本記事では、白河市職員採用試験の面接対策で必要な、白河市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

白河市役所の面接試験では、「なぜ白河市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の輪郭と、市が置かれた県の状況をつかんでおくと、どの区分で受けても答えの土台が揺らぎません。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と白河市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

白河市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは白河市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 福島県の南端に位置し、栃木県那須郡那須町と県境を接する市。県を三分する中通り・会津・浜通りのうち、中通りの南のはしにあたる。
  • 人口は56,349人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。福島県全体の人口およそ170万人に対して、3%強にあたる規模。
  • 面積は305.16km²で、福島県の県土13,783.90km²のおよそ2%。人口密度は185人/km²で、県全体を平均した密度(約123人/km²)を上回る。
  • 接する自治体は、西白河郡矢吹町・西郷村・泉崎村・中島村、東白川郡棚倉町、石川郡石川町・浅川町、岩瀬郡天栄村、そして栃木県那須郡那須町の9自治体。県内8市町村に加えて県外と接する点が、白河市の位置を特徴づけている。
  • 市の花はウメ、市の木はアカマツ。市役所は八幡小路に置かれている。
  • 福島県が示す東京駅からの最短所要時間は、東北新幹線で新白河駅まで74分。郡山駅までの79分、福島駅までの87分より短く、県内でもっとも首都圏に近い時間距離にある一帯である。
  • 福島県の人口は1998年の約214万人をピークに減り続け、2024年には約174万人。26年でおよそ40万人が減った流れのなかで、市政の優先順位が組み立てられている。

白河市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「白河市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、県内での位置づけなど、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口56,349人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積305.16km²(福島県の県土13,783.90km²の約2%)
人口密度185人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体9自治体(県内8市町村と栃木県那須郡那須町)
市の花・市の木ウメ・アカマツ
市役所の所在地白河市八幡小路7番地1
(参考)福島県の総人口1,699,510人(令和8年6月1日現在の推計人口。世帯数754,392世帯)
(参考)福島県の高齢化率31.7%(2020年国勢調査ベース)

総面積・隣接自治体・市の花と木は、公表値をもとに整理したものです。福島県の総人口は福島県現住人口調査月報(令和8年6月1日現在)、高齢化率は福島県人口ビジョン(2020年国勢調査ベース)の値です。市の統計は更新されますので、受験前に市公式サイトの最新値もあわせて確認してください。(出典:福島県現住人口調査月報|令和8年6月総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

白河市を語るときの土台は、5万人台という人口規模と、305.16km²という市域の広さの組み合わせです。人が密集した都市でも、山あいの小さな町でもありません。中心部に人と機能が集まり、その周りに広い市域が続くという形が、行政サービスの届け方を左右します。

そこに、県全体の人口の動きが重なります。福島県人口ビジョンは、このままの傾向が続けば県人口が2040年に145万人、2070年に85万人まで減ると推計し、県はこれに対して2040年に150万人程度を維持するという目標を掲げています。

県内の過疎地域に目を向けると、高齢化率は39.2%(2020年)と県全体の31.7%を7.5ポイント上回り、過疎地域は県の人口の13.9%、面積の54.9%を占めています。(出典:福島県人口ビジョン|令和6年12月更新

たとえば面接では、白河市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「白河市は5万6千人ほどが暮らすまちですけれども、福島県全体では1998年をピークに人口が40万人くらい減ってきたと聞きました。県は2040年に150万人程度を保つことを目標にしていますので、白河市でも、ここで暮らし続けたいと思ってもらえる環境をどう整えるかが大事になるのではと感じています」

白河市の経済・産業

福島県の経済規模と、そのなかの白河市

まずは白河市が属する福島県全体の経済を押さえ、そのなかでの市の位置を測っていきます。

  • 福島県の県内総生産は名目で8兆3,950億円(令和5年度)。経済成長率は名目6.7%・実質5.4%。
  • 1人当たり県民所得は321万5千円(令和5年度)。
  • 令和5年度は、第1次産業が農業等の増加、第2次産業が製造業の増加、第3次産業が電気・ガス・水道・廃棄物処理業等の増加で、いずれの産業も県内総生産が増えた。

つまり、「第1次から第3次まで足並みをそろえて総生産が伸びた局面にある」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:福島県県民経済計算|令和5年度

