本記事では、美作市職員採用試験の面接対策で必要な、美作市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

美作市役所の面接試験では、「なぜ美作市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度(後期)の一般事務職では、第2次試験にプレゼンテーション面接が置かれています。

市の課題を自分の言葉で説明できるかが、そのまま試される試験です。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と美作市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

美作市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは美作市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 岡山県の北東部にあり、兵庫県と鳥取県の両方に接する県境の市。市役所は美来に置かれている。
  • 住民基本台帳による人口は2万4,287人(令和8年1月1日現在)。
  • 市域は429.02km²と広く、人口密度は約57人/km²。人口が山あいに広く散らばっている。
  • 接しているのは、岡山県内の備前市・和気町・美咲町・西粟倉村・勝央町・奈義町に加え、兵庫県の宍粟市・佐用町、鳥取県の智頭町のあわせて9市町村。
  • 湯郷温泉は湯原温泉・奥津温泉とともに「美作三湯」の一つで、約1,200年前に円仁法師が白鷺に導かれて発見したと伝わる。
  • 市内の旧勝田町・大原町・東粟倉村の区域は、国土交通省の豪雪地帯に指定されている(特別豪雪地帯の指定はない)。
  • 65歳以上の割合は42.3%、75歳以上は25.7%で、市民の4人に1人以上が75歳以上(令和8年1月1日現在)。
  • 市の花はカタクリ、市の木は梅。
  • 職員採用では、語学の資格や手話通訳の資格と活動経験に対して、第1次試験で加点する仕組みが設けられている。

美作市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「美作市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、周囲との位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口24,287人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口1万270人(42.3%、岡山県全体31.0%)
75歳以上人口6,242人(25.7%、岡山県全体18.7%)
総面積429.02km²
人口密度約57人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
接する自治体備前市・和気町・美咲町・西粟倉村・勝央町・奈義町、兵庫県の宍粟市・佐用町、鳥取県の智頭町
豪雪地帯の指定旧勝田町・大原町・東粟倉村の区域(特別豪雪地帯の指定はありません)
市の花・市の木カタクリ/梅
市役所の所在地美作市美来

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の市区町村別の値です。岡山県全体の数値も同じ調査の岡山県の値を並べています。人口密度は、この人口と総面積から当研究会が算出したものです。岡山県が公表する毎月流動人口調査の推計人口とは基準が異なりますので、本表の数値と並べて増減を計算しないようご注意ください。面積・接する自治体・市の花木は公表値をもとに整理しています。

数字から考えられる市政課題

美作市の65歳以上の割合は42.3%で、岡山県全体の31.0%を11.3ポイント上回ります。

75歳以上も25.7%と、県全体の18.7%より7ポイント高い水準です。市民の4人に1人以上が75歳以上という年齢構成であり、医療と介護の需要は今後も高い水準で推移することが見込まれます。

これに、市域の広さが重なります。429.02km²に2万4千人あまりが暮らし、人口密度は約57人/km²。

集落と集落の間に距離があり、しかもその一部は豪雪地帯です。冬に道が閉ざされる可能性のある地域で、通院や買い物、除雪、見守りをどう回すか。

この市の行政課題の多くは、この二つの条件の掛け算から出てきます。

面接でこの二つの条件を重ねて語るとしたら、こんな言い方になります。

「美作市は2万4千人ほどが暮らす市で、65歳以上の方が4割を超えていると知りました。市域も広く、雪が多く降る地域も抱えていますので、冬場の移動や見守りをどう続けるかが大きな課題になるのではと感じています。まずは現場で市民の方のお話を伺いながら、地域ごとに事情の違う暮らしの支え方に関わっていきたいです」

美作市の経済・産業

湯郷温泉と美作三湯

美作市の観光の中心にあるのが湯郷温泉です。湯原温泉・奥津温泉とあわせて「美作三湯」と呼ばれ、約1,200年前に円仁法師が白鷺に導かれて発見したと伝えられています。

1,200年という時間の厚みは、それ自体が観光資源であると同時に、施設の更新や担い手の世代交代という課題も抱え込みます。観光を語るなら、来訪者数の話にとどめず、宿や飲食の担い手をどう継いでいくかまで視野に入れておきましょう。(参考:湯郷温泉|市公式)

山あいに広がる市域という条件

美作市は429.02km²の市域を持ち、人口密度は約57人/km²です。市域の一部は国土交通省の豪雪地帯に指定されており、旧勝田町・大原町・東粟倉村の区域がこれにあたります(特別豪雪地帯の指定はありません)。

