本記事では、宿毛市(すくもし)職員採用試験の面接対策で必要な、宿毛市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
宿毛市役所の面接試験では、「なぜ宿毛市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。宿毛市の第二次試験は作文と面接だけで構成されるため、書いた内容と話す内容が食い違わない準備が要ります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と宿毛市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。なお、試験の枠組みに触れる部分は、令和8年度第2回宿毛市職員採用資格試験(令和9年度採用)の試験案内にもとづきます。
第1部|自治体研究編
宿毛市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは宿毛市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 高知県の西南部にあり、愛媛県の宇和島市・南宇和郡愛南町と接する県境の市。県内では土佐清水市・四万十市・幡多郡大月町・三原村と隣り合う。
- 市域の面積は286.14km²。市街地から山あいの集落まで幅があり、移動距離のある市域を一つの役所で受け持っている。
- 人口は1万7,971人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。
- 65歳以上の割合は41.4%。高知県全体の36.5%を約5ポイント上回る水準にある。
- 市役所は宿毛市希望ヶ丘に置かれ、採用試験は総務課人事係が所管している。
- 市の花は寒蘭、市の木はクスノキ。
- 職員採用では、一般事務や土木のほかに保育士・保健師・看護師・管理栄養士、そして船員(機関士)まで募集の対象になる年がある。
宿毛市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「宿毛市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、年齢構成、市域の広さ、そして接している自治体を並べました。県境に位置するという宿毛市の立ち位置は、この4つでおおよそ説明がつきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 17,971人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口(高齢化率) | 7,444人(41.4%)/高知県全体は36.5% |
| 75歳以上人口(75歳以上率) | 4,420人(24.6%)/高知県全体は22.2% |
| 総面積 | 286.14km² |
| 人口密度 | 約62.8人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 接している自治体 | 高知県内は土佐清水市・四万十市・幡多郡大月町・三原村。愛媛県側は宇和島市・南宇和郡愛南町 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の値です。調査の基準が国勢調査や県の推計人口とは異なりますので、これらと並べて増減を計算することはしないでください。総面積・接している自治体は当研究会が整理した基礎データによります。
4割を超えた高齢化率が示すもの
高知県全体でも36.5%と全国的に高い水準ですが、宿毛市の41.4%はそれをさらに上回ります。75歳以上に絞ると4,420人・24.6%で、市民のおよそ4人に1人が後期高齢者にあたる計算です。
支えられる人が増え、支える側が減るという変化が、福祉だけでなく防災や交通の設計にも同時に効いてきます。
面接で人口の話に触れるときは、数字の紹介で止めないことが大切です。この年齢構成のもとで市の窓口に何が持ち込まれるのか、そこに自分がどう関わりたいのかまで一続きで話せると、調べた数字が志望動機の一部として働き出します。
宿毛市の経済・産業
県の一次産業のなかに置かれた市
高知県は700キロを超える長い海岸線を持ち、遠洋・近海のかつお・まぐろ漁業に加えて、定置網漁業や魚類養殖業などの沿岸・沖合漁業が営まれています。
農業では温暖多照の気候を生かした施設園芸が盛んで、シシトウやナス、ショウガ、ミョウガなど「土佐を代表する園芸11品目」が県の看板です。
宿毛市の産業も、この海と畑の組み合わせのうえに立っています。(出典:高知県の農林水産業|県公式サイト)
森林県のなかの市域
高知県の森林率は84%で全国1位、人工林率は65%、森林面積は594,090ヘクタールにのぼります(林野庁・令和4年3月31日現在)。
全国平均の67%と比べても突出した水準です。宿毛市の市域も286平方キロメートルを超えます。
県土をこれだけ森林が占めるという事実は、林業という産業の話であると同時に、道路の維持、集落への移動時間、災害時の孤立といった行政課題に直結します。(出典:都道府県別森林率・人工林率|令和4年3月31日現在)
県外へ売り、県外から呼ぶという方針
高知県は「地産外商」、つまり県外・海外から外貨を獲得する取組を戦略の柱に据え、県内市場だけに頼らない産業振興を進めています。
観光の面では、令和4年に県を訪れた県外観光客が370万7千人と推計され、県外観光客一人当たりの県内消費額は26,076円でした。
