本記事では、佐賀市職員採用試験の面接対策で必要な、佐賀市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

佐賀市役所の面接では、「なぜ佐賀市を志望したのか」、「入庁後にどの分野で力を発揮したいのか」、「これまでに何を任され、どう応えてきたのか」といった問いが想定されます。

佐賀市は県内で最も人口の多い市であり、同時に、中核市への移行をまだ「検討」の段階に置いている市でもあります。第1部では、その2つの顔から順に見ていきます。

なお、第2部で扱う試験の内容は、令和8年度の夏季試験について市が公表している範囲を基準にしています。佐賀市の採用試験は佐賀市役所総務部人事課が実施するもので、佐賀県(佐賀県人事委員会)の試験とは別建てです。

試験の区分や種目は年度によって変わりますので、必ず最新の受験案内とあわせてお読みください。

第1部|自治体研究編

佐賀市の特徴

県庁所在地の市を受けるとき、多くの人は規模の話から入ります。佐賀市の場合はもう1つ、県境と海という位置の条件が効いてきます。

  • 佐賀県の県庁所在地。令和2年国勢調査では県の総人口の28.75%を占め、県内で最も人口の多い市だった。
  • 人口は225,361人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。同じ基準の佐賀県全体787,887人の約28.6%にあたる。
  • 市域は431.81平方キロメートル。同じ住民基本台帳の人口から計算すると、人口密度は1平方キロメートルあたり約522人。
  • 高齢化率は29.7%、75歳以上の割合は16.7%。同じ基準でみた県全体(31.8%・17.7%)をどちらも下回る。
  • 境を接するのは小城市・唐津市・多久市・神埼市・杵島郡白石町と、福岡県の福岡市・柳川市・大川市・糸島市。隣接する9市町のうち4つが福岡県にある。
  • 南は有明海に面する。有明海は干満の差が大きく、最大6メートルに達することもある。
  • 市の花はサクラ、市の木はイチョウ。市役所は栄町1番1号に置かれている。

佐賀市の基礎データ

県内で最も人口の多い市ですから、数字は自然と大きくなります。ただし面接で効くのは規模そのものより、県平均に対してどちら側にいるかという向きのほうです。

項目内容
総人口225,361人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口66,894人(高齢化率29.7%)
75歳以上人口37,538人(総人口の16.7%)
総面積431.81km²(佐賀県の面積約2,400km²のおよそ2割弱)
人口密度約522人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体小城市・唐津市・多久市・神埼市・杵島郡白石町(佐賀県)/福岡市・柳川市・大川市・糸島市(福岡県)
市の花・木サクラ(花)・イチョウ(木)
市役所の所在地佐賀市栄町1番1号

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。同じ人口でも、国勢調査を基礎にした佐賀県の公表統計とは集計の基準が違います。両者を並べて増減を計算することはできません。市域の面積、境を接する自治体、市の花と木、市役所の所在地については、当研究会が整理した基礎データを用いています。

県平均より若い、県内最大の市

高齢化率29.7%、75歳以上16.7%。どちらも県全体(31.8%・17.7%)を下回っています。県内では高齢化が進んでいない側にいるという位置づけです。

ただし、これを「佐賀市は高齢化の心配が小さい」と読むのは早計です。65歳以上が66,894人、75歳以上が37,538人。

率は低くても、対象となる人数そのものは県内で最も多いのがこの市です。介護も医療も防災も、扱う件数の規模で難しさが変わります。

「佐賀市は高齢化率が3割弱で、県の平均より少し低いと聞きました。ただ人口が22万人を超えていますので、65歳以上の方の人数でみると県内で一番多くなるのだと思います。率だけを見て判断してはいけないのだと感じました」

佐賀市の経済・産業

県経済の重心はどこにあるか

令和5年度の佐賀県の県内総生産(名目)は3兆4363億円で、対前年度4.1%増(実質2.5%増)と名目・実質ともに3年連続のプラス成長でした。内訳を経済活動別にみると、第1次産業が2.3%、第2次産業が31.5%、第3次産業が66.5%。

単独で最も大きいのは製造業で、25.4%を占めます。(出典:佐賀県県民経済計算|令和5年度)

県庁所在地の佐賀市は、行政機能と第3次産業が集まる場所です。県全体の重心が製造業にあることと、市の中心部に商業・サービスが集まっていることは矛盾しません。

県の稼ぎ方と市の役割は、同じではないという理解で臨みましょう。

有明海と向き合うまち

市の南に広がる有明海は、干満の差が大きいことで知られます。最大6メートルに達することもあり、これほどの干満差がある海は国内で唯一とされています。

長崎県島原半島の先端から湾奥部の佐賀県白石町住之江までの奥行きは約90キロメートルで、沖合5キロメートルに及ぶ広大な干潟をもたらします。(参考:有明海の風景|佐賀市公式サイト)