気をつけたいのは、これが県全体の数字だという一点です。面接で県の総生産をそのまま持ち出しても、白河市の話にはなりません。

県の規模を知る意味は、自分が働こうとしている市がどれくらいの経済のなかに置かれているかを見積もるところにあります。数字を借りたら、必ず白河市の暮らしの話まで降ろしてください。

県境に開けた立地をどう読むか

白河市の輪郭でもっとも目を引くのは、接する9自治体のうち1つが県外の那須町だという点です。県境は行政の線であって、暮らしの線ではありません。

通勤や通学、買い物や通院といった日々の動きは、県境をまたいで起こります。「福島県の市でありながら、隣県との往来を前提に考えなければならない市」という立地は、定住促進や産業振興を語るときの出発点になります。

時間距離も味方になります。福島県が公表する東京駅からの最短所要時間は、東北新幹線で新白河駅まで74分。

県内の主要駅のなかでは最も短く、首都圏との行き来のしやすさが、この一帯の強みであることを示しています。企業の立地や移住の相談を扱う仕事を志望するなら、「東京から1時間ちょっと」という時間感覚を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。(出典:福島県へのアクセス|福島県

観光と交流人口

令和6年の福島県内の観光客入込総数は57,573千人で、前年より6.8%(3,650千人)増えました。3つの方部別にみると、白河市が属する中通り地方が27,717千人と最も多く、会津地方17,568千人、浜通り地方12,288千人と続き、3方部とも前年を上回っています。(出典:福島県観光客入込状況|令和6年

観光を志望分野にするなら、名所を並べる語り方は避けましょう。県内でもっとも入込の多い方部にあり、新幹線で首都圏とつながる立地です。

問われているのは、通り過ぎる人をどうやって滞在と消費につなげ、市内の事業者の売上まで届けるかという設計の話です。面接では、そこまで踏み込んだ一言を用意しておくと差がつきます。

白河市の主な行政課題

ここまでの数字と立地の姿を踏まえると、白河市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少の中身が自然減へ移っていること

福島県の高齢化率は31.7%(2020年国勢調査ベース)で、1980年の10.5%、2010年の24.9%から一貫して上がってきました。直近の動きはさらに具体的です。

令和8年6月の県人口は1か月で1,503人減り、その内訳は自然減が1,409人、社会減が94人でした。転出による減少より、亡くなる方が生まれる子どもより多いという構造のほうが、はるかに大きくなっているということです。転入を増やす取組だけでは追いつかない局面で、白河市の仕事も組み立てられています。

広い市域に同じ質のサービスを届けること

305.16km²の市域に56,349人が暮らし、人口密度は185人/km²です。県全体の平均より高い密度ですが、それは中心部に人が集まっている裏返しでもあります。

県全体では過疎地域が面積の54.9%を占め、そこでの高齢化率は2020年時点で39.2%に達しています。白河市の市域のどこにどんな条件の地域があるかは市の公表資料で確かめるとして、市役所まで来ること自体に時間がかかる市民がいるという前提から市政を考える視点は、どの分野を志望しても必要になります。

県境をまたぐ人の流れと、定住の選択

白河市に暮らす人にとって、隣県は日常の選択肢です。進学や就職の時期には、首都圏へ出る道も、県内の中核都市へ移る道も現実に開けています。

だからこそ面接では、県外へ出る道があるなかで、あえて白河市役所を選ぶ理由が確かめられます。地元出身の方なら「なぜ戻るのか」、市外出身の方なら「なぜこの市なのか」という形で問われます。どちらの立場でも、自分の経験に接続した答えが要ります。

足元の地震を想定した備え

福島県は、地震・津波被害想定調査(令和元年度から令和4年度に実施)で、福島盆地西縁断層帯の地震(マグニチュード7.8)、会津盆地東縁断層帯の地震(マグニチュード7.7)、想定東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)に加えて、各市町村の直下で起こる地震(マグニチュード7.3)を想定に含めています。県全体の被害想定では、想定東北地方太平洋沖地震で死者1,651人、全壊・焼失31,971棟、1週間後の避難者155,053人と算出されています。(出典:福島県地震・津波被害想定調査結果の概要|福島県

これらは県全体の想定値で、白河市単独の被害想定ではありません。ただ、県が市町村直下型の地震まで想定に組み込んでいる以上、防災を語るなら、県の想定の枠組みに軽く触れたうえで、305.16km²の市域で避難所を開け情報を届ける市職員の側から何ができるかへ話を進めると、地に足のついた説明になります。

