本記事では、岩国市職員採用試験の面接対策に必要な、岩国市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点をまとめています。

岩国市役所の面接では、「なぜ岩国市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「これまでの経験を岩国市の仕事にどう生かすのか」といった、市の実情を知らないまま話し始めると輪郭のぼやける質問が想定されます。

なお、令和8年度(2026年度)の岩国市職員採用試験は、先行枠・職務経験者等・前期試験・後期試験という4つの日程区分に分かれており、区分ごとに段階の数も面接の種類も違います。

本記事は大学卒業程度の事務職を主な軸に置きつつ、区分ごとの違いにも触れながら整理しました。掲載した数字と計画を、自分の経験と岩国市政の接点をさがす材料として使ってください。

第1部|自治体研究編

岩国市の特徴

面接の練習に入る前に、岩国市がどういう市なのかを大づかみにしておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 山口県の東の端にあり、広島県と島根県に県境で接する市。錦川が瀬戸内海へ注ぐ河口部の市街地から、中国山地の山あいまでが同じ市域に入る。
  • 市域は873.67平方キロメートル。山口県全体(6,113.00平方キロメートル)のおよそ14%にあたり、県内では山口市に次いで2番目に広い。
  • 人口は122,533人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。県内では下関市・山口市・宇部市・周南市に続く5番目の規模。
  • 市の象徴である錦帯橋には、令和5年に53万人を超える人が訪れた。日帰りが8割を大きく上回る。
  • 岩国錦帯橋空港の年間利用者数は令和6年度に52.3万人となり、過去最高を記録した。内訳は東京羽田線が約43.3万人、沖縄那覇線が9.0万人。
  • 隣接するのは山口県内の光市・柳井市・周南市・和木町・田布施町のほか、広島県の大竹市・廿日市市・江田島市、島根県の益田市・吉賀町、海を挟んで愛媛県松山市。3つの県と接する位置にある。
  • 高齢化率は36.8%で、山口県全体の35.4%をやや上回る。75歳以上の割合は22.5%。
  • 令和8年度の職員採用試験は、先行枠・職務経験者等・前期試験・後期試験の4区分。採用の情報は市の職員採用専用サイトにまとめられている。

岩国市の基礎データ

面接で効いてくるのは、統計を細かく覚えていることではありません。どれくらいの広さに、どれくらいの人が暮らしている市なのかを一言で言えることです。

岩国市の場合、市政の前提を決めているのは人口の多さより市域の広さのほうです。数字を並べてみます。

項目内容
総人口122,533人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口45,053人(36.8%/山口県全体は35.4%)
75歳以上人口27,555人(22.5%/山口県全体は21.5%)
総面積873.67km²(山口県内で2番目の広さ)
人口密度約140人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市役所所在地岩国市今津町一丁目
隣接する自治体光市、柳井市、周南市、和木町、田布施町、広島県大竹市・廿日市市・江田島市、島根県益田市・吉賀町、愛媛県松山市
市の花・市の木サクラ/クスノキ

人口・年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)によります。総面積・市役所所在地・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データに基づくものです。住民基本台帳による人口と国勢調査による人口は調査の基準が異なりますので、両者をそのまま並べて比べることはできません。

数字から考えられる市政課題

年齢の内訳から確かめます。岩国市の高齢化率36.8%は、同じ時点の山口県全体(35.4%)を1.4ポイント上回ります。

75歳以上の割合22.5%も県全体の21.5%より厚く、県内では下関市と並ぶ水準です。全国でも高齢化が進んだ県の中で、さらに一段先を行く位置にあると押さえておきましょう。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

ここに市域の広さが重なります。873.67平方キロメートルに122,533人ですから、人口密度は約140人/平方キロメートル。

山口県全体の約209人/平方キロメートルの7割にも届きません。高齢化は県平均より進み、しかも人は広い範囲に薄く散らばっている。

この二つが同時に来ることが、岩国市の行政サービスの出発点です。同じ12万人規模でも、市街地に人が集まる市とは仕事の組み立て方が変わります。

岩国市の現状を面接で一言にまとめるなら、こんな言い方になります。

「岩国市は12万人ほどが暮らす市ですけれども、面積は870平方キロを超えていて、県内で2番目に広いと聞きました。高齢化率も3割半ばを超えていますので、限られた人数で広い範囲に手を届かせる工夫が要るのではと感じています」

