本記事では、萩市職員採用試験の面接対策に必要な、萩市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点をまとめています。
萩市役所の面接では、「なぜ萩市を選んだのか」「市職員としてどんな仕事に関わりたいのか」「自分の経験を萩市でどう生かすのか」といった、市の実情を知らないままでは答えが薄くなる質問が想定されます。
令和8年度(2026年度)の萩市職員採用試験は、二つの試験区分(日程枠)に分かれて実施され、事務職は上級・初級・社会人経験者の3区分で募集されます。本記事は事務職の上級を中心に据えつつ、他の職種の募集状況にも触れながら整理しました。掲載した数字と公表事項を、自分の経験と萩市の仕事を結ぶ材料として使ってください。
第1部|自治体研究編
萩市の特徴
本格的な面接練習に入る前に、萩市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 山口県の北部、日本海に面する市。市域は698.50平方キロメートルで、県内では山口市・岩国市・下関市に次いで4番目に広い。
- 人口は40,516人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。県内13市のうち10番目の規模で、人口密度は約58人/平方キロメートル。
- 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のうち、萩エリアは5つの資産で成り立っている。萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、松下村塾、萩城下町の5件で、2015年7月に登録された。
- カルデラ地形や溶岩台地を持つ萩ジオパークの区域が広がり、阿武川が日本海へ注ぐ。山口県の森林率は71%と全国平均の67%を上回っており、萩市域もその山あいを大きく含む。
- 高齢化率は45.7%、75歳以上の割合は27.7%。いずれも山口県全体(35.4%・21.5%)を大きく上回り、県内13市の中では2番目に高い水準にある。
- 令和8年度の職員採用では、事務職のほかに文化財専門職2人と学芸職員1人を募集している。文化財を担う人材を単年で複数採るのは、世界遺産を抱える市ならではの体制づくり。
- 令和8年度は全ての職種で「萩市内に居住できる方(特別な事情がある場合を除く)」が応募の条件とされている。
- 市民病院の看護師・薬剤師・社会福祉士・事務職も同じ試験の中で募集されており、市が地域医療の担い手も直接抱えていることがわかる。
萩市の基礎データ
統計を細かく覚える必要はありません。効いてくるのは、萩市がどれくらいの広さの中に、どれくらいの人が、どんな年齢構成で暮らしているかを言えることです。
市の姿を説明するときに効く項目だけを並べました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 40,516人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 18,534人(45.7%/山口県全体は35.4%) |
| 75歳以上人口 | 11,203人(27.7%/山口県全体は21.5%) |
| 総面積 | 698.50km²(山口県内で4番目の広さ) |
| 人口密度 | 約58人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 市役所所在地 | 萩市大字江向 |
| 隣接する自治体 | 山口市、長門市、美祢市、阿武町、島根県益田市、島根県津和野町 |
| 市の花・市の木 | ツバキ、ハギ/ヒノキ、マツ |
人口・年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)によります。面積、市役所の所在地、隣接自治体、市の花と木は当研究会が整理した基礎データによるものです。住民基本台帳による人口と国勢調査による人口は調査の基準が異なりますので、両者をそのまま並べて比べることはできません。
数字が示す市政の前提
まず年齢構成です。萩市の高齢化率45.7%は、同じ時点の山口県全体(35.4%)を10ポイント以上上回ります。
75歳以上の割合27.7%も県全体の21.5%より6ポイント以上高い。市民の4人に1人以上が後期高齢者という構成は、福祉や医療だけでなく、税、道路、防災、教育まで、あらゆる分野の前提になります。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)
そこへ市域の広さが重なります。698.50平方キロメートルに40,516人ですから、人口密度は約58人/平方キロメートル。
山口県全体の約209人/平方キロメートルと比べると3割にも届きません。高齢化率は県平均を10ポイント超え、人の密度は県平均の3割未満。
この二つが同時に成り立っているところに、萩市の仕事の難しさと、やりがいの両方があります。窓口に来てもらう発想だけでは届かない範囲が、市域の中に確実に存在するということです。