冬の道路をどう確保するかが、産業と暮らしの前提条件になっている市だということです。物流も観光も、この制約の上で組み立てられています。(出典:豪雪地帯(特別豪雪地帯)指定地域一覧|国土交通省)

県全体の産業のなかでの位置

岡山県は山陽道の中央に位置し、北の中国山地と盆地、中部の吉備高原などの丘陵地、南の平野へと地形が移り変わります。県の観光入込客数は令和4年で1,579万人でした。

県の製造業は南部の臨海部に大きく集中しており、美作市はその対極にあたる北東部の山あいに位置します。工業の集積ではなく、温泉と自然と農林業で成り立つ市という整理をしておくと、産業振興を語るときの前提がずれません。(出典:岡山県観光客動態調査|令和4年)

美作市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、美作市が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

4割を超える高齢化と、低い人口密度

65歳以上42.3%、75歳以上25.7%(令和8年1月1日現在)という数字に、約57人/km²という人口密度が掛かります。支援を必要とする人の割合が高く、しかもその人たちが遠くに散らばっているという条件で、これは施策の単価を押し上げます。

移動の手段、見守りの網、施設の配置。どれをとっても、人口が密集した市とは別の解き方が要ります。

人口減少に向かう県と、中山間地域の課題

岡山県の人口は2005年の約196万人をピークに減少し、2020年時点で約189万人となりました。県の人口ビジョンは、2050年に2020年から20.0%減の約151万人になるという国立社会保障・人口問題研究所の推計を示しています。

合計特殊出生率は2023年の現況値で1.32、2028年の目標値が1.37です。県は、中山間地域では農山村の諸機能の弱体化や地域コミュニティの衰退といった課題があると認識しており、美作市が置かれている状況はまさにその記述の中にあります。(出典:岡山県人口ビジョン|令和7年3月改訂版)

雪とともに暮らすための備え

旧勝田町・大原町・東粟倉村の区域は豪雪地帯に指定されています。特別豪雪地帯の指定はないものの、冬季の道路確保と、雪に閉ざされうる地域の見守りは、毎年必ず訪れる課題です。

高齢化率が4割を超える市では、除雪そのものが担い手不足の影響を受けます。防災や地域振興を語るとき、この季節性を織り込めるかどうかで、話の具体性が変わります。

豪雨と地震への備え

平成30年7月豪雨では、岡山県内で県管理10河川16箇所の堤防が決壊し、県全体で死者68人、住家被害18,005棟という被害が出ました。土砂災害も56箇所で発生しています。

地震については、岡山県が令和7年度に13年ぶりに被害想定を見直し、南海トラフ巨大地震の死者数を最大3,778人(冬・深夜、堤防被災パターン1)と見込みました。同じ条件での建物被害は、揺れによる全壊3,240棟、液状化2,644棟、津波9,470棟、急傾斜地崩壊172棟です。

県は南海トラフのほかに、大原断層や中央構造線の一部など断層型の7地震も想定の対象としています。海に面していない美作市では、揺れと土砂災害への備えが中心になります。(出典:平成30年7月豪雨 岡山県災害記録誌/南海トラフ巨大地震・断層型地震の被害想定|令和7年度)

二つの県境をまたぐ生活圏

美作市は、兵庫県の宍粟市・佐用町と、鳥取県の智頭町に接しています。県境が二方向にあるということで、通院や買い物、通勤の動きは県の枠を越えて起こります。

防災の応援や広域の観光の売り出しでも、県をまたいだ調整が前提になります。「岡山県の中でどうか」だけで市政を語ると、この市の実情からは半歩ずれます。

美作市の重点政策|加点制度が示す方向と県の計画

美作市が何を大事にしているかは、採用試験の設計そのものによく表れています。ここでは加点の仕組みと募集の設計、そして県の計画を順に見ていきます。

語学と手話に加点を置く採用

美作市の一般事務職では、一定の語学資格や手話の資格について、第1次試験の段階で加点する仕組みが設けられています。

対象となるのは、実用英語技能検定準1級以上、TOEIC 740点以上、TOEFL(PBT)550点以上、TOEFL(iBT)80点以上、国際連合公用語英語検定試験A級以上、または手話通訳士もしくは手話通訳者の資格を有し活動経験が3年以上ある人です(有効期限があるものは有効期限内のものに限ります)。

加点は該当者が「語学資格加点申告書」または「活動経験調査票」を提出することで適用されます。当研究会は、湯郷温泉を抱え、外国から訪れる人と接する機会がある市が、窓口や現場でのコミュニケーションの幅を広げようとしている表れだと読んでいます。