干潟と漁業という資源であると同時に、高潮と内水に弱いという条件でもあります。海に面した平野の市であるという特徴は、産業の話にも防災の話にも同時に効いてきます。

所得の水準をどう見るか

令和5年度の佐賀県の一人当たり県民所得は304万4千円(対前年度7.5%増)で、一人当たり国民所得352万1千円を47万7千円下回りました。国を100とした所得水準は86.4です。

この差をどう縮めるかは、県にとっても、県内最大の雇用と商業の集積を持つ佐賀市にとっても共通の宿題です。企業誘致や創業支援を志望動機に置くなら、この水準差を出発点にすると話が具体的になります。

佐賀市の主な行政課題

佐賀市の課題は、県全体と共通する部分と、この市の位置だから生じる部分に分かれます。面接で効くのは後者です。次の4つを押さえてください。

減っているのは、どの部分か

令和8年3月1日現在の佐賀県の推計人口は778,856人です。1年前の同じ月と比べて6,068人減りました。

令和8年2月の1か月をみると、県外への転出超過による減が60人だったのに対し、亡くなった方が生まれた方を556人上回っています。人が出ていくことより、生まれてこないことのほうが効いているという構図です。(出典:佐賀県推計人口月報|令和8年3月1日現在)

年齢構成をもう少し細かく見ておきましょう。令和2年国勢調査における佐賀県の年少人口(15歳未満)は109,174人で13.45%。

全国平均11.92%を上回り、沖縄県・滋賀県に次ぐ全国3位です。一方で生産年齢人口は453,697人(55.91%)で全国31位、老年人口(65歳以上)は248,571人・30.63%で全国26位となっています。

子どもの割合は全国でも高いほうなのに、働く世代の割合が低いという組み合わせです。(出典:令和2年国勢調査 佐賀県の人口・世帯|令和2年)

この組み合わせが意味するのは、子育て世代が育てた次の世代を、県内で受け止めきれていないという構図です。県人口のおよそ28%を抱える佐賀市が担うのは、その受け皿という役割にほかなりません。

隣接する9市町のうち4つが福岡県にあるという位置は、通勤・通学・買い物の流れが県境をまたぐことも意味します。県内から人を集めるだけでは、県全体の人口は増えないという前提で考える必要があります。

市を横切る活断層

佐賀平野北縁断層帯は、小城市小城町松尾付近から佐賀市・神埼市を経て吉野ヶ里町立野付近まで東西に延びる長さ約22キロメートルの断層帯です。全体が活動した場合、マグニチュード7.5程度・最大震度7の地震が想定されています。(出典:佐賀県地震被害等予測調査報告書|平成27年3月)

同じ調査では、この断層帯の地震(冬深夜)で県全体の建物の全壊・焼失が約55,000棟、死者数が約4,300人、負傷者が約16,000人、被災1週間後の避難者数が約177,000人と想定されています。断層帯が通るのは平野部、つまり人と建物が集まっている場所です。

高潮と豪雨という水の課題

令和元年8月の佐賀豪雨では、県内で死亡4名(武雄市3名・佐賀市1名)、重傷2名の人的被害が生じました。六角川・牛津川等が氾濫した災害です。(出典:令和元年佐賀豪雨の被害状況|佐賀県)

県は令和4年3月31日、想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域(有明海沿岸・松浦沿岸)を指定・公表しました。想定は、室戸台風規模の中心気圧900ヘクトパスカルの台風が大潮の満潮時に襲来し、河川洪水と海岸堤防等の全決壊が重なるという最悪条件で置かれています。(出典:高潮浸水想定区域の指定・公表|令和4年3月)

有明海に面し、平野に市街地が広がる佐賀市にとって、水の課題は地震と並ぶ柱です。防災を志望動機に置くなら、地震と水害のどちらを念頭に置いているのかを、自分ではっきりさせておきましょう。

中核市への移行という検討課題

佐賀市は中核市に移行しておらず、市の公式ページは「中核市移行の検討」という表題でこの論点を扱っています。中核市の指定を受けるには、佐賀市議会と佐賀県議会の議決、佐賀県知事の同意を経て国へ申出を行う必要があるとされ、現在は検討の段階です。(出典:中核市移行の検討|佐賀市公式サイト)

市の説明によれば、中核市になれば民生・保健衛生・環境・文教などの分野で合計1,800を超える事務が移譲され、保健衛生分野には保健所の設置が含まれます。仕事の範囲が変わる可能性がある、ということです。

