本記事では、伊万里市職員採用試験の面接対策で必要な、伊万里市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

伊万里市役所の面接では、「なぜ伊万里市を志望したのか」、「入庁後にどの仕事へ携わりたいのか」、「これまでの経験を市の仕事にどうつなぐのか」といった問いが想定されます。伊万里市は、東アジアと向き合う工業港と、江戸期から続く窯業の里を同じ市域に抱えています。第1部でその中身を押さえていきましょう。

なお、第2部で扱う試験の内容は、令和8年度第3回の一般試験(令和9年4月1日付採用)について市が公表している範囲を基準にしています。試験区分や種目は募集の回によって変わりますので、必ず最新の受験案内とあわせてお読みください。

第1部|自治体研究編

伊万里市の特徴

伊万里市を説明するには、港と窯という2つの言葉が要ります。どちらも観光の話ではなく、市役所の仕事の中身に直結する条件です。

  • 伊万里港は昭和26年に重要港湾の指定を受けた、東アジアとの外貿コンテナ航路網を持つ県内唯一の工業港。昭和40年代後半に整備された七ツ島工業団地に、造船・鉄鋼・セメントなどの企業が立地する。
  • 市の南部にある大川内山は、江戸時代に佐賀藩鍋島家の御用窯が置かれた「秘窯の里」。今も約30の窯元が伝統の製法を受け継いでいる。
  • 人口は50,905人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。佐賀県全体787,887人のおよそ6.5%にあたる。
  • 市域は255.24平方キロメートル。同じ住民基本台帳の人口から計算すると、人口密度は1平方キロメートルあたり約199人。
  • 高齢化率は34.1%、75歳以上の割合は18.8%。同じ基準でみた県全体(31.8%・17.7%)をどちらも上回る。
  • 境を接するのは唐津市・武雄市・西松浦郡有田町と、長崎県の佐世保市・松浦市。隣接する5市町のうち2つが県外にある。
  • 市の花はツツジ、市の木はマキ。市役所は立花町1355番地1に置かれている。

伊万里市の基礎データ

数字は多く覚えるほどよいというものではありません。伊万里市の場合、県平均との差が出る2つの率と、市域の広さを押さえておけば土台としては足ります。

項目内容
総人口50,905人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口17,378人(高齢化率34.1%)
75歳以上人口9,546人(総人口の18.8%)
総面積255.24km²(佐賀県の面積約2,400km²のおよそ1割)
人口密度約199人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体唐津市・武雄市・西松浦郡有田町(佐賀県)/佐世保市・松浦市(長崎県)
市の花・木ツツジ(花)・マキ(木)
市役所の所在地伊万里市立花町1355番地1

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。佐賀県が国勢調査をもとに公表している人口統計とは基準が異なるため、この表の値と並べて増減を計算することはできません。面積・隣接自治体・市の花と木・市役所の所在地は、当研究会が整理した基礎データによります。

県平均を上回る高齢化と、広い市域

高齢化率34.1%は、同じ住民基本台帳の基準でみた佐賀県全体の31.8%を2.3ポイント上回ります。75歳以上の割合でも18.8%で、県の17.7%より高い水準です。県全体と大きくかけ離れているわけではありませんが、上回っている側にいるという位置づけは押さえておきましょう。

もう1つの条件が広さです。255.24平方キロメートルに約5万人ですから、人口密度は約199人。港湾部の工業団地から市街地、大川内山のような山あいの集落まで、暮らしの形が同じではありません。

同じ制度を届けるにも、届け先によって手間が変わるという前提で仕事が組まれます。

「伊万里市は人口が5万人ほどで、65歳以上の方が3割を超えていると聞きました。県の平均より少し高いくらいですけれども、市域が広い分、同じ支援を届けるにも移動の時間がかかるのではと感じています」

伊万里市の経済・産業

港が支える製造業

伊万里港は昭和26年に重要港湾の指定を受け、東アジアとの外貿コンテナ航路網を有する県内唯一の工業港とされています。昭和40年代後半に七ツ島工業団地が整備され、造船・鉄鋼・セメントなどの企業が立地してきました。(出典:伊万里港|国土交通省九州地方整備局唐津港湾事務所)