県境に接する宿毛市は、愛媛県側から人と物が入ってくる入口でもあります。
産業や観光を語るなら、市の中だけで完結させず、県外との行き来をどう取り込むかという視点で組み立てましょう。(出典:高知県観光客入込・動態調査報告書|令和4年)
宿毛市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、宿毛市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
若い世代が出ていくという流れ
高知県は、長年にわたる若年層の県外への転出超過によって若年人口が減り、それが婚姻件数や出生数の減少を加速させ、さらに若年人口の減少を招くという「負の連鎖」が生じていると公式文書で課題認識を示しています。
県はこの人口減少問題を県政の最重要課題と位置づけています。
宿毛市で少子化対策や移住定住を語るときは、この連鎖のどこを断とうとしているのかを意識すると、話に筋が通ります。(出典:高知県元気な未来創造戦略|令和6年3月)
地震と津波にどう備えるか
内閣府が令和7年3月に公表した南海トラフ巨大地震の市町村別最大津波高(満潮位・地殻変動を考慮した11ケースの最大値)では、宿毛市は25メートルとされています。
高知県が令和8年3月に公表した令和7年度〔高知県版〕被害想定では、最大クラス(陸側ケース④)・冬深夜の条件で、市内の死者数は現状のまま760人と見込まれました。
県全体では、早期避難率が現状の73%から100%になれば津波による死者を14,000人から2,000人まで減らせるという試算も併せて示されています。(出典:南海トラフ巨大地震の市町村別最大津波高一覧|令和7年3月/令和7年度〔高知県版〕南海トラフ地震被害想定・市町村ごとの被害|令和8年3月)
8つの区分で職員を募るという現実
令和8年度第2回の試験案内では、一般事務、土木ⅠとⅡ、保育士、保健師、看護師、管理栄養士、船員(機関士)という8つの試験区分が並び、採用予定人員はいずれも若干名でした。
これは、専門職を一人ずつ抱えて市民サービスを維持している市の姿がそのまま表れた形です。ひとつの職種が欠けると代わりがききにくい体制であることは、人材確保が市政の課題であることを示しています。
県境に位置するという条件
宿毛市は愛媛県の宇和島市・南宇和郡愛南町と接しています。生活道路や医療、産業の流れが県の境で切れるわけではないため、県をまたいだ連携が必要になる場面が出てきます。
高知県は四国4県を8の字状に結ぶ全長約810キロメートルの「四国8の字ネットワーク」の整備を進めており、道路網の整備状況は、こうした県境の市の暮らしに直接影響します。(参考:高知県の高規格道路網の整備状況)
宿毛市の重点政策|県の戦略のなかで
宿毛市の施策は、高知県が県全体で進める方向と重ねて読むと位置づけが見えます。
県は人口減少問題を県政における喫緊の最重要課題に据え、高知県産業振興計画・元気な未来創造戦略のもとで「地産外商」を柱にした産業振興と、若年層の流出に歯止めをかける取組を進めています。
市の事業は、この県の枠組みを受けて、目の前の一人に手続きや相談として届けられていきます。
専門職を抱える市役所という性格
宿毛市の政策を考えるうえで見逃せないのが、市が保育士・保健師・看護師・管理栄養士といった専門職を自前で採用している点です。
子育て、健康づくり、高齢者の栄養や医療は、いずれも市の職員が直接住民に接して届ける仕事です。計画に書かれた言葉は、最後には人が訪問し、面談し、書類を受け取る場面に変わります。
志望分野を話すときは、その最後の場面を具体的に思い浮かべておきましょう。
POINT|事業名を並べるより、順番を作る
市の資料を読むときは、名称を覚えることではなく「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すのか → ③そのための現在の取組 → ④市役所だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験をどう生かすか」という順番を作ることを目指しましょう。この並びができていれば、面接で角度を変えて聞かれても答えが崩れません。
悪い例「宿毛市の子育て支援に関わりたいです」
改善例「宿毛市では保育士や保健師の方も市の職員として採用されていると知りました。私は事務職として、そうした専門職の方が現場に集中できるように、手続きや情報の整理を引き受ける仕事をしたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
宿毛市を調べるときの入口になるのは、次の4種類です。関心の近いものから当たり、気になった数字はその場で書き写しておきましょう。
- 宿毛市長名で公表される職員採用資格試験の試験案内(最新のもの)
- 宿毛市の総合計画と当初予算の公表資料
- 高知県元気な未来創造戦略(県が示す人口減少への処方箋)
- 令和7年度〔高知県版〕南海トラフ地震被害想定のうち市町村ごとの被害
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、宿毛市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。宿毛市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
宿毛市役所の面接の概要
ここからは、宿毛市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
作文と個別面接で決まる第二次試験
