総社市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の特性と災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。総社市消防本部は、総社市が単独で設置する消防本部です。

総社市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ総社市消防本部なのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。総社市は消防職員を含む全区分共通の求める職員像を公表しており、この文言を軸に準備を進めることで説得力のある説明がしやすくなります。

この記事で押さえた材料を土台に、自分の経験や強みと総社市消防本部の仕事との接点を考え、面接での回答づくりに役立ててください。求める職員像が公表されている本部では、その3項目それぞれに自分の経験を具体的に結び付けられるかどうかが準備の質を左右します。

第1部|組織研究編

総社市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは総社市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 総社市消防本部は、総社市が単独で設置する消防本部である。近隣市との組合ではなく、市が直接運営している。
  • 消防本部は総社市小寺に置かれている。
  • 消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)は121名(うち女性4名・令和7年4月1日現在)である。
  • 令和6年中の出動件数は、火災35件に対して救急3,511件、救助67件である。
  • 消防職員の採用試験は、総社市職員任用委員会が実施する市職員採用試験の一区分として、他職種と同一の受験案内・同一日程で実施される。
  • 求める職員像として「礼儀礼節を重んじ誠実に対応する職員」など3項目が、消防職員を含む全試験区分共通で公表されている。
  • 「子育て王国そうじゃ」の施策等を背景に、令和7年度も人口増加を記録した市である。

総社市消防本部の基礎データ

細かな数字まで丸暗記する必要はありませんが、総社市消防本部がどれくらいの規模で市を支えているかをつかんでおくと、面接での説明に具体性が出ます。

表には管内人口と高齢化率、吏員数と出動件数を並べ、市の人口動態と消防の体制を対照できるようにしました。

項目内容
管内人口69,642人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
高齢化率28.6%(75歳以上率16.9%・同時点)
消防吏員数121名(うち女性4名)※令和7年4月1日現在
救急出動件数3,511件(令和6年中)
火災出動件数35件(令和6年中)
救助出動件数67件(令和6年中)

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する本部別データ(令和7年4月1日現在・令和6年中)によります。

出動件数から見える総社市の実情

火災の出動が年間35件であるのに対し、救急出動は3,511件で、100倍を超える開きがあります。121名という体制の多くが、日々の救急業務に向き合っている実情がうかがえます。

総社市の高齢化率28.6%(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)は、岡山県全体の30.5%(総務省財政状況資料集・令和5年1月1日時点)と比べても低い水準にあり、子育て世帯の流入を背景とした人口動態の若さがうかがえます。

「総社市消防本部は令和6年中の救急出動が3,500件を超えていて、火災の100倍以上になると聞きました。市の高齢化率は県平均より低いとのことで、子育て世帯の増加が救急需要にどう影響しているのか気になっています」

県平均を下回るこの高齢化率は、他の消防本部との違いを説明するときの材料になります。あわせて、令和8年4月1日現在の初任給は大学卒238,700円・短大卒221,000円・高校卒208,400円と公表されており、採用後の生活設計を考えるうえでの目安になります。

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 総社市は「子育て王国そうじゃ」を掲げる施策等を背景に、令和7年度も人口増加を記録した(出典:人口増進課|総社市)。
  • 岡山県が令和7年度に公表した被害想定では、南海トラフ巨大地震とあわせて、大原断層・中央構造線の一部など断層型地震7地震が対象とされている。

つまり総社市消防本部は、人口が増加を続ける子育て世代の多い市を管轄する本部だと整理できます。年齢構成の若さは、救急需要の内容や地域とのかかわり方にも影響を与える要素であり、他の消防本部とは異なる視点で管内理解を語れる材料になります。

平成30年7月豪雨の教訓

平成30年7月豪雨では、総社市内で死者5人(災害関連死を除くと4人)の被害が生じました(時点:平成31年3月5日現在・出典:岡山県災害検証報告書)。

県災害検証委員会の報告書は、浸水したアルミニウム工場での爆発事案(総社市)を踏まえ、危険物・劇物取扱事業所をハザードマップに明示し救助・救出活動に活用できるようにしておく必要があると提言しています(時点:平成31年3月・出典:同報告書)。

住宅火災の予防とは異なる、産業施設ならではの備えが問われる出来事でした。人が住む場所だけでなく、工場や倉庫といった産業施設にも目を配る必要があるという教訓は、総社市消防本部の予防業務を考えるうえで欠かせない視点です。

総社市の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、総社市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

全国の救急自動車の出動は増加が続き、令和6年中には771万8,380件と、統計上かつてない規模に達しました(出典:令和7年版 救急・救助の現況)。

総社市の3,511件(令和6年中)もこの流れの中にあり、人口が増加傾向にある市という特性を踏まえると、今後も救急需要の水準は高いまま推移すると見込まれます。子育て世帯の増加という総社市ならではの人口動態も踏まえた対応力が、121名の体制には求められます。