県全体でみても、製造業の比重は小さくありません。令和5年度の佐賀県の県内総生産(名目)は3兆4363億円で、対前年度4.1%増と3年連続のプラス成長でした。

経済活動別の構成比は第1次産業2.3%・第2次産業31.5%・第3次産業66.5%で、製造業が単独で最大の25.4%を占めています。(出典:佐賀県県民経済計算|令和5年度)

港と工業団地を抱える伊万里市は、この県の重心にそのまま接しています。企業誘致や産業振興を志望動機に置くなら、県の第2次産業の厚みと市の港湾機能を一続きで説明できるようにしておきましょう。

秘窯の里と焼きもののまち

大川内山は、江戸時代に佐賀藩鍋島家の御用窯(鍋島藩窯)が置かれた地です。門外不出とされた最高品質の磁器が焼かれ、現在も約30の窯元が伝統の製法を受け継いでいます。(参考:大川内山(秘窯の里)|佐賀県公式観光サイト)

来訪の全体像は、県単位の統計で押さえられます。令和6年(2024年)の佐賀県の総来訪者数(日本人)は4,644万人で前年比2.8%減。内訳は日帰り客4,433万人(同2.6%減)、宿泊者212万人(同6.9%減)でした。(出典:佐賀県観光デジタル人流分析|令和6年)

日帰りが4,433万人に対し、宿泊は212万人。この差が、県内の観光地に共通する宿題です。窯元を訪ねてもらうところまでは届いても、そこから滞在と消費につなげる部分は別の設計が要ります。観光を語るなら、来た人にどう時間を使ってもらうかまで用意しておいてください。

伊万里市の主な行政課題

第1部で見た条件は、そのまま市役所の仕事になります。次の4つを、自分の言葉で説明できるところまで持っていってください。

県全体で続く人口減少

佐賀県の推計人口は令和8年3月1日現在で778,856人。前年同月比では6,068人の減少です。令和8年2月の増減要因をみると、自然動態が556人減、社会動態が60人減で、出生と死亡の差による減少が大きく効いています。(出典:佐賀県推計人口月報|令和8年3月1日現在)

県全体で年6千人規模の減少が続くなかで、高齢化率34.1%の伊万里市が向き合うのは、人を呼び込む施策と、いま暮らす5万人あまりの生活を保つ仕事の両方です。医療も買い物も移動も、高齢化が進むほど段取りが増えます。

市の全域が原発30キロ圏に入るという条件

玄海原子力発電所は東松浦郡玄海町に立地し、30キロメートル圏内には玄海町・唐津市とともに伊万里市が所在します。伊万里市内にPAZ(おおむね半径5キロメートル)に当たる地区はなく、市の全域がUPZ(おおむね半径5から30キロメートル)に入ります。(出典:佐賀県 原子力防災のてびき|令和6年12月改訂)

防護措置の枠組みは、全面緊急事態(放射性物質の放出前)にPAZの住民が避難し、UPZでは基準値以上の放射線が観測された地域が避難、その他の地域は屋内退避というものです。毎時20マイクロシーベルトを超える地域は1週間以内に一時移転、毎時500マイクロシーベルトを超える地域は1日以内に避難という基準も示されています。

令和6年度の佐賀県原子力防災訓練は、県と玄海町・唐津市・伊万里市の主催で実施されました。

市の全域がUPZに入るということは、避難の指示と屋内退避の指示を、同じ市民に向けて使い分けなければならないということです。防災担当だけの話にはなりません。

水害と、産業のまちならではの二次被害

令和元年8月の佐賀豪雨では、県内で死亡4名(武雄市3名・佐賀市1名)、重傷2名の人的被害が生じました。(出典:令和元年佐賀豪雨の被害状況|佐賀県)

伊万里市では、この豪雨のときに市内の鉄工所から油が流出する事故が起きています。地元消防本部がオイルロープを設置して油吸着マットで処置し、伊万里港の側は港湾管理者である佐賀県が油除去作業と漂流物の回収作業を実施しました。(出典:令和元年8月の前線に伴う大雨に係る被害状況等について|令和元年12月)

工業港と工業団地を抱えるまちでは、水害が水害だけで終わらないことがあります。浸水した後に何が起きるかまで想像が及ぶかどうかは、防災を語る際の厚みに直結します。

産業と暮らしの担い手

造船も窯業も、そして介護も、人がいなければ続きません。人口が減り高齢化率が上がる局面で、市が抱えるのは「事業所をどう残すか」と「働く人をどう確保するか」が重なった問題です。産業振興を志望動機に置く場合も、福祉を志望動機に置く場合も、担い手をどう増やすかという視点は共通して効いてきます。