面接で触れるなら、「移行を検討している」という言い方まで正確にそろえてください。中核市だと言い切った時点で、調べていないことが一言で伝わってしまいます。

佐賀市の重点政策|県の方向づけと市の計画

中核市移行の検討は、市が自ら担う事務の範囲を広げるかどうかという問いです。その手前にある県の枠組みを押さえておくと、市の計画を読む視点が定まります。

県が課題の先頭に置いているもの

佐賀県人口ビジョンの策定は平成27年6月です。若い世代が都市部へ流出し、出生率も下がるなかで人口減少時代を迎えたこと。

そして、このままでは経済活動や集落機能の低下という形で地域の活力が失われていくこと。この2点が県の課題として明記されています。

将来推計は国立社会保障・人口問題研究所の2013年3月推計を基礎に試算されたもので、策定から年数が経っている点には注意が必要です。

県庁所在地である佐賀市の役割は、この局面のなかで人が集まる場所であり続けることと、集まった人が暮らし続けられる基盤を保つことの両方にあります。

県財政の体力を知っておく

佐賀県の令和8年度一般会計当初予算額は5,470億66百万円(対前年度当初比340億45百万円増)です。歳入の内訳は県税1,001億06百万円(18.3%)、地方交付税1,732億44百万円(31.7%)、県債454億04百万円(8.3%)で、依存財源が56.0%を占めます。(出典:佐賀県当初予算の概要|令和8年度)

自前の税収で賄える割合が高くない地域では、市の事業も国や県の制度と組み合わせて設計されます。「やりたいこと」を語るときに、財源の話まで一言添えられるかどうかで、話の現実味が変わります。

POINT|計画名を覚えるより、位置の条件から入る

佐賀市の志望動機は、県内最大の人口、県境をまたぐ生活圏、有明海に面した平野、そして中核市移行の検討という4つの条件から組み立てられます。まず1つ選び、そこから自分の関心へつないでみてください。

悪い例「県庁所在地である佐賀市で、幅広い仕事に携わりたいと考えています」

改善例「佐賀市は隣り合う自治体のうち4つが福岡県だと知りました。通勤や買い物で県境をまたぐ方が多いということですので、市の中だけで完結しない暮らしを前提にした支援の仕組みづくりに関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

受験案内を除く3点は、佐賀市が置かれた条件を数字で確かめるための資料です。志望動機に使うものを1つ選んで、開いてみてください。

  • 佐賀市職員採用試験の受験案内(市公式サイトの採用情報に掲載される最新のもの)
  • 佐賀市の総合計画をはじめとする市の主要な計画(市公式サイト掲載の最新版)
  • 中核市移行の検討に関する佐賀市の公表資料
  • 佐賀県地震被害等予測調査報告書(平成27年3月)と、高潮浸水想定区域の公表資料(令和4年3月)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、佐賀市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。佐賀市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

佐賀市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

佐賀市役所の面接の概要

佐賀市の試験で最初に見てほしいのは、面接が何回あるかです。一般事務をはじめとする主な区分では、第二次試験と第三次試験の両方が個別面接で、同じ形式の面接を2回受けます。

令和8年度・夏季試験の枠組み

令和8年度の夏季試験で募集された職種と採用予定人員は、一般事務A(上級)・一般事務B(初級)が合計10名程度、土木A・土木Bが合計5名程度、機械A・機械Bが若干名、保育教諭(中級)5名程度、作業員(技能労務職・初級)5名程度、障がい者を対象とする一般事務Bが若干名です。

段階・職種内容(令和8年度・夏季試験)
第一次試験(全受験者)基礎能力試験(文書読解能力、数的能力、推理判断能力、人文・社会・自然に関する一般知識、基礎英語等についての択一式/テストセンター方式/60分/上級職は大学卒業程度、初級職は高等学校卒業程度)
第一次試験(全受験者)事務能力試験(注意力、瞬時の判断力など日常業務遂行の基本となる能力を測定/テストセンター方式/50分)と、適性検査(仕事への取り組み方やストレス傾向などを測定/Web方式/35分)
第二次試験(一般事務A/B・土木A/B・機械A/B)主として人物、識見等についての個別面接
第三次試験(同上・最終)主として人物、識見等についての個別面接。集団面接・集団討論は試験種目に設定されていない
保育教諭(中級)・作業員(初級)2段階構成。第一次試験は基礎能力試験60分と適性検査35分(ともにテストセンター方式)、第二次試験(最終)が個別面接
障がい者を対象とする試験第一次試験は基礎能力試験(高等学校卒業程度・択一式・60分)と適性検査(35分)。第一次試験合格者に対して個別面接を実施
申込方法採用専用サイト「パブリックコネクト」でのインターネット申込のみ。申込前6か月以内に撮影した顔写真データ(縦横比4対3・JPEG/JPGのみ・最大3MB)の登録が必要
試験結果の開示基礎能力試験及び事務能力試験について、佐賀市役所総務部人事課で原則として口頭により開示請求できる(請求期間は結果発表後1か月間)
併願の扱い早期枠・年度途中採用枠と夏季試験の併願は可能だが、早期枠等の第一次試験の得点で夏季試験の第一次試験の合否判定を行う
配属採用された場合、企業部局(交通局・上下水道局)に配属されることがある