財政の前提と、担い手そのものの減少

白河市自身の財政指標は市の公表資料で確かめられますが、市政が置かれた土台のほうは県の数字からも見えてきます。福島県の財政力指数は0.51927、経常収支比率は95.8%(いずれも令和6年度決算・普通会計ベース)。(出典:福島県の主要な財政指標|令和6年度決算令和8年度の県一般会計当初予算は1兆2,606億円で、うち復興・創生分が1,970億円を占めます。(出典:福島県一般会計当初予算|令和8年度

県の人口ビジョンは、高齢化に伴う社会保障関係費の増加や、老朽化するインフラの維持・更新費の増加によって財政の硬直化が進むおそれを挙げ、あわせて人口減少によって職員のなり手そのものが減り、行政サービスの水準維持が難しくなるおそれを課題として明記しています。少人数で幅広い分野を担う市役所ほど、この指摘は自分ごとになります。

白河市の重点政策|採用の仕組みと県の計画

白河市の総合計画や個別計画は、市公式サイトの市政情報のページで最新のものを確かめられます。本記事では、市が令和8年度の採用試験で公表している仕組みと、白河市が属する福島県の計画を組み合わせて、市政を理解する土台をつくります。

令和8年度の採用試験が示す「白河市の採り方」

令和8年度の白河市職員採用試験は、第1次試験と第2次試験の二段階で実施されます。目を引くのは第1次試験の設計です。

試験の内容は試験区分によって異なり、「教養・専門」「SPI(適性検査)」「書類選考」の3通りが用意されています。試験案内には試験職種・試験区分・採用予定人数・年齢要件を示す一覧表が掲げられ、区分ごとにどの入口を通るかが決められています。(出典:令和8年度白河市職員採用試験案内|白河市

入口が複数あるということは、学んできた内容も職歴も異なる人を、同じ市役所で迎える前提だということです。あわせて市は、任期付職員採用候補者試験として、試験職種「行政事務」・区分「障がい者対象」の枠を採用予定人数1名程度で設けています。

第1次試験はSPIによる検査で、受験資格は身体障害者手帳の交付を受けている方等のいずれかに該当する方とされ、学歴は問われません。受け入れる人の幅を広げる方向に、採用の設計そのものが動いていると読めます。

申込みの方法にも変化があります。令和8年度の受験申込みは、市の窓口や市サイトのフォームではなく、採用の専用サイト「パブリックコネクト」から行う形になりました。実施要項に類する情報が市公式ドメインの外に置かれる場合がありますので、案内ページと申込サイトの両方に目を通すことを習慣にしてください。

福島県の計画から見た、市政の方向

県の計画は、白河市がどちらへ向かって仕事をしているかの背景を教えてくれます。福島県人口ビジョンは、このままの傾向では県人口が2040年に145万人まで減ると推計したうえで、地方創生の取組によって2040年に「150万人程度の維持」を人口目標に掲げています

令和8年度の県当初予算1兆2,606億円のうち1,970億円が復興・創生分にあてられていることも、県全体の課題設定の重さを示しています。

県が方向を定め、市が暮らしの単位でそれを運ぶ。県と市の違いを権限の上下ではなく市民との距離だと捉えると、志望理由の輪郭がはっきりします。

白河市役所を選ぶ理由を説明するときは、この距離の話を自分の経験に重ねてください。県の資料を読む目的も、覚えるためではなく、白河市の仕事がどんな流れのなかに置かれているかをつかむためです。

POINT|計画名を言えなくても、自治体研究はできる

名称を覚えることが自治体研究の目的ではありません。①白河市の人口56,349人と面積305.16km²、県境に接する位置を知る → ②福島県全体で人口が減り続けているという前提を重ねる → ③その条件のもとで自分が携わりたい仕事を考える → ④市公式サイトや広報で、実際に動いている取組を確かめる、という順で準備しましょう。

悪い例「白河市の地域振興に貢献したいです」

改善例「白河市は栃木県と県境が接していて、近くの新白河駅からなら新幹線で東京まで1時間ちょっとだと知りました。まずは窓口で市民の方の相談を正確に受け止められるようになりたいです。そのうえで、県外からも人が行き来する立地を生かして、移り住む入口をつくる仕事にも関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 白河市職員採用試験案内
    受験する年度のページを起点にします。市公式サイトには過年度のページも残っているため、年度の取り違えに注意してください
  • 申込サイトの掲載内容
    令和8年度は採用の専用サイトから申し込む形です。市サイトに載らない項目が掲載される場合があります
  • 白河市の市政情報のページ
    総合計画・予算・広報など、志望分野に関係するものを一つか二つ選んで読みます
  • 福島県の統計・計画
    人口ビジョンや県民経済計算は、市の課題を県全体の流れのなかに位置づけるときの物差しになります