伊万里市の重点政策|県の方向づけと市の計画

伊万里市が自前で決めることと、県の枠組みの中で動くことは分かれています。原子力防災の体制も伊万里港の管理も後者です。市の計画を読む前に、県が何を柱に置いているかを先に押さえておきましょう。

人口減少を最重要に置く県の姿勢

佐賀県人口ビジョン(平成27年6月策定)は、若い世代の都市部への流出や出生率の低下により人口減少時代を迎えており、このままでは経済活動や集落機能の低下など地域の活力が失われていくことが懸念される、と課題を明記しています。

同ビジョンは、国立社会保障・人口問題研究所の推計(2013年3月推計)をもとに、県の総人口が2040年に68.0万人、2060年に54.3万人になるという試算を示しました。(出典:佐賀県人口ビジョン|平成27年6月)

この試算は策定時点のものであり、基礎とした推計も2013年のものです。数字をそのまま現在の見通しとして語らないよう気をつけてください。押さえるべきは、県が人口減少を最上位の課題に置いているという構えのほうです。

県の産業の重心と、伊万里の位置

先に見たとおり、令和5年度の佐賀県の県内総生産(名目)3兆4363億円のうち、製造業が単独で25.4%を占めています。一人当たり県民所得は304万4千円(同年度・対前年度7.5%増)で、一人当たり国民所得352万1千円を47万7千円下回り、国を100とした所得水準は86.4でした。

県外・海外へ売る力をどう伸ばすかは、県にとっても市にとっても共通の宿題です。伊万里市は、外貿コンテナ航路を持つ港と、名の通った焼きものという2つの入口を持っています。売る手段を2つ持っている市で、自分はどちらの入口から関わりたいのか。

志望動機はここから具体化できます。

POINT|計画名より、市の条件から入る

伊万里市の場合、志望動機の材料は計画名の暗記より先に手元にあります。市の全域がUPZに入るという条件、県内唯一とされる工業港、約30の窯元。このどれか1つを起点に、自分が何をしたいのかを組み立ててみてください。

悪い例「伊万里市の防災に貢献したいと考えています」

改善例「市の全域が原発から30キロ圏に入ると知りました。避難するのか家にとどまるのかで動きがまったく変わるということですので、いざという時に住民の方が迷わないよう、ふだんから伝わる形で届ける仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

並べた順番に意味があります。1つ目は受験に必須、2つ目以降は志望動機の裏づけに使う資料です。

  • 伊万里市職員採用試験の受験案内(市公式サイトの採用情報に掲載される最新のもの)
  • 伊万里市の総合計画をはじめとする市の主要な計画(市公式サイト掲載の最新版)
  • 佐賀県 原子力防災のてびき(令和6年12月改訂)
  • 佐賀県人口ビジョン(平成27年6月)
  • 佐賀県県民経済計算の概要(令和5年度)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、伊万里市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。伊万里市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

伊万里市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

伊万里市役所の面接の概要

伊万里市の採用試験は、同じ回の試験でありながら、試験区分によって第一次試験の中身が3通りに分かれます。まず、その枠組みから見ていきましょう。

令和8年度第3回・一般試験の枠組み

令和9年4月1日付採用の第3回一般試験で募集された試験区分は、一般事務Ⅰ、一般事務J(障がい者)、土木・建築Kの3つで、採用予定はいずれも若干名です。すべての試験区分で学歴は問われず、住所要件もありません。