宿毛市職員採用資格試験は第一次試験・第二次試験の2段階です。
第二次試験の中身は作文試験と面接試験の二つだけで、面接試験は「主として人物についての個別面接による試験」と試験案内に明記されています。
集団面接や集団討論についての記載はありません。
| 項目 | 内容(令和8年度第2回・宿毛市職員採用資格試験/令和9年度採用) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第一次試験・第二次試験の2段階構成 |
| 試験区分 | A一般事務、B土木Ⅰ、C土木Ⅱ(職務経験者)、D保育士、E保健師、F看護師、G管理栄養士、H船員(機関士)の8区分。採用予定人員はいずれも若干名 |
| 第一次試験(一般事務) | 職務能力試験(60分)、職務適応性検査(20分)、事務適性検査(10分)。職務能力試験は、論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等を確認する基礎的な問題です |
| 第一次試験(他区分) | 土木ⅠⅡ・保育士・保健師・管理栄養士には専門試験(90分)、看護師には看護師適性検査(50分)。船員は申込書をもとに審査する書類審査による選考です |
| 第二次試験 | 作文試験(60分・船員以外)と面接試験(全職種)。作文試験は職務遂行に必要な判断力、思考力等についての試験と位置づけられています |
| 面接の種類 | 主として人物についての個別面接。集団面接・集団討論に関する記載はありません |
| 配点 | 各試験科目の配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください |
| 提出書類 | 申込は宿毛市電子申請サービスによるインターネット申込。申込時に必要なのは顔写真のデータと、該当職種の免許証・免状のデータです。面接カードにあたる様式は試験案内に記載がありません |
| 結果の開示 | 受験者本人に限り、得点及び順位の開示請求ができます。第一次試験は第一次の不合格者、第二次試験は第二次の不合格者が対象で、総務課へ開示請求書を提出し、受験票と身分証明書を提示します |
上記の試験構成は、宿毛市が公表している令和8年度第2回宿毛市職員採用資格試験の試験案内にもとづく内容です。試験の構成・区分・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
この構成で注目したいのは、第二次に残るのが書く力と話す力の二つだけだという点です。しかも作文の課題は判断力や思考力を見るものと説明されています。
当日その場で考えた内容と、面接で語る志望理由がずれていると、二つの科目のあいだで矛盾が生まれます。
作文対策と面接対策を切り離さず、同じ材料から両方を組み立てておきましょう。(出典:令和8年度第2回宿毛市職員採用資格試験案内)
人物像の公表がない試験で、何を軸にするか
令和8年度第2回の試験案内には、求める人物像にあたる公表文言は置かれていませんでした。では何を軸に準備すればよいのか。
ここから先は宿毛市の発表を離れ、一つの試験で8区分を募る規模の市役所について当研究会が積み重ねてきた見方を書きます。
宿毛市のように、一般事務から専門職、さらに船員まで一つの試験で募る規模の市役所では、職員一人が担当する範囲が自然と広くなります。
担当が細かく分かれた大きな組織のように「自分の担当外です」と言える場面は少なく、はじめて触れる仕事でも調べながら形にしていくことが日常になります。
ですから、未経験の分野に対する構えの取り方が評価の的になりやすいところです。
もう一点、宿毛市の規模では、窓口で相談を受けた相手が、次は別の用件で訪ねてくる相手になります。
同じ人と何度も向き合うことを前提にした職場では、伝えた期日を守れるかどうかが、そのまま仕事の評価に重なります。
第二次試験が個別面接である以上、こうした人柄の部分は正面から確かめられると考えておいてよいでしょう。
宿毛市の第二次試験に残るのは、作文と面接という自分の言葉だけです。書いた文章と話した言葉に別々の人物が現れれば、そのずれは読み手にも聞き手にも伝わります。
準備は、志望理由の芯を一本決め、それを書き言葉でも話し言葉でも言えるところまで持っていく作業になります。芯そのものは、これまでに自分がとってきた行動から取り出してください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。宿毛市役所の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はよく眠れましたか? | 用意していない一言に、どんな表情と声で返すか |
| ② 動機・志望 | 民間企業ではなく、公務員を選んだ理由は何ですか? | 安定という言葉で片づけず、仕事の中身に理由が結びついているか |
| ③ 自己理解 | 周囲からはどんな人だと言われますか? | 自分の見え方を把握しているか。自己評価と他者評価のずれに気づいているか |
| ④ 経験・行動 | チームで動いたとき、あなたはどの役回りでしたか? | 役割の名前ではなく、その立場で実際に何をしたかという行動 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れて取り組んだことを教えてください | 取り組みの説明を、聞き手が知らない前提で組み立てられるか |
