本記事では、小城市職員採用試験の面接対策で必要な、小城市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
小城市役所の面接では、「なぜ小城市を志望したのか」、「市職員としてどの仕事を担いたいのか」、「これまでの経験を市政にどう生かすのか」といった問いが想定されます。
令和8年度の統一試験では、人物を見る場面が第二次の班別討議と第三次の個別面接に分けて置かれています。それぞれで求められる振る舞いは違います。
第2部で扱う試験の内容は、令和8年度小城市職員採用統一試験の一般事務B(大卒程度)を基準に整理しています。区分や年度が変われば種目も変わりますので、必ず最新の実施要領とあわせてお読みください。
第1部|自治体研究編
小城市の特徴
小城市がどういう市なのかを、面接で口に出せる粒度に絞ってまとめました。まずはここから読んでください。
- 佐賀平野の西寄りにあり、県庁所在地の佐賀市と境を接する市。ほかに多久市・杵島郡江北町・杵島郡白石町と接し、隣接する4市町はすべて佐賀県内。
- 人口は43,887人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。市域95.81km²に対して、人口密度は1平方キロメートルあたり約458人。
- 高齢化率は30.3%で、同じ住民基本台帳でみた県全体の31.8%をやや下回る。
- 令和8年度の職員採用は、統一試験・社会人経験枠・自己推薦枠・カムバック採用選考・任期付職員の随時募集という5つの系統で行われている。
- 実施要領には「※同一年度内に実施するほかの小城市職員採用試験との併願も可能です。」と記載され、系統をまたいだ併願が認められている。
- 佐賀平野北縁断層帯は、小城市小城町松尾付近を西の端として、佐賀市・神埼市を経て東へ延びている。
- 市の花はさくら、市の木は桜。市役所は三日月町長神田2312番地2に置かれている。
小城市の基礎データ
小城市については、県平均を下回る高齢化率と、95.81km²の市域に4万人余りが暮らす密度の2点で話が立ちます。数を集めるより、この2点を確実に言えるほうが面接では効きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 43,887人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 13,316人(高齢化率30.3%。同じ基準の県全体は31.8%) |
| 75歳以上人口 | 7,214人(総人口の16.4%。同じ基準の県全体は17.7%) |
| 総面積 | 95.81km²(佐賀県全体の約2,400km²のおよそ4%) |
| 人口密度 | 約458人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 佐賀市・多久市・杵島郡江北町・杵島郡白石町(いずれも佐賀県内) |
| 市の花・木 | さくら(花)・桜(木) |
| 市役所の所在地 | 小城市三日月町長神田2312番地2 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。佐賀県が国勢調査をもとに公表している人口や高齢化率は基準が異なるため、この表の値と並べて増減を計算することはできません。県と市の面積、隣接自治体、市の花と木、市役所の所在地は、当研究会が整理した基礎データによります。
県平均を下回る高齢化率をどう読むか
高齢化率30.3%は、同じ住民基本台帳でみた県全体の31.8%を1.5ポイント下回ります。75歳以上の割合も16.4%と、県の17.7%より低い水準です。
ただし、ここから「小城市は高齢化が課題ではない」と読むと足をすくわれます。市民の3人に1人近くが65歳以上であることに変わりはなく、県平均との差は1ポイント台にすぎません。
むしろ説明に使えるのは、県庁所在地の佐賀市と境を接し、95.81km²に43,887人が暮らすという条件のほうです。
人口密度を同じ計算で比べると、小城市が約458人、県全体が約328人。住まいが比較的まとまった範囲にある市であり、行政サービスの届け方も県内の他地域とは違う設計になります。
小城市の経済・産業
佐賀県の産業構造の中に置いてみる
令和5年度の佐賀県の県内総生産(名目)は3兆4,363億円で、前年度比4.1%増と3年連続のプラス成長でした。経済活動別の構成比は第1次産業2.3%、第2次産業31.5%、第3次産業66.5%で、製造業が単独で最大の25.4%(8,734億24百万円)を占めます。(出典:佐賀県県民経済計算|令和5年度)
一方、一人当たり県民所得は304万4千円(令和5年度・前年度比7.5%増)で、一人当たり国民所得352万1千円を47万7千円下回り、国を100とすると86.4の水準です。
製造業が経済を支えながら、所得水準は全国平均に届いていない。これが小城市を含む佐賀県の産業の前提になります。