危険物・産業施設への予防と警戒

平成30年7月豪雨で浸水したアルミニウム工場が爆発した経験は、住宅地とは異なる危険物・劇物取扱事業所への備えの重要性を示しています。

ハザードマップに危険物施設の所在を明示し、救助・救出活動に活用できるようにしておくという県の提言は、この本部が向き合い続けるべき課題です。人口が増加を続ける市では、新たに立地する事業所や住宅も増えていくため、地図情報を最新の状態に保ち続ける地道な作業も欠かせません。

大規模災害への備え

緊急消防援助隊には、全国の消防本部の約99%にあたる718本部から6,661隊が登録されています(令和6年4月1日現在・出典:令和6年版 消防白書)。

総社市消防本部も、平成30年7月豪雨で管内に人的被害と産業施設の事故を経験した本部の一つとして、断層型地震や風水害への備えを平時から重ねる必要があります。人口の増加が続く市では、避難行動を知らない新住民も増えていくため、平時からの周知・啓発の重要性も高まっています。

人材確保と女性吏員の活躍

消防吏員121名のうち女性は4名で、割合は約3.3%です。

全国平均は約3.8%(168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)で、国は令和8年度当初までに5%とする目標を掲げています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)。

人口が増加を続ける市の消防を支える組織として、性別を問わず力を発揮できる職場づくりは重要な課題です。体力検査の種目に懸垂(女性は斜め懸垂)が含まれているように、性別による種目の違いを設けながら、必要な体力水準を確保する工夫も進められています。

重点方針|求める職員像と選考の仕組み

総社市消防本部そのものの重点方針や組織理念にあたる公表文書は、確認した市公式サイト・受験案内の範囲では見当たりません。そこで本章では、消防職員の採用試験を実施する仕組みと、公表されている求める職員像を手がかりに整理します。

市職員任用委員会による一区分としての実施

総社市消防本部の消防職員は、総社市職員任用委員会が実施する市職員採用試験の一区分として、一般事務職員や社会福祉士など他の職種と同一の受験案内・同一日程で募集されます(出典:令和8年度(9月実施)総社市職員採用試験受験案内)。

問い合わせ・申込みの窓口は総務部職員課です。一方で、第1次試験の会場は消防職員のみ総社市消防本部となっており、一般事務職員等の市役所会場とは分けられています。

受験申込みはLoGoフォームを使ったインターネット申請で、消防職員は「消防職員(大卒程度)」「消防職員(高卒程度)」という別々のフォームから申し込む仕組みです。居住要件は採用後に総社市内に居住できることが原則とされ、日本国籍を有することも受験資格の一つに明記されています。

3段階の選考とプレゼンテーション討論

試験は3段階で構成され、第1次試験は適性検査・教養試験(択一式120分)・体力検査、第2次試験は口述試験(プレゼンテーション討論・個別面接)、第3次試験は口述試験(個別面接)です。

第2次試験にプレゼンテーション討論という形式が課されるのは、市の職種の中でも一般事務職員と消防職員に限られます(出典:前掲受験案内)。

討論の人数や進行方法までは公表されておらず、一般的な集団討論と同一のものと決めつけないほうがよいでしょう。

体力検査の種目は握力・上体起こし・懸垂(女性は斜め懸垂)・腕立て伏せ・反復横とび・20mシャトルラン・立ち幅とびで、雨天等の場合は種目が変更されることもあります。運動靴(屋外用)・運動できる服装・タオル・飲み物の持参が求められる点も、当日の準備として押さえておきたいところです。

POINT|プレゼンテーション討論の情報は非公表と心得る

珍しい形式だからこそ、詳細が分からないまま不安になりがちです。公表されている範囲(個別面接とあわせて実施される口述試験であること)を土台に、まずは自分の考えを筋道立てて話す練習から始めましょう。

悪い例「困っている人の力になりたいので、志望しました」

改善例「総社市は人口が増加を続けている市だと知り、これから世帯数も増えていく地域を、救急や予防の面から支えたいと考えるようになりました。求める職員像にある『自ら考え、自ら実行し、自ら解決に導く』姿勢を大切に、日々の訓練に取り組んでいきたいです」

あわせて確認したい公式資料

1点目の受験案内は、消防職員以外の職種の内容も含む全18ページの資料のため、消防職員に関する部分(受験資格・試験区分・提出書類)を中心に、時間をかけて読み進めてください。2点目から4点目は、人口が増え続ける市の消防という視点を志望動機に持ち込むための資料で、なかでも3点目は、災害の教訓と現在の備えを結び付けて語るための材料になります。

