本記事では、長門市職員採用試験の面接対策で必要な、長門市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

長門市の採用試験で人物を確かめる場では、「なぜ長門市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「どの仕事に関わってみたいか」といった、まちの資源と暮らしの両方を見ていないと形にならない質問が想定されます。市の実情を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、長門市ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

試験に関する記述は、令和8年度長門市職員採用試験の実施計画(令和8年6月11日時点)にもとづき、社会人・大学卒・高校卒の3区分を対象に整理しています。本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と長門市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

長門市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは長門市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口29,546人に対して市域が357.11平方キロメートルという、広さのわりに人口の少ない市。人口密度は1平方キロメートルあたり約83人になる。
  • 接しているのは下関市・美祢市・萩市の3市。山口県の北西部にあたる位置を占める。
  • 昭和30年に創建された元乃隅神社は、CNNの「日本の最も美しい場所31選」に選ばれ、2017年には来訪者が100万人を超えた。
  • 仙崎出身の童謡詩人金子みすゞ(1903年生まれ)の記念館があり、遺稿512作品を保存している。
  • 市役所は東深川に置かれ、職員採用事務は総務課人事班が所管している。
  • 市は職員採用の広報物として、採用案内のほか職種別のポスター(観光編・広報編・都市建設編・図書館編)を公式サイトで公開している。
  • 令和8年度の職員採用は社会人・大学卒・高校卒の3区分で実施され、高校卒区分には障害者を対象とした事務の募集も含まれる。
  • 65歳以上が人口の45.5%、75歳以上が27.3%。山口県全体の35.4%・21.5%を大きく上回る(いずれも住民基本台帳にもとづく令和8年1月1日現在の値)。

長門市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「長門市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模と年齢構成、市域の広さ、隣り合う自治体、市役所の所在を並べます。長門市の場合、人口の少なさと市域の広さが横に並んだ時点で、市政の難所はおおよそ察しがつきます。

項目内容
総人口29,546人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口13,431人(45.5%。山口県全体は35.4%)
うち75歳以上人口8,052人(27.3%。山口県全体は21.5%)
総面積357.11km²
人口密度約83人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
接する自治体下関市・美祢市・萩市
市役所の所在地長門市東深川1339番地2
採用事務の所管総務課 人事班
市の花/市の木サクラ・ツツジ/サクラ・ツツジ

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。人口密度は、この住民基本台帳人口を総面積で割って算出しました。本記事で後述する山口県全体の人口(令和7年国勢調査の速報値)は調査の基準が異なるため、この表の値と直接引き算して比べることはできません。

数字から考えられる市政課題

長門市の年齢構成は、山口県全体を大きく超える水準にあります。65歳以上が45.5%、75歳以上だけで27.3%。

県全体の35.4%・21.5%と並べると、10ポイント前後の開きがあることが分かります。市民の4人に1人以上が75歳以上という構成ですから、通院や買い物の移動、見守り、住まいの維持といった課題が、日常の相談として市役所に届きます。

もう一つは密度です。357.11平方キロメートルの市域に29,546人で、人口密度は1平方キロメートルあたり約83人。

人が薄く広く暮らしている状態で、道路や水道といった基盤も、その広がりに合わせて維持しなければなりません。人口が減っても、支えるべき面積は減らないという構造が、財政と人員の両面に効いてきます。

長門市の採用試験は区分ごとに設計が分かれています。数字は暗記のためではなく、自分がどの区分でどんな仕事に関わりたいかを説明する土台として使いましょう。

「長門市は3万人ほどのまちですが、65歳以上が4割を超えていて、75歳以上の方だけで4人に1人以上いると知りました。市域が広いので、移動が難しくなった方にどう情報や支援を届けるかが、いちばん身近な課題になるのではと感じています」

長門市の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 昭和30年創建の元乃隅神社は、CNNの「日本の最も美しい場所31選」に選ばれ、2017年には来訪者が100万人を超えた。
  • 仙崎出身の童謡詩人金子みすゞの記念館があり、遺稿512作品を保存している。市が文化を資源として抱えていることを示す。
  • 山口県全体の観光客数は令和5年(1月から12月)で31,025,606人、前年比116.5%。令和6年は韓国・台湾を中心に外国人延べ宿泊者数が過去最高となった。
  • 山口県の製造業出荷額は7兆6,150億円(令和4年)で、瀬戸内海沿岸に基礎素材型産業が集積する。長門市はその沿岸の集積地とは離れた位置にある。

