本記事では、柳井市職員採用試験の面接対策に必要な、柳井市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点をまとめています。

柳井市役所の面接では、「なぜ柳井市で働きたいのか」「市職員としてどんな仕事をしたいのか」「これまでの経験を柳井市でどう生かせるのか」といった、市のことを調べていないと具体的に答えようのない質問が想定されます。

本記事は、令和8年度(2026年度)に実施される柳井市職員採用試験のうち、上級試験の行政職(大学卒業程度)を中心に整理しています。柳井市は同じ年度に初級行政職や社会人経験者等行政職なども募集しており、区分によって試験の内容は変わります。

掲載した数字や公表文言を、自分の経験と柳井市の仕事を結ぶ材料として使ってください。

第1部|自治体研究編

柳井市の特徴

準備の入口として、柳井市がどんな市なのかを先につかんでおきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 山口県の東南部、瀬戸内海に面する市。人口は28,750人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、県内13市のうち12番目の規模。
  • 市域は140.03平方キロメートル。県内13市の中では4番目に小さく、人口密度は約205人/平方キロメートルと、山口県全体の約209人/平方キロメートルとほぼ並ぶ。
  • 古市・金屋地区には、江戸期の商家が約200メートルにわたって並ぶ白壁の町並みが残る。昭和59年(1984年)に、全国で20番目の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
  • かつて岩国藩の「米蔵」と呼ばれた商都で、その蓄積が今の中心市街地の姿につながっている。
  • 特産の金魚ちょうちんは、江戸末期に熊谷林三郎が青森・弘前の金魚ねぶたをヒントに柳井縞の染料などを用いて創始したと伝わる。毎年8月13日の柳井金魚ちょうちん祭りでは約2,500個が飾られる。
  • 山口県の南海トラフ巨大地震被害想定で、県内最大の震度6強が想定されているのが柳井市。防災は市政の中心的な論点のひとつ。
  • 高齢化率は39.9%、75歳以上の割合は24.8%。いずれも山口県全体(35.4%・21.5%)を上回る。
  • 職員採用情報ページには、募集の呼びかけとして総合計画の将来像がそのまま掲げられている。市が受験者に何を伝えようとしているかが表れた部分。

柳井市の基礎データ

ここで押さえたいのは、統計の細部ではありません。柳井市がどれくらいの人口規模で、市民がどう暮らしている市なのかを、面接の場で一息に言えることです。

市の性格を語るときに使う項目だけを抜き出しました。

項目内容
総人口28,750人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口11,474人(39.9%/山口県全体は35.4%)
75歳以上人口7,117人(24.8%/山口県全体は21.5%)
総面積140.03km²(山口県内13市で4番目に小さい)
人口密度約205人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市役所所在地柳井市南町一丁目
隣接する自治体光市、岩国市、平生町、田布施町、上関町、周防大島町、愛媛県大洲市
市の花・市の木ツツジ、サルビア/やなぎ、もくせい

人口・年齢別人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)によります。総面積、市役所所在地、隣接自治体、市の花と木は当研究会が整理した基礎データによります。住民基本台帳による人口と国勢調査による人口は調査の基準が異なりますので、両者をそのまま並べて比べることはできません。

この数字が市の仕事に及ぼすこと

柳井市の高齢化率39.9%は、同じ時点の山口県全体(35.4%)を4.5ポイント上回ります。75歳以上の割合24.8%も県全体の21.5%より高く、市民のおよそ4人に1人が後期高齢者にあたる計算です。

介護、通院、見守り、災害時の避難。どの分野でも、この年齢構成が制度の設計を左右します。(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)

一方、人口密度は約205人/平方キロメートルで、山口県全体の約209人/平方キロメートルとほとんど変わりません。高齢化は県平均よりかなり先を行くのに、市民の暮らす範囲はまとまっているという組み合わせです。

移動の距離が短いということは、職員が現場に足を運びやすいということでもあります。人口の少なさをそのまま弱みとして語るのではなく、この距離の近さを何に使えるかまで考えておきましょう。

面接で市の現状に触れるなら、こういう言い方ができます。

「柳井市は人口が3万人を切っていて、高齢化率も4割近いと聞きました。ただ市の広さは140平方キロほどで、住んでいる場所はまとまっています。距離が近いぶん、職員の方が同じ人に何度も会いながら支えていくやり方ができるのではと感じています」