県庁所在地に隣接するという立地
小城市の産業を語るときに外せないのが、佐賀市と境を接しているという地理です。人口密度が約458人と県全体の約328人を上回るのは、平野部に住まいがまとまっていることの表れでもあります。
通勤・通学・買い物のいずれでも市域の外との行き来が日常に組み込まれている以上、企業誘致や定住促進を市内だけで完結する話として語るのは無理があります。隣の市と役割をどう分け合うかまで含めて考えたいところです。
県全体の観光と、通り過ぎる人の多さ
令和6年の佐賀県の総来訪者数(日本人)は4,644万人で、前年比2.8%減と3年ぶりの減少でした。内訳は日帰り客4,433万人、宿泊者212万人で、宿泊は全体の5%に届きません。(出典:佐賀県観光デジタル人流分析|令和6年)
来た人の大半がその日のうちに帰る構造は、県内のどの市にも共通の宿題です。観光や交流人口を志望動機に据えるなら、名所を挙げるところで止めず、滞在の時間をどう伸ばすかという設計の話まで持っていきましょう。
小城市の主な行政課題
ここまでの数字は、そのまま市役所の仕事につながります。次の3つを、自分の言葉で言えるところまで持っていってください。
減り続ける県人口と、これから増える高齢者
佐賀県の推計人口は令和8年3月1日現在で778,856人、前年同月比6,068人減です。
令和8年2月の1か月でみると、自然動態が556人減、社会動態が60人減で、減少の大半は出生と死亡の差から生じています。転入を増やす施策だけでは追いつかない構図です。(出典:佐賀県推計人口|令和8年3月1日現在)
小城市の高齢化率30.3%は県平均を下回っていますが、それは今この時点の話です。
人口が減りながら高齢者の実数が増える局面では、税収と、必要とされるサービスの量が逆の方向へ動きます。市が何を続け、何を見直すかを決める場面に、若手職員も日常的に立ち会うことになります。
市内から始まる佐賀平野北縁断層帯
佐賀平野北縁断層帯は、小城市小城町松尾付近から佐賀市・神埼市を経て吉野ヶ里町立野付近まで東西に延びる長さ約22kmの断層帯です。全体が活動した場合、マグニチュード7.5程度・最大震度7の地震が想定されています。(出典:佐賀県地震被害等予測調査報告書|平成27年3月)
同じ調査(平成27年3月)では、この断層帯の地震が冬深夜に起きた場合、県全体で建物の全壊・焼失が約55,000棟、死者数が約4,300人、負傷者が約16,000人、被災1週間後の避難者が約177,000人と見込まれています。断層帯の西の端が市内にあるという事実は、小城市で防災を語るときの出発点になります。
なお、南海トラフの巨大地震については、内閣府が令和7年3月に公表した市町村別の一覧で小城市の最大震度は5弱とされ、佐賀県内には最大津波高が数値化された市町がありません。(参考:南海トラフ巨大地震の市町村別最大震度・津波高一覧|令和7年3月)揺れへの備えと津波への備えのどちらに重みを置くかが、太平洋側の県とは異なる点です。
少人数採用のもとでの人材確保
令和8年度の統一試験は、一般事務A・一般事務B・一般事務D・土木E・土木Fの5区分すべてが採用予定若干名です。
そこへ社会人経験枠・自己推薦枠・カムバック採用選考・任期付職員の随時募集が並び、系統をまたいだ併願まで認められています。入口をいくつも用意していること自体が、人を確保する難しさの表れだと読めます。
小城市の重点政策|県の人口見通しと市の計画
小城市の総合計画や個別計画の名称と中身は、市公式サイトに掲載されている最新版で確かめてください。ここでは、その計画が置かれている県側の見通しを先に押さえます。
県が示している人口の将来像
佐賀県人口ビジョン(平成27年6月策定)は、若い世代の都市部への流出や出生率の低下により人口減少時代を迎えており、このままでは経済活動や集落機能の低下など地域の活力が失われていくことが懸念される、と課題を明記しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計を基にした試算では、県の総人口は2040年に68.0万人、2060年に54.3万人とされています。(出典:佐賀県人口ビジョン|平成27年6月)
県が最上位に据えている課題は、人を増やす話ではなく、減っていく前提で暮らしをどう保つかという話です。市の計画も、この見通しの上に組まれていると考えて読むと理解が早くなります。
県の財政環境が市町に及ぼすもの
佐賀県の令和8年度一般会計当初予算は5,470億66百万円(対前年度当初比340億45百万円増)で、歳入は県税1,001億06百万円(18.3%)、地方交付税1,732億44百万円(31.7%)、県債454億04百万円(8.3%)と、依存財源が56.0%を占めます。(出典:佐賀県一般会計当初予算の概要|令和8年度)
自分の裁量で動かせる財源が限られる環境は、県内の市町にも共通します。