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、白河市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。白河市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

白河市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

白河市役所の面接の概要

ここからは、白河市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

白河市役所の試験の流れ

令和8年度の職員採用試験は、第1次試験と第2次試験の二段階です。ここで押さえておきたいのは、第2次試験の種目そのものが事前に公表されていないという点です。

試験案内は、第2次試験を第1次試験の合格者を対象に実施し、日程等は合格者に別途知らせるとしています。手元の情報が限られるぶん、公表されている第1次試験の設計から読み取れることを、確実に押さえておきましょう。

項目内容(令和8年度・白河市職員採用試験)
試験の段階第1次試験と第2次試験の二段階。第2次試験は第1次試験の合格者を対象に実施されます
第1次試験の内容試験区分により異なり、「教養・専門」「SPI(適性検査)」「書類選考」のいずれかが実施されます
第2次試験の内容試験案内に種目の記載はなく、日程等は第1次試験の合格者に別途知らされます
面接の形式・回数個別面接か集団面接か、面接の回数、集団討論の有無は、令和8年度の試験案内に記載がありません
配点各試験段階の配点・満点・合否判定の方法は、令和8年度の試験案内に記載がありません
試験区分と採用予定人数試験案内に、試験職種・試験区分・採用予定人数・年齢要件を示す一覧表が掲載されています
申込方法採用の専用サイト「パブリックコネクト」から申し込みます
提出書類面接カードにあたる様式の記載はありません。市公式ページで確認できるのは、民間企業等経験者向けの職務経歴書です
任期付職員(障がい者対象)試験職種は行政事務、採用予定人数1名程度。第1次試験はSPIによる検査で、学歴は問われません

この表から読み取れることは二つあります。一つは、受ける区分によって最初の関門がまったく違うということ。

もう一つは、公表されている情報が少ないぶん、届いた案内を読み込む力がそのまま準備の質になるということです。第1次試験に合格したあと、限られた期間で第2次試験の準備をする展開もあり得ます。人物対策は筆記の結果を待たずに始めておくのが安全です。

上記の試験構成は、白河市の令和8年度職員採用試験案内にもとづくものです。面接の形式・回数・集団討論の有無、各段階の配点は同案内に記載がなく、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。市公式サイトには過年度の採用試験案内のページも併存していますので、参照は必ず受験する年度のページを起点にしてください。試験の構成・区分・日程等は年度によって変わる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

白河市役所が求める人物像

白河市が公表する「求める職員像」「求める人物像」にあたる文言を、令和8年度の職員採用試験案内と任期付職員試験のページのなかでは確認できていません。公表されたものがない以上、評価されやすい資質は、市が示している事実から読み解くことになります。

手がかりは三つあります。第1次試験の入口が「教養・専門」「SPI」「書類選考」と分かれていること。

障がい者対象の任期付職員採用が1名程度の枠で設けられていること。そして採用予定人数が職種・区分ごとに示され、いずれも大人数ではないこと。

これらを重ねると、「経路が違っても同じ市役所で働く前提に立てるか」「相手の事情に合わせて手続を進められるか」「少人数の職場で担当の外にも手を伸ばせるか」のあたりが評価の中心になると考えられます。自己PRでは、こうした資質を名乗るだけで終わらせず、その力を使って何を行い、周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。白河市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は会場まで、どのように来られましたか構えのない問いかけへの応じ方。声の大きさや表情がここで一度確かめられます
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください比べたうえでの選択になっているか。動機が自分のこれまでと地続きか
③ 自己理解自分の短所を一つ挙げて、どう付き合っているか教えてください弱さを言い切れるか。認めたうえで手を打っているところまで話せるか
④ 経験・行動うまくいかなかった経験を一つ挙げて、そのとき何をしたか教えてください出来事の大きさではなく、その場面で自分がどこから手を動かしたか
⑤ 学業・経歴学校生活や職務で力を入れたことを、事情を知らない人にも伝わるように話してください相手に合わせて言い換える力。学んだことを仕事へつなぐ視点
⑥ 適性・将来5年後、白河市役所でどんな仕事をしていたいですか市の仕事の広がりをどこまで見込んでいるか。希望どおりの配属でない場合の構え方
⑦ 公共性・社会性最近見聞きした出来事で、印象に残っているものはありますか社会の動きに目を向けているか。自分の受け止めを短い言葉にできるか