つまり、長門市の資源は工場ではなく、景観と文化と、それを訪ねてくる人の流れにあるという整理になります。県全体の工業県としての姿を市の説明にそのまま持ち込むと実態からずれますので、注意してください。(出典:山口県観光客動態調査|令和5年)

元乃隅神社という到達点

元乃隅神社は昭和30年の創建です。海に向かって鳥居が連なる景観がCNNの「日本の最も美しい場所31選」に選ばれ、2017年には来訪者が100万人を超えました。

人口3万人に満たない市に、その何十倍もの人が訪れる場所があるということです。行政の仕事として見れば、駐車場や道路、案内、ごみ、トイレ、繁忙期の混雑といった実務が一気に立ち上がります。

観光地を持つことは、そのまま生活道路や地域の負担の問題でもあるという視点を持っておくと、面接での話が地に足のついたものになります。(出典:元乃隅神社(長門市観光情報))

金子みすゞの遺稿512作品

仙崎出身の童謡詩人・金子みすゞは1903年の生まれです。市には記念館があり、遺稿512作品が保存されています。

文化資源を持つということは、それを保存し、調べ、伝える人が必要だということでもあります。実際、長門市の令和8年度の採用では、社会人区分の職種に文化財専門員が置かれています。

市が抱える資源と、市が募集する職種が対応しているという関係は、志望動機を具体化するうえで見逃せません。(出典:金子みすゞ記念館(長門市))

県の産業という背景

山口県の製造業出荷額は令和4年で7兆6,150億円、業種別では化学工業製品が32.4%を占めます。1事業所当たりの付加価値額と従業者1人当たりの付加価値額はいずれも全国1位で、瀬戸内海沿岸に並ぶ装置産業が県経済を支えている姿です。

長門市はその集積とは距離のある位置にあり、県の平均的な産業像とは異なる条件で市政を運営しています。県の統計を引くときは、「県全体はこうだが、長門市の事情は違う」という一言を添えると、数字の扱い方が丁寧に見えます。(出典:山口県の工業|令和4年)

長門市の主な行政課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、長門市が今向き合っている課題が見えてきます。以下の5つは、志望動機にも自己PRにもつなげやすい材料です。

県平均を大きく超える高齢化

65歳以上45.5%、75歳以上27.3%という水準は、山口県全体の35.4%・21.5%を10ポイント前後上回ります。その山口県自体、令和7年国勢調査の速報集計で人口1,264,006人と、令和2年から78,053人・5.8%減っている県です。

県の総合戦略も、予測より早いペースで人口減少が進み、令和5年8月に県人口が130万人を割り込んだという認識を示しています。県が心配している状況が、長門市ではすでに日常になっているという捉え方をしておきましょう。(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計(山口県)|令和7年)

広い市域に薄く暮らす

357.11平方キロメートルに29,546人という密度は、1平方キロメートルあたり約83人です。行政サービスを届ける距離が長く、道路や水道といった基盤の維持費も、人口の減り方ほどには減りません。

集落ごとに事情が違うため、一律の解決策が当てはまりにくいという難しさもあります。

この論点は事務職でも技術職でも共通しますが、具体的な施設の統廃合計画や路線の話を推測で語るのは避けてください。広さと密度という確かな事実から組み立てれば十分です。

観光と文化を地域の力に変える

元乃隅神社には2017年に100万人を超える来訪者がありました。金子みすゞの記念館には遺稿512作品が保存されています。

知られた資源を持っていることは強みですが、訪問が地域の収入や雇用にどこまで結び付いているかは別の問題です。

山口県全体では令和6年に外国人延べ宿泊者数が過去最高となり、韓国・台湾を中心に人の流れが戻っています。来た人にどれだけ長く滞在してもらえるかが、こうした地域に共通する課題になります。

若い世代の流出と、区分を分けた採用

山口県は第3期総合戦略で、進学・就職による若者の県外流出が一貫して続いていること、男性に比べて女性の流出が大きいこと、新型コロナウイルス感染症の流行後に東京圏等への社会減が再び拡大傾向にあることを課題に挙げています。

長門市の令和8年度の採用は、社会人・大学卒・高校卒の3区分に分かれ、社会人区分には事務・保健師・保育士・主任介護支援専門員・建築・土木・文化財専門員という幅広い職種が並びます。必要な専門性を、新卒だけに頼らず社会人からも集める設計だと読めます。(出典:山口県 第3期総合戦略(2025改訂版)|令和7年3月)