令和8年度(後期)の募集の設計

令和8年度(後期)の一般事務職は、一般事務職①【大学卒業程度】(記号A)、一般事務職①【高校卒業程度】(記号B)、一般事務職②【医療事務】(記号C)の3区分で、採用予定人員は合わせて5名程度、職務内容は一般行政事務です。申し込みできるのは1区分に限られます。

また後期日程には、同じ年度に実施された美作市職員採用試験を受験した人は申し込めないという条件があります。異なる職種区分での申込は可能ですが、第1次試験に合格していた場合に後期日程へ申し込むと、その合格は無効になります。

受ける回と区分を最初に決めきる必要がある設計だと理解しておきましょう。(出典:令和8年度(後期)美作市職員採用試験(一般事務職)受験案内|美作市)

県の重点戦略と美作市

岡山県は、令和7年度からの4年間を計画期間とする最上位計画「第4次晴れの国おかやま生き活きプラン」を策定しています。

重点戦略は、Ⅰ結婚・子育ての希望がかなう社会の実現、Ⅱ夢を育む教育県岡山の推進、Ⅲ地域を支える産業の振興、Ⅳ安心で豊かさが実感できる地域の創造の4つで、少子化対策を新たな最重要課題に位置づけたのが今回の改定の特徴です。

県が中山間地域の課題として挙げている農山村の諸機能の弱体化と地域コミュニティの衰退は、美作市で仕事を考えるときの土俵そのものです。(出典:第4次晴れの国おかやま生き活きプラン|令和7年度からの4年間)

POINT|温泉と自然を挙げるだけでは届かない

湯郷温泉や豊かな自然は、誰でも挙げられる答えです。プレゼンテーション面接がある試験では、その先まで組み立てられているかが表に出ます。関心のある分野を一つか二つ選び、「①いま何が起きているか → ②市はどうしたいのか → ③そのために何が動いているか → ④市だから担える部分はどこか → ⑤自分の経験のどこが効くか」の順で調べていきましょう。

悪い例「湯郷温泉を生かした観光の仕事に携わりたいです」

改善例「1,200年の歴史がある温泉地ですが、宿や飲食のお店を継ぐ方が減っていくと聞きました。まずは現場で事業者の方のお話を伺って、その上で、担い手をどう増やしていくかという課題に関わっていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

本記事で扱った事実の出どころは、次のとおりです。

面接で数字を出すときは、一度は原典の画面を自分で開いておきましょう。孫引きのまま話すと、深掘りされた瞬間に止まります。

  • 美作市職員採用試験の受験案内(最新年度)と、市ホームページからダウンロードできる各様式
  • 湯郷温泉をはじめとする市の観光紹介ページ
  • 国土交通省の豪雪地帯(特別豪雪地帯)指定地域一覧
  • 岡山県の被害想定と、平成30年7月豪雨の災害記録誌
  • 第4次晴れの国おかやま生き活きプラン(岡山県の最上位計画)

調べた内容は、そのつど3行程度の要約に落としておくと、プレゼンテーション面接の材料としてそのまま使えます。

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、美作市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。美作市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

美作市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

美作市役所の面接の概要

ここからは、令和8年度(後期)の一般事務職を軸に、美作市役所の試験の組み立てと面接の位置づけを整理していきます。前期と後期で受験の条件が異なる点は、先に押さえておいてください。