  • 令和8年度(9月実施)総社市職員採用試験受験案内
  • 総社市消防本部の組織・沿革に関するページ
  • 平成30年7月豪雨に関する岡山県の災害検証資料
  • 総社市の人口・子育て施策に関する統計資料

他職種と同一の受験案内で募集される以上、消防職員の採用枠も試験の段階も年度ごとに動きます。応募を考える段階で、必ずその年度の受験案内にあたってください。

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。

求める職員像の3項目を暗記しただけでは、自分の経験とどうつながるのかまで踏み込んだ質問には答えられません。3段階の選考を通じて、同じ経験を角度を変えて何度も聞かれる場面も想定しておく必要があります。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、3段階の選考にも対応できる総社市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。総社市消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。プレゼンテーション討論を含む2回の口述試験に向けて、繰り返し使える教材としてご活用いただけます。

総社市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

総社市消防本部の面接の概要

ここからは、総社市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

総社市消防本部の面接の流れ

総社市消防本部・消防職員の採用試験は、総社市職員任用委員会が実施する市職員採用試験の一区分です。口述試験は第2次・第3次の2回にわたって実施されます。

項目内容(令和8年度・9月実施分)
実施主体総社市職員任用委員会(窓口は総務部職員課)
試験区分消防職員(大学卒業程度・短大卒業程度/高校卒業程度)
試験の段階第1次試験(適性検査・教養試験・体力検査)、第2次試験(口述試験:プレゼンテーション討論・個別面接)、第3次試験(口述試験:個別面接)の3段階
面接の種類第2次試験はプレゼンテーション討論と個別面接、第3次試験は個別面接。討論の人数・進行等の詳細は公表を確認できず
受験資格大学卒業程度は平成12年4月2日(救急救命士資格取得者は平成10年4月2日)から平成17年4月1日までに生まれた人、短大・高校卒業程度は平成12年4月2日(同)から平成21年4月1日までに生まれた人
身体要件視力は両眼で0.7以上・一眼でそれぞれ0.3以上(矯正視力含む)で赤・青・黄色を識別でき、眼鏡(コンタクトレンズを除く)を外しての消防活動が可能であること。聴力は正常で言語明瞭であること

上記は令和8年度(9月実施分)総社市職員採用試験受験案内にもとづくものです。任用委員会が組み立てる選考の段階や種目は年度で変わり得ますので、受験の際は、必ず最新の受験案内をご確認ください。段階が3つに分かれている分、1回ごとの試験対策を積み重ねる計画性が求められます。

第2次試験の受験時には、市ホームページに掲載される「面接カード」の提出が求められます。第1次試験の適性検査の結果は、第2次・第3次の口述試験の参考にする旨が明記されており、1回きりの検査で終わらない一貫した人物評価が行われる構造だとうかがえます。

試験結果の開示は、第1次試験に合格しなかった場合の得点のみが対象で、第2次試験・第3次試験の成績は開示されません。

第3次試験の受験時には、各種免許・資格取得(見込)証明書、卒業(見込)証明書、学業成績証明書に加えて、消防職員のみ健康診断票の提出が求められます。申込み時に添付する顔写真データに加え、救急救命士の資格を持つ人はその資格者証の写しの提出も必要です。

総社市消防本部が求める人材

総社市は、消防職員を含む全試験区分に共通する求める職員像として、次の3項目を公表しています。「(1)礼儀礼節を重んじ誠実に対応する職員」「(2)失敗を恐れず積極果敢に情熱をもって職務に当たる職員」「(3)自ら考え自ら実行し自ら解決に導く職員」です(出典:前掲受験案内)。

全職種共通の文言ではありますが、公表された人物像がある以上、自己PRはこの3項目に引き付けて組み立てるのが最も筋の通ったやり方です。

特に(3)の「自ら考え、自ら実行し」という表現は、少ない署所の中で幅広い職務を任される消防の仕事にも重なる部分があります。121名という体制の消防本部では、経験を積むにつれて消火・救急・予防・総務といった複数の業務を任される場面が増えやすく、指示を待つだけでなく自分で状況を判断して動く力は、日々の現場でも求められる資質だと考えられます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。総社市消防本部の面接も、この見取り図の上で準備を進めれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?受け答えの入口となる短い質問にも、素の人柄が表れます
② 動機・志望なぜ総社市消防本部を志望するのですか?消防官という仕事とこの市を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観的に見つめられているか。弱みへの向き合い方に人柄が表れます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴普通自動車運転免許の取得状況を教えてください(AT車限定の場合は採用後1年以内の限定解除が必要です)限定解除の条件まで理解できているか、準備の計画性
⑥ 適性・将来プレゼンテーション討論では、自分の考えを筋道立てて話せますか?口述試験2回にわたって人物を確かめる構造への理解
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

①から⑦までは、総社市職員任用委員会が実施するこの試験でも、まず埋めておきたい範囲です。ここから先で問われるのは、総社市消防本部をどれだけ深く調べたかという点です。