人口43,887人の市で新しい事業を立ち上げるには、既存の事業のどれを縮めるかという判断が必ず伴います。「やりたいこと」を語るときに、財源や人手の見通しまで添えられると、話の現実味が変わります。
POINT|計画名より先に、市の条件を言えるようにする
計画の名称を挙げられなかったことで評価が下がる場面は、まずありません。小城市の場合は、高齢化率30.3%、人口密度約458人、断層帯の西端が市内にあるという3点から話を始めるほうが、はるかに伝わります。
悪い例「小城市の総合計画に沿って、まちづくりに貢献したいです」
改善例「県の想定では、市内を通る断層帯が動くと県全体で四千人を超える方が亡くなるとされていました。高齢の方が3割ほどのまちですので、いざというときに誰が誰を支えるのかを地区ごとに決めておく仕事に関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
小城市を受けると決めたら、次の順で資料に当たってください。はじめの2つは必須です。
- 令和8年度小城市職員採用統一試験の実施要領(市公式サイトの職員採用のページ)
- 小城市の総合計画をはじめとする市の主要な計画(市公式サイト掲載の最新版)
- 小城市の地域防災計画・ハザードマップなど防災に関する市の公表資料
- 佐賀県人口ビジョン
- 佐賀県地震被害等予測調査報告書(平成27年3月)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、小城市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。小城市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
小城市役所の面接の概要
令和8年度小城市職員採用統一試験は、第一次から第三次までの三段階です。第一次は教養試験だけで、人物を見る種目は第二次以降にまとめて置かれています。
令和8年度統一試験の流れ
| 項目 | 内容(令和8年度統一試験・一般事務B(大卒程度)) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第一次試験 → 第二次試験 → 第三次試験の三段階構成 |
| 第一次試験 | 教養試験のみ。大学卒業程度の一般的知識及び知能についての5肢択一式40題・120分(一般事務Bと土木Fに共通) |
| 教養試験の出題予定分野 | 時事、社会・人文、自然に関する一般知識を問う問題20題と、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う問題20題。実施要領には「※古文、哲学、文学、芸術等、国語の出題はありません。」と記載 |
| 第一次試験の会場 | 佐賀県立佐賀工業高等学校(佐賀市緑小路1番1号) |
| 第二次試験 | 適性検査(性格の特徴や意欲態度等を測定する検査。Web方式で、パソコンやスマートフォンを使い自宅等で受検可能)と、班別討議(小城市役所にて、少人数のグループで、提示するテーマについて討議) |
| 第三次試験 | 面接試験。小城市役所にて個別面接を実施 |
| 提出書類 | 申込専用サイトでのエントリー入力と受験票用の顔写真データ。「面接カード」という名称の様式は実施要領に記載がありません |
| 採用予定 | 一般事務A・一般事務B・一般事務D・土木E・土木Fの5区分いずれも若干名 |
上記は令和8年度小城市職員採用統一試験の実施要領に記載された内容です。各試験種目の配点や人物試験の比重は同要領に記載がなく、公表されていません。試験の種目・区分は年度によって変わりますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の実施要領をご確認ください。(出典:令和8年度小城市職員採用統一試験実施要領)
この構成から言えることが2つあります。1つは、第一次を通過するまで人物は見られないという点です。
5肢択一式40題の結果だけで、面接に進めるかどうかが決まります。もう1つは、人物を見る場面が2種類あるという点です。
第二次の班別討議は少人数のグループで提示されたテーマを論じる場、第三次の個別面接は一対一で掘り下げられる場で、求められる立ち居振る舞いが違います。
第二次の適性検査はWeb方式で自宅等から受けられるため、小城市役所へ足を運ぶのは班別討議と個別面接の2回です。庁舎で受ける2つの種目が、どちらも人物を見る場面だという構成を頭に入れて準備しましょう。
自己推薦枠という別の入口
統一試験とは別に、小城市は自己推薦枠(一般事務H・保健師М・管理栄養士L)を設けています。第一次試験は書類選考で、「受験申込時に提出されたアピールシートにより、職務に活用できる知識、経験、能力等を総合的に審査します」とされ、第二次は基礎能力試験・適性検査・班別討議、第三次が個別面接という組み立てです。(出典:令和8年度小城市職員採用試験(自己推薦枠)実施要領)