この前提を面接で口にするなら、こんな組み立てになります。
萩市の経済・産業
世界文化遺産を抱える城下町
萩市の経済を語るときに外せないのが、2015年7月に登録された世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」です。萩エリアはこのうち5つの資産で構成されています。
萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、松下村塾、そして萩城下町。資産のひとつが城下町そのものという点が、萩市の特殊なところです。(出典:萩の世界文化遺産|萩市公式)
遺跡や記念館だけを保存するのとは、扱いがまったく違います。住民が今も暮らしている区域そのものが世界遺産の構成資産になっているため、景観の維持、建物の修繕、日常生活の利便、観光客の受け入れが、常に同じテーブルに載ります。
観光振興を志望動機にするなら、この同居のむずかしさに触れられるかどうかで話の厚みが変わります。
ジオパークと自然環境
もうひとつの資源が自然です。萩市域にはカルデラ地形や溶岩台地を持つ萩ジオパークが広がり、阿武川が日本海へ注いでいます。
山口県は中国山地の支脈が続く地形で、高く険しい山は少なくなだらかな山容が多く、森林率は71%と全国平均の67%を上回ります。(参考:山口県の地勢・地質・気候|森林整備センター)
歴史遺産と自然資源が同じ市域に重なっているのは強みですが、どちらも維持に人手と費用がかかる資産でもあります。訪れる人を増やす施策と、守る体制を保つ施策は、別々に考えるより、ひとつながりの課題として捉えたほうが実態に近いでしょう。
県の産業構造という背景
日本海側の萩市は、県の産業統計では工業の集積地とは別の側に位置します。それでも県全体の構造は知っておく価値があります。
令和4年の山口県の製造品出荷額は7兆6,150億円で、業種別では化学工業製品が32.4%と最大です。山口県は1事業所当たりの付加価値額と従業者1人当たりの付加価値額がいずれも全国1位で、瀬戸内海沿岸に石油化学コンビナートなどの基礎素材型産業が集まる工業県という性格を持ちます。(出典:山口県の工業|令和4年)
その工業の集積地は瀬戸内海側であり、日本海に面する萩市とは経済の顔つきが違います。県内の産業がどこに厚いのかを知っておくと、萩市が県の中でどういう役割を担っているのかを説明しやすくなります。
萩市の主な行政課題
ここまでの数字と資源を踏まえると、萩市が向き合っている論点が見えてきます。面接で市の課題を聞かれたときのために、次の5つを押さえておきましょう。
県内でも高い水準の高齢化
高齢化率45.7%、75歳以上27.7%という数字は、県内13市の中で2番目に高い水準です。山口県は総合戦略の中で、予測より早いペースで人口減少が進み、令和5年8月に県人口が130万人を割り込んだという認識を示しています。
萩市は、その県全体の平均より十年単位で先の姿を、すでに引き受けていると考えたほうが実態に近いでしょう。(出典:令和7年国勢調査人口速報集計(山口県)|令和7年)
広い市域と低い人口密度
約58人/平方キロメートルという密度は、集落が市域に点在していることを意味します。買い物、通院、交通、水道、道路の維持。
どれも、人口が集まっている市より1人当たりのコストが高くつきます。市民病院の看護師や薬剤師を市が自ら採用していることも、この条件と無関係ではありません。
効率だけを基準にすると答えの出ない領域に、市の判断が求められ続けます。
若い世代の県外流出
山口県は総合戦略の中で、進学や就職による若者の県外流出が一貫して続いていること、男性より女性の流出が大きいこと、コロナ禍のあと東京圏などへの社会減が再び広がる傾向にあることを課題に挙げています。萩市は島根県と県境を接しており、人の動きが県内で完結しない点も踏まえて考える必要があります。(出典:山口県総合戦略(第3期・2025改訂版)|令和7年3月)
豪雨・土砂災害への備え
山口県は、平成21年7月21日に停滞前線に伴う豪雨で県内に大規模な土石流や河川氾濫が発生したことを、防災・災害の記録として公表しています。中国山地の支脈が続き森林率の高い県で、しかも市域が広く集落が点在する萩市では、道路が断たれたときにどう連絡と支援を保つかが備えの中心になります。(参考:山口県の災害の記録|山口県公式)
文化財と自然を守る担い手の確保
世界遺産5資産とジオパークを抱えるということは、それを調べ、直し、伝える人が要るということです。令和8年度の採用で文化財専門職2人と学芸職員1人を募集していることは、その必要が現に生じている証拠といえます。
高齢化が進む中で、地域の行事や町並みを支えてきた住民の側も薄くなっていく。守る対象は増えないのに、守る手は減っていく。
この構図が、萩市の文化行政の背景にあります。
萩市の重点政策|文化財を支える体制と県の方向性
市がどこに力を入れているかは、計画書の目次だけでなく、どんな人を採ろうとしているかにも表れます。令和8年度の萩市職員採用試験では、文化財専門職(建築士)1人、文化財専門職(埋蔵文化財)1人、学芸職員(日本近世史)1人が、事務職や技術職と並んで募集されています。