災害への備え

山口県が令和7年に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定の見直しでは、県内の最大震度6強(柳井市)、最大津波高3.7メートル(光)、死者502人(うち津波によるもの474人)、全壊・焼失9,738棟、経済被害約1.9兆円が見込まれ、1日後の避難者数は245,720人と示されました。津波の被害は瀬戸内海沿岸に集中する想定で、県内では沿岸の全15市町が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されています。

地域ごとに想定される事態は同じではありませんので、長門市について何がどの程度見込まれているかは、市の地域防災計画やハザードマップで確認してください。人口が少なく面積の広い市では、発災時に一人の職員が受け持つ範囲が大きくなるという点も押さえておきましょう。(出典:山口県の南海トラフ巨大地震等被害想定|令和7年)

長門市の重点政策|採用ポスターが並べた四つの仕事

長門市が職員にどんな仕事を期待しているかは、市が自分で作った広報物から読み取れます。市は公式サイトで職員採用案内を公開しているほか、観光編・広報編・都市建設編・図書館編という職種別のポスターを掲載しています。

市の全業務のうち、どの4つを表に出して人を呼びたいと考えているかが、そのまま並んでいるということです。(出典:長門市職員採用案内・職種別ポスター)

四つのポスターが指している仕事

ポスターの分野長門市の条件と重ねると
観光編元乃隅神社のように市の人口を大きく上回る来訪者が集まる場所を抱え、受け入れと地域への還元の両方を組み立てる仕事
広報編人口29,546人が357.11平方キロメートルに分散する市で、必要な情報を確実に届ける仕事
都市建設編広い市域の道路や施設を、人口が減っていくなかで維持・更新していく仕事
図書館編金子みすゞの記念館を持つ市で、文化と本を通じて人が集まる場所をつくる仕事

4つを並列に語る必要はありません。自分の関心にいちばん近い1つを選び、そこから市の課題へ話をつなぐほうが、面接では伝わります。ポスターに出ていない部署を志望してももちろん構いませんが、市が表に出した4分野は、志望動機を組み立てる手がかりとして質が高いことは覚えておいてください。

県の計画|やまぐち未来維新プラン

市の政策は県の計画とも噛み合っています。山口県が令和4年12月に策定した「やまぐち未来維新プラン」は、2022年度から2026年度を計画期間とし、産業維新・大交流維新・生活維新の3本柱と、デジタル変革・グリーン成長(脱炭素)の重点プロジェクトで構成されています。

観光と文化に資源を持つ長門市なら、大交流維新の側から自分の志望を説明しやすいはずです。(出典:やまぐち未来維新プラン|令和4年12月策定)

POINT|ポスターの分野名をなぞるだけにしない

「観光の仕事がしたいです」と言うだけでは、ポスターを見た感想の域を出ません。4つから1つを選び、「①その分野でいま何が足りていないか → ②人口3万人規模の市がそれをどう担うか → ③自分に近い経験はあるか → ④そのとき実際に何をしたか → ⑤入庁後にどう使うか」の順で組み立ててください。

悪い例「長門市には元乃隅神社があるので、観光の仕事に携わりたいです」

改善例「元乃隅神社に100万人以上が来た年があると知って、逆に近くに住んでいる方は大変なのではと思いました。私はイベントの案内係をしたときに、地元の方の通り道をふさいでしまって苦情をいただいた経験があるので、訪れる人と暮らす人の両方を考える仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

長門市について自分で確かめるなら、次の4つを見ておけば足ります。必要な項目だけを拾ってください。

  • 令和8年度長門市職員採用試験の実施計画と、志望する区分・職種の募集案内
  • 長門市の職員採用案内および職種別ポスター(観光編・広報編・都市建設編・図書館編)
  • 長門市の最上位の計画と、直近年度の予算に関する市の説明資料(正式名称と計画期間は市公式サイトでご確認ください)
  • 山口県の総合計画「やまぐち未来維新プラン」と、第3期総合戦略

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、長門市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。長門市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

長門市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

長門市役所の面接の概要

ここからは、長門市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

長門市役所の面接の流れ

令和8年度の実施計画によると、長門市の職員採用試験は社会人・大学卒・高校卒の3区分で行われ、いずれの区分も第1次試験と第2次試験の2段階で、第3次試験は設定されていません。区分ごとに職種と第1次試験の実施方式が分かれているのが特徴です。