岩国市の経済・産業

空の玄関口としての岩国錦帯橋空港

岩国市の経済を語るときに、まず挙がるのが岩国錦帯橋空港です。令和6年度の年間利用者数は52.3万人で過去最高を記録しました。

内訳は東京羽田線が約43.3万人、沖縄那覇線が9.0万人です。

同じ年度の山口宇部空港(東京羽田線)が87.1万人(前年比1.6%増)ですから、県内にある二つの空の窓口のうち、東側を岩国市が受け持っている構図になります。(出典:県内空港の利用状況|令和6年度)

空港は、観光客を運んでくるだけの施設ではありません。ビジネスでの往来、帰省、災害時の輸送まで、市の外とつながる回路そのものです。志望分野が観光でなくても、この数字は押さえておく価値があります。

錦帯橋と観光の内訳

令和5年の錦帯橋の入込客数は537,943人で、うち日帰りが482,198人、宿泊は55,745人でした。同じ年、山口県全体の観光客数は31,025,606人(前年比116.5%)まで戻り、令和6年には延べ宿泊者数・観光客数がともに前年を上回って、外国人の延べ宿泊者数は過去最高となっています。(出典:山口県観光客動態調査|令和5年)

注目したいのは総数より内訳です。錦帯橋を訪れた人のうち、市内に泊まった人は1割強にとどまります。

人は来ているが、滞在時間が短く、市内に落ちるお金が伸びにくいという構造が数字に出ています。

観光を志望動機に使うなら、名所の紹介ではなく、この滞在時間の短さをどう動かすかという話に踏み込みましょう。

県の産業構造という背景

岩国市だけを切り取った経済統計が手元にないときは、山口県の産業の姿から入ると話が組み立てやすくなります。

令和4年の山口県の製造品出荷額は7兆6,150億円で、業種別では化学工業製品が32.4%と最大です。

さらに山口県は、1事業所当たりの付加価値額と従業者1人当たりの付加価値額がいずれも全国1位で、瀬戸内海沿岸に石油化学コンビナートなどの基礎素材型産業が集まる工業県という性格を持ちます。(出典:山口県の工業|令和4年)

錦川が瀬戸内海へ注ぐ河口部に市街地が開けている岩国市も、この沿岸の一角にあたります。少数の大きな事業所が地域の雇用と税収を大きく左右しやすい県だという前提は、企業誘致や雇用の話題に触れるときの土台になります。

岩国市の主な行政課題

ここまでの数字を並べると、岩国市が向き合っている論点の形が見えてきます。「岩国市の課題は何だと思いますか」と聞かれたときの引き出しとして、次の5つを持っておきましょう。

人口減少と高齢化の同時進行

令和7年国勢調査の速報値では、山口県の人口は1,264,006人で、令和2年の調査から78,053人(5.8%)減りました。

県の総合戦略は、予測より早いペースで減少が進み、令和5年8月に県人口が130万人を割り込んだという現状認識を示しています。減り方が想定を上回っているという自覚が、県の計画の出発点にあるということです。

岩国市の高齢化率36.8%は、その県平均をさらに上回ります。(出典:令和7年国勢調査人口速報集計(山口県)|令和7年)

広い市域で暮らしを支えること

人口密度が約140人/平方キロメートルということは、同じ市民サービスを届けるのに、市街地の市よりも移動と時間がかかるということです。

買い物、通院、公共交通、行政の窓口。どれも「距離」が効いてきます。

中山間地に近い集落と、瀬戸内海に面した市街地とでは、同じ制度でも住民が困る場面が違ってきます。市の仕事の中身を語るとき、この距離の問題に一度触れられるかどうかで、話の具体度は変わってきます。

若い世代の県外流出

山口県は総合戦略の中で、進学や就職による若者の県外流出が一貫して続いていること、男性に比べて女性の流出が大きいこと、コロナ禍のあと東京圏などへの社会減が再び広がる傾向にあることを課題として挙げています。(出典:山口県総合戦略(第3期・2025改訂版)|令和7年3月)

岩国市は広島県と直接県境を接していますから、進学先も就職先も県境をまたいで選ばれます。人の動きが県の中で完結しない位置にあることは、定住や移住の施策を考えるうえで避けて通れない条件になります。

南海トラフ地震への備え

山口県が令和7年に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定の見直しでは、県全体で最大震度6強(柳井市)、最大津波高3.7メートル(光)、死者502人(うち津波によるもの474人)、負傷者1,446人、全壊・焼失9,738棟、経済被害約1.9兆円が見込まれています。

避難者数は発災1日後で245,720人、津波浸水面積は9,768ヘクタール。瀬戸内海沿岸の全15市町が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されています。(出典:山口県の南海トラフ巨大地震被害想定|令和7年)