ただし、この7カテゴリーは白河市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「白河市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「白河市役所ならでは」の質問

「なぜ福島県庁ではなく、白河市役所なのですか」
「白河市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも白河市の現状を知らなければ、その場で組み立てるのは難しい質問です。裏を返せば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「白河市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい白河市の事実答え方のヒント
市の規模と輪郭人口56,349人・面積305.16km²・人口密度185人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。人口は福島県全体の約3%、面積は県土の約2%にあたる数字を並べて終わらせず、「県土の2%に県民の3%が暮らす」という並びから、中心部に人が集まる市の形まで一言で言い切ります
なぜ県庁ではなく市役所か第1次試験の内容が試験区分により「教養・専門」「SPI」「書類選考」に分かれ、任期付職員では障がい者対象の枠も設けられている制度の説明で終わらせないことです。入口の幅広さに触れたうえで、窓口や現場で市民と直接向き合う距離の近さを、自分の経験と結んで話します
白河市の魅力県内8市町村と栃木県那須郡那須町の計9自治体に接する県南の市。東京駅から新白河駅までは新幹線で74分と、県内の主要駅のなかでは最も短い所要時間名所を並べるのではなく、県境をまたいで人が行き来する位置と、首都圏との近さという二つの条件から、暮らしの実感に引きつけて話します
防災への備え福島県の被害想定は、活断層による地震と想定東北地方太平洋沖地震に加えて、各市町村直下の地震(マグニチュード7.3)を想定に含む。県全体では想定東北地方太平洋沖地震で1週間後の避難者155,053人と算出県全体の想定値だと断ったうえで、305.16km²の市域で避難所を開け、情報を届ける市職員の側から何ができるかへ話を進めます
試験の性格第2次試験の種目は試験案内に記載がなく、日程等は第1次試験の合格者に別途知らされる。申込みは採用の専用サイトから行う情報が少ない試験だからこそ、案内を読み込む姿勢そのものが評価材料になります。準備の進め方を聞かれたら、公表情報の確認手順まで具体的に答えます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど読み解いた「白河市で評価されやすい資質」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
経路が違っても同じ職場に立てるか背景の異なる人と組んだ経験。自分と前提が違う相手にどう合わせたか白河市の第1次試験は「教養・専門」「SPI」「書類選考」と入口が分かれています。学歴も職歴も異なる同期と働く前提ですから、年齢や立場の違う人と何かを仕上げた場面を一つ選び、そこで自分が引き受けた役割まで書き出しておく
相手の事情に合わせて手続を進める力断りにくい相談や、うまく伝わらない説明の場面でどう踏みとどまったか市役所の仕事の多くは、制度の枠と目の前の事情の間で折り合いをつける作業です。説明が通らなかった経験と、そのとき言い方や順序をどう変えたかを、相手の反応の変化まで含めて話せるようにしておく
担当の外にも手を伸ばせるか引き受けた件数の多さではなく、持ち場の外へ手を伸ばすと決めた理由。第2次試験の種目が公表されていない白河市では、どの場面でこの点に触れられるかも読めません採用予定人数は職種・区分ごとに示され、いずれも大人数ではありません。少人数で広い分野を回す職場を想定し、人手が足りない場面で自分から動いた経験を、周囲の反応まで含めて用意しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。白河市のように面接の形式が事前に公表されていない試験では、どんな形で問われても崩れない準備が要ります。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する年度の白河市職員採用試験案内を読み、自分の試験区分の第1次試験が「教養・専門」「SPI」「書類選考」のどれにあたるかを確かめる
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業、部活動、アルバイト、職務、地域での活動から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、人口56,349人・面積305.16km²・人口密度185人/km²という白河市の輪郭と、県境に接する位置を自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、白河市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

白河市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

白河市役所の想定問答集を見る

さいごに

白河市の採用試験は、第1次試験の入口が区分ごとに三通りに分かれ、第2次試験の内容は合格者へ個別に知らされます。公表されている情報が少ないぶん、届いた案内を丁寧に読み、自分の区分に何が課されるのかを一つずつ確かめるところから始めてください。

人口5万6千人の市が、県境をまたいで人が行き来する場所で、これからどんな暮らしを支えていくのか。市役所の窓口に立つ自分を思い描きながら、話せる経験を一つずつ言葉にしていきましょう。