本記事では、五條市職員採用試験の面接対策で必要な、五條市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
五條市役所の面接試験では、「なぜ五條市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の実情や課題を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、五條市ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。
令和8年度の事務職・保健師の試験では、第2次試験で個別面接が同日中に2回実施されます。1日に2度、別の角度から問われる前提で、話す材料をここから選んでいきましょう。
第1部|自治体研究編
五條市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは五條市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 奈良県の南西部にある市。奈良県は吉野川を境に北部の低地帯(奈良盆地)と南部の山岳地帯に分かれ、南部山岳地帯が県総面積の60%強を占める。
- 面積は292.02平方キロメートルで、奈良県全体(3,690.94平方キロメートル)のおよそ8%。県内12市のなかで最も広い市域を持つ。
- 人口は26,331人(令和8年1月1日現在)。高齢化率は41.0%、75歳以上の割合は23.9%。
- 隣り合う自治体は12にのぼる。うち河内長野市・千早赤阪村は大阪府、橋本市・高野町は和歌山県で、3つの府県に接する位置にある。
- 平成23年9月の紀伊半島大水害では県の南部・東部地域が被害を受けた。県は平成26年度末までを集中復旧・復興期間と定め、同年度末までに復旧事業は概ね完了。現在は「奈良県南部・東部振興基本計画」に基づく地域振興の段階へ移っている。
- 市域の消防は奈良県広域消防組合が所管する。県内37市町村が参加する広域組合で、管轄人口は県内人口の65%、管内面積は県全体の90%に及ぶ。
- 同組合は、南部地域の広大な山間部に対応するため山岳救助隊を運用している。
- 市の花はキキョウ、木はクスノキ。
五條市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、統計を細かく暗記することよりも、市の広さと人口、そこから見える暮らしの条件を語れることのほうが役に立ちます。
下に並べたのは、人口と年齢構成、市域の広さ、そして境を接する自治体です。五條市の位置と規模を言葉にするための材料です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 26,331人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 10,791人(高齢化率41.0%) |
| 75歳以上人口 | 6,287人(総人口の23.9%) |
| 総面積 | 292.02km²(奈良県総面積3,690.94km²の約7.9%) |
| 人口密度 | 約90人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 御所市・大淀町・下市町・天川村・黒滝村・野迫川村・十津川村・上北山村(奈良県)、河内長野市・千早赤阪村(大阪府)、橋本市・高野町(和歌山県) |
| 市の花・木 | キキョウ(花)・クスノキ(木) |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。国勢調査をもとにした奈良県の統計とは調査の基準が異なりますので、両者の数字を並べて増減を計算しないようご注意ください。面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。
県と並べたときの年齢構成
同じ住民基本台帳ベース(令和8年1月1日現在)でみると、奈良県全体の高齢化率は32.7%、75歳以上の割合は19.8%です。五條市はそれぞれ41.0%・23.9%で、高齢化率で8.3ポイント、75歳以上の割合で4.1ポイント県を上回ります。
市民のおよそ4人に1人が75歳以上という構成が、市の仕事の前提になっています。
広さも押さえましょう。292.02平方キロメートルという市域は県内12市で最も広く、そこに約2万6千人。
人口密度は1平方キロメートルあたり約90人です。奈良県の南部は山岳地帯が大半を占めますから、市域の内側でも、平地の市街地と山あいの集落では条件がまったく違います。(出典:奈良県の姿1/自然編|奈良県公式)
五條市の経済・産業
奈良県の産業構成
奈良県は靴下の主要産地として知られます。平成28年経済センサス品目編によると、靴下製造業の出荷額の全国シェアはソックス類で約57%を占め、国内最大の産地です。
繊維産業は県内製造業の事業所数の約16%、従業者数の約9%を占めています。(出典:地場産業について|奈良県公式)
