本記事では、高知県香南市の職員採用試験の面接対策で必要な、香南市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
香南市役所の面接試験では、「なぜ香南市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。香南市は求める人物像を試験案内の冒頭に掲げており、面接で確かめられる方向がはっきりしている市です。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と香南市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。なお、試験の枠組みに触れる部分は、令和8年度香南市職員採用試験(令和9年4月採用)の試験案内にもとづきます。
第1部|自治体研究編
香南市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは香南市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 高知県の東部にあり、安芸市・南国市・香美市・安芸郡芸西村と接する市。市役所は野市町西野に置かれている。
- 市域の面積は126.46km²。太平洋に面しており、県内の市のなかでは市域がまとまっている。
- 人口は3万2,292人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
- 65歳以上の割合は32.6%で、高知県全体の36.5%を下回る。県内では年齢構成が若い側にある市。
- 市公式サイトは、ニラの生産量が日本一、みかんは高知県で一番と紹介しており、園芸が地域の柱になっている。
- 承応2年(1653年)に土佐藩家老の野中兼山が完成させた手結内港が残る。国内で初めての本格的な掘込港湾とされ、江戸初期のものとしては最大級。
- 市は消防本部を自ら持ち、職員採用でも消防士が試験区分の一つに置かれている。
香南市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「香南市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模と年齢構成、市域の広さを並べました。香南市は県の平均と違う動きを見せる項目があるため、高知県全体の数字も添えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 32,292人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口(高齢化率) | 1万539人(32.6%)/高知県全体は36.5% |
| 75歳以上人口(75歳以上率) | 6,472人(20.0%)/高知県全体は22.2% |
| 総面積 | 126.46km² |
| 人口密度 | 約255.4人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 安芸市、南国市、香美市、安芸郡芸西村 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の値です。国勢調査や県の推計人口は集計の基準が異なる統計のため、本表の値と混ぜて比較することはできません。総面積および隣接自治体は、当研究会が整理した基礎データにもとづく値です。
県平均より若い年齢構成をどう見るか
高知県全体の高齢化率が36.5%であるのに対し、香南市は32.6%。75歳以上の割合も20.0%で、県全体の22.2%を下回ります。
人口密度は1平方キロメートルあたり約255人と、県内の市のなかでは人が集まって暮らしている部類です。県のなかでは相対的に若く、人が近い距離で暮らすまちだと押さえておきましょう。
ただし、県より若いことは課題がないことを意味しません。
3人に1人が65歳以上という構成は全国的に見れば十分に高く、しかも県内の他市町村から人が移ってくる受け皿になれば、その分だけ子育てや住宅、交通の需要も動きます。
面接で数字に触れるときは、県との比較で見えることと、全国と比べて見えることを分けて話すと、理解の深さが伝わります。
香南市の経済・産業
ニラとみかんの産地として
香南市の公式サイトは、市の農業についてニラは日本一、みかんは高知県で一番の生産量と紹介しています。
高知県全体でも、温暖多照の気候を生かした施設園芸が農業の柱で、シシトウやナス、ショウガ、ミョウガ、ニラなどが「土佐を代表する園芸11品目」として掲げられています。
香南市は、その県の看板を実際に支えている産地の一つだといえます。(出典:香南市で働く(農業)|香南市公式サイト/高知県の農林水産業|県公式サイト)
江戸初期の掘込港湾が残るまち
手結内港は、承応2年(1653年)に土佐藩家老の野中兼山が完成させた港です。
市公式サイトは、国内で初めての本格的な掘込港湾であり、江戸初期のものとしては最大級(南北約112メートル・東西約49メートル)と紹介しています。
港を掘って地域の産業をつくるという発想が、370年前からこの土地にあるという点は、観光の素材としてだけでなく、まちづくりを語るときの足がかりにもなります。(出典:手結内港|香南市公式サイト)
県の地産外商という方針のなかで
高知県は「地産外商」、つまり県外・海外から外貨を獲得する取組を柱に据えた産業振興を進めています。
県内市場だけに頼らず外へ売るという方針は、日本一の生産量を持つ品目を抱える香南市にとって特に相性のよい考え方です。
観光面では、令和4年に県を訪れた県外観光客が370万7千人と推計され、県外観光客一人当たりの県内消費額は26,076円でした。