これらはいずれも県全体の想定値で、市ごとの内訳ではありません。

ただ、沿岸部と山あいの両方を市域に抱える岩国市では、津波と土砂災害という性質の違う備えを同時に持つ必要があるという読み方はできます。防災を志望動機に使うなら、備蓄や避難所の話に加えて、地域によって想定される災害が変わる点まで押さえておきましょう。

訪れた人をどう地域につなぐか

錦帯橋の入込客数53万人超と、空港利用者52.3万人という過去最高。人が来る回路は太くなっています。

一方で宿泊は1割強にとどまり、訪問が市内の経済に回りきっていません。

人口が減っていく前提のもとでは、住んでいる人の数だけでなく、関わってくれる人の数をどう増やすかが政策の柱になります。この論点は、観光や商工だけでなく、企画や広報の志望とも接続できます。

岩国市の重点政策|やまぐち未来維新プランと市の計画

岩国市の施策を大きな流れの中に置くために、まず山口県の最上位計画を押さえておきます。

県は、県政運営の指針として「やまぐち未来維新プラン」(令和4年12月策定、計画期間は令和4年度から令和8年度まで)を掲げています。

産業維新・大交流維新・生活維新という3つの維新を柱に、デジタル変革とグリーン成長を重点プロジェクトとして重ねる構成です。(出典:やまぐち未来維新プラン|令和4年12月策定)

3つの維新を岩国市に引きつけて読む

この3本の柱は、岩国市の現状にそのまま重ねられます。

大交流維新は、過去最高を記録した空港の利用者と錦帯橋の入込客をどう滞在につなげるかという論点に。産業維新は、瀬戸内海沿岸に基礎素材型産業が集まる県の構造の中で、市の雇用をどう保つかという論点に。生活維新は、県平均を上回る高齢化と広い市域という条件に。

県の計画の言葉を、岩国市の数字で言い直せる状態にしておくことが、この章の目的です。

市の計画は最新版を直接あたる

市の側の計画は、名称も改定の時期も自治体ごとに違います。岩国市の総合計画や分野別の計画についても、最新版は市の公式サイトで公開されていますので、受験前に必ずご自身で開いてください。

読み方のおすすめは、全体をなぞるのではなく、志望する分野に近い章をひとつだけ選んで、そこに並ぶ目標と現在の事業のうち1件を取り出し、人に説明できるところまで持っていくやり方です。

POINT|計画の名称を覚えることが目的ではない

計画名や施策名をそらで言えても、面接の評価にはほとんど響きません。関心のある分野をひとつ選び、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③今どんな事業があるか → ④市だからこそできることは何か → ⑤自分の経験をどこで使えるか」の順に整理しておきましょう。

悪い例「岩国市の観光振興に関わりたいです」

改善例「錦帯橋には年間50万人以上が訪れているそうですが、その多くが日帰りだと知りました。空港の利用も過去最高になったと聞きましたので、来てくださった方にもう一晩泊まってもらう方法を、地元の宿や商店の方と一緒に考える仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

読む順番に迷ったら、試験に直結するものから手を付けてください。

  • 令和8年度岩国市職員採用試験の実施計画・受験案内(自分が受ける日程区分のもの)
  • 岩国市の総合計画と、志望分野に近い個別計画の最新版
  • 最新年度の岩国市の当初予算と、市長が議会で述べた市政運営の方針
  • やまぐち未来維新プランの概要版(県の方向性を短時間でつかむため)

ただし、資料を読んだ量と面接の評価は比例しません。頭に入っていることと、聞かれた形で口から出せることの間には、はっきりした段差があります。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、岩国市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。岩国市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

岩国市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

岩国市役所の面接の概要

岩国市役所の選考は、受ける日程区分によって段階の数も面接の種類も変わります。どの区分に何が置かれているのかを、市の公表資料から順に確かめていきましょう。

岩国市役所の面接の流れ

岩国市の令和8年度職員採用試験でまず確認したいのは、同じ市の試験でも、どの日程区分で受けるかによって面接の回数と種類が変わるという点です。実施計画に沿って、区分ごとの構成を並べます。