上記は、令和8年度の佐賀市職員採用試験(夏季試験)について市が公表している内容です。人物試験を含む各試験の配点について、案内に記載はありません。試験の区分・種目・配点は年度によって変わりますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。(出典:令和8年度佐賀市職員採用試験(夏季試験)受験案内|令和8年度)

この構成で押さえたいのは2点です。1つは、筆記にあたる部分がすべてテストセンターとWebで完結し、市役所で行われるのは面接だという点。

もう1つは、その面接が2回あり、いずれも「主として人物、識見等について」という同じ説明で書かれている点です。選考の後半は、ほぼ人物の確認に充てられていると読めます。

もう1つ、開示の扱いにも目を向けておきましょう。案内は、基礎能力試験と事務能力試験について人事課で原則として口頭による開示請求ができる(請求期間は結果発表後1か月間)と記していますが、面接試験の得点開示については記載を置いていません。

数字で返ってくる部分と、返ってこない部分がある。準備の重心をどちらに置くべきかは、それだけでも見当がつきます。

併願の扱いも独特です。早期枠・年度途中採用枠と夏季試験の併願はできますが、早期枠等で受けた第一次試験の得点が、そのまま夏季試験の第一次試験の合否判定に使われます。

同じ試験を受け直して点を取り直す形ではない、ということです。

面接で確かめられるものをどう読むか

佐賀市の受験案内は、面接試験の内容を「主として人物、識見等について」とだけ記しています。この一文より踏み込んだ人物像は案内に書かれていませんので、ここでは試験の作りと市の条件から言えることを整理します。

出発点は、県人口のおよそ28%にあたる225,361人が暮らす市だという規模です。この規模になると、市役所だけで完結する課題はほとんどありません。

人口動態も、都市基盤も、防災も、周辺自治体や企業、地域の団体と組まないと形になりません。

現場で聞いた話を制度の言葉に置き換え、制度の話を現場に伝わる言葉に戻す。その往復ができる人が、仕事の中心に立ちやすい環境です。

次に、隣接する9市町のうち4つが福岡県にあるという位置です。生活圏が県境をまたぐ以上、市の施策も市域の中だけでは完結しません。

広い範囲を見て、そのうえで佐賀市が何をするかへ落とす。この視野の広さと、実行できる大きさに収める力の両方が要ります。

そして、案内が明記している企業部局への配属です。交通局や上下水道局に配属される可能性があるということは、事務の仕事が本庁の中だけで完結しないということでもあります。

志望動機を1つの分野に絞り込みすぎず、公営企業を含めた市の仕事の広がりを踏まえて語れると、話の座りがよくなります。

以上は、案内が「主として人物、識見等について」としか書いていない部分を、面接2回という段階構成と市の規模から当研究会が補って読んだものです。佐賀市が採用の基準として掲げた文言ではありません。

そのうえで、備え方そのものは単純です。個別面接が2回ある試験では、1回目で話した内容を2回目でもう一度確かめられます。

2回とも同じ人物に見えることが、うまく話すことより先に来ます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。面接を2回受ける佐賀市では、この7分類の答えを最初に一巡させておくと、二度目の受け答えが安定します。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク画面越しの試験が続きましたが、対面はいかがですか?筆記はすべて画面越し、市役所で会うのは面接だけ。初対面の場での構えの取れ方
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?県庁所在地という理由で止まらず、佐賀市を選んだ根拠まで届いているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?面接は2回。1回目と2回目で自己認識がぶれないか
④ 経験・行動周囲を巻き込んで何かを進めた経験を教えてください人口22万人規模の市。関係者が多い場面での動き方が出るか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことを教えてください専門的な話を、初めて聞く相手に伝わる言葉へ置き換えられるか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?企業部局への配属もありうる市。本庁の事務以外も視野に入っているか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?有明海と活断層を抱える平野の市。世の中の話題を、この土地の条件と結び付けて語れるか