農産物と観光を別々に語るのではなく、産地であることが来訪の理由にもなるという線でつなげると、話に広がりが出ます。(出典:高知県観光客入込・動態調査報告書|令和4年)
香南市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、香南市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
県全体の人口減少という背景
高知県は人口減少問題を県政における喫緊に取り組むべき最重要課題と位置づけ、若年層の県外への転出超過が若年人口を減らし、それが婚姻件数や出生数の減少を加速させるという「負の連鎖」が生じていると公式文書で示しています。香南市は県内では年齢構成が若い側にありますが、県全体が縮んでいく流れの外にあるわけではありません。(出典:高知県元気な未来創造戦略|令和6年3月)
津波想定と、太平洋に面したまち
南海トラフ巨大地震の市町村別最大津波高について、内閣府は令和7年3月に香南市の値を14メートルと公表しています(満潮位・地殻変動を考慮した11ケースの最大値)。
高知県が令和8年3月に公表した令和7年度〔高知県版〕被害想定では、最大クラス(陸側ケース④)・冬深夜の条件で、市内の死者数は現状のまま920人と見込まれました。
県は同じ資料で、早期避難率が現状の73%から100%になれば県全体の津波による死者を14,000人から2,000人まで減らせるとしています。
人口3万2,292人という規模に照らせば、逃げる時間をどれだけ稼げるかが、そのまま結果の差になることが分かります。(出典:南海トラフ巨大地震の市町村別最大津波高一覧|令和7年3月/令和7年度〔高知県版〕南海トラフ地震被害想定・市町村ごとの被害|令和8年3月)
日本一の産地を、誰が受け継ぐか
ニラの生産量が日本一という看板は、それを支える人がいて初めて成り立ちます。全国の産地と同じく、担い手の年齢構成と後継者の確保は避けて通れない論点です。
市の農業を語るなら、生産量の紹介で終わらせず、技術をどう次の世代へ渡すかという問いまで踏み込むと、行政の仕事としての輪郭が出ます。
消防まで自前で抱える市役所
香南市は消防本部を持ち、職員採用試験の区分にも消防士が置かれています。
3万人規模の市が、事務・土木・消防を同じ試験のなかで一度に募るということは、それぞれの職域を薄く広くではなく、必要な人数だけ確実に確保しなければならないということです。
一人欠けたときの影響が大きい組織だという前提は、面接での受け答えを考えるうえでも意識しておく価値があります。
香南市の重点政策|園芸のまちと県の戦略
香南市の施策は、高知県が県全体で描く方向と重ねると位置づけが見えます。
県は高知県産業振興計画・元気な未来創造戦略のもとで「地産外商」を柱にした産業振興を進め、人口減少への対応を県政の最重要課題に据えています。
日本一の生産量を持つ品目を抱える香南市は、この県の戦略のなかで産地としての役割を担う立場にあります。
産地であることを、まちの力に変える
農産物の生産量は、それ自体が市の強みです。ただ、行政の仕事は生産量を守ることだけではありません。
産地であることを、移住してくる人の働き口として、学校での学びとして、来訪者を呼ぶ理由として、どう広げていくか。手結内港のように、地形に手を入れて産業をつくった歴史がこの土地にはあります。
今ある強みを別の分野へつなぎ直す発想が、香南市の政策を読むときの手がかりになります。
POINT|生産量の数字は、話の入口にすぎない
市の資料を読むときは、数字を覚えることではなく「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すのか → ③そのための現在の取組 → ④市役所だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験をどう生かすか」の順に整理しましょう。この形で頭に入れておくと、掘り下げられたときに次の一手が見えます。
悪い例「香南市の農業を盛り上げる仕事がしたいです」
改善例「香南市はニラの生産量が日本一だと知りました。私は、その産地であることを移住してくる方の働き口の情報として届ける仕事に関わりたいです。まずは窓口で市民の方の相談を受けながら、市の産業を自分の言葉で説明できるようになりたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
香南市の情報は、市の公式サイトと県の資料に分かれて置かれています。次の4つは、どの区分を受ける場合でも一度は開いておきたいものです。
- 香南市職員採用試験の最新の試験案内と、区分ごとの面接シートの様式
- 香南市が公表する総合計画と当初予算の資料
- 香南市公式サイトの産業・観光のページ(農業と手結内港の紹介)
- 高知県元気な未来創造戦略(地産外商と人口対策の全体像)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、香南市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。香南市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
香南市役所の面接の概要
ここからは、香南市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
3段階の選考と、2回の個人面接