柳井市の経済・産業

商都の記憶が残る中心市街地

柳井市の経済を語るとき、はじまりの位置にあるのが商業の歴史です。

かつて岩国藩の「米蔵」と呼ばれた商都で、その中心だった古市・金屋地区には、江戸期の商家が約200メートルにわたって連なる白壁の町並みが残ります。昭和59年に全国で20番目の重要伝統的建造物群保存地区として選定された区域です。(出典:柳井市の重要伝統的建造物群保存地区|柳井市公式)

歴史的な町並みは、観光資源であると同時に、住んでいる人がいる生活の場でもあります。修理や修景に費用と手間がかかり、担い手も高齢化していく。保存と暮らしの両立をどう図るかは、都市計画や文化財の分野を志望するなら押さえておきたい論点です。

金魚ちょうちんという固有資源

もうひとつの柱が金魚ちょうちんです。江戸末期に熊谷林三郎が青森・弘前の金魚ねぶたをヒントに、柳井縞の染料などを用いて作り始めたと伝えられています。毎年8月13日の柳井金魚ちょうちん祭りでは、約2,500個が市内に飾られます。(出典:金魚ちょうちん|柳井市公式)

祭りの日に飾られる約2,500個という数は、28,750人が暮らす市の規模から見れば相当なものです。白壁の町並みと金魚ちょうちんは、行政の事業というより、住民が続けてきた営みに近い資源です。

訪れる人を増やす話と、支える人を絶やさない話が同じ問題の表と裏になる。ここが柳井市の観光を考えるときの出発点になります。

県の産業構造という背景

商業と観光の話だけで柳井市の経済を語ると、働く場の話が抜け落ちます。山口県がどんな産業で成り立っているかも、あわせて頭に入れておきましょう。

県の製造品出荷額は令和4年で7兆6,150億円。そのうち化学工業製品が32.4%を占め、業種別では最も大きな割合です。

1事業所当たりでも従業者1人当たりでも、付加価値額は全国1位。瀬戸内海沿岸に石油化学コンビナートなどの基礎素材型産業が並ぶ、工業県としての性格がここに表れています。(出典:山口県の工業|令和4年)

柳井市もその瀬戸内海沿岸に位置します。県内の雇用が特定の産業に厚く支えられているという前提は、若い世代の働く場をどう確保するかという話題に触れるときの土台になります。

柳井市の主な行政課題

ここまでの数字と歴史を踏まえると、柳井市が抱えている論点の輪郭が出てきます。面接で市の課題を聞かれたときのために、次の4つを持っておきましょう。

県内でも先を行く高齢化

高齢化率39.9%、75歳以上24.8%という数字は、県平均を大きく上回ります。山口県は総合戦略の中で、予測より早いペースで人口減少が進み、令和5年8月に県人口が130万人を割り込んだという認識を示していますが、柳井市はその県全体の平均よりさらに数年先の姿を、いま生きているということになります。

高齢者福祉、地域医療、公共交通、空き家。分野を問わず、この年齢構成が前提条件になります。(出典:令和7年国勢調査人口速報集計(山口県)|令和7年)

県内最大の震度が想定される市としての備え

山口県が令和7年に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定の見直しでは、県内の最大震度6強が柳井市で想定されています。

県全体では最大津波高3.7メートル(光)、死者502人(うち津波によるもの474人)、負傷者1,446人、全壊・焼失9,738棟、経済被害約1.9兆円、発災1日後の避難者数245,720人という想定です。

南海トラフ地震防災対策推進地域には、瀬戸内海沿岸の15市町すべてが指定されています。(出典:山口県の南海トラフ巨大地震被害想定|令和7年)

死者数や棟数は県全体の想定値であり、市ごとの内訳ではありません。ただ、県内で最も強い揺れが想定されている市であることは、柳井市を語るうえで欠かせない事実です。

高齢化率が4割近いということは、避難に支援が要る人の割合も高いということでもあります。防災を志望動機に使うなら、備蓄や避難所の話に、この二つを重ねてください。

若い世代の県外流出

山口県は総合戦略の中で、進学や就職による若者の県外流出が一貫して続いていること、男性より女性の流出が大きいこと、コロナ禍のあと東京圏などへの社会減が再び広がる傾向にあることを課題に挙げています。人口3万人を下回る市にとって、この流れは直接に効いてきます。(出典:山口県総合戦略(第3期・2025改訂版)|令和7年3月)

町並みと祭りをどう次に渡すか

白壁の町並みも金魚ちょうちん祭りも、行政が単独で維持できるものではありません。建物を持つ人、飾りを作る人、祭りを運営する人がいて成り立っています。

高齢化が進むということは、その担い手の層が薄くなるということです。文化財の保存、観光振興、地域コミュニティの支援。この三つが同じ課題の別の面として現れるのが、柳井市の特徴といえます。