合否を分けるのは総社市消防本部に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官という仕事を選んだのですか?」
「総社市の求める職員像を、消防の仕事にどう活かしていきたいですか?」

2問目に答えるには、総社市が公表する求める職員像の3項目を、消防の現場と結び付けて理解していることが欠かせません。文言をただ覚えているだけでは、突っ込んだ質問に対応できません。使いやすい事実だけを選び、答え方のヒントとあわせて表にまとめました。

質問テーマ知っておきたい総社市消防本部の事実答え方のヒント
単独設置と市職員採用の一区分総社市が単独で設置し、消防職員は市職員採用試験の一区分として他職種と同一日程で実施される(詳細は第1部1章・5章)単独設置ならではの意思決定の速さや、市全体の採用の仕組みを理解して語りましょう
救急需要の増加令和6年中の救急出動は3,511件で火災の100倍超。市の高齢化率は28.6%と県平均を下回る(詳細は第1部2章・4章)件数の大きさとあわせて、人口増加という背景まで話せると説得力が出ます
平成30年7月豪雨と産業施設の教訓市内で死者5人(災害関連死を除くと4人)が確認され、浸水したアルミニウム工場での爆発事案も発生した(詳細は第1部3章・4章)過去の災害経験を、危険物施設への予防という課題に結び付けて語りましょう
求める職員像の3項目「礼儀礼節」「積極果敢な情熱」「自ら考え実行し解決する力」が全職種共通で公表されている(詳細は第2部1章)3項目のどれかに、自分の経験を具体的に接続して語りましょう(面接カードの記入内容とも一致させておくと安心です)

使い方のコツは、4つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、〈事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと〉という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

総社市は求める職員像を公表しているため、評価の観点はこの3項目を土台に組み立てるのが最も筋の通った方法です。配点や採点基準までは公表されていませんが、公表された文言そのものが選考の物差しだと考えられます。

3段階にわたる選考のどこかで、この3項目のいずれかが形を変えて繰り返し問われる可能性があると考えておくとよいでしょう。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
礼儀礼節・誠実な対応受け答えの姿勢や言葉遣いに、相手を敬う気持ちが表れているかアルバイトや部活動で、目上の人や利用者に誠実に対応した経験を、具体的な言葉で用意しておく
失敗を恐れない積極果敢さ困難な状況でも、情熱を持って挑戦し続けられるか失敗から学び、それでも挑戦を続けた具体的なエピソードを整理しておく
自ら考え実行し解決する力指示を待つだけでなく、自分で状況を判断して動けるか少ない人数の職場でも幅広い職務を任される消防の仕事と結び付けて説明する

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 総社市職員採用試験受験案内を読み、消防職員に関する試験構成(3段階の選考内容)と提出書類を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。求める職員像の3項目に近い具体的なエピソードを1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、平成30年7月豪雨の教訓や求める職員像など、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 対応表から固有質問の材料を拾い、総社市の事実と自分の問題意識、消防吏員として取り組みたいことを一本の話にまとめておく
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。プレゼンテーション討論を想定し、自分の考えを筋道立てて話す練習と、体力検査の各種目への備えも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析をまず優先してください。自分のことを語れない状態で総社市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学で進める場合、総社市消防本部専用の面接想定問答集を使う方法もあります。

総社市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。第2次試験のプレゼンテーション討論も含めて、口述試験2回に一貫して臨みたい方に活用しやすい内容です。大学卒業程度・短大卒業程度/高校卒業程度のいずれの区分で受験する場合でも、共通して活用できる内容にまとめています。試験本番までの限られた時間で、効率よく準備を進めたい方にも役立つはずです。

総社市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

総社市消防本部は、総社市が単独で設置する消防本部で、121名の吏員が人口増加を続ける市を支えています。救急出動は火災の100倍を超え、市の高齢化率は県平均を下回る28.6%にとどまります。

平成30年7月豪雨では市内で人的被害と産業施設の事故の両方を経験しており、危険物施設への予防の視点も欠かせません。試験は市職員採用試験の一区分として実施され、適性検査・教養試験・体力検査に続いて、プレゼンテーション討論を含む2回の口述試験で丁寧に人物を確かめる構成です。

「礼儀礼節」「積極果敢な情熱」「自ら考え実行し解決する力」という公表された職員像を軸に、自分の経験のどこが活かせるのかを言葉にしていってください。全職種共通の文言だからこそ、消防の仕事に引き付けて語れるかどうかで印象は大きく変わります。

人口が増加を続ける総社市で、これからの消防をどう支えていきたいのかまで、自分なりに考えを深めておきましょう。3段階にわたる選考の最後まで、一貫した人物像を伝えられるよう準備を重ねていってください。