本記事では、草津市職員採用試験の面接対策で必要な、草津市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
草津市役所の採用試験の面接では、「なぜ草津市を志望したのか」「市職員としてどんな仕事に取り組みたいのか」「あなたの強みは市政のどこで生きるのか」といった質問が想定されます。草津市は令和8年度から上級職(大学卒業程度)の採用試験を春実施枠と秋実施枠の年2回に分けており、本記事は主にこの上級職の枠組みに沿って整理しています。
枠によって試験の段階数が変わるため、自分がどちらで受けるのかを先に決めておくと、準備の組み立てが楽になります。読みながら、自分の経験と結び付けられそうな事実を拾っていきましょう。
第1部|自治体研究編
草津市の特徴
面接の準備は、その市がどんな場所なのかをつかむところから始まります。まずは草津市の全体像を確認しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 市制施行以来、現在まで人口増加が続いている市。滋賀県内では大津市に次ぐ人口規模を持つ。
- 住民基本台帳人口は141,304人(令和8年1月1日現在)。市が公表する住民基本台帳人口も、令和8年4月末の141,704人から6月末の141,926人へと増えている。
- 市域面積は67.82平方キロメートルと小さく、人口密度は1平方キロメートルあたり約2,084人。人が密に暮らす市である。
- 高齢化率は22.4%、75歳以上の割合は13.3%(令和8年1月1日現在)。県全体の27.3%・15.8%をいずれも下回る。
- 人口動態が大きく変わる契機となったのが、1994年の立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)の開学。市の学生世代比率は、大都市で最も高いとされる京都市に匹敵する水準とされる。
- 平成12年以降は、名神高速道路の新インターチェンジと新名神高速道路の相次ぐ開通、製造業の生産拠点の集約、近江大橋近くの大規模商業施設の開業も、人口増加の背景となってきた。
- 接しているのは大津市・守山市・栗東市の3市。県庁所在地に隣り合う位置にある。
- 琵琶湖と湖辺の暮らしを主題とする日本遺産「琵琶湖とその水辺景観」の構成自治体のひとつ。
草津市の基礎データ
統計を丸暗記する必要はありません。ただ、草津市がどういう人口構成の市なのかを数字で言えるかどうかは、志望動機の説得力に直結します。
人口と年齢構成、市域の広さ、隣接する市。増え続けてきた市がどんな形をしているのかは、この4種類の数字でおおむね言えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 141,304人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 31,708人(高齢化率22.4%。県全体は27.3%) |
| 75歳以上人口 | 18,767人(75歳以上の割合13.3%。県全体は15.8%) |
| 市域面積 | 67.82km²(滋賀県の面積約4,017km²の約1.7%) |
| 人口密度 | 約2,084人/km²(上記の総人口を市域面積で割った値) |
| 市の人口の推移 | 市制施行以来、人口増加が継続 |
| 隣接する自治体 | 大津市・守山市・栗東市 |
| 採用の担当 | 総合政策部職員課人事係 |
人口・年齢別人口・高齢化率は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。市と県を同じ土台で比べるため、県の数値も同じ住民基本台帳ベースの値を用いています。滋賀県が別に公表する推計人口は国勢調査を基準とする系列で、ここに挙げた数値とは調査の基準が異なるため直接の比較はできません。市が公表する4月末・6月末の人口は、市自身の住民基本台帳集計による別の時点の値です。市域面積は自治体の公表資料、県の面積は滋賀県の公表資料によります。
若い人口構成が示していること
まず押さえたいのは年齢構成です。高齢化率22.4%は県全体より5ポイント近く低く、75歳以上の割合も2.5ポイント低い。
滋賀県全体が人口減少局面に入るなかで、草津市は増加を続けてきた側にいます。学生の多さがこの構成を押し上げてきたことは、市の人口ビジョンからも読み取れます。(出典:草津市人口ビジョン|平成28年3月)
もうひとつは市域の狭さです。面積67.82平方キロメートルは県の面積の2%に届かず、そこに14万人が暮らしています。人口密度は約2,084人。
用地の余裕が乏しいなかで学校も道路も福祉施設も配置しなければならず、限られた面積をどう使うかという判断が、市政の日常的なテーマになります。
たとえば面接では、次のように市の形と将来をつないで話せます。
草津市の経済・産業
県の産業構造のなかの草津市
滋賀県の令和5年度の県内総生産(名目)は7兆3,625億円で、経済成長率は名目4.4%増・実質1.3%増と3年連続の増加でした。産業別の構成比は第1次産業0.4%、第2次産業46.7%、第3次産業52.4%。