項目内容(令和8年度実施計画・令和8年6月11日時点)
試験の段階社会人・大学卒・高校卒のいずれの区分も第1次試験と第2次試験の2段階(第3次試験の設定はありません)
「大学卒」区分の職種行政・建築・土木・保健師
「大学卒」区分の第1次試験行政・建築・土木はテストセンター方式。保健師は市役所での実施
「社会人」区分の職種事務・保健師・保育士・主任介護支援専門員・建築・土木・文化財専門員
「社会人」区分の第1次試験テストセンター方式
「高校卒」区分の職種事務・建築・土木・消防吏員および障害者を対象とした事務
「高校卒」区分の第1次試験市役所での実施
受験資格(生年月日)社会人は昭和56年4月2日以降、大学卒の行政・建築は平成11年4月2日以降、大学卒の土木・保健師は平成8年4月2日以降、高校卒は平成15年4月2日以降、障害者を対象とした事務は平成2年4月2日以降の生まれ
採用予定日社会人を対象とした採用試験は令和8年10月1日採用。大学卒・高校卒・障害者を対象とした事務は令和9年4月1日採用
試験種目実施計画には第1次試験・第2次試験の実施予定日と最終合格発表予定日が示されており、種目の内訳は各試験日程で発行される募集案内に掲載されます

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。実施計画に書かれているのは日程と区分・職種までで、第2次試験がどの種目で行われるかは、この資料からは分かりません。

したがって本記事も、長門市の第2次試験を面接だと決めつけて説明することはしません。とはいえ、2段階の選考で第2次まで進んだ受験者を評価する以上、人物を見る場面が用意されるとみておくのが妥当です。

準備の方針としては、区分ごとの募集案内が出たらすぐに種目を確認し、それまでは経験の棚卸しと志望理由の言語化を進めておくのが現実的でしょう。

上記は長門市が公表する令和8年度長門市職員採用試験実施計画(令和8年6月11日時点)にもとづく整理です。市は同計画に「実施計画の内容から変更になる場合がございますので、各試験日程で発行される募集案内を必ずご確認ください。」と明記しており、試験種目や配点は職種ごとの募集案内に示されます。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の募集案内をご確認ください。(出典:令和8年度長門市職員採用試験実施計画(PDF))

長門市役所が求める人物像

長門市の令和8年度実施計画と職員採用のページには、「求める人物像」という見出しで整理された文言は掲出されていませんでした。その代わりに市が公開しているのが、採用案内と、観光編・広報編・都市建設編・図書館編という職種別のポスターです。

条件を文章で示すのではなく、仕事の絵を見せて人を呼ぶという伝え方を選んでいるということです。志望動機を組み立てるときは、この4分野のどれかに自分の関心を重ねると、市の見せ方に沿った説明になります。

募集の形そのものも手がかりになります。社会人区分に並ぶ7職種、大学卒区分の4職種、そして29,546人という人口。

この3つが指し示す働き方は、市の公表資料には書かれていません。以下の2段落は、その余白を埋める話です。

この規模では、一つの部署に配置される職員の数がどうしても限られます。担当が細かく分かれていない分、自分の受け持ちの周りにある仕事まで自然と目に入りますし、入ってくる相談も分野をまたぎます。

ですから、狭い専門に閉じこもらずに動ける柔らかさが、早い段階から効いてくるはずです。

あわせて、市が社会人区分で主任介護支援専門員や文化財専門員といった職種を挙げていることにも注目してください。特定の分野の経験を持つ人を、その経験ごと採りにいく姿勢が見て取れます。新卒であれ社会人であれ、自分の持っている強みを市のどの仕事に差し出せるのかを、はっきり言葉にしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。長門市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク長門市には来たことがありますか?訪れた回数を競う質問ではありません。まちへの関心の持ち方が自然に出るか
② 動機・志望この区分で受けようと思ったのはなぜですか社会人・大学卒・高校卒と入口が分かれています。自分の選択に理由があるか
③ 自己理解人から頼まれごとをされやすいほうですか職員数の限られる組織で、自分がどう振る舞う人間かを把握しているか
④ 経験・行動専門外のことを頼まれて、断らずにやり切った経験はありますか分野をまたぐ相談が来る職場で働く適性。抱え込みと丸投げの間で動けるか
⑤ 学業・経歴これまで学んだことのうち、長門市で使えそうなものはありますか市は専門職を区分ごとに募集しています。自分の強みを仕事に差し出せるか
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたら、どうしますか一つの部署の人数が限られる市で、配置の現実を踏まえて志望しているか
⑦ 公共性・社会性人口が減っていくまちで、行政にできることは何だと思いますか減っていく前提を受け止めたうえで、自分の考えを述べられるか