注目したいのは、県の地場産業が地域ごとに別々の集積を形づくっている点です。県は、宇陀市の鹿革・毛皮が全国唯一の産地であること、三宅町が野球用グラブ・ミット、吉野・下市町が吉野杉・桧の端材を使った割り箸というように、市町村単位で異なる産業が根づいていると整理しています。
県内のどこも同じ産業構造をしているわけではないという前提は、五條市の産業を調べるときの入口になります。
観光という切り口
令和6年の奈良県の観光入込客数は約4,362万人で、コロナ禍前の水準に回復・接近しています。インバウンド(訪日外客の県内訪問者数)は約314万人で全国7位です。(出典:奈良県の観光データ|令和6年)
ただし、この人数の多くがどこを訪れているのかは別の問題です。
県全体の観光の伸びを、南部の市域にどう引き込むかが、五條市のような自治体にとっての課題になります。観光や地域振興を志望動機に置くなら、県の数字を紹介するだけでなく、その一段先まで自分の考えを持っておきましょう。
県全体の人口と暮らしの動き
奈良県の総人口は、県の推計人口年報によると令和7年10月1日現在で1,274,196人、前年より10,898人(0.85%)減少しました。
これは先に挙げた住民基本台帳の数値とは別の系列ですので、両者を並べて差を計算しないようご注意ください。
内訳は自然増減が11,321人の減少、社会増減が423人の増加で、自然減が人口減少の主因となっています。前年に比べ県内すべての市町村で人口が減少しました。(出典:奈良県推計人口年報|令和7年)
経済統計を市の単位でそろえる必要はありません。県全体でどんな力が働いているのかを押さえたうえで、五條市の暮らしがそのどこに位置するのかを一言で言えれば、経済や雇用の話題には対応できます。
五條市の主な行政課題
ここまでの数字と地域の姿を並べ直すと、五條市が向き合っている論点が見えてきます。面接で「市の課題」を問われたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
県より一段進んだ高齢化
奈良県の総人口は1999年に約144万9千人でピークを迎えた後に減少へ転じ、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2050年に約95万人になるとされています。
県の高齢化率が32.7%(令和8年1月1日現在・住民基本台帳ベース)であるのに対し、五條市は41.0%。県が全体として抱えている課題が、この市ではもう一段はっきりした形で表れているということです。
合計特殊出生率は県全体で1.21(令和5年・全国平均1.20)、出生数は6,943人と過去最少でした。(出典:第3期奈良県まち・ひと・しごと創生総合戦略)
復旧のあとに続く地域振興
平成23年9月に発生した紀伊半島大水害では、奈良県の南部・東部地域が被害を受けました。
県は平成26年度末までを「集中復旧・復興期間」と設定し、平成26年12月に県内すべての避難が解消するなど、同年度末までに復旧事業は概ね完了しています。
現在は「復旧・復興」から「地域振興」へ段階が移り、『奈良県南部・東部振興基本計画』に基づく取組が進められています。元に戻すことが目標だった段階は終わり、これからどう伸ばすかが問われているのが、この地域の現在地です。(出典:南部・東部の振興|奈良県公式)
広い市域と山間部の安全
292.02平方キロメートルの市域に約2万6千人。市域の消防を担う奈良県広域消防組合は、県内37市町村が参加し、管轄人口は約87万人で県内人口の65%、管内面積は3,361平方キロメートルで県全体の90%に及びます(平成31年時点)。
同組合は、南部地域の広大な山間部に対応するため管轄消防署から隊員を選抜した山岳救助隊を運用しています。
市の安全は、市の枠を大きく超えた仕組みで支えられているという条件は、防災や危機管理を語るときの前提です。(出典:消防の動き|令和元年6月号(消防庁))
若い世代をどう迎えるか
奈良県の第3期総合戦略は、東京圏への大幅な転出超過が続いていること、2020年時点の25〜39歳女性の未婚率が42.9%と全国6位にあり未婚化・晩婚化が少子化の直接的な要因になっていることを課題に挙げています。
一方で、県内の外国人人口は令和6年に17,000人を超え、10年間で約1.6倍になりました。人が減る側の動きと、新しく入ってくる側の動きが同時に起きているという状況を、五條市のような市がどう受け止めるか。
まちづくりや定住支援に関心があるなら、ここが考えどころです。
五條市の重点政策|五條市のまちづくりの方向性
五條市がどこへ向かおうとしているかは、市の計画文書と予算資料に示されています。覚えるべきは計画の名称ではありません。
関心のある分野について、市が何を目指しているのかを自分の言葉で言えるかが問われます。
ここまでに並べた条件をたどると、政策の軸は数えるほどしかありません。県内12市で最も広い市域を持つこと、高齢化が県より進んでいること、3つの府県に接していること、そして大水害からの復旧を終えて地域振興の段階にあること。