区分内容(令和8年度)
日程区分先行枠/職務経験者等/前期試験/後期試験の4区分
先行枠・事務【アピール型】(大学卒業程度・15人程度)3段階。第一次=択一式筆記試験・SPI3(テストセンター方式)、第二次=プレゼン面接、第三次=個別面接
前期試験・事務(大学卒業程度・5人程度)3段階。第一次=択一式筆記試験・SPI3・専門(選択式)、第二次=個別面接、第三次=個別面接
後期試験・事務(高校卒業程度6人程度/高校卒業程度・障害者対象2人程度)3段階。第一次=択一式筆記試験・SPI3・職務基礎力試験(択一式)、第二次=個別面接、第三次=個別面接
職務経験者等・事務(職務経験者/職務経験者〈デジタル〉・7人程度)2段階。第一次=択一式試験・SPI3(テストセンター方式)、第二次=個別面接。受験資格は通算5年以上の職務経験
技術職(土木・建築・電気・機械・化学)先行枠・前期試験・後期試験のいずれも2段階。第二次は専門面接と個別面接の2種目で、第三次は設定されていない
資格免許職(保育士・幼稚園教諭)先行枠【有資格者対象型】3人程度・前期試験4人程度とも3段階。第二次=実技試験、第三次=個別面接
保健師・社会福祉士(前期試験・3人程度/2人程度)第二次は専門面接と個別面接
集団形式実施計画のどの区分の試験内容欄にも、集団討論・集団面接の記載はありません
配点・提出書類配点、および面接カード等の提出書類については、実施計画に記載がありません

上記は岩国市の令和8年度職員採用試験実施計画に基づく構成です。配点や面接カード等の提出書類は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください。試験の構成・区分・試験内容は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身が受ける区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:令和8年度岩国市職員採用試験実施計画|令和8年度)

大学卒業程度の事務職に絞ると、先行枠も前期試験も、第二次と第三次の2回にわたって面接が置かれています。

違いは1回目の中身です。先行枠は自分から売り込むプレゼン面接、前期試験は個別面接。

つまり先行枠を選ぶなら、聞かれたことに答える練習に加えて、時間の枠の中で自分の話を構成して出す練習が要ります。

もうひとつ押さえておきたいのが、実施計画の全区分を通して集団討論や集団面接の記載がないことです。

討論の練習に時間を割くより、一対一で掘られる想定に寄せて準備したほうが、この市の試験には合っています。

技術職と職務経験者等は2段階構成ですが、技術職の第二次には専門面接と個別面接の2種目が置かれており、面接の場が1回きりというわけではありません。

岩国市役所が求める人物像

確認した岩国市の令和8年度職員採用試験実施計画と職員採用専用サイトのトップページには、「求める職員像」にあたる定型の公表文言は置かれていません。断定できる材料がないということです。

ただ、試験の組み方には、市が何を確かめたいかが出ます。ここからは公表文言の紹介ではなく、岩国市の条件から当研究会が組み立てた読みとして受け取ってください。

人口12万人台という規模の市役所は、政策をつくる部署と住民に直接向き合う部署の距離が近く、ひとりの職員が制度の説明も現場の調整も担う場面が出てきます。

そこへ873.67平方キロメートルという広さが加わると、同じ課の中でも担当する地域によって見えている景色が違う、という状態が生まれます。現場で見聞きしたことを、そのまま制度や予算の話に載る形にできる人が重視されやすいのは、この構造からです。

岩国市に当てはめれば、錦帯橋と空港という外から人を呼ぶ資産と、山あいの集落まで含む市域という二つの条件が同居しています。にぎわいの現場にも、人の減っていく地域にも足が向くこと。どちらか一方だけを語る受験者より、両方の顔を知っている受験者のほうが、話の説得力は出やすいでしょう。

もっとも、これは岩国市の条件から見えることであって、受験者の経歴が足りているかどうかの話ではありません。前期試験なら第二次と第三次、先行枠ならプレゼン面接と個別面接と、どちらの区分でも同じ経験に二度向き合います。

1回目に話した内容が2回目の掘り下げで崩れないかどうかが見られるのですから、先に決めておきたいのは、手持ちの経験のうちどれを出すかです。

広い範囲を動き回った場面や、事情の違う相手に同じ説明を届けた場面。その種類の話を選んでおけば、準備としては足ります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。岩国市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までの道のりはいかがでしたか?用意した答えが使えない場面で、声の調子と表情がどう出るか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間との比較で止まらず、職業として選んだ筋道が自分の経歴とつながっているか
③ 自己理解あなたの弱みを教えてください弱みを認めたうえで、仕事の中でどう手当てするかまで言えるか
④ 経験・行動これまでで一番苦労した経験と、そのときにとった行動を教えてください苦労の重さではなく、その場で何を選び、何を後回しにしたか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れた勉強について説明してください専門の外にいる相手に届く言い方へ組み替えられるか
⑥ 適性・将来岩国市に採用されたら、どの分野で働きたいですか?市の仕事に対する解像度と、希望と違う配属になっても動けるか
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースを一つ挙げてください世の中の動きを追っているか、そこに自分の意見を一つ添えられるか