一般事務Hの受験資格には、地域おこし協力隊としての3年以上の活動経験、文化・芸術・スポーツ分野での顕著な成績、長期の海外ボランティアの経験、複数の言語を話せる語学力、高度なICT能力を市政に活かせること、という5つの類型が挙げられています。経歴の中身そのものを入口にする枠が用意されているのは、小城市の採用の特徴です。
ただし、アピールシートは自己推薦枠と社会人経験枠の提出書類であり、統一試験の区分では提出しません。併願を考える場合は、この違いを申込の前に確かめておきましょう。
班別討議と個別面接から読む、評価されやすい資質
令和8年度の実施要領にも、職員採用の案内ページにも、求める人物像にあたる定型の文言は見当たりませんでした。手がかりになるのは、公表されている試験の組み立てのほうです。
出発点は、一般事務Bの採用予定が若干名だという点です。人口43,887人の市で毎年ごく少人数を採る組織では、一人の職員が扱う分野の幅が自然に広くなります。
前例のない相談が持ち込まれたとき、手元に答えはありません。調べ、必要なら他の課の手を借り、期限までに形にする。
この一連の動きを自分で回せる人は歓迎されやすいはずです。
次に、人物試験が班別討議と個別面接の2段構えである点です。班別討議で見えるのは、意見の強さよりも、他の人の発言を受けて議論を前へ進められるかどうかでしょう。
対する個別面接は、ひとつの話題を深く掘り下げられる場面です。集団の中での役回りと、一対一での説明の深さの両方を、別々に用意しておく必要があります。
加えて、市域が95.81km²とまとまっている以上、担当した相手との関係は一度の応対では終わりません。
言葉遣いや約束した期日の守り方が、そのまま市役所の評判として残ります。丁寧さを心構えの話で終わらせず、それによって相手の態度が変わった場面を1つ持っておくと強いです。
実施要領に書かれているのは、種目の名前と時間までです。ここまでの4段落は、その並びを当研究会が読んで組み立てたものだとお考えください。
準備としては、班別討議に向けた「人の意見に乗せて話す」練習と、個別面接に向けた「ひとつの経験を3段階まで掘る」練習を、別の時間に分けて積んでください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。小城市の第三次試験の個別面接も、まずはこの7分類で一度ずつ答えを作っておくと抜けが出ません。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | ここまでの時間で、疲れは出ていませんか? | 班別討議を経て臨む個別面接。張り詰めた場でも、相手の一言に自然な調子で返せるか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 民間でも通る話で止まっていないか。5つの系統から統一試験を選んだ理由まで届いているか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 採用予定は若干名。苦手をどう補いながら仕事を回してきたかまで言えるか |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 提出するのはエントリー入力と顔写真だけ。経験の中身を口頭でどこまで具体的に出せるか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れたことを教えてください | 3人に1人近くが65歳以上の市。専門的な話を相手に合わせて言い換えられるか |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか? | 一般事務が幅広い分野に配属される市。特定の部署に固執しない構えがあるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近関心を持ったニュースは何ですか? | 市内から断層帯が延びる地域。関心を持った理由を、そこに住む人の目線で説明できるか |
ただし、この7分類の答えは実施要領を開かなくても用意できてしまいます。班別討議と個別面接で差がつくのは、次に挙げる2問のほうです。
合否を分けるのは「小城市役所ならでは」の質問
小城市の場合、この2問はどちらも県との距離の近さという同じ条件から答えを組み立てられます。県庁所在地に隣接し、県の被害想定の断層帯が市内から始まる。
県に近いという条件が、魅力の説明にも課題の説明にも同じだけ効いてきます。答えの材料になる事実を、5つに絞って並べます。
| 質問テーマ | 知っておきたい小城市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口と年齢構成 | 住民基本台帳ベースで人口43,887人、高齢化率30.3%、75歳以上16.4%(令和8年1月1日現在)。同じ基準の県全体は31.8%・17.7% | 県より低いことを結論にせず、3人に1人近くが65歳以上という水準をこれからどう支えるかへ話を進めます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県庁所在地の佐賀市と境を接する。市域95.81km²に43,887人が暮らし、人口密度は約458人で県全体の約328人を上回る | 制度の比較で終わらせず、この距離感の市役所で誰の役に立ちたいのかを自分の経験に即して述べます |