令和8年度香南市職員採用試験は、第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階で行われます。第2次試験と第3次試験の面接はどちらも個人面接で、集団面接や集団討論は課されません。
第3次試験にいたっては全試験区分共通で個人面接試験のみが実施されます。
| 項目 | 内容(令和8年度・香南市職員採用試験/令和9年4月採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験、第2次試験、第3次試験の3段階構成 |
| 試験区分 | A初級事務、B民間企業等職務経験者、C初級事務(障害者対象)、D初級土木、E消防士の5区分。採用予定人員はいずれも若干名で、複数区分への重複申込はできません |
| 第1次試験 | 全区分共通で基礎能力検査(60分)と事務能力検査(50分)。基礎能力検査は文章読解能力、数的能力、論理的思考能力、人文・社会、自然に関する一般知識、基礎英語についての択一式です。D初級土木には専門試験(90分)、E消防士には体力試験が加わります |
| 第2次試験 | 全区分で個人面接試験。積極性、社会性、コミュニケーション力、責任感、経験学習力、自己コントロール等が対象です。E消防士のみ身体検査が加わります |
| 第3次試験 | 全試験区分共通で個人面接試験のみ。観点は第2次試験と同じです |
| WEB検査 | 第1次試験合格者は、第2次試験までの指定された期間にWEB検査(職員としての適応性を択一式でみる検査)を受検します。過去に実施したことがある受験者は免除とされています |
| 面接シート | 第2次試験の前に提出が必要です。手書きで作成し、申込専用サイトのメッセージに添付するか、持参または郵送します。期限までに提出がない場合や未回答の場合は第2次試験を受験できません |
| 配点 | 各試験科目の配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください |
上記の試験構成は、香南市が公表している令和8年度香南市職員採用試験(令和9年4月採用)の試験案内にもとづく内容です。試験の構成・区分・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
この設計から読み取れるのは、香南市が人物を見る場面を二段構えで用意しているということです。しかも二つの面接で見る観点は同じものが並んでいます。
同じ角度から二度確かめられるということは、一度目でうまく言えた答えをそのまま繰り返すだけでは足りないということでもあります。(出典:令和8年度香南市職員採用試験 試験案内)
香南市が公表している求める人物像
香南市は試験案内の冒頭で、募集する人物像を四つ挙げています。香南市が好きな人、チームワークを大切にできる人、チャレンジ精神のある人、市民の目線に立って行動できる人、という並びです。
抽象的な理念ではなく、募集の言葉として直接掲げられている点に意味があります。
この四つは、そのまま面接で確かめられる観点だと考えてよいでしょう。「香南市が好き」であることは、市の何を知っていて何に惹かれたのかで測られます。
「チームワーク」は、集団のなかで自分が何を引き受けたかという事実で測られます。言葉に賛同することと、その言葉に沿った行動をしてきたことは別です。
四つの人物像それぞれに、自分の経験を一つずつ結びつけておきましょう。
面接シートは手書きで、5つの設問に答える
初級事務などの区分で使う面接シートには、5つの設問が並んでいます。
志望理由と市職員として取り組んでみたいこと、発揮できる経験や能力などのセールスポイント、他者と協力して挑戦した経験と苦労した点・そこから学んだこと、自分が目指す「職員像」とその実現方法、そして併願状況です。
記入は黒のボールペンまたは万年筆を用い、楷書で用紙に直接手書きするよう注意事項に明記されています。
注目したいのは四つ目の設問です。市が求める人物像を掲げたうえで、受験者自身にも目指す職員像を書かせています。
市の言葉と自分の言葉が、同じ紙の上で並べて読まれるということです。
市の四つの人物像をなぞるだけでも、まったく無関係な理想を書いても、そこに理由がなければ弱くなります。(出典:令和8年度香南市職員採用試験 面接シート)
なお、ここから先の読み方は当研究会の整理です。3万人規模の市役所で、事務も土木も消防も同じ試験で募る組織では、一人の職員が扱う分野は自然と広がります。
だからこそ、はじめての仕事を任されたときに自分で調べ、周囲に確かめながら進められるかどうかが問われやすくなります。
市が「チャレンジ精神」と「チームワーク」を並べて掲げているのは、この二つが同時に必要な職場だからだと読むこともできます。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。香南市役所の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日は緊張していますか? | 取り繕わずに答えられるか。自己コントロールの入口が見えるところ |
| ② 動機・志望 | 香南市のどんなところが好きですか? | 市が掲げる「香南市が好きな人」に、具体的な理由が伴っているか |
| ③ 自己理解 | 自分の弱点を、どう補ってきましたか? | 弱点の自覚と、それに対して実際にとった手立て |
| ④ 経験・行動 | 他の人と協力して何かに挑戦した経験を教えてください | 面接シートの設問と同じ観点です。役割の名前ではなく行動の中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学校や職場で学んだことを、市の仕事にどう生かせますか? | 学んだ内容を、知らない相手に伝わる形へ置き換えられるか |