柳井市の重点政策|総合計画の将来像

柳井市が令和3年5月に策定した総合計画は、市の将来像として「市民の力で支えあい、一人ひとりが主役の笑顔あふれるまち柳井」を掲げています。注目すべきは、このフレーズが職員採用情報ページにも、募集の呼びかけの言葉としてそのまま置かれていることです。

市がどんな市をつくろうとしていて、そこに加わる人に何を期待しているのか。その二つが同じ一文で語られています。(出典:柳井市職員募集|令和8年度)

将来像の言葉を分解して読む

短い一文ですが、要素は三つに分かれます。「市民の力で支えあい」は、行政が単独で担うのではなく市民と一緒にやるという協働の考え方。

「一人ひとりが主役」は、支える側と支えられる側を固定しないという姿勢。「笑顔あふれるまち」は、暮らしの実感を成果の指標に置くという宣言です。

この三つは、柳井市の高齢化率や、町並みと祭りを住民と守ってきた歴史と、そのままつながっています。志望動機を組み立てるときは、計画の言葉を引用するのではなく、この三つのどれに自分の経験が触れているかを探してみてください。

県の方向性もあわせて置いておく

市の計画の背景には、県の方針があります。山口県は県政運営の指針として「やまぐち未来維新プラン」(令和4年12月策定、計画期間は令和4年度から令和8年度まで)を掲げ、産業維新・大交流維新・生活維新という3つの維新に、デジタル変革とグリーン成長を重点プロジェクトとして重ねています。

柳井市の施策も、この県の枠組みの中に置かれていると理解しておくと、県と市の役割を問われたときに答えやすくなります。(出典:やまぐち未来維新プラン|令和4年12月策定)

POINT|計画の文言をなぞるだけでは足りない

将来像を暗唱できても、それだけでは評価に届きません。志望する分野をひとつに絞り、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③今どんな事業があるか → ④市だからこそ担えることは何か → ⑤自分の経験をどこで使えるか」という順で書き出してみてください。

悪い例「市民との協働に力を入れていきたいです」

改善例「金魚ちょうちん祭りには2千個以上の飾りが並ぶと聞きましたが、作る人も飾る人も高齢化していると思います。まずは行事の運営を手伝いながら、続けていくために市が引き受けたほうがいい部分はどこかを、実際にやっている方から教わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

どれから開くか迷ったら、試験に直接関わるものを先にしてください。

  • 令和8年度柳井市職員採用試験の受験案内(自分が受ける区分のもの)と、職員採用情報ページ
  • 柳井市の総合計画と、志望分野に近い個別計画の最新版
  • 最新年度の柳井市の当初予算と、市長が議会で述べた市政運営の方針
  • やまぐち未来維新プランの概要版(県の方向性を短時間でつかむため)

ただし、読んだ資料の量がそのまま点数になるわけではありません。知識として持っていることと、聞かれた形に合わせて口から出せることの間には、はっきりした段差があります。数字だけを頭に入れた状態では、続けて一言問われた時点で言葉が続かなくなります。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、柳井市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。柳井市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

柳井市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

柳井市役所の面接の概要

柳井市役所は、受験案内に面接試験の目的をはっきり書いている市です。その記述と採用情報ページの内容から、選考の組み立てを追っていきます。

柳井市役所の面接の流れ

令和8年度の柳井市職員採用上級試験(行政職)で最初に確認したいのは、試験が第1次・第2次の2段階しかなく、面接の機会は第2次試験の1回だけだという点です。受験案内に沿って構成を並べます。

項目内容(令和8年度・上級試験の行政職)
採用予定人員7人程度。職務の概要は「一般事務及び調査折衝等の業務」
試験の段階第1次試験・第2次試験の2段階
第1次試験教養試験(大学卒業程度の筆記試験・試験時間2時間)と、適性検査(事務適性検査及び職場適応性検査・30分)
教養試験の出題分野時事、社会、人文及び自然に関する一般知識と、文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈に関する一般知能
第2次試験作文試験(表現力、構成力等について筆記により実施)と、面接試験(能力及び適性について個別面接により実施)
面接の種類個別面接。受験案内に「個別面接により行います」と明記されています
集団形式受験案内の本文に、集団討論・集団面接の記載はありません
提出書類申込は原則としてインターネットですが、電子申請の場合も「受験申込書№2(受験票)」と「自己紹介書」を別途郵送または持参します
配点教養試験・作文試験・面接試験の配点は公表されていません
令和7年度の実施結果(行政職)受験者数4人・合格者数2人・競争率2.00倍
併願申込みは1人につき一つの職種に限られますが、令和8年度実施予定の別日程の柳井市職員採用試験との併願は可能です