| 防災 | 佐賀平野北縁断層帯は小城市小城町松尾付近から東へ延びる長さ約22kmの断層帯。県の想定では冬深夜の地震で県全体の死者約4,300人、避難者約177,000人 | 被害の数字を並べて終えず、断層帯の西端が市内にあるという地理を、自分が関わりたい仕事へ結び付けます |
| 採用の枠組み | 令和8年度は統一試験・社会人経験枠・自己推薦枠・カムバック採用選考・随時募集の5系統。統一試験は5区分すべて採用予定若干名で、系統をまたいだ併願も可能 | 複数の入口がある中でこの区分を選んだ理由を、自分の適性の言葉で説明できるようにします |
| 県の産業と所得 | 令和5年度の県内総生産は3兆4,363億円で製造業が25.4%。一人当たり県民所得は304万4千円で、国を100とすると86.4 | 産業の話は県単位の数字から入り、そのうえで市として何を担えるかへ落として語ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
小城市は人物像を公表していませんので、選考の設計そのものを手がかりにします。班別討議と個別面接という2つの場面から、見られやすい点を3つ書き出しました。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 議論の中で役割を果たす力 | 第二次の班別討議で、提示されたテーマにどう関わるか。他の受験者の発言を受けて話を前へ進められるか | 結論を押し通した話ではなく、人の発言を足がかりに議論を動かした場面を1つ用意する |
| 前例のない仕事を形にする力 | 調べ方、確かめる相手の選び方、期限までの段取りをどう組んだか | 一般事務Bの採用は若干名。誰も答えを持っていない状況で自分がどう動いたかを、着手から結果まで話せるようにする |
| 約束を守り抜く丁寧さ | 相手や期日への向き合い方が、日常の受け答えににじみ出ているか | 市域95.81km²の市。一度きりの応対では終わらない前提に立ち、期日と言葉遣いで信頼を得た経験を用意する |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。第三次試験が個別面接の一本である小城市では、この掘り下げに耐えられるかどうかが最後の関門になります。細部まで自分の言葉で語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまで読んできた内容を、試験当日までの作業に変えていきます。
- 市公式サイトの職員採用のページから令和8年度統一試験の実施要領を入手し、受験する区分の試験種目と会場を書き出す
- これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 教養試験の出題予定分野(一般知識20題・能力20題)に合わせて筆記の計画を立てる。第一次は教養試験だけで通過が決まる
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部を読み返し、志望分野に近い小城市の事実を2〜3個、資料を見ずに話せるところまで持っていく
- 班別討議に備えて人の意見を受けて話す練習を、個別面接に備えてひとつの経験を掘り下げる練習を、それぞれ別に行う
優先順位に注意
ステップ5〜6の自治体研究と討議の練習は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ3の筆記の計画を優先してください。第一次を通過しなければ、班別討議にも個別面接にもたどり着けません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、小城市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
小城市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度小城市職員採用統一試験の一般事務B(大卒程度)は、5肢択一式40題の教養試験による第一次、適性検査と班別討議の第二次、個別面接の第三次という順に進みます。配点は公表されていませんが、市役所で行われる2つの人物試験を通らなければ最終合格には届きません。
人口43,887人、高齢化率30.3%、市内から東へ延びる断層帯。この3つの条件を前にして自分に何ができるのかを、経験してきた出来事を一つ引いて説明できるようにしておいてください。
区分や年度が変われば試験の種目も変わります。受験の際は、最新の実施要領を必ず確かめましょう。