自分の関心を、この4つのどれかに寄せておきましょう。
関心分野の掘り下げ方
順番を決めておくと迷いません。「①五條市でいま何が起きているか → ②市はどんな状態をめざしているか → ③そのためにどんな取組が動いているか → ④県ではなく市が担うのはなぜか → ⑤自分のどの経験がそこにつながるか」。
この5つを1枚のメモに落とせば、志望動機の筋道はできあがります。
POINT|計画名より、接続の線
見られているのは知識の量ではなく、市の状況と自分の関心を結ぶ線が引けているかどうかです。
悪い例「五條市の地域振興に携わりたいです」
改善例「まずは窓口で市民の方の手続きを受けるところから覚えたいです。そのうえで、五條市は大阪や和歌山とも接していると聞きましたので、府県の境をまたいで人に来てもらうような取組に、いずれ関わりたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
第1次試験はテストセンター方式の検査2種で、作文や論文はありません。筆記に長く縛られない分、資料を読む時間はつくれます。
順番は、自分が受ける区分の情報から。
- 五條市職員採用試験の試験案内(自分が受ける区分の試験内容と、第2次試験で提出する書類が書かれています)
- 五條市のまちづくりの方向性を示す最新の計画文書と、直近の当初予算に関する市の発表資料
- 奈良県南部・東部振興基本計画に関する県の資料(市を含む地域全体の方向性をつかむ材料として)
- 奈良県の統計・総合戦略(県と市の役割の違いをつかむ材料として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、五條市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。五條市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
五條市役所の面接の概要
ここからは、五條市役所の試験の形と流れ、質問の全体像、そして差がつく場所を、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。
選考の流れ(令和8年度・事務職/保健師)
選考は第1次試験と第2次試験の2段階です。第1次試験はテストセンター方式で、内容は基礎能力検査と事務能力検査。作文試験や論文試験は試験内容に含まれていません。
そして第2次試験が個別面接と適性検査で、試験案内には「個別面接(2回) 面接による口述試験《同日中に2回実施します。》」と記されています。
1日のうちに、面接を2度受ける構成です。
| 項目 | 内容(令和8年度・事務職/保健師) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験 → 第2次試験の2段階。第2次試験は第1次試験の合格者のみが対象 |
| 第1次試験 | テストセンター方式により実施。試験内容は基礎能力検査・事務能力検査 |
| 基礎能力検査の出題範囲 | 文書読解能力、数的能力、論理的思考能力、人文・社会・自然に関する一般知識、基礎英語 |
| 事務能力検査 | 事務能力診断検査 |
| 第2次試験 | 個別面接・適性検査。適性検査はWeb方式で受験者の自宅等から受検し、個別面接は五條市役所で実施 |
| 個別面接の回数 | 個別面接2回。試験案内は「同日中に2回実施します」と明記しています |
| 適性検査の位置づけ | 公務員としての職務に対する適応性を検査するもので、面接等の参考資料とするために実施されます |
| 集団形式 | 五條市の試験案内に、集団面接・集団討論・グループワークの記載はありません |
| 配点 | 各試験の配点および合否決定の方法は公表されていません。最新の試験案内でご確認ください |
| 募集職種・採用予定人数 | 事務職8人程度(上級=大学卒/中級=短期大学卒/初級=高等学校卒業程度の3区分、職務内容は行政事務全般)、保健師2人程度 |
| 第2次試験の提出書類 | 五條市職員採用試験受験申込書、最終学校卒業証明書または卒業見込証明書の原本、最終学校成績証明書の原本(保健師は保健師免許の写しも提出) |
申込はインターネットの採用申込サービスのみで受け付けられ、会員登録の際にプロフィール情報の編集と顔写真の登録が必要です。
受験票はマイページから発行し、第2次試験当日に提示します。試験案内は「五條市職員採用試験委員会」の名で出されており、記載のない試験内容に関する問い合わせには公平性確保のため答えられない旨も明示されています。
公表されている情報がすべてという前提で準備を組み立ててください。(出典:五條市職員採用試験案内|令和8年度(令和9年4月採用予定者))
上記は五條市の令和8年度職員採用試験(令和9年4月採用予定者)の事務職・保健師の試験案内にもとづく内容です。試験の構成・区分・採用予定人数は、年度によって変わります。受験の際は、必ずご自身が受ける区分の最新の試験情報をご確認ください。