製造業の構成比は41.6%と高く、製造業の特化係数は2.02で全国値のおよそ2倍です。1人当たり県民所得は346万1千円(前年度比4.6%増)でした。(出典:滋賀県民経済計算|令和5年度)
この製造業中心の県のなかで、草津市は工場の集積と大学の集積が同じ市域で重なっているという特徴を持ちます。
製造業の生産拠点の集約が人口増加の背景に挙げられていることは、市の人口ビジョンが述べているとおりです。「働く場所」と「学ぶ場所」が近接しているという条件は、産業政策と若者政策を切り離さずに考えられる素材になります。
大学と若い世代
1994年の立命館大学びわこ・くさつキャンパスの開学は、市の人口動態を一変させました。市の学生世代比率は、大都市で最も高いとされる京都市に匹敵する水準とされています。
学生は住民として市に暮らし、卒業とともに多くが市外へ出ていきます。つまり草津市の人口構成は、毎年入れ替わる層を抱えたうえで成り立っているということです。
就職支援や住まい、地域活動への参加といったテーマを語るなら、この入れ替わりを前提に置いてください。
交通と商業の集積
市の人口ビジョンは、平成12年以降の人口増加の背景として、名神高速道路の新インターチェンジと新名神高速道路の相次ぐ開通、そして近江大橋近くの大規模商業施設の開業を挙げています。県全体としても、近畿圏・中部圏・北陸圏の結節点として東西方向の人と物の流れを担う広域交通の基盤が集中しています。
道路網が整い、企業と商業が集まり、それが人を呼ぶ。この循環が、この市では実際に働いてきました。(参考:滋賀県 新広域道路交通計画|令和3年3月)
草津市の主な行政課題
増え続けてきた市には、増えてきたがゆえの課題があります。面接で「市の課題」を問われたときのために、次の5つを整理しておきましょう。
増加のあとに来る高齢化
滋賀県の総人口は2013年の約142万人をピークに減少局面へ入り、2016年以降は自然減、2013年以降は日本人のみでみた社会減が続いています。国立社会保障・人口問題研究所の平成30年推計では、県の総人口は126.3万人(2015年比10.6%減)、高齢化率は35%近くに達し、一部の市町では40%を超える可能性も示されました。
今の草津市の高齢化率22.4%は「まだ低い」のではなく「これから動く」数字だという読み方が要ります。増加期にまとめて整えた住宅地や施設は、更新の時期もまとめてやってきます。
学生世代の多さと定着
学生世代比率が京都市に匹敵する水準という指摘は、裏を返せば、卒業とともに転出する人口を毎年抱えているということでもあります。市内で学んだ人が市内で働き、住み続ける流れをどうつくるか。
就職支援だけでなく、住まいの選択肢や、若い世代が地域の活動に関わる入口の設計まで含めた課題です。(出典:草津市の人口の推移)
地震への備え
滋賀県の地震被害想定は、琵琶湖西岸断層帯(マグニチュード7.8)・花折断層帯(同7.4)など内陸活断層6ケースと南海トラフ巨大地震を対象としています。このうち大津・南部・高島地域を中心とする琵琶湖西岸断層帯地震(冬夕方の想定ケース)では、想定最大震度7、建物全壊38,504棟・半壊83,856棟、死者1,992人・負傷者17,199人、全避難者249,534人と見積もられました。
人口密度の高い市街地では、同じ揺れでも避難と救助の難しさが変わります。(出典:滋賀県地震被害想定(概要版)|平成26年3月)
水害リスクと流域治水
滋賀県は「滋賀県流域治水基本方針」(平成24年3月)に基づき、河川改修だけに頼らない総合的な治水を進めています。独自の「地先の安全度マップ」では、10年確率降雨(時間最大50ミリ)・100年確率降雨(同109ミリ)・200年確率降雨(同131ミリ)ごとの浸水リスクを県内ほぼ全域で公表しています。
住宅と事業所が密に建ち並ぶ市では、避難情報の出し方も、日ごろの周知の届け方も、地域ごとに設計し直す必要があります。(参考:地先の安全度マップの更新について(滋賀県))
狭い市域での都市経営
面積67.82平方キロメートルは県の面積の2%に満たず、しかもその中に住宅地・工業用地・大学・商業施設が同居しています。新しい施設をつくるには、たいてい何かを見直す必要がある。
土地の余裕がない市では、優先順位をつける判断そのものが仕事になります。志望動機で「新しい取り組みをしたい」と語るなら、何を減らして何に充てるのかという視点まで持っておくと、話に重みが出ます。
草津市の重点政策|人づくりの方針と採用の見直し
草津市が職員に何を求めているかは、人材育成に関する市の方針から読み取れます。草津市人材育成・確保基本方針は平成11年10月に「草津市人材育成基本方針」として策定され、平成19年4月に「新・草津市人材育成基本方針」として作り直されたのち、平成26年3月・平成29年3月・令和3年3月・令和7年3月と改定を重ねてきました。
令和7年3月の改定は、総務省が令和5年12月に改正した「人材育成・確保基本方針策定指針」の内容などを踏まえたものです。(出典:草津市人材育成・確保基本方針)
4つの「目指す職員像」
方針が掲げる目指す職員像は「信頼される職員」「協働する職員」「チャレンジする職員」「経営する職員」の4つです。それぞれに説明が付されており、信頼される職員は高い倫理観と人権意識、人に対するあたたかな心を持ち、誠実で責任感のある行動で関係者の信頼を得る職員。