段階・試験区分内容(令和8年度第3回・一般試験)
第一次試験(一般事務Ⅰ・一般事務J)教養試験。高等学校卒業程度で、時事、社会・人文及び自然に関する一般知識と、文章理解、判断・数的推理及び資料解釈に関する能力についての択一式40問・2時間
第一次試験(土木・建築K/有資格者)基礎能力検査(SCOA)。高等学校卒業程度で、文書読解能力、数的能力、推理判断能力、人文・社会・自然に関する一般知識、基礎英語等についての択一式120問・1時間。全国47都道府県に設定されたテストセンターで受験できる
第一次試験(土木・建築K/資格なし)教養試験に加え、専門試験(土木または建築の択一式30問・1時間30分)。受験会場は伊万里市内の会場のみで、テストセンター受験はできない
第一次と第二次の間全国のテストセンターで、適性検査(職員としての適性等を測定する検査)と事務能力検査(事務処理能力を測定する検査)を実施
第二次試験(全区分)作文試験(1時間30分。文章による表現力・文章構成力等についての筆記試験)、面接試験(15分から20分の個別面接)、資格調査(受験資格の有無と申込書記載事項の真否の調査)
面接の形式個別面接。集団面接・集団討論は試験種目に設定されていない
申込方法インターネット(入力フォーム)、直接持参、郵送(簡易書留)の3方式
提出書類伊万里市職員採用試験申込書(一般試験)。一般事務Jは障がい者手帳等の写し、土木・建築K(有資格者)は資格の取得状況がわかるものの写しを同封
面接カード面接カード・エントリーシートの提出は、受験案内に記載されていない

上記は、令和8年度第3回の一般試験(令和9年4月1日付採用)について伊万里市が公表している内容です。各試験の配点と人物試験の比重は、この案内には公表されていません。試験区分・種目・配点は募集の回や年度によって変わりますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。(出典:伊万里市職員採用試験(第3回・一般試験)の案内|令和8年度)

この構成から読み取れることが2つあります。1つは、提出物が申込書1枚だという点です。面接カードもエントリーシートもありません。

もう1つは、第二次試験に90分の作文が置かれていることです。あなたを説明する材料を出せるのは、作文と個別面接という2つの場だけです。

求める人物像の公表状況

伊万里市が求める人物像を言葉にして掲げている箇所は、採用情報ページにも令和8年度第3回の受験案内にも置かれていません。代わりに読めるのは、市が何を試験種目として選んだのかという事実です。

出発点は、試験区分が3つで採用予定がいずれも若干名という、採用の規模です。港湾、原子力防災、窯業の振興、福祉、そして日々の窓口。人口5万人あまりの市では、この幅を限られた人数で受け持つことになります。

担当が一人だけという配置も生じますから、前例の見当たらない案件を渡されたときに自力で調べて形にできるかどうかが、仕事の進み方をそのまま左右します。

次に、市域255.24平方キロメートル・人口密度約199人という広がりです。港湾部の工業団地から山あいの集落まで、市民の暮らし方は一様ではありません。同じ地区へ何度も足を運ぶ担当者にとって、前回の説明との食い違いはすぐ表に出ます。

一度口にしたことを守り切る姿勢が、この市では何よりの信用になりやすいでしょう。

そして、市の全域がUPZに入るという条件です。避難と屋内退避のどちらを指示するかで市民の行動は正反対になります。決まったことを、慌てず、決まったとおりに伝えられるか。

この落ち着きは、平時の仕事ぶりから確かめられやすい部分です。

以上の3点は、受験案内に書かれた事実そのものではなく、申込書1枚・作文90分・個別面接という種目の並びから当研究会が引き出した読み方です。市が基準として示したものではありません。

そのうえで手を動かす話に移ると、提出物が申込書1枚である以上、あなたの経歴も志望も、90分の作文と20分足らずの個別面接だけで伝えることになります。この短さで通用するのは、実際に手を動かした場面の細部です。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。伊万里市の面接も、まずはこの7分類で一度ずつ答えを作るところから始めてください。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどのように会場まで来られましたか?第二次試験は市内での対面。移動の話のような雑談で、構えすぎない受け答えができるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?学歴も住所も問われない試験。誰でも受けられるなかで伊万里市を選んだ理由がどこまで具体的か
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?採用予定は各区分とも若干名。弱点を隠さずに言い、その後どう補ってきたかまで続けられるか
④ 経験・行動これまでで最も苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください提出物は申込書1枚。経験の中身を口頭でどこまで細かく出せるか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことを教えてください第二次試験には90分の作文もある。書く内容と話す内容の筋が通っているか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?港湾も窯業も原子力防災も市の仕事の範囲。どの現場に立ちたいかを名指しで言えるか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?市の全域がUPZに入る地域。社会の出来事を自分の暮らしまで引き寄せて考えているか

ただし、この7つは受験案内を開かなくても答えを用意できます。伊万里市を受けると決めたなら、その先に踏み込んだ2問が待っています。

合否を分けるのは「伊万里市役所ならでは」の質問

「なぜ佐賀県庁ではなく、伊万里市役所なのですか?」
「伊万里市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