選考の設計から読める評価軸
五條市の試験案内に、「求める職員像」にあたる定型の記載はありません。読み取る材料になるのは、試験内容の組み方そのものです。
手がかりは2つあります。1つは、第1次がテストセンター方式の検査2種のみで、書いて表現する試験が置かれていないこと。言葉で伝える力は、面接だけで測られる設計になっています。
もう1つは、適性検査が「面接等の参考資料とするために実施」と明記されていること。検査で示した自分の傾向は、面接官の手元に渡ると考えておくのが安全です。
そのうえで個別面接が同日に2回。1回目と2回目で面接官が変わる可能性もありますし、同じ経験を別の切り口から問われる可能性もあります。
2回とも同じ人物として一貫していることが、この試験では特に重く働くと考えられます。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。五條市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 緊張していますか? | 同じ日に2回受ける面接。1回目の疲れを2回目に持ち込まず、同じ調子で入れるか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 民間でもできる話で止まっていないか。人口2万6千人台のこの市を選んだ理由まで届いているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 適性検査で示した傾向と、口で語る自己像がそろっているか |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 困難の大きさではなく、その場面で何を考えどう動いたか。2回の面接をまたいで掘られる領域 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れたことを教えてください | 第2次試験に成績証明書の原本を提出する試験。学びの中身を自分の言葉で語れるか |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか? | 事務職は行政事務全般が職務内容。分野を限定しない働き方への構えがあるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近関心を持ったニュースは何ですか? | 第1次でも人文・社会・自然の一般知識が問われる。日ごろ社会の動きを追っているか |
ここに並べた質問は、受験者の多くが下調べを済ませて臨みます。準備そのものは必須ですが、答えの中身で違いが出にくい領域です。
差が出るのは、次の質問です。
差がつくのは「五條市役所ならでは」の質問
どちらも、五條市を調べていなければその場では答えの立てようがない質問です。言い換えれば、用意した材料の分だけ他の受験者と差がつく質問でもあります。
面接が同日に2回ある以上、同じ問いを言い方を変えて重ねられることも想定しておきましょう。以下、面接で使いやすい事実に絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい五條市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口と年齢構成 | 住民基本台帳ベースで人口26,331人、高齢化率41.0%、75歳以上23.9%(令和8年1月1日現在)。同じ基準の奈良県全体は32.7%・19.8% | 4人に1人が75歳以上という構成を先に置き、山あいの集落での暮らしをどう支えるかへつなげます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 事務職の採用予定は8人程度で、職務内容は行政事務全般。分野を絞らずに市の仕事に関わることになる | 制度論を語るより、住民に近い場所で幅広く仕事をしたい理由を、自分の経験に引きつけて述べます |
| 市域の広さと地形 | 面積292.02平方キロメートルは奈良県12市で最も広い。県は南部山岳地帯が県総面積の60%強を占めるとしている | 広さを大変さで片づけず、平地と山あいで何を変えるべきかを、自分の関心のある分野に引きつけて述べます |
| 大水害のあとの地域振興 | 平成23年9月の紀伊半島大水害で県南部・東部が被害。復旧事業は平成26年度末までに概ね完了し、現在は『奈良県南部・東部振興基本計画』に基づく地域振興の段階 | 過去の被害を語るのではなく、いま動いている振興の取組と、自分が関わりたい部分を結びつけます |
| 3つの府県に接する位置 | 隣接する12自治体のうち、河内長野市・千早赤阪村は大阪府、橋本市・高野町は和歌山県 | 府県境をまたぐ人の行き来を前提に、観光や生活サービスで市外とどう組めるかという視点を示します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