上記は柳井市の令和8年度職員採用上級試験(行政職)の受験案内に基づく構成です。配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください。柳井市は同じ年度に土木技術職・建築職・社会人経験者等の区分、初級行政職なども募集しており、試験の構成や日程は区分によって異なります。受験の際は必ずご自身が受ける区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:令和8年度柳井市職員採用上級試験受験案内|令和8年度)

面接が1回しかない試験では、当日その場で信頼を積み上げ直す時間がありません。第2次試験には作文も並んでいますから、書いたものと話したことがそろって同じ人物像を指しているかが問われます。

作文で「地域の人と一緒に動きたい」と書いたのに、面接では一人で完結した経験しか出てこない。そのずれは、面接官の側からははっきり見えます。

もうひとつ重要なのが「自己紹介書」を電子申請とは別に提出する仕組みです。面接カードという名前の書類は受験案内にありませんが、この自己紹介書が面接の下敷きになると考えて準備するのが現実的でしょう。書いた内容は控えを取り、そこから何を掘られるかを先に書き出しておいてください。

なお、令和7年度の行政職は受験者数4人・合格者数2人で、競争率は2.00倍でした。年度によって受験者数は動きますので、この数字は倍率の予想材料ではなく、柳井市の採用試験の規模感をつかむための情報として見てください。

柳井市役所が求める人物像

確認した柳井市の令和8年度上級試験受験案内と職員採用情報ページの本文には、「求める職員像」として独立に掲げられた項目はありません。ただし、手がかりが無いわけではなく、二つの公表文言があります。

ひとつは、採用情報ページに募集の呼びかけとして置かれた総合計画の将来像です。もうひとつは、受験案内に書かれた次の一文です。

「柳井市では、災害発生時等の危機管理体制の確保や、職員自らが地域づくりの担い手として携わることの重要性から、市内に居住することを奨励しており、このことに共感を持つ人の応募を歓迎します」。危機管理と地域づくりという二つの理由を挙げて、住む場所にまで踏み込んで語りかけている文章です。

採用予定は7人程度、令和7年度の行政職は受験者4人で合格者2人。この数字が示す組織の大きさから、当研究会は次のように考えています。

係がひとつ動けば担当する分野の輪郭が変わる規模では、前例の見当たらない相談がそのまま自分の机に届きます。そこで効いてくるのは知識の量ではなく、わからないことをどこまで確かめてから住民に返事をするか、という仕事の運び方のほうです。

市の側が住む場所にまで踏み込んで呼びかけているのも、その仕事を同じ地域で長く続ける人を前提に置いているからだと読めます。

柳井市に当てはめれば、白壁の町並みの保存も金魚ちょうちん祭りの運営も、住民と一緒に手を動かす仕事です。第2次試験は作文と個別面接の2種目ですから、同じ経験について書いた文章と話した言葉がそろっているかどうかが、そのまま準備の到達点になります。

地域の人と一緒に何かを続けた経験を1本選び、作文に収まる長さと、面接で短く言える長さの両方に整えておいてください。居住の奨励に共感できるかどうかも、いま住んでいる場所ではなく、その経験をどう語るかに表れます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。柳井市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやって来られましたか?準備していない問いに、身構えずに返せるかどうか
② 動機・志望なぜ公務員になりたいのですか?安定という言葉で止まらず、選んだ理由が自分の経験と地続きになっているか
③ 自己理解ご自身の短所はどこだと思いますか?短所を言い換えて逃げずに、仕事の中でどう補うかまで考えているか
④ 経験・行動周りの人と意見が食い違ったときの経験を教えてください正しさを押し通したのか、折り合いをつけたのか。その場での判断の中身
⑤ 学業・経歴これまで学んできたことを、仕事にどうつなげますか?知識そのものではなく、学び方や調べ方を仕事へ持ち込めるか
⑥ 適性・将来柳井市の職員として、どんな仕事に関わりたいですか?市の仕事に対する解像度と、希望と違う配属になっても働けるか
⑦ 公共性・社会性気になっている社会の出来事を一つ教えてください関心の広さと、それを短く整理して伝えられるか

柳井市の受験案内は、面接試験の目的を「能力及び適性」を見ることだと書いています。表に並べた7つは、その二語を確かめるための土台にあたります。

面接が1回しかない試験では、この土台の受け答えでつまずくと立て直す機会がありません。そのうえで、評価がはっきり分かれるのは次の一群です。

合否を分けるのは「柳井市役所ならでは」の質問

「なぜ山口県庁ではなく、柳井市役所なのですか?」
「柳井市の魅力と、課題だと思うところを教えてください」

どちらも、思いつきで答えられる質問ではありません。逆に言えば、柳井市の数字と計画を先に用意しておいた受験者だけが、具体的な話を返せる問いでもあります。柳井市の側の材料を、面接で口に出しやすい形にして並べました。

