羽咋郡市広域圏事務組合消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の面接試験では、「なぜ羽咋郡市広域圏事務組合消防本部を志望したのか」「消防官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。羽咋市・宝達志水町・志賀町という3つの構成団体の事情や、能登半島地震で実際に起きた被害を知っておくことで、他の消防本部にも当てはまる一般論を避け、この本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 羽咋郡市広域圏事務組合消防本部は、羽咋市・宝達志水町・志賀町の1市2町で構成する一部事務組合が設置・運営する消防本部である。単独の市町ではなく、3つの構成団体が共同で運営する組織である。
  • 階級を持つ消防吏員は113人で、うち女性は3人である(令和7年4月1日現在)。なお、消防長の事務部局全体の職員定数は122人であり、この数字と吏員数は別物である。
  • 令和6年中の出動件数は火災15件・救急2,823件・救助31件で、救急が火災の190倍近くを占めている。
  • 組合は消防のほか、公立羽咋病院・一般廃棄物処理施設・火葬場等の事務も共同で処理しており、消防職員は組合事務局とあわせた「組合・消防採用候補者試験」として募集される。
  • 組合は人材育成基本方針で「目指すべき職員像」として《住民志向》《成長志向》《積極志向》の3つを公表している。
  • 構成3市町のうち志賀町には志賀原子力発電所が立地し、令和6年(2024年)能登半島地震では志賀町で震度7を観測した(詳細は次章以降)。

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

組合という設置形態、1市2町という構成、113人の職員体制、年間の出動件数。この4点を並べると、本部の輪郭と仕事量がつかめます。(出典:全国の消防本部データ|総務省消防庁(本部別))

項目内容
設置形態一部事務組合(羽咋市・宝達志水町・志賀町が共同で設置・運営)
構成団体羽咋市・宝達志水町・志賀町(1市2町)
所在地〒925-8511 羽咋市中央町ア185番地
管内人口48,096人(羽咋市19,319人・宝達志水町11,637人・志賀町17,140人の合算、住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
消防吏員数113人(うち女性3人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数15件(令和6年中)
救急出動件数2,823件(令和6年中)
救助出動件数31件(令和6年中)
採用試験組合が実施する「組合・消防採用候補者試験」(消防職員と組合事務局職員を一括で募集)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の3団体の値の合算です。消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データによる、令和7年4月1日現在・令和6年中の値です。

数字から考えられる羽咋郡市消防の課題

火災と救急の件数を並べると、その差の大きさがわかります。令和6年中の火災は15件、救急出動は2,823件で、190倍近くの開きがあります。消火の技能は土台であり続けますが、日々の活動量の大部分は救急が占めるのが実際の姿です。この比率を知っておくことが、業務理解の第一歩になります。

また、高齢化率は羽咋市41.2%・宝達志水町40.7%・志賀町47.0%です(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。石川県全体の高齢化率30.9%(令和6年10月1日現在)を大きく上回り、特に志賀町は5割に迫る水準にあります。

「羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の管内では、令和6年中の救急出動が2800件を超える一方、火災は15件と聞きました。これほど差があるのかと驚きましたし、救急が仕事の中心になるのだとわかりました。管内の3つの市と町はどこも高齢化率が4割を超えていて、特に志賀町は5割近いとのことなので、救急の需要はこれからも大きいままではと思っています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 羽咋郡市広域圏事務組合消防本部は、能登半島の中ほどに位置する羽咋市・宝達志水町・志賀町を管轄する。
  • 管内人口は48,096人(3団体の合算、住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、面積は計440.35km²である(令和2年国勢調査時点)。
  • 高齢化率は羽咋市41.2%・宝達志水町40.7%・志賀町47.0%で、いずれも石川県全体の高齢化率30.9%(令和6年10月1日現在)を大きく上回る水準にある。
  • 志賀町には志賀原子力発電所が立地し、構成3市町はいずれも石川県地域防災計画が定める原子力災害対策重点区域に含まれる。

つまり羽咋郡市広域圏事務組合消防本部は、能登半島の広い管内における日常業務と、大規模地震や原子力災害への備えの両方に向き合う本部だと整理できます。

令和6年能登半島地震における管内の被害

令和6年能登半島地震では、志賀町で最大震度7、羽咋市・宝達志水町で最大震度5強を観測しました(マグニチュード7.6・令和6年1月1日発生)。志賀町の人的被害は死者7人(うち災害関連死5人)・重傷7人・軽傷97人の計111人、住家被害は全壊557棟・半壊2,422棟・一部破損4,429棟等の合計7,419棟に上ります。

羽咋市も人的被害は死者1人・負傷者7人の計8人、住家被害は計3,716棟でした(いずれも令和6年8月21日14時現在の県のまとめによる)。(出典:石川県災害対策本部 被害状況(第154報)|令和6年8月21日時点)

宝達志水町は人的被害がなく、住家被害は計1,683棟でした。管内3市町の中では、原子力発電所が立地する志賀町の被害が最も大きくなっています。

志賀原子力発電所と原子力災害対策重点区域

志賀町には志賀原子力発電所が立地し、敷地面積は約160万m²、1号機は電気出力54万kW、2号機は電気出力135.8万kWです。(参考:志賀原子力発電所について|志賀町公式サイト)

石川県地域防災計画(原子力防災計画編)は、あらかじめ原子力災害に特有の対策を講じておく範囲を原子力災害対策重点区域と呼び、これをPAZとUPZの2つで構成すると定めています。

このうちPAZ(予防的防護措置を準備する区域)は発電所からおおむね5km圏で、志賀地域では志賀町の1町だけがPAZに該当し、圏内人口は4,145人です。

UPZ(同計画の表記では「緊急防護措置を準備する区域」)はおおむね5〜30km圏を指し、石川県内の8市町に富山県氷見市を加えた5市4町が該当して、圏内人口は合計159,402人にのぼります(PAZ・UPZの圏内人口はいずれも平成26年9月1日現在)。

この層別に当てはめると、志賀町はPAZとUPZの両方にかかる立地町、羽咋市と宝達志水町はUPZのみで、構成3市町はすべて重点区域の中にあります。(出典:石川県地域防災計画(原子力防災計画編)|消防庁)

震災対応に加え、避難計画の整備まで視野に入れた原子力災害への備えが求められる管轄特性は、この本部を理解するうえで欠かせない事実です。石川県は避難経路の複線化を柱とした避難計画の見直しを進めています。

羽咋郡市の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を重ねると、羽咋郡市広域圏事務組合消防本部が今向き合っている課題がはっきりしてきます。面接で管内の課題を問われたときの足場になるのが、次の4つです。

救急需要への対応

令和6年中、全国の救急自動車による出動は771万8,380件(前年比1.0%増)となり、昭和38年に統計を取り始めてから最も多い水準を記録しました。(出典:令和7年版 救急・救助の現況|令和6年中の値)

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の2,823件(令和6年中)も、この増加の流れの中にあります。

搬送された人の63.3%(令和6年中)が65歳以上という全国の姿を、構成3市町の高齢化率が軒並み4割を超える状況と重ねれば、管内ではこの傾向が一段と強く表れると考えられます。

大規模災害・原子力災害への備え

令和6年能登半島地震では志賀町が震度7を観測し、住家被害は志賀町7,419棟・羽咋市3,716棟・宝達志水町1,683棟に達しました。大規模災害への備えは、羽咋郡市広域圏事務組合消防本部にとって最も重い課題のひとつです。

こうした規模の災害には、都道府県をまたいで消防が応援に入る緊急消防援助隊の枠組みがあり、全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が登録しています。

これに加えて管内は志賀原子力発電所の原子力災害対策重点区域にも含まれており、震災対応と原子力災害への備えという2つの課題を併せ持つ管轄特性を理解しておくことは、志望動機に厚みを与えます。

予防・住宅防火

住宅火災の死者(放火自殺者等を除く)に高齢者が占める割合は、全国で74.5%にのぼり、令和5年中の実数では762人でした。(参考:住宅火災による死者の状況|令和6年版 消防白書)

管内の火災は令和6年中15件と件数こそ少ないものの、構成3市町の高齢化率が軒並み県平均を上回る以上、住宅用火災警報器の設置や高齢者世帯への働きかけは今後も欠かせません。

火災を減らす仕事は、消火の現場だけで完結しないという理解は、面接での説明を支えてくれます。

人材確保と女性消防吏員の活躍

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の消防吏員113人のうち女性は3人で、割合はおよそ2.7%です。

全国平均の約3.8%(消防吏員168,230人中女性6,386人・令和7年4月1日現在)をやや下回り、国が掲げる「令和8年度当初までに5%」という目標にはなお開きがあります。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

113人のうち3人という実数を前にすれば、誰もが働き続けられる職場をどうつくるかという問いは、これから採用される受験者自身にも向けられていることがわかります。

重点方針|組合が掲げる「目指すべき職員像」

羽咋郡市広域圏事務組合は、平成19年9月策定・平成23年8月改訂の人材育成基本方針で、「目指すべき職員像」として《住民志向》《成長志向》《積極志向》の3つを掲げ、これを人事評価基準としても活用するとしています。消防に特化した運営方針は本記事作成時点で確認できませんでしたが(当研究会調べ)、この3つの職員像は消防吏員にも共通して求められる考え方だといえます。

目指すべき職員像の中身

《住民志向》は住民の視点に立って考え、行動し、期待に応える職員、《成長志向》は自らの能力を高め、部下・後輩を育成し、組織力を向上させる職員、《積極志向》は自らの課題を着実に遂行するとともに法令を遵守しつつ積極的に新たな課題に取り組み、使命の完遂を目指す職員、とそれぞれ説明されています。(出典:羽咋郡市広域圏事務組合人材育成基本方針)

組合はこの3つを「職員全体の目標」と位置づけており、消防職員として働くうえでも軸になる考え方です。

震災対応と共同運用によるサービス強化

令和7年4月には、七尾鹿島消防本部内の能登中部消防指令センターで羽咋郡市管内の119番通報を受信する指令業務の共同運用が始まりました。同年10月にはマイナ救急、令和8年2月には全国統一の救急相談ダイヤル#7119の運用も始まっており、限られた職員体制の中でサービスの質を高める取り組みが進んでいます。

地域防災力という観点では、志賀町消防団の土田分団が令和8年の石川県消防操法大会で優勝し、同年10月に東京都で開催される全国消防操法大会に石川県代表として出場する予定であることも押さえておきたい事実です。

常備消防と消防団が支え合う体制は、管内の防災力を考えるうえで欠かせない視点になります。

POINT|3つの職員像を「自分の言葉」で語れるようにする

《住民志向》《成長志向》《積極志向》という言葉をそのまま覚えるだけでは、面接での深掘りに対応できません。自分のこれまでの経験の中から、それぞれの職員像に近い行動を1つずつ思い出し、具体的なエピソードとセットで説明できるように準備しておきましょう。

悪い例「組合の職員像に共感したので、消防官になりたいです」

改善例「採用されたら、まずは現場で使える基礎の技術と体力を身につけたいと思っています。そのうえで、管内は救急出動が火災の190倍近くに上ると知りましたので、住民の方の側に立って話を聞ける消防吏員になりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

組合という組織の仕組みを理解する手続き面と、管内の地域理解を深める志望動機の材料を、2点ずつまとめました。

  • 組合が公表する「組合・消防採用候補者試験」の最新の募集案内
  • 羽咋郡市広域圏事務組合・消防本部の公式サイト
  • 石川県地域防災計画(原子力防災計画編)・石川県避難計画
  • 石川県災害対策本部の被害状況資料(令和6年能登半島地震)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、羽咋郡市広域圏事務組合消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の面接の概要

ここからは、羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の面接の流れ

この本部の消防職員は、羽咋郡市広域圏事務組合が直接実施する「組合・消防採用候補者試験」で、組合事務局の職員とあわせて一括で募集されます。

募集は毎年実施されるとは限らず、直近の募集は受付期間を終えて案内の掲載が終了しています。

項目内容
実施主体羽咋郡市広域圏事務組合(消防職員と組合事務局職員を一括で募集する「組合・消防採用候補者試験」)
試験の段階第1次・第2次の2段階選抜で実施された年度がある。具体的な試験構成・配点・科目は募集期間終了に伴い本記事作成時点では確認できず
面接の種類受験案内での公表は確認できず。最新の募集案内でご確認ください
申込方法持参または簡易書留による郵送(募集期間中のみ受付)

上記は羽咋郡市広域圏事務組合が公表する情報にもとづきます。募集は毎年実施されるとは限らず、募集期間の終了とともに詳しい試験構成の案内も公開が終了します。受験を希望する場合は、組合の公式サイトで最新の募集案内をご確認ください。

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部が求める人材

羽咋郡市広域圏事務組合は、人材育成基本方針で「目指すべき職員像」として《住民志向》《成長志向》《積極志向》の3つを公表しており、これを人事評価基準としても活用しています。消防職員を志望する場合も、この3つの職員像に照らして自己PRを組み立てるのが最も筋の通った準備になります。

ここからは一般論として補いますが、複数の市町が共同で設置する組合の職員は、特定の一つの自治体ではなく組合そのものに所属することになります。

志望動機が羽咋市だけ、あるいは志賀町だけに向いていると、管内全体を受け持つ組織の一員としての姿勢が伝わりにくくなります。

3つの市町それぞれの事情を把握したうえで、どこに配属されても同じ熱量で臨めることを語れるかどうかが、この本部では効いてくると考えられます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまで、どちらから来られましたか?緊張をほぐす何気ないやり取りに、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ羽咋郡市広域圏事務組合消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と羽咋郡市を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?短所を自覚したうえで、どう補おうとしているかに人柄が表れます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生時代に打ち込んだことを教えてください取り組みの筋道。自分の選択や努力を順序立てて説明できるか
⑥ 適性・将来管内のどの署所に配属されても対応できる自信はありますか?現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7つの枠組み自体は、消防官を目指す受験者の多くが押さえてくる範囲です。ここから先、羽咋郡市広域圏事務組合消防本部を選んだ理由まで踏み込めるかどうかが、次の固有質問で試されます。

合否を分けるのは羽咋郡市広域圏事務組合消防本部に固有の質問

「同じ制服の仕事でも警察官や自衛官という選択肢がある中で、消防官を選んだ理由を教えてください」
「羽咋郡市広域圏事務組合消防本部を志望する理由を、管内の地域事情を踏まえて教えてください」

羽咋市・宝達志水町・志賀町という3つの構成団体の違いや、そこで起きた災害をどれだけ自分の言葉で説明できるかが、この2問の説得力を左右します。面接で使いやすい「羽咋郡市の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい羽咋郡市の事実答え方のヒント
想定される災害(地震)令和6年能登半島地震で志賀町は最大震度7を観測。住家被害は志賀町7,419棟・羽咋市3,716棟・宝達志水町1,683棟(詳細は第1部3章)被害の数字だけで終えず、消防団の活躍など地域の備えにまで言及する。理解の深さが伝わります
原子力災害への備え志賀町には志賀原子力発電所が立地し、構成3市町はいずれも原子力災害対策重点区域に含まれる。志賀町はPAZ・UPZの両方、羽咋市・宝達志水町はUPZのみ(詳細は第1部3章)震災リスクと並べて触れられると、管轄への理解の幅広さが伝わります
救急需要の増加令和6年中の救急出動は2,823件で火災の15件を大きく上回る。全国でも同年の救急出動は771万件を超え過去最多を更新(詳細は第1部2章・4章)構成3市町の高齢化率の違いにまで触れられると、単なる数字の紹介で終わりません
高齢化と構成3市町高齢化率は羽咋市41.2%・宝達志水町40.7%・志賀町47.0%(詳細は第1部2章・3章)3つの市町で高齢化率がどう違うかまで把握し、救急・予防への影響として自分の言葉で説明できるようにしておく
組合が掲げる職員像「目指すべき職員像」として《住民志向》《成長志向》《積極志向》の3つを公表(詳細は第1部5章)3つの職員像のどれかに近い自分の経験を、具体的なエピソードとあわせて語れるようにしておく

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

羽咋郡市広域圏事務組合は、消防職員採用の詳しい試験構成や配点までは本記事作成時点で公表していません。そのため観点は、公表されている「目指すべき職員像」と、消防官に一般的に求められる考え方を手がかりに組み立てることになります。

組合が公表しているのは、《住民志向》《成長志向》《積極志向》の3つを職員全体の目標かつ人事評価基準として位置づけているという点です。

これに加えて、公務員試験の面接全般で広く使われている考え方も参考になります。面接官が過去の具体的な行動を聞き取り、それが入庁後にも再現できる力かどうかを確かめるという評価の視点です。

組合がこの方法を採点基準として詳しく公表しているわけではありませんが、面接で人物を確かめる場面では意識しておく価値があります。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
住民志向・成長志向・積極志向組合が掲げる3つの職員像に沿った行動の事実があるかそれぞれの職員像に近い経験を1つずつ、具体的なエピソードとして用意しておく
管内全体への視点特定の1つの市や町だけでなく、構成3市町全体を理解しているか志望動機が一部の地域だけで完結していないか、自分で見直しておく
組合という組織形態への理解単独の市役所とは違う運営の仕組みを踏まえ、組織の一員として働く姿勢があるか「一人で頑張った話」より、複数の関係者と役割を分担しながら物事を進めた経験を選んで語る

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 組合が公表する最新の「組合・消防採用候補者試験」募集案内を確認し、募集の有無と申込方法(持参・簡易書留郵送)を確かめる
  2. 高校・大学等での経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、チームで動いた具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、羽咋郡市の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルする。組合が掲げる3つの職員像に沿ったエピソードを、それぞれ具体的に語れるよう仕上げる

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で羽咋郡市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、羽咋郡市広域圏事務組合消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部の想定問答集を見る

さいごに

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部は、羽咋市・宝達志水町・志賀町の1市2町が共同で設置・運営する組合の消防本部です。採用試験も組合事務局とあわせた「組合・消防採用候補者試験」として行われ、単独の市役所とは異なる仕組みで実施されます。

志賀町は令和6年能登半島地震で震度7を観測し、志賀原子力発電所の原子力災害対策重点区域にも含まれるなど、構成3市町の中でも特に重い災害リスクと向き合っています。

救急出動が火災の190倍近くに上るという数字も、この本部が向き合う仕事の中心を示しています。羽咋市・宝達志水町・志賀町という3つの構成団体は、それぞれ人口規模も高齢化の進み方も異なります。

特定の1つの町だけに視点が偏らないよう、管内全体への理解を深めながら、組合が掲げる「目指すべき職員像」に自分の経験を重ねてみてください。羽咋郡市で暮らす人々の安全を守る仕事に、皆さんが加わる日を待っています。