人口4万人規模の市が、単年でこれだけ専門の枠を置くのは、守るべきものが具体的にあるからです。(出典:令和8年度萩市職員採用試験実施計画|令和8年度)
募集要件から読める市の姿勢
学芸職員の要件はとくに具体的です。「日本近世史の専門的知識を有し、特に中近世移行期から近世後期に至る時代を対象に調査・研究・教育・普及等の業務に従事できる方」とされ、学芸員資格の有無は問わないと明記されています。
資格の有無より、扱える時代と担える仕事の中身で人を選ぶという書き方です。城下町がそのまま世界遺産の構成資産である市が、どの時代を誰に託そうとしているかが、この一文に出ています。
事務職を志望する場合でも、市がこうした体制を組んでいることは知っておく価値があります。
県の方向性もあわせて置いておく
市の施策の背景には県の方針があります。山口県は県政運営の指針として「やまぐち未来維新プラン」(令和4年12月策定、計画期間は令和4年度から令和8年度まで)を掲げ、産業維新・大交流維新・生活維新という3つの維新に、デジタル変革とグリーン成長を重点プロジェクトとして重ねています。
萩市の観光や文化財の施策も、この枠組みの中に置かれていると理解しておくと、県と市の役割を問われたときに答えやすくなります。(出典:やまぐち未来維新プラン|令和4年12月策定)
POINT|計画名を覚えることが目的ではない
施策名をいくつ挙げられても、それだけで加点されることはありません。気になる分野をひとつ決めて、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③今どんな事業があるか → ④市だからこそ手を出せることは何か → ⑤自分の経験をどこで使えるか」の順にたどってみましょう。
悪い例「世界遺産を生かしたまちづくりに携わりたいです」
改善例「萩城下町は、住んでいる方がいる場所がそのまま世界遺産だと知りました。観光の方に来ていただくことと、そこで暮らす方の生活を守ることは、たぶん毎回ぶつかると思います。まずは両方の言い分を聞いて回るところから関わっていきたいです」
あわせて確認したい公式資料
時間が限られているなら、受験に直結する順に手を付けましょう。
- 令和8年度萩市職員採用試験の実施計画と、募集期間に入ってから職員採用サイトに掲載される募集要項
- 萩市の総合計画と、志望分野に近い個別計画の最新版
- 最新年度の萩市の当初予算と、市長が議会で述べた市政運営の方針
- やまぐち未来維新プランの概要版(県の方向性を短時間でつかむため)
ただし、資料を読み込んだ量がそのまま面接の点数になるわけではありません。頭の中に入っていることと、問われた形に合わせて口から出せることは、別々に鍛える必要のある力です。数字を暗記しただけでは、一段掘り下げられたところで答えが尽きます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、萩市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。萩市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
萩市役所の面接の概要
ここからは、萩市役所の試験の組み立てと面接の位置づけを、公表資料と当研究会の分析にもとづいて整理します。
萩市役所の試験の構成
令和8年度の萩市職員採用試験は、第一次試験と第二次試験の2段階で行われ、日程の枠が二つに分かれています。事務職の上級と社会人経験者は試験区分①、初級は試験区分②での実施です。実施計画に沿って、公表されている範囲を並べます。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第一次試験・第二次試験の2段階 |
| 試験区分(日程枠) | 試験区分①と試験区分②の二つ。事務職の上級・社会人経験者は①、初級は②で実施 |
| 事務職の募集人員(予定) | 上級・初級・社会人経験者の3区分を合計して16人程度 |
| 事務職「上級」の受験資格 | 令和9年4月1日時点で29歳以下の方で、4年制大学を卒業した方または令和9年3月までに卒業見込みの方 |
| 事務職「社会人経験者」の受験資格 | 令和9年4月1日時点で39歳以下の方で、高等学校以上を卒業し、民間企業等での職務経験が5年以上あり、最終合格発表後にすべての職歴の在職証明書等を提出できる方 |
| 技術職等の募集人員(予定) | 土木・水道土木技術4人程度、電気2人程度、建築士3人程度(いずれも上級・初級・社会人経験者の合計) |
| 専門職の募集人員(予定) | 文化財専門職(建築士)1人、文化財専門職(埋蔵文化財)1人、学芸職員(日本近世史)1人、保育士1人程度、初級消防3人程度 |
| 市民病院の募集人員(予定) | 看護師5人程度、薬剤師2人程度、社会福祉士1人、事務職1人程度 |
| 応募の条件 | 全ての職種で「萩市内に居住できる方(特別な事情がある場合を除く)」とされています |
| 採用のタイミング | 年度途中と翌年度当初の2つが設定され、職種によって異なります |