ここまでの7つは、岩国市の実施計画に並ぶ面接の種類(個別面接・専門面接・プレゼン面接)のどれで問われてもおかしくない、汎用の問いです。汎用であるぶん、答えの差は開きにくい。開くのは次の一群です。

合否を分けるのは「岩国市役所ならでは」の質問

「なぜ山口県庁ではなく、岩国市役所なのですか?」
「岩国市の魅力と、課題だと思うところを教えてください」

どちらも、その場で考えて答えきれる質問ではありません。岩国市の面積や高齢化率、計画の中身を調べてきたかどうかが、そのまま答えの長さと細かさに出ます。こうした質問に答えるための材料を、面接で使いやすい形に絞って整理しました。

質問テーマ知っておきたい岩国市の事実答え方のヒント
市の規模と広さ人口122,533人(令和8年1月1日現在)で県内5番目。市域873.67km²は県内2番目の広さで、人口密度は約140人/km²人の多さではなく広さと密度の組み合わせから話し始めると、市政の前提を共有したうえで本題に入れます
なぜ県庁ではなく市役所か広島県・島根県と県境を接し、海を挟んで愛媛県松山市とも接する。生活圏が県境をまたいで広がる位置にある制度の違いの説明で終わらせず、県境をまたぐ暮らしに一番近い窓口はどこかという形まで下ろします
高齢化の現在地高齢化率36.8%・75歳以上22.5%は、いずれも山口県全体(35.4%・21.5%)を上回る県より一段先を行く数字だと押さえたうえで、広い市域でどう届けるかという問いに接続します
観光と交流人口令和5年の錦帯橋の入込客数は537,943人で、うち宿泊は55,745人。岩国錦帯橋空港の令和6年度の利用者数52.3万人は過去最高来訪者数の大きさより、日帰りに偏る内訳のほうが課題として語りやすい材料になります
防災山口県の南海トラフ巨大地震被害想定(令和7年公表)は県全体で死者502人・全壊焼失9,738棟。瀬戸内海沿岸の全15市町が推進地域に指定県全体の想定である点を断ったうえで、沿岸部と山あいで備えの中身が変わることに触れます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

岩国市は求める職員像を定型の文言では示していませんので、何が確かめられるかは選考の設計から読むほかありません。

個別面接を2回置く区分では、いわゆるコンピテンシー評価、つまり過去に実際どう動いたかを角度を変えて確かめる形が基本になります。

答えの整い方ではなく、経験の中身と、同じことをもう一度できるかどうかが見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
広い範囲に目を配る力距離や事情の違う相手に、同じ内容を届けた経験を掘られる移動や連絡に手間のかかった場面を1つ選び、そこで何を省いて何を残したかを言えるようにする
現場の話を仕事に載せる力見聞きしたことを、次の行動や提案に変えたかどうか気づいて終わった話ではなく、気づいたあとに自分が起こした変化まで用意する
掘り下げに耐える一貫性第二次と第三次で、同じ経験を別の角度から問われるひとつの経験について、時期・関わった人数・自分の役割を、後から食い違わない形で書き出しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。岩国市の事務職は個別面接が2回ありますので、この傾向は強めに出ます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の実施計画と受験案内を開き、自分が受ける日程区分の段階数と面接の種類を確認する(先行枠を選ぶならプレゼン面接があります)
  2. 学業・課外活動・アルバイトのそれぞれについて、自分が手を動かした場面を書き出す
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. この記事の第1部に戻り、市域の広さと高齢化、錦帯橋と空港の数字のうち、志望分野に近いものを2つか3つ選んで自分の説明に直す
  5. 固有質問の対応表から材料を取り、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4と5の自治体研究は、ほかの受験者と差がつく工程です。時間が足りないときは、ステップ2の書き出しと、その経験を岩国市の仕事へどうつなぐかの整理を先に済ませてください。自分のことを語れないまま市の知識だけを増やしても、面接の評価には結びつきません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、岩国市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

岩国市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

岩国市役所の想定問答集を見る

さいごに

岩国市の令和8年度の採用試験は、日程区分によって面接の回数も種類も変わります。大学卒業程度の事務職なら、前期試験は個別面接が2回、先行枠はプレゼン面接のあとに個別面接という並びです。

どちらを選んでも、同じ経験に二度向き合うことになります。1回目に話したことを、2回目にもう一段深いところまで自分の言葉で運べるかどうか。

準備の重心は、そこに置いてください。

県内で2番目に広い市域と、県平均を上回る高齢化。この二つを前提に働く場所で、自分は何ができるのかを考える時間が、そのまま面接の答えになっていきます。