五條市も「求める職員像」を文章の形では示していません。
個別面接を同じ日に2回置くという設計から考えると、この試験は「これまでに実際どう行動してきたか」を、角度を変えて確かめようとしていると読めます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの整い方ではなく、経験の中身と行動の再現性が見られていると考えられます。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 2回の面接をまたぐ一貫性 | 同じ日の1回目と2回目で、語る内容と印象がぶれないか | いちばんの持ち球を1つ決め、事実関係を時系列で紙に書き出して手元に置く |
| 検査結果との整合 | 適性検査で示した傾向と、面接で語る自分像がそろっているか | 検査で答えた自分の傾向を、面接では言い換えずにそのまま説明できるようにしておく |
| 行政事務全般を担う構え | 行政事務全般という職務内容をどう受け止めているか。初めての分野への入り方 | 前例のない課題を自分で調べて片づけた経験を1つ、着手の判断から結果まで話せるようにする |
なお、公務員の個別面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と掘られることが多いです。
五條市は同じ日に面接を2度受けるため、この傾向はいっそう強く出ます。細部まで自分の言葉で語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておきましょう。
この規模の市役所で働くということ
五條市の事務職は、上級・中級・初級の3区分をあわせて8人程度の採用で、職務内容は「行政事務全般」とだけ示されています。ここから先は、この採り方から当研究会が読み取ったことを書きます。
分野を先に区切らずに募集するということは、入ったあとに担当する仕事の範囲も、あらかじめ狭くは決まっていないということでもあります。
そうであれば、初めての分野でも、自分で手順を組み立てて最後まで進められる人が求められる場面は多くなるでしょう。
市域の消防を奈良県広域消防組合が担っているように、この市の仕事は市の内側だけで閉じていません。庁内の誰に聞くかだけでなく、市の外のどこと組むかまで見えていると、進め方の幅は広がります。
第2次試験には、卒業証明書と成績証明書の原本を提出します。紙で示した経歴の中身を、同じ日に2度、口で説明する。
それが五條市の最終選考です。2回目に別の自分が出てこないよう、持ち札の経験をこの市の仕事の進み方に合う言い方へ整えることに、時間を使ってください。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 五條市の最新の試験案内を開き、自分が受ける区分の受験資格と試験内容、第2次試験で提出する書類を確認する
- 第1次の基礎能力検査は、文書読解・数的・論理的思考・一般知識・基礎英語の範囲。どこが弱いかを早めに把握し、対策の重心を決める
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部に戻り、五條市の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする。固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 個別面接は同日に2回。同じ話を2度、違う切り口で求められる想定で声に出して練習する
優先順位に注意
ステップ5の自治体研究は、他の受験者と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を先に終わらせてください。自分のことを語れないまま市の知識だけを積んでも、面接の評価には届きません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、五條市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
五條市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までを解説していますので、2回の面接をどう配分するかも見えてきます。特に本番までの時間が限られている方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度の五條市の事務職・保健師の試験は、第1次がテストセンター方式の検査2種、第2次が個別面接2回と適性検査という構成です。配点は公表されていませんが、書いて伝える試験が置かれていない以上、言葉で伝える力は面接ですべて測られると考えたほうがよいでしょう。
奈良県内で最も広い市域を持ち、大阪と和歌山にも接し、大水害からの復旧を終えて振興の段階に入った市。そこで自分は何を引き受けたいのか。
同じ日に2度問われても同じ答えが返せるところまで、言葉を確かめていってください。