協働する職員は社会情勢の変化や市民ニーズを敏感に感じ取り、市民と協働する職員。チャレンジする職員は常に問題意識を持って行動し、チャレンジ精神を発揮して新たな課題に取り組む職員。
経営する職員は経営感覚とコスト意識を持って市政運営する職員、と定義されています。(出典:草津市人材育成・確保基本方針(概要版)|令和7年3月一部改定)
4つ目の「経営する職員」は、他の3つと毛色が違います。コスト意識という言葉が職員像の一角に入っているのは、狭い市域で施設や事業の取捨選択を迫られてきた市の事情と重ねると腑に落ちます。
面接で「経営感覚」を問われたときに、単なる節約の話にしないための背景として押さえておきましょう。
採用の設計が大きく変わった
令和8年度、草津市は上級職の採用試験を年1回から春・秋の年2回へ変更しました。春実施枠と秋実施枠は併願が可能で、春実施枠は最終合格の発表が従来の統一日程より3か月早まっています。
あわせて春実施枠の第1次試験では会場での筆記試験を廃止し、全国各地で受けられるテストセンター方式を導入しました。(出典:令和8年度 草津市職員採用試験情報)
変更はそれだけではありません。上級土木職は受験可能年齢が引き下げられて大学3回生から申し込めるようになり、合格した場合は受験年度から数えて翌々年度の4月1日採用となります。
社会人経験者は前職に応じて主事級から主査級で採用され、募集期間を定めない通年募集枠も新設されました(同一年度内に一度だけ受験可能)。人を採る入口を、時期でも年齢でも広げにいっている、というのが一連の見直しの向きです。
あわせて確認したい公式資料
自分で市政を確かめたい人のために、開いておくとよい資料を挙げます。志望分野に近いものから手を付ければ十分です。
- 草津市職員採用試験の受験案内(最新年度)と、その年度の採用試験実施計画
- 草津市人材育成・確保基本方針(概要版でも目指す職員像は確認できます)
- 草津市の総合計画と、その年度の予算・市政運営に関する市長の説明資料
- 草津市人口ビジョンと市の人口推移の統計(人口増加の背景を市自身がどう説明しているか)
POINT|4つの職員像を並べて覚えない
4つを暗唱できても面接では役に立ちません。自分の経験に一番近い1つを選び、「①その力を使った場面はどこか →②何を判断して動いたか →③周囲や相手はどう変わったか →④草津市のどの仕事で同じことができそうか」の順に言葉にしておくほうが、はるかに効きます。
悪い例「私はチャレンジ精神があるので、草津市で新しいことに取り組みたいです」
改善例「サークルで参加者が減ったときに、やめる企画と残す企画を決めるところから話し合いました。草津市も土地に余裕がないと聞きましたので、何かを増やすときに何を見直すかまで考える仕事に関わりたいです」
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、草津市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。草津市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
草津市役所の面接の概要
ここからは第2部です。草津市の試験がどう設計され、面接で何を確かめられ、どこから手を付ければよいかを見ていきます。
骨組みは市が公表している採用試験情報と受験案内から取り、そこに書かれていない部分は当研究会の見立てとして補います。
草津市役所の面接の流れ
令和8年度から、上級職(大学卒業程度)の試験は春実施枠と秋実施枠の2本立てになりました。
注意したいのは、春実施枠は第三次試験まであるのに対し、秋実施枠には第三次試験がないという点です。同じ市の同じ職種でも、受ける枠によって面接を受ける回数が変わります。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 実施の枠組み(上級職) | 上級職(大学卒業程度)は春実施枠と秋実施枠の年2回。両方の併願が可能。ほかに上級土木職・上級建築職などを対象とした通年募集枠があります |
| 試験の段階(上級職・春実施枠) | 第一次・第二次・第三次の3段階 |
| 試験の段階(上級職・秋実施枠) | 第一次・第二次の2段階(第三次試験はありません) |
| 第一次試験(上級職・春実施枠・一般行政職) | 教養試験またはSPI試験。いずれもテストセンター方式で、会場での筆記試験は廃止されました |
| 第一次試験(上級職・春実施枠・技術職/専門職) | SPI試験(テストセンター方式) |
| 第二次試験(上級職・春実施枠・一般行政職) | 集団面接および個人面接 |
| 第二次試験(上級職・春実施枠・技術職/専門職) | 専門試験および個人面接 |
| 第三次試験(上級職・春実施枠) | 個人面接 |
| 初級職(高校卒業程度・一般行政職) | 第一次=教養試験(120分・択一式)、第二次=集団面接と個人面接、第三次=個人面接の3段階。従来どおりの日程で実施されます |
