明らかにしていません。作文を第1次試験の当日に課しながら評価そのものは第2次試験にまわし、口述試験とあわせて確かめるという構成から言えるのは、その場限りの受け答えではなく、時間をおいても揺るがない一貫した考え方が見られる試験だという点です。

こうした試験で手がかりになる考え方が、多くの公務員試験に共通する評価の手法です。過去の行動事実から入庁後の再現性を確かめるコンピテンシー評価と呼ばれるもので、須賀川地方広域消防組合がこの手法を採ると述べているわけではありません。

ただ、書く場面と話す場面が別々に用意されている以上、行動の事実を軸に自分の考えを整理しておく準備は無駄になりません

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
受け答えの一貫性第1次試験当日に書いた作文の内容と、第2次試験の口述試験での発言に食い違いがないか模範解答を覚えるのではなく、自分の経験に基づいた考えをその都度言葉にできるようにしておく
書く力と話す力の両立限られた時間で課題に取り組む筆記力と、その内容を口頭で説明し直す力普段から出来事を短い文章にまとめる練習と、それを声に出して話す練習の両方を行う
相手・地域への向き合い方立場や年齢の違う相手に対して、自分の側から歩み寄った経験があるか学校生活やアルバイトで、相手の事情に合わせて自分のやり方を調整した場面を洗い出しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、試験職種と提出書類を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、周囲と協力した具体例、自分から判断して動いた具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。作文の練習と、体力試験の6種目に向けた実技の練習も並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で須賀川地方の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、須賀川地方広域消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

須賀川地方広域消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。作文と口述の2段構えという試験の性格を踏まえたうえで備えることが、準備の時間を大きく節約してくれます。

須賀川地方広域消防本部の想定問答集を見る

さいごに

須賀川地方広域消防本部は、須賀川市を含む8つの市町村が共同で支える消防本部です。令和6年度受験案内では、教養試験・作文・適性検査に続いて口述試験・体力試験を含む第2次試験が置かれ、作文の評価が第2次試験にまわされるという特徴的な運用がとられていました。

試験の詳しい内容は年度ごとに見直されますので、出願の段階では必ず須賀川地方広域消防組合の公式サイトで最新の受験案内を確かめてください。そのうえで、書く力と話す力の両方を過不足なく発揮できるように、この記事で整理した内容を土台に準備を進めていきましょう

平地から山あいまで広がる8つの市町村を守る一員として、皆さまが力を発揮される日が来ることを願っています。