| ⑥ 適性・将来 | 10年後、市役所でどんな仕事をしていたいですか? | 市の仕事への理解の解像度と、幅のある異動を受け止める姿勢 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 公務員に必要だと思うことは何ですか? | 言葉の借り物にならず、自分の経験から言えているか |
宿毛市の第一次試験は、職務能力試験と適性検査が中心で、人物を見る科目は第二次に集まっています。
上の7項目はその第二次で必ず通る道ですが、誰もが対策の対象にする範囲ですから、答えられること自体は前提にすぎません。合否に効いてくるのは、この先に置いた二つの問いです。
合否を分けるのは「宿毛市役所ならでは」の質問
宿毛市の第二次試験は作文と個別面接だけです。筆記の点数で押し切る余地がないぶん、市についてどこまで具体的に語れるかが最後まで残ります。
こうした質問に答えるための「宿毛市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい宿毛市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口と年齢構成 | 住民基本台帳で1万7,971人。65歳以上が41.4%、75歳以上が24.6%(令和8年1月1日現在) | 割合を示したあと、外出の負担が重い人にどう手続きを届けるかという市の仕事まで話をつなげます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は人口減少を県政の最重要課題に据えて全体の戦略を描く。市はその戦略を、住民一人ひとりへの手続きや相談として実行する | 県の計画に書かれた言葉が、市の窓口ではどんな作業になるのかを一つ例に挙げて説明します |
| 南海トラフ地震への備え | 内閣府の公表では市の最大津波高は25メートル。県の被害想定では最大クラス・冬深夜の条件で市内に大きな人的被害が見込まれる | 想定の重さを受け止めたうえで、住宅の補強と避難の呼びかけのどちらに関わりたいかまで述べます |
| 専門職を抱える市役所 | 令和8年度第2回の試験区分は8つ。一般事務や土木に加え、保育士・保健師・看護師・管理栄養士・船員(機関士)まで含まれる | 市が自前で専門職を抱える意味に触れ、事務職としてその働きをどう支えたいかを話します |
| 県境という位置 | 愛媛県の宇和島市・南宇和郡愛南町と接する。県は四国4県を結ぶ約810キロメートルの高速道路網の整備を進めている | 県境をまたぐ人の行き来を前提に、広域で考える仕事の必要性へ話をつなげます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
個別面接で確かめられるのは意見の正しさではなく、これまでに積み重ねてきた行動です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
宿毛市の試験の組み立てと、ここまでに見た市の条件から、面接で押さえられそうな観点を三つ取り上げます。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 書いたことと話すことの一貫性 | 第二次試験は作文と面接で構成されます。書いた内容と面接での説明が同じ考えから出ているかどうか | 志望理由の芯を一文で決めておき、どの科目でもそこから話を起こせるようにします |
| 知らない仕事への向き合い方 | 担当がまたがる市役所です。経験のない業務を任されたときにどう動くかを問われることがあります | 初めての作業を引き受けて形にした経験を、調べ方と相談先まで含めて話せるようにします |
| 人と長く付き合う姿勢 | 同じ住民と何度も向き合う職場です。伝えた期日を守り切る姿勢が具体的な場面で問われます | 一度うまくいかなかった相手ともう一度向き合った経験を、そのとき何を変えたかまで話せるようにします |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
個別面接で人物を中心に見る試験では、この掘り下げが特に長くなります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新の試験案内を読み、自分が受ける区分の第一次試験の科目と、第二次試験の作文・面接の位置づけを確認する
- これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、自分から手を挙げた場面を書き出しておく
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 作文の練習と声に出す練習を交互に行い、書いた表現と話す表現がずれていないか確かめる
優先順位に注意
ステップ4と5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、宿毛市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
宿毛市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度第2回の宿毛市職員採用資格試験は、第一次で基礎的な力を測り、第二次は作文と個別面接だけで人物を見るという組み立てでした。
配点は公表されていませんが、最後に残る科目が自分の言葉だけであることは、案内からはっきり読み取れます。
1万8千人ほどのまちで、41.4%という高齢化率のもとで暮らしを支える仕事に、自分の経験のどこが結びつくのか。それを一文で言えるようになるまで、書く練習と話す練習を並べて重ねていってください。