| 合否の決まり方 | 受験案内によれば、各試験種目にそれぞれ合格基準があり、1つでも基準に達しなければ不合格。合計点が上位でも不合格になり得ます |
| 申込・提出書類 | 受験案内によれば、申込はパブリックコネクト。会員登録後、マイページのプロフィール編集で基本情報・職歴・学歴・自己PR等を登録します(自己PRは必ず入力) |
| 得点の開示 | 各次試験の合格発表の日から1か月間、当該試験の合計点および順位の開示を請求できます |
上記は草津市が公表する令和8年度の採用試験情報および受験案内にもとづく内容です。枠組み・段階構成・試験種目は年度や職種によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が受ける職種・枠の最新の試験情報をご確認ください。
試験種目ごとの配点は、市が公表している範囲では確認できません。開示を請求できるのは各次試験の合計点と順位です。
どの種目で何点稼ぐという設計ができない以上、すべての種目で基準を割らないことが前提になります。加えて春実施枠の一般行政職では、第二次で集団面接と個人面接、第三次でもう一度個人面接。
形式の違う場を3回くぐるため、暗記した答えの再生では通用しません。
草津市役所が求める人物像
草津市の採用情報ページには、採用向けに整理された人物像のページが現在たどれる形では見当たりませんでした。今たどれるのは、人材育成・確保基本方針が掲げる「信頼される職員」「協働する職員」「チャレンジする職員」「経営する職員」という4つの目指す職員像です。
採用の場面でも、この4つが評価の下敷きになっていると考えて準備するのが現実的でしょう。最新の受験案内に人物像の記載が加わっていないかは、申込の前に必ず確認してください。
人口14万人という規模から考えると
方針の言葉はここまでです。ここからは、草津市の置かれている条件を並べて、そこから逆算してみます。
人口14万人、面積67.82平方キロメートル、県庁所在地の隣。この3つがそろった市の職員は、どう動くことになるのか。
人口10万人台の市は、部局が細かく分かれた大都市ほど専門分化していない一方、職員が住民一人ひとりと顔見知りになるほど小さくもありません。
机の上で計画を練る役回りと、カウンター越しに一人ずつ事情を聞く役回りが、同じ職員の一日のなかに同居します。両方を行き来できる人のほうが、仕事は進めやすいはずです。
しかも草津市は増え続けてきた市ですから、既存の仕組みを守るだけでなく、新しく来る人に合わせて作り替える場面が繰り返し訪れます。こうした環境では、前例のない相談を持ち込まれても調べて形にする力が見られていると考えておいて損はありません。
試験の設計とも符合します。春実施枠の第二次試験には集団面接があり、他の受験者と同じ場で話す姿が見られます。
具体的には、パブリックコネクトのプロフィールに自己PRを入力する時点で、どの経験を草津市のどの場面に接続して見せるかを決めてしまうこと。ここが固まっていれば、集団面接でも個人面接でも軸がぶれません。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。まずはこの7区分に沿って穴を埋めておけば、聞かれて固まる場面は減らせます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 緊張していますか? | 集団面接では、話していない時間の表情や姿勢も見えています |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員を志望するのですか? | 春と秋の2回受けられる市だからこそ、志望の一貫性が問われます |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自己PR欄に書いた強みと、話す短所がかみ合っているか |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 困難の大きさではなく、そこで何を選び、何を後回しにしたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 卒業論文(研究)のテーマについて、簡単に説明してください | 学生の多い市の職員として、専門を平易な言葉に開けるか |
| ⑥ 適性・将来 | 入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか? | 増えてきた市の仕事の幅を踏まえた希望になっているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 気になっている社会の動きはありますか? | 関心が暮らしや地域の話題にも及び、それを短く言い切れるか |
ここまでの7つは、受験先が変わってもおおよそ同じ形で問われます。つまり受験者の多くが対策してくる領域で、差はつきにくい。
では何で差がつくのか。草津市について調べていなければ言葉が出てこない、次の質問群です。
合否を分けるのは「草津市役所ならでは」の質問
県庁所在地の隣にある市ですから、県庁との比較は自然に出てきます。どちらの質問も、市の実情を知らなければその場では答えようがありません。