長門市の選考は2段階で、人物を確かめる時間があるとしても、その回数は限られます。上の7つで持ち時間を使い切ってしまえば、それ以上は伝わりません。点差がつくのは、長門市を調べていないと踏み込めない質問のほうです。

合否を分けるのは「長門市役所ならでは」の質問

「山口県庁ではなく、長門市役所を志望した理由を教えてください」
「長門市の魅力と、課題だと感じるところを教えてください」

どちらも、有名な場所の名前を並べただけでは二の矢で行き詰まります。言い換えると、高齢化の水準と広い市域、そして観光と文化という資源を、自分の言葉で結び直せるかどうかが問われる質問でもあります。話の起点にできる事実を、返し方と一緒に整理しておきます。

質問テーマ知っておきたい長門市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か市は職種別のポスター(観光編・広報編・都市建設編・図書館編)で、市の仕事の具体像を見せている県と市の違いを一般論で語らず、市が見せている4つの仕事のどれに自分が近いかから説明します
人口と年齢構成住民基本台帳の令和8年1月1日現在で29,546人。65歳以上45.5%、75歳以上27.3%で、山口県全体(35.4%・21.5%)を大きく上回る数字を挙げたうえで、その水準だと窓口や現場で何が起きるかまで踏み込みます
市域と密度面積357.11平方キロメートル、人口密度は約83人/平方キロメートル。接するのは下関市・美祢市・萩市の3市広さの数字だけでなく、人口が減っても維持すべき面積は減らないという構造まで話せると強いです
観光と文化の資源元乃隅神社は2017年に来訪者100万人超。金子みすゞの記念館は遺稿512作品を保存している名所の紹介で終わらせず、訪れる人と暮らす人の両方をどう考えるかに進めます
採用の設計社会人区分には事務・保健師・保育士・主任介護支援専門員・建築・土木・文化財専門員が並び、専門職を幅広く募集している市が求めている専門性の幅を知ったうえで、自分がどこに当てはまるかを説明できると具体性が出ます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

長門市は求める人物像を文章では示していません。代わりに手がかりになるのが、区分と職種を細かく分けた募集の設計です。その人がどこで力を出せるかを見極めようとしていると読める分け方だということです。

いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自分の強みを差し出せるかこれまでの学びや経験を、市の仕事にどうつなげるつもりかを問われます市は職種を細かく分けて募集しています。自分の得意分野が4つのポスターのどれに近いかを言えるようにしておきましょう
分野をまたいで動けるか担当外の相談を受けたときにどうしたかを、具体的な場面から聞かれます人口3万人規模の市では、相談は分野で分かれてきません。抱え込まずに人へつないだ経験を用意しておいてください
減っていく前提で考えられるかできない理由ではなく、限られた条件でどうするかという考え方を見られます予算や人手が足りない場面で、優先順位をつけて動いた経験を一つ思い出しておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

長門市は2段階の選考ですから、限られた回数のなかで掘り下げられると考えておきましょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 志望する区分の募集案内が公表されているか市の採用ページで確認し、試験種目と提出書類を実施計画と突き合わせる
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトや職務経験から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。第1部で扱った観光と文化の数字から、志望分野に近いものを2つ選び、出所ごと覚えておく
  5. 対応表から拾った事実を起点に、自分が引っかかった点と長門市で取り組みたいことを、ひと続きにつなげて話す形にする
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4と5の自治体研究は、あくまで積み増しの工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を長門市の仕事へどうつなぐかという自己分析を先に済ませてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、長門市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

長門市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

長門市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度でいえば、長門市の採用試験は社会人・大学卒・高校卒の3区分で、いずれも2段階の選考です。種目の内訳は区分ごとの募集案内で公表されますので、まずはそこを確認するところから始めてください。

65歳以上が45.5%を占め、357平方キロメートルに3万人弱が暮らし、元乃隅神社と金子みすゞという資源を抱えるまちです。

市が公開している4枚のポスターを手がかりに、自分の強みをどの仕事へ差し出せるのかを、具体的な経験と結び付けて話せる状態まで持っていきましょう。