美作市役所の試験の組み立て

美作市の一般事務職は3段階の試験です。特徴が出るのは第2次で、グループワーク、プレゼンテーション面接、論文試験の3科目が同じ段階に並びます。

話す力、書く力、他者と協働する力を、まとめて確かめる設計です。個別面接は第3次の口述試験として、別に置かれています。

項目内容(令和8年度(後期)・一般事務職)
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験教養試験(120分/時事、社会・人文、自然に関する一般知識、文章理解、判断・数的推理、資料解釈)と適性検査(40分/一般適性検査により性格特性を測定)
第2次試験グループワーク(出題される課題についてグループで検討)、プレゼンテーション面接(出題される課題についてのプレゼンテーション及び面接)、論文試験(出題される課題について記述する筆記試験)の3科目
第3次試験口述試験(個別面接)
募集区分一般事務職①【大学卒業程度】(記号A)、一般事務職①【高校卒業程度】(記号B)、一般事務職②【医療事務】(記号C)。申し込めるのは1区分に限られます
採用予定人員3区分合わせて5名程度。職務内容は一般行政事務
提出書類美作市職員採用試験申込書1部、美作市職員採用試験エントリーシート1部、美作市職員採用試験受験票1部。該当者はさらに語学資格加点申告書、活動経験調査票を提出します(各様式は市ホームページからダウンロードできます)
第1次試験での加点実用英語技能検定準1級以上、TOEIC 740点以上、TOEFL(PBT)550点以上、TOEFL(iBT)80点以上、国際連合公用語英語検定試験A級以上、または手話通訳士もしくは手話通訳者の資格を有し活動経験が3年以上ある人が対象(有効期限があるものは有効期限内のものに限ります)
配点令和8年度(後期)の受験案内には、配点・満点の記載はありません。最新の受験案内でご確認ください
受験の制限同じ年度に実施された美作市職員採用試験を受験した人は、後期日程では受験できません
合否の通知受験者全員に郵便で通知されます

この構成で注目したいのは、人物をみる場が第2次と第3次に分かれている点です。第2次のプレゼンテーション面接は、その場で出題された課題について組み立てて話す形式で、あらかじめ用意した志望動機を述べる場ではありません。

一方の第3次は個別面接です。課題への向き合い方と、人としての一貫性を、別々の場で確かめる設計だと理解しておきましょう。

上記は、令和8年度(後期)の美作市職員採用試験(一般事務職)受験案内にもとづく内容です。受験案内には、第2次試験以降の試験内容について変更となる場合がある旨の注記が付されています。試験の科目・区分・提出書類は実施回や年度によって異なりますので、受験の際は必ずご自身の区分について美作市が公表する最新の受験案内でご確認ください。

提出書類が3種類ある

美作市では、申込の段階で申込書・エントリーシート・受験票の3種類を提出します。加えて、語学資格や活動経験のある人は、語学資格加点申告書や活動経験調査票を添えます。

様式はいずれも市ホームページからダウンロードできます。エントリーシートに書いた内容は、第2次と第3次で面接官の手元に置かれる前提で用意しておくべきものです。

書く段階から、口頭で説明することを想定して整えておきましょう。

美作市役所が求める人材

確認した美作市の令和8年度(後期)一般事務職の受験案内には、「求める職員像」にあたる定型の公表文言は置かれていません。そのかわり、試験の設計に市の期待が表れています。

第1次で教養試験と適性検査、第2次でグループワークとプレゼンテーション面接と論文試験、第3次で個別面接。書く場と話す場と協働する場が、それぞれ独立して用意されているという並びです。

2万4千人が429.02km²に散らばり、その一部は冬に雪が積もる。当研究会がこの市の仕事を考えるときに出発点へ置いているのは、この条件です。

同じ制度でも、市街地の集落と山あいの集落では、届けるまでの手間がまったく違います。机の上で組んだ手順がそのまま通らない場面が出てくるということで、現地を見て段取りを組み直す作業が仕事の一部になります。

プレゼンテーション面接で問われる「課題をどう組み立てるか」という力も、こうした日常と地続きのものだと考えてよさそうです。季節によって仕事の中身が変わることも、この市では織り込み済みの前提になります。

美作市の第2次試験には、出題された課題についてのプレゼンテーション面接が置かれています。用意した原稿を読み上げる場ではなく、その場で考えを組み立てて人に届ける場です。

第3次の個別面接では、そこで話した内容の根拠まで問われることになります。準備として効くのは、すでに持っている経験を「課題に対する答え」の形に組み替える練習です。

素材は、いま手元にあるもので足ります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。美作市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらから来られましたか?第2次でグループワークがある試験です。初対面の相手に対する構え方は、そこから見られています
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間との比較で止まらず、県境の山あいにある2万4千人の市を選んだ理由まで説明できているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?第1次の適性検査は性格特性を測定する検査です。そこで出る傾向と、面接で語る自分像が食い違わないか
④ 経験・行動これまでで最も難しかった場面と、そこで何をしたかを教えてくださいグループワークでの立ち位置の取り方が、これまでの経験の語り口とそろっているか
⑤ 学業・経歴学んできたことを、専門外の人にもわかるように説明してくださいプレゼンテーション面接と直結する力です。相手の前提に合わせて説明を組み替えられるか
⑥ 適性・将来採用後、どんな仕事に取り組みたいですか?採用予定5名程度の市で、配属の幅は広くなります。希望と違う職場でも力を出せるか
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースは何ですか?第1次の教養試験でも時事が問われます。日頃どこまで社会を見ているかが、そのまま出ます