| 試験科目・面接の形式・配点・提出書類 | 実施計画は職種・募集人員・受験資格・日程の一覧であり、これらの記載はありません。各職種の募集要件や試験科目の詳細は、募集期間の初日から市の職員採用サイトに掲載されます |
上記は萩市の令和8年度職員採用試験実施計画に基づく内容です。試験科目、面接の形式、配点、提出書類は同計画に記載がありません。募集の詳細は募集期間の初日から市の職員採用サイトに掲載される運用ですので、最新の募集要項でご確認ください。試験の構成・区分・日程は年度によって変わる可能性があります。(出典:萩市職員採用試験|令和8年度)
面接がどの段階でどんな形式で行われるかは、実施計画の一覧からは読み取れません。試験の中身が公表されるのは募集期間に入ってからという運用ですから、志望を決めた時点で職員採用サイトを定期的に見に行く習慣をつけておきましょう。
なお、市公式サイトには「テストセンター受験について」の案内ページも掲出されています。筆記の受け方が会場に集まる方式だけとは限らない前提で、日程の押さえ方を考えておくと安全です。
もうひとつ、これは全職種に共通する重要な条件です。令和8年度の萩市職員採用試験は、応募にあたって「萩市内に居住できる方(特別な事情がある場合を除く)」であることが求められています。
市外から受験する方は、この一文をどう受け止めたかを自分の言葉で説明できるようにしておいてください。生活の場を移す判断は、志望動機の深さと直結して問われる部分です。
萩市役所が求める人物像
確認した萩市の令和8年度職員採用試験実施計画と市公式サイトの採用関係ページには、「求める職員像」として掲げられた文言はありません。試験の中身も募集期間に入ってから公表される運用ですから、いま手元にあるのは職種の構成と応募の条件だけということになります。
手がかりは職種の一覧のほうにあります。事務職16人程度の市が、同じ年度に文化財専門職、学芸職員、消防、市民病院の看護師や薬剤師まで並べて募集している。
当研究会は、この一覧の幅そのものを、事務職に配属される人の守備範囲の広さとして読んでいます。文化財の予算も病院の事務も、どこかの課の誰かが担当として引き受けます。
担当になってはじめて中身を知る仕事が回ってくる前提で、そこから調べ始められる人かどうかが実務の分かれ目になりやすい規模です。
もうひとつの手がかりが、全職種に置かれた市内居住の条件です。職員が市民としても同じ地域で暮らす環境では、窓口での応対だけでなく、日常の振る舞い全体が市役所の印象をつくります。萩市の面接で、業務の適性と同じくらい人柄が確かめられると想定しておくのは、この条件があるからです。
萩市に引きつければ、城下町の景観も、ジオパークの区域も、住民の暮らしと重なった場所にあります。だからといって、萩市の受験者らしい話し方を身につける必要はありません。
試験科目が公表されるまでの時間は、居住の条件をどう考えたのか、その判断に至る材料を自分の中から探す時間として使ってください。移る理由が具体的な事実に結び付いていれば、それ自体が有力な答えになります。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。萩市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 萩までは遠かったのではないですか? | 台本のない一言に、力まずに返せるかどうか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員という道を選んだのですか? | 職業としての選択に、自分の経験からの筋道が通っているか |
| ③ 自己理解 | ご自身の苦手なところはどこですか? | 言い換えでかわさず、仕事の中でどう補うかまで考えているか |
| ④ 経験・行動 | 思うように進まなかった経験を、ひとつ教えてください | うまくいかない状況で、何を変え、何を続けたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできたことを、萩市の仕事にどうつなげますか? | 知識そのものより、調べ方や進め方を持ち込めるか |
| ⑥ 適性・将来 | 萩市の職員として、どんな仕事に関わりたいですか? | 市の仕事に対する解像度と、希望と違う職場でも働けるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になっている社会の動きを教えてください | 関心の向け方と、それを短く整理して伝えられるか |
萩市の場合、試験科目が公表されるのは募集期間に入ってからです。何が出るか読めない期間にできる準備が、まさにこの7つにあたります。
ただし、ここを埋めただけでは足りません。用意した人としていない人ではっきり違いが出るのは、次の一群です。
合否を分けるのは「萩市役所ならでは」の質問
この二問は、下調べ抜きでは形になりません。萩市の人口と世界文化遺産の中身を先に押さえておけば、話す材料には困りません。使えそうな事実を、答え方とセットで並べておきます。