裏を返せば、手元に事実さえあれば、自分の準備量をそのまま見せられる質問だということです。そこで、答えの起点になる事実を絞り込み、話し方の目安と組み合わせて並べました。
| 質問テーマ | 知っておきたい草津市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口の現在地 | 住民基本台帳人口は141,304人(令和8年1月1日現在)。高齢化率22.4%・75歳以上の割合13.3%は、県全体の27.3%・15.8%を下回る。市制施行以来、人口増加が続いている | 「増えている市」で終わらせず、いま若い構成であることが将来まとめて高齢化する形になる、という時間軸まで示します |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県庁所在地の大津市に隣接し、市域は67.82km²。住宅地・工業用地・大学・商業施設が同じ市域に同居している | 制度の説明で終わらせず、住民の暮らしに近い距離で判断する仕事に関わりたい理由を、自分の経験から語ります |
| 大学と若い世代 | 1994年の立命館大学びわこ・くさつキャンパスの開学が人口動態を変えた。学生世代比率は京都市に匹敵する水準とされる | 学生が多いことを魅力として挙げるだけでなく、卒業後の転出という裏側にも触れられると、話の解像度が上がります |
| 防災・危機管理 | 県の地震被害想定では、大津・南部・高島地域を中心とする琵琶湖西岸断層帯地震(冬夕方の想定ケース)で最大震度7、全壊38,504棟、死者1,992人と見積もられている | 条件付きの想定値であることを添え、人口密度の高い市街地での避難という論点に引きつけます |
| 草津市の魅力 | 日本遺産「琵琶湖とその水辺景観」の構成自治体。高速道路網の整備と商業施設の開業が人口増加を支えてきた | 暮らしやすさを挙げるなら、その理由を交通や施設の集積という具体で説明できるようにします |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
草津市が方針に掲げる4つの目指す職員像は、面接では「これまで実際にどう行動してきたか」を通して確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価の考え方で、言い回しの巧みさではなく、経験の中身と行動の再現性のほうが見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 協働する職員 | 集団面接の場で、他の受験者の発言をどう受け、どう自分の意見をつなぐか | 意見をまとめた経験だけでなく、相手の案に乗って自分の案を引っ込めた場面も用意しておく |
| チャレンジする職員 | 前例のない状況で自分から動いた経験と、その動機を語れるか | 増加を続けてきた市で仕組みを作り替える場面を想像し、「自分なら何から手を付けるか」を1つ言い切れるようにする |
| 経営する職員 | 限りある時間やお金の中で、何を選び何をあきらめたかを説明できるか | 面積67.82km²という市の制約を踏まえ、節約の話ではなく優先順位の話として語れるようにする |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と掘り下げられることが多いです。春実施枠では個人面接が2回ありますから、この傾向はいっそう強く出ます。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 春実施枠と秋実施枠のどちらを軸にするかを決め、その枠の段階構成を最新の受験案内で確認する(併願も可能です)
- パブリックコネクトのプロフィールに入力する自己PRの下書きを作り、面接での発言と食い違わないようにする
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- この記事の第1部から、志望分野に近い事実を2〜3個選び、自分の言葉で説明できるようにする
- 集団面接と個人面接の両方を想定して声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
手が回らないときに削るのは、ステップ5の事実集めからにしてください。先に固めるべきはステップ3の棚卸しと、その経験を草津市の仕事にどうつなぐかという整理です。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、草津市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
草津市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度の上級職は、春実施枠なら3段階、秋実施枠なら2段階。どちらの枠でも、筆記のあとに待っているのは面接です。
市制施行以来ずっと人口が増えてきた市が、若い構成のうちに何を仕込んでおくのか。狭い市域で何を優先し、何を見直していくのか。
その問いに自分なりの答えを持ち、経験の言葉で説明できるところまで準備できていれば、どちらの枠で受けても迷いは少なくなります。