| ⑥ 適性・将来 | あなたが目指す職員像を教えてください | 面接シートに書いた職員像を、口頭で説明し直せるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 市民の目線に立つとは、どういうことだと思いますか? | 市が掲げる言葉を、自分の経験から言い換えられるか |
香南市の場合、この7項目の多くは面接シートの5問と重なります。書いた時点で一度整理されるため、受験者どうしの準備の量は近づきます。
実際に評価が割れるのは、この次に挙げる問いのほうです。
合否を分けるのは「香南市役所ならでは」の質問
香南市は個人面接を二度重ね、そのどちらでも同じ観点を見ます。一度目で話した内容の裏側を二度目に問われる構成では、市について語れる材料の量がそのまま持ち時間の余裕になります。
こうした質問に答えるための「香南市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい香南市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口と年齢構成 | 住民基本台帳で3万2,292人。65歳以上が32.6%で、高知県全体の36.5%を下回る(令和8年1月1日現在) | 県より若いという相対的な位置と、全国から見れば高い水準であることの両方に触れます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 試験案内の冒頭に、香南市が好きな人、チームワークを大切にできる人、チャレンジ精神のある人、市民の目線に立って行動できる人という四つの人物像が掲げられている | 四つの人物像から一つを取り上げ、それに沿う行動をとった経験を挙げたうえで、香南市で何に使いたいのかへ続けます |
| 香南市の魅力 | 市公式サイトはニラの生産量が日本一、みかんは県内一と紹介。承応2年に野中兼山が完成させた手結内港も残る | 名所の列挙で終えず、産地であることや歴史をまちの力にどう変えるかまで踏み込みます |
| 南海トラフ地震への備え | 内閣府の公表では市の最大津波高は14メートル。県の被害想定では冬深夜・最大クラスで市内に大きな人的被害が見込まれる | 想定されている被害の重さを受け止めたうえで、逃げる時間をどう稼ぐかという市の備えへ話をつなぎます |
| 市の組織のかたち | 市は消防本部を持ち、採用試験の区分には事務・土木とあわせて消防士が置かれている | 職域の幅が広い組織であることを踏まえ、希望と違う配属への構えを添えて話します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
香南市の試験案内は、個人面接試験で見る観点として積極性、社会性、コミュニケーション力、責任感、経験学習力、自己コントロールなどを挙げています。
いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。ここでは、市が掲げる人物像と重なりの深い三つを取り上げます。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 積極性とチャレンジ精神 | 自分から動いた場面と、その結果うまくいかなかったときの立て直し方を問われます | 成功した話だけでなく、途中で方法を変えた経験を用意しておきます |
| 経験学習力 | 同じ失敗を繰り返さないために、その経験から何を持ち帰ったかを確かめられます | 一つの経験について「そこから変えた行動」を一文で言えるようにします |
| 市民の目線に立つ姿勢 | 相手の立場に立って動いた具体的な場面と、その結果相手がどう変わったかを問われます | 面接シートに書いた内容と食い違わないよう、同じ経験を使って説明を組み立てます |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
香南市は個人面接が二度あるため、この掘り下げは段階をまたいで続きます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 香南市が公表する最新の試験案内を開き、自分が受ける区分の試験科目と、面接シートの様式・提出方法を確認する
- これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動・アルバイトや仕事から、人と組んで動いた場面を選び出す
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 市が掲げる四つの人物像それぞれに、自分の経験を一つずつ当てはめ、声に出して説明してみる
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、香南市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
香南市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度の香南市職員採用試験は、第2次と第3次で個人面接を重ね、そのどちらでも同じ観点から人物を確かめる形でした。求める人物像が四つ示され、面接シートでは自分の目指す職員像まで書かせる試験です。
市の言葉と自分の言葉が並べて読まれるのですから、覚えた表現を借りるより、これまでにとってきた行動をそのまま出すほうが強く働きます。
ニラの産地としての顔と、津波の想定を抱える顔。その両方を持つまちで自分に何ができるかを、四つの人物像に一つずつ結びつけながら言葉にしていってください。