この7つに答えられる状態は、出発点であって到達点ではありません。個別面接が2回ある試験では、同じ話題を角度を変えて二度掘られます。その二度目に効いてくるのが、次の2問です。

合否を分けるのは「佐賀市役所ならでは」の質問

「なぜ佐賀県庁ではなく、佐賀市役所なのですか?」
「佐賀市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

県庁所在地の市を受ける人ほど、この1問目に足をすくわれます。県と市が同じまちにある以上、規模や知名度では答えになりません。

借り物の答えは、二度目の面接で形が崩れます。答えの土台にできる事実を表にまとめました。

質問テーマ知っておきたい佐賀市の事実答え方のヒント
人口と年齢構成住民基本台帳ベースで人口225,361人、高齢化率29.7%、75歳以上16.7%(令和8年1月1日現在)。県全体を同じ基準でみると31.8%と17.7%県より低いという話で終えず、65歳以上66,894人という人数の大きさに触れ、率と実数の違いを自分の言葉で説明します
なぜ県庁ではなく市役所か県庁所在地でありながら中核市には移行しておらず、市は「中核市移行の検討」として1,800を超える事務の移譲と保健所の設置を論点に挙げている県と市の優劣ではなく、住民に直接向き合う事務がどこにあるかという観点で述べ、移行が検討段階である点を正確に言います
県境をまたぐ生活圏隣接する9市町のうち4つが福岡県(福岡市・柳川市・大川市・糸島市)「福岡に近い」で止めず、通勤や買い物が県境をまたぐ前提で施策を考える必要がある、というところまで進めます
地震のリスク佐賀平野北縁断層帯が小城市から佐賀市・神埼市を経て吉野ヶ里町まで約22km延び、全体が活動すればM7.5程度・最大震度7。県全体で全壊焼失約55,000棟・死者約4,300人(冬深夜)という想定数字の紹介で終えず、断層帯が通るのが人と建物の集まる平野部だという意味に踏み込みます
水害と高潮令和元年8月の佐賀豪雨では県内で死亡4名(うち佐賀市1名)。県は令和4年3月に有明海沿岸・松浦沿岸の高潮浸水想定区域を公表地震と水害のどちらに関心があるのかを自分で決めたうえで、有明海に面した平野という条件と結び付けて語ります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接が2回ある選考では、1回目で話した経験を2回目で掘り直されます。話し方の上手さより、同じ経験を何度説明しても中身が変わらないことが効いてきます。

いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
人を巻き込んで進める力立場の違う相手をどう動かしたか。押し切ったのか、譲ったのか人口22万人規模の市。関係者が3人以上いた場面を1つ選び、誰に何を頼んだかまで話せるようにする
現場と制度をつなぐ視点見聞きした具体的な出来事から、仕組みの話へ広げられるか中核市移行の検討という論点を1つ調べ、住民にとって何が変わるのかを自分の言葉で説明できるようにする
二度話しても崩れない一貫性第二次試験と第三次試験で、同じ経験の説明がぶれていないか主要な経験3つについて、事実関係と自分の役割を書き出し、記憶ではなくメモで固定しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 受験する年度の受験案内を市公式サイトで確保する。自分の職種が3段階か2段階か、面接が何回あるかを最初に確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業、課外活動、アルバイト、仕事のそれぞれから、掘られても答えられる具体例を選ぶ
  3. 主要な経験3つについて、時期・関係者・自分の役割・結果を書き出して固定する。2回の面接で説明がぶれないための土台になる
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. この記事の第1部を読み返し、志望分野に近い佐賀市の事実を2つか3つ、資料を見ずに話せるところまで持っていく
  6. 固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む

優先順位に注意

ステップ5と6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ3の書き出しを先に終わらせてください。自分のことを語れない状態で佐賀市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、佐賀市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

佐賀市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

佐賀市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度の夏季試験では、一般事務A・Bが合計10名程度、土木A・Bが合計5名程度という規模で募集され、一般事務や土木、機械の受験者は個別面接を2回受ける構成でした。筆記にあたる部分はテストセンターとWebで完結しますから、市役所であなたを見てもらえるのは面接の場だけです。

県人口のおよそ28%が暮らす市であること、隣り合う9市町のうち4つが福岡県にあること、有明海に面した平野に活断層が通っていること、そして中核市への移行がまだ検討の段階にあること。この4つを前提に、自分がどの持ち場で役に立てるのかを、2回の面接で同じように語れるところまで固めておきましょう。

職種ごとの段階構成と種目は、受験する年度の受験案内で必ず確かめてください。