| 質問テーマ | 知っておきたい萩市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と広さ | 人口40,516人(令和8年1月1日現在)で県内13市の10番目。市域698.50km²は県内4番目の広さで、人口密度は約58人/km² | 人数ではなく広さと密度から入ると、市の仕事のやり方そのものを論点にできます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 令和8年度の採用は全職種で市内に居住できることが条件。市民病院の職員も市が直接採用している | 住む場所まで含めて関わる働き方をどう考えたか、自分の判断として述べます |
| 高齢化の現在地 | 高齢化率45.7%・75歳以上27.7%は、いずれも山口県全体(35.4%・21.5%)を大きく上回り、県内13市で2番目に高い | 数字を出したあと、自分が関わりたい分野でその年齢構成がどう効くかまで続けます |
| 世界文化遺産 | 「明治日本の産業革命遺産」萩エリアは、萩反射炉・恵美須ヶ鼻造船所跡・大板山たたら製鉄遺跡・松下村塾・萩城下町の5資産(2015年7月登録) | 資産名を並べるのではなく、人が住む区域が資産であることの難しさに触れます |
| 専門人材の確保 | 令和8年度は文化財専門職2人と学芸職員1人を募集。学芸職員は扱う時代まで指定され、学芸員資格の有無は問われない | 市が体制を作りにいっている分野だと押さえ、事務職としてそこをどう支えるかを述べます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
萩市は求める職員像を文言としては示していませんので、確かめられる中身は、応募の条件と職種の構成から読むのが現実的です。
公務員の面接は、実際にどう行動してきたかを確かめるコンピテンシー評価が基本にあります。答えのまとまり方ではなく、経験の中身と、同じことをもう一度できるかどうかが見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 知らない分野に当たる力 | 経験のない役割を任されたときに、どう手をつけたかを掘られる | 調べた先、相談した相手、変えた手順を、時間の流れどおりに再現できる形にしておく |
| 暮らしの側から考える視点 | 住む人の事情と、制度の都合がぶつかった場面での判断 | どちらかを切り捨てた話ではなく、両方の言い分を聞いた経験を選んでおく |
| この土地で続ける意思 | 市内に居住する条件を、どう受け止めたかを問われる | 覚悟の表明ではなく、萩市の何に関わりたいから移るのかを、具体的な事実に結び付けて言えるようにする |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
試験の中身が事前に読み切れない萩市の試験ほど、この基本の掘り下げに耐える準備が効いてきます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 実施計画で自分が受ける職種と試験区分を確かめ、募集期間に入ったら職員採用サイトで試験科目と提出書類を確認する
- 市内に居住することが条件である点について、自分がどう考えたのかを書き出しておく
- 学生時代に続けたこと、途中でやめたこと、人に頼まれて引き受けたことを思い出し、話せる場面を3つ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部に戻り、高齢化率と人口密度、世界文化遺産の5資産のうち、志望分野に近いものを2つ選んで自分の説明に直す
- 固有質問の対応表を使って、事実から問題意識、やりたいことへと続く話を組み、口に出して確かめる
優先順位に注意
ステップ5と6で行う自治体研究は、他の受験者との差が出るところです。時間が足りないときは、ステップ2と3を先に済ませてください。萩市の知識をいくら積んでも、自分の経験と居住への考えを語れなければ、面接の評価には届きません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、萩市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
萩市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度の萩市職員採用試験は、第一次と第二次の2段階で、事務職の上級は試験区分①での実施です。試験科目や面接の形式は募集期間に入ってから職員採用サイトで公表されますので、志望を決めたら定期的に確認してください。
そして、この試験には全職種に共通する条件がひとつあります。萩市内に居住できること。
人口4万人、市域は県内4番目の広さ、高齢化率は4割半ば。世界遺産の城下町に人が住み続けている市へ生活の場を移し、その暮らしの側から仕事を選ぶという判断を、面接では言葉にすることになります。
判断の材料が自分の経験の中にそろっていれば、試験科目が後から分かる試験でも、準備の芯はぶれません。