質問テーマ知っておきたい柳井市の事実答え方のヒント
市の規模と暮らし人口28,750人(令和8年1月1日現在)で県内13市の12番目。市域140.03km²、人口密度は約205人/km²と県全体とほぼ同水準人口の少なさではなく、暮らしがまとまっている点を先に置くと、市の仕事のやり方の話に進めます
なぜ県庁ではなく市役所か受験案内は、危機管理体制の確保と職員が地域づくりの担い手になることを理由に、市内に居住することを奨励すると明記しているこの一文にどう感じたかを自分の言葉で述べると、志望の本気度が伝わりやすくなります
高齢化の現在地高齢化率39.9%・75歳以上24.8%は、いずれも山口県全体(35.4%・21.5%)を大きく上回る数字を挙げるだけでなく、自分が関わりたい分野でその年齢構成がどう効くかまで続けます
防災山口県の南海トラフ巨大地震被害想定(令和7年公表)で、県内最大の震度6強が想定されているのが柳井市。県全体では死者502人・全壊焼失9,738棟の想定市の想定と県全体の想定を区別して話すと、資料をきちんと読んだことが伝わります
市の魅力古市・金屋地区の白壁の町並みは昭和59年に全国20番目の重要伝統的建造物群保存地区に選定。金魚ちょうちん祭りでは約2,500個が飾られる名所として紹介するのではなく、誰が支えているのかという担い手の話まで踏み込みます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

柳井市は求める職員像を独立した項目として示していませんので、確かめられる中身は、採用情報ページの将来像と受験案内の記述から読むのが実際的です。面接試験の目的は「能力及び適性」を見ることだと明記されており、実際にどう行動してきたかを確かめるコンピテンシー評価が基本になります。

答えがきれいにまとまっているかどうかは、ここでは重要ではありません。その場面で何を考えて何をしたのか、同じ状況に置かれたらもう一度動けるのかに関心が向きます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
調べて形にする手数やったことのない役割を任されたときの動き方を掘られる誰に聞き、何を調べ、どこで手順を変えたかを、順番どおりに再現できるようにしておく
地域の人と続ける力単発の頑張りではなく、同じ相手と関わり続けた経験があるか短期のイベントより、半年以上続いた活動を優先して1つ選び出しておく
書いた内容との一貫性作文と個別面接が同じ第2次試験に並ぶため、両者のずれが見える自己紹介書と作文で使う経験をそろえ、面接で掘られる点をあらかじめ書き出しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

柳井市の場合、面接の機会は1回ですから、一つひとつの回答が深く掘られる可能性はむしろ高くなります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を開き、自分が受ける区分の試験科目と、郵送または持参が必要な書類を確認する
  2. 高校・大学時代の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる場面を1つずつ書き出す
  3. 自己紹介書を書き、控えを手元に残す。書いた一文ずつに「ここを掘られたら何と返すか」を添える
  4. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  5. この記事の第1部に戻り、高齢化率と震度の想定、町並みと祭りのうち、志望分野に近いものを2つ選んで自分の説明に直す
  6. 固有質問の対応表から材料を選び、事実、自分の問題意識、やりたいことの順につないだ話にして、声に出して練習する

優先順位に注意

ステップ5と6の自治体研究は、ほかの受験者と差がつく工程です。時間が足りないときは、ステップ2の棚卸しとステップ3の自己紹介書を先に仕上げてください。柳井市の知識だけを増やしても、自分の経験を語れなければ面接の評価には届きません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、柳井市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

柳井市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

柳井市役所の想定問答集を見る

さいごに

柳井市の令和8年度上級試験(行政職)は、第1次と第2次の2段階で、面接は第2次試験の個別面接1回です。同じ日程に作文試験も並びます。

つまり、書いた自分と話す自分がそろっているかどうかが、この試験の要になります。市が受験案内に、危機管理と地域づくりを理由として市内に居住することを奨励すると書いているのも、この試験が長く働く相手を選ぶ場だからだと考えられます。

高齢化率は4割に近づき、県内で最も強い揺れが想定されている市です。その条件のもとで自分に何ができるかは、これまで実際にやってきたことの中にしか答えがありません。

作文用紙と面接の椅子の両方で、同じ経験を落ち着いて出せるところまで準備を進めてください。