作文90分と個別面接20分弱。この2問に割ける時間は、そのうちのごく一部です。短く答えて、なお中身があると思わせるには、市の事実を1つ握っておく必要があります。

答えの材料になるものを表にまとめました。

質問テーマ知っておきたい伊万里市の事実答え方のヒント
人口と年齢構成住民基本台帳ベースで人口50,905人、高齢化率34.1%、75歳以上18.8%(令和8年1月1日現在)。同じ基準の県全体は31.8%・17.7%県より高いと言うだけで止めず、市域255.24km²に約5万人という広がりと重ねて、支援の届け方の話へ進めます
なぜ県庁ではなく市役所か試験区分は一般事務Ⅰ・一般事務J・土木建築Kの3つで、採用予定はいずれも若干名。学歴要件も住所要件もない県と市のどちらが上かという比べ方を避け、5万人規模のまちだからこそ自分が届けられるものを、実際の経験から挙げます
伊万里港と工業団地昭和26年に重要港湾の指定を受け、東アジアとの外貿コンテナ航路網を持つ県内唯一の工業港。七ツ島工業団地に造船・鉄鋼・セメントなどが立地港の紹介で終えず、令和元年の豪雨で市内の鉄工所から油が流出した事実まで押さえ、産業と防災を一続きで語ります
大川内山と窯業江戸時代に佐賀藩鍋島家の御用窯が置かれた「秘窯の里」。今も約30の窯元が伝統の製法を受け継ぐ焼きものの魅力を語るだけで終えず、県全体で宿泊212万人に対し日帰り4,433万人(令和6年)という構図を踏まえ、滞在につなげる視点を添えます
原子力防災玄海原発の30km圏に玄海町・唐津市とともに所在し、市内にPAZ該当地区はなく全域がUPZ。令和6年度の県原子力防災訓練にも市が主催として加わった危険性の指摘で止めず、避難と屋内退避で市民の行動が変わるという枠組みの理解を示し、伝える側の仕事へ話をつなげます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

伊万里市が求める人物像にあたる文言は公表されていませんので、ここでは公務員の採用面接に共通する見方と、この市の試験の作りを重ねて、確かめられやすい観点を3つ挙げます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
一人で分野を回す粘り前例のない仕事に当たったとき、どこまで自分で形にしたか各区分とも採用予定は若干名。誰にも引き継げない状態で最後までやり切った経験を1つ選び、途中の判断まで話せるようにする
書いて伝える力90分の作文で書いた内容と、面接で話す内容の筋が一致しているか志望動機を一度600字程度で書き、同じ中身を口頭で1分にまとめる練習をしておく
落ち着いて伝える姿勢予定外の事態で、決まったことを正確に伝えられるか市の全域がUPZという地域。知識を並べるより、慌てる場面で自分がどう動いたかの話を用意する

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 市公式サイトの採用情報から、受験する回の受験案内を入手する。自分の試験区分の第一次試験が教養試験か基礎能力検査か、専門試験があるかを最初に確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動・アルバイト・仕事のそれぞれについて、当時の状況まで思い出せる場面を1つずつ挙げる
  3. 申込書に書く内容と、面接で話す内容がずれないように整える。提出物が申込書1枚である以上、そこに書いた一行から質問が始まる
  4. 第二次試験の作文に備え、志望動機と関心分野を600字程度で一度書いてみる
  5. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  6. 固有質問の対応表から材料を選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む

優先順位に注意

ステップ6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ3の申込書の整理を先に終わらせてください。自分のことを語れない状態で伊万里市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、伊万里市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

伊万里市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

伊万里市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度第3回の一般試験では、一般事務Ⅰ・一般事務J・土木建築Kの3区分が募集され、採用予定はいずれも若干名でした。学歴も住所も問われない試験ですから、受ける側の入口は開かれています。提出するのは申込書1枚、第二次試験は90分の作文と15分から20分の個別面接。

あなたを伝える場は、この2つに限られます。人口5万人あまり、市域255.24平方キロメートル、そして市の全域が原発から30キロ圏に入るまち。この3つを前に置いて、自分がどの仕事に手を伸ばしたいのかを決めてから本番に臨んでください。

話す材料は、経験した順に並べておけば足ります。試験区分ごとの種目と配点は、受験する回の受験案内で必ず確かめてください。