ここまでの7つは、受験先が変わっても中身はさほど変わりません。

だからこそ、ここでの出来は準備量の証明にはなっても、美作市を選んだ証明にはなりません。その役目を負うのが、次に挙げる問いです。

合否を分けるのは「美作市役所ならでは」の質問

「なぜ岡山県庁ではなく、美作市役所を志望するのですか?」
「美作市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

プレゼンテーション面接がある美作市では、この2問目に近いテーマが課題として出される可能性も考えておくべきです。

市の課題を、その場で構造として説明できるところまで準備できているかが、他の受験者との差になります。答えるための材料を、面接で使いやすい形に絞って整理しました。

質問テーマ知っておきたい美作市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か美作市は人口2万4,287人(令和8年1月1日現在)、市域429.02km²の市。一般事務職の採用予定は3区分合わせて5名程度県との役割の違いを述べる前に、一人あたりの受け持ちが広い職場を自分が選ぶ理由を先に置きます
人口と年齢構成65歳以上の割合は42.3%、75歳以上は25.7%で、いずれも岡山県全体を大きく上回る(令和8年1月1日現在)数字を挙げたあと、約57人/km²という人口密度と掛け合わせて、施策の難しさを説明できると差が出ます
雪という条件旧勝田町・大原町・東粟倉村の区域が国土交通省の豪雪地帯に指定されている(特別豪雪地帯の指定はない)雪を不利な条件としてだけ語らず、冬季の暮らしを支える仕事の具体像まで踏み込みます
美作市の魅力湯郷温泉は湯原温泉・奥津温泉とともに「美作三湯」の一つで、約1,200年前に円仁法師が白鷺に導かれて発見したと伝わる歴史の長さを紹介して終わらせず、その資源を誰が継いでいくのかという担い手の話につなげます
県境という立地兵庫県の宍粟市・佐用町、鳥取県の智頭町に接しており、県境が二方向にある生活圏が県をまたぐ前提に立ち、広域での連携が必要な場面を一つ挙げられるようにしておきます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

受験案内に「求める職員像」の定型文が置かれていない以上、手がかりになるのは科目の並びです。

グループワーク、プレゼンテーション面接、論文試験が第2次に並ぶこの試験では、確かめようとしている力も三つに分かれていると考えられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
その場で組み立てて話す力第2次のプレゼンテーション面接は、出題された課題について構成し、話し、そのまま質問を受けます美作市の課題を3つ用意し、それぞれを結論から3分で述べる形に整えて、口に出して回す
他者と課題を進める力第2次のグループワークで、出題された課題をグループでどう検討したか議論を仕切る役だけを想定せず、論点を整理する、時間を管理する、意見を引き出すなど複数の役を試しておく
書いて筋を通す力第2次の論文試験は、出題された課題について記述する筆記試験です市の課題を一つ選んで書き、話した内容と書いた内容が同じ結論に着地するかを確かめる
この市で働き続ける意思第3次の個別面接で、志望理由の根っこまで確かめられます地縁の有無ではなく、雪や距離といった条件を引き受けたうえで何をしたいのかを言い切れるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

美作市では第2次のプレゼンテーション面接と第3次の口述試験があり、話した内容の根拠を別の場で問い直される可能性があります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内で、自分が受ける区分と回を決める(申し込めるのは1区分だけで、同じ年度の他の回との併願にも条件があります)
  2. 申込書・エントリーシート・受験票の様式を早めにダウンロードし、書く内容の骨格を先に固める
  3. 高校・大学生活や職務経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイト・仕事から、話せる場面を1つずつ書き出す
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. この記事の前半に戻り、美作市の事実を2〜3個選んで、自分の関心とつなげて言えるようにする
  6. 声に出して練習する。プレゼンテーション面接に備え、初見の課題を3分で組み立てて話す練習を、時間を計って繰り返す

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程です。時間が足りないときは、ステップ2の書類づくりとステップ3の棚卸しを先に終わらせてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、美作市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

美作市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

美作市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度(後期)の一般事務職では、第2次にグループワークとプレゼンテーション面接と論文試験が並び、第3次で個別面接が待ちます。配点は受験案内に示されていませんが、書く、話す、人と進めるという三方向から人を見ようとしていることは、この並びから読み取れます。

65歳以上が4割を超え、市域は429平方キロメートルに及び、その一部は雪に閉ざされる。二つの県境をまたいで人が行き来する2万4千人の市で、自分は何を引き受けるのか。

その答えが自分の中で固まっていれば、初見の課題を渡